グラブル妄想小ネタ羅列伝   作:Par

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星晶超人って言いたくて書いたものです。
キン肉マンは、始祖達とやりあったあとですが、IFな流れ。気分は、東映まんがまつり。劇場版的なノリです。


キン肉マンVS星晶超人 空の世界で大決戦!! の巻

 

 ──これは、ある世界の地球で起きた“超人”達と呼ばれる者達と“完璧超人・始祖”と呼ばれる者達との熱く激しい歴史的戦いから少し経ってからのことである。

 正義超人の一人であり“キン肉王家、第58代キン肉大王”であるキン肉スグル──またの名を“キン肉マン”。彼とその仲間達は、先の戦いの傷を癒す日々を過ごしていたが、この時を狙う悪の超人もまた存在している。

 

「おわぁ~~~~っ!? な、なんじゃこの穴はぁ────ッ!?」

「お、王子ぃ──ッ!?」

 

 突如、キン肉マンと相棒ミートの前に開いた謎のワームホール。それは激しい吸引力で二人を飲み込んでいく。

 

「おおっ!? キン肉マンとミートが!!」

「待っていろぉ~っ! 今助ける!」

 

 その場に居合わせたテリーマン、ウォーズマンなどの仲間の超人が咄嗟に二人を助けようとした。だが彼らの腕が届くよりも先にワームホールは閉じてしまった。

 

「ダ、ダメだ! 閉じてしまった……!!」

「二人はいったい……どこへ……っ!!」

 

 残された超人、消えたキン肉マンとミート。

 

「う、うむぅ~……。一体全体私らはどこへ来てしまったのうミート……」

「ボクにもさっぱりですよ王子……」

「そ、それにしても……ヒエッ!? この高さ、落ちたらひとたまりもないのうミートよ」

「王子飛べるじゃないですか……一応」

 

 これは、この先”未来に起こる更なる戦い(オメガ・ケンタウリの六鎗客)”を知らぬキン肉マン達が自分達の世界と空の世界……それら二つを繋ぎ混乱を呼ぶ謎の超人との戦いに挑む物語である──。

 

 ■

 

 謎のワームホールによって突然異なる世界へと飛ばされたキン肉マンとその相棒ミート。彼らは島が空に浮かび人々がそこで暮らす世界で困り果てていたところ、騎空士を名乗る少女ジータとその仲間ルリアとビィに出会う。

 

「いやぁ~! 助かったわい! 右も左もわからぬ所に放り出されて困っていたんじゃ! 名乗るのが遅れたな、私はキン肉マン!」

「ボクは王子のお目付け役、ミートと言います」

「キン肉マンさんにミート君ですか」

「またなんか妙な連中だなぁ……」

 

 半裸のマスクマンに、子供のお目付け。奇妙なコンビにビィは首をひねるがルリアは、特に怪しむ様子はなかった。

 

「ともかく別の世界からか……なんか多いなそう言うの」

「なんじゃ、私達以外にもこの世界に来ておるのか?」

「ああ、色々とな。まあキン肉マンとことは、また別の世界だと思うぜ? どうもオイラ達の世界ってのは、色々呼び込んじまうみてぇでよ」

 

 互いに打ち解けたキン肉マン達は、自分達が突然この世界に連れてこられた事を話し、ジータ達もまた最近自分達の世界でも妙な事件が起きていると言う。

 

「確かに、最近オイラ達の世界でも変な事件が増えてるな」

「王子、これはボク達の世界と何か関係があるんじゃないでしょうか?」

「う~む……私にはさっぱりわからんわい」

 

 ジータとその仲間だるビィやルリアと互いの情報を交換すると、キン肉マンがこの世界に来る少し前より奇妙な襲撃事件が起きている事に気が付く。

 事件は全て“デュエリスト”と呼ばれる戦いによるショーを生業にする者が突如襲撃を受け大怪我を負わされたと言う。それも短期間のうち各地で。

 それぞれ関係のないと思われた事件は、全ての犠牲者の負傷が必ず“同じ技によって出来た負傷”であるため同一犯ではないかと疑われだしていたのだ。

 ミートはこれが自分達を呼んだ存在の仕業ではないかと考えた。ワームホールを使えば、一瞬で島から島へ移動しデュエリストを襲う事が出来るからだ。

 謎の存在と帰還の手がかりを求め、キン肉マン達はジータ達に協力を求めつつ彼女達の手助けも行いながら、次に狙われるであろうデュエリストの集まる艇“ジュエルリゾート”へ訪れた──。

 

 ■

 

「おお~~~~っ!? これは正に“リング”ではないか────っ!?」

「これが “デュエル”と呼ばれる催しだそうですよ王子」

 

 ショーと言えど真剣勝負。デュエリスト達の熱い戦いにキン肉マンとミートは、ギャラリーの熱狂に混ざり興奮しながら観戦した。

 

「見ろミート、あのファスティバと言う選手! あの角と言いまるでバッファローマンの如き気迫じゃあ~~!!」

「ドラフと言う種族の特徴だそうです。流石に“ハリケーンミキサー”はやらなそうですね。むしろ……王子と似たタイプのファイトスタイルですよ」

「う~む、これは私の超人魂にも火がつくわい!」

 

 リングの上で戦うドラフ族の“漢女”ファスティバ。彼(彼女)は、ジータの仲間でもあり、その縁でキン肉マンはファスティバと直接話す事ができた。すると二人は、直ぐに意気投合。ファスティバの提案で、この日直ぐキン肉マンはファスティバとエキシビションマッチとして一試合戦える事となった。

 興奮のままにキン肉マンは、リングへと上がる。異世界で開催される特別試合に、熱狂の歓声が上がった。

 

「ふんっ!!」

「でぇい!!」

 

 組合から始まった熱い攻防。キン肉マンの身長185cm、対してファスティバの身長202cm。ドラフ男性としては、低いとも言われるファスティバであるが十分に巨漢である。身長180オーバーのキン肉マンと言えどまともに組んでは不利であった。

 だがこのキン肉マン、伊達に数々の名立たる超人と戦ってきていない。不利な組合をさけつつ打撃でダメージを与え、確実に勝機を狙い攻め続ける。

 

(一度の組み合いでわかるぞ……! ファスティバとやら、やはり手加減して勝てる相手ではない。異世界とは言え“超人では無い”等とはとても言えん!! ……ちょっとオカマラスみたいと思って悪かったわい)

「なんと凄い攻防だぁ──ッ!! 突如開かれたこの試合、“超人”を名乗る男キン肉マン!! あのファスティバの攻撃を避けて耐えて、そればかりか確実に攻めていく~~っ!! “キン肉”の名は伊達ではないのかぁ──!?」

(キン肉マン……! すごい人だわ、これが異世界の“超人”!! けど……アタシだって負けないわよ!!)

「しかし、しかしやはりファスティバ負けていな~~~~いっ!! 超人に負けぬとばかりにこちらも攻めるぅ!! 一つ一つ愛にあふれる攻撃でキン肉マンを包み込むぅ~~っ!!」

「うぅ~~! ど、どっちを応援すればいいんでしょう……!」

「こうなりゃどっちも応援するしかねえよルリア!」

「そ、そうですねビィさん! ファスティバさーん、キン肉マンさーん!! どっちも頑張ってくださぁ~~いっ!!」

 

 闘いの中、二人の中には熱い闘志が漲り燃え盛った。その闘志の炎は、実況も熱くさせ大いに会場を盛り上げていく。

 

「ふんふん、せえぇぇ────イッ!!」

「ここでファスティバ、チョップと拳の連打の猛攻っ!! これはキン肉マンも防戦一方かあ~~~~っ!!」

「はわわ!? キン肉マンさん大丈夫でしょうか……」

「大丈夫ですよルリアさん。見てください」

 

 ファスティバ巨体を生かしたパワーあふれる猛打、猛攻。その光景にキン肉マンを心配するルリアだったが、ミートは焦る様子を見せずキン肉マンを指さした。

 

「お、おい……!! キン肉マンの奴!!」

「こ、これは何という事だ────っ!? キン肉マン、あの猛攻を受け微動だにせず耐え続けているぅ────ッ!?」

 

 ビィが驚き、実況もまた驚愕の声を上げた。普通のデュエリストなら膝をつき、ダウンさえしそうなファスティバの猛攻を前にキン肉マンは、両腕で顔を隠す防御態勢で耐えているのだ。

 一見すればただの“ピーカブースタイル”。だがキン肉マンの使うそれは──。

 

「あれは、“肉のカーテン”。キン肉一族に伝わる伝承を元に、先々代大王であるキン肉タツノリ様が編み出した防御法です!」

「肉のカーテン!?」

 

 キン肉マンの得意な防御スタイル。この肉のカーテンで彼は、なんども苦しい戦いを耐えて勝ち抜いた。

 これにはファスティバの方が参ってしまい、攻撃の連打が止んでいく。

 

「キン肉マン!! 肉のカーテンなる防御法でファスティバの猛攻を耐え抜いたぁ────ッ!?」

「な、なんて防御なの!? 上半身だけじゃなく、下半身にもダメージが入らないわ!?」

「鉄壁防御の肉のカーテン! そう易々と敗れんわい!!」

「そのようね。けど……っ!!」

 

 連打をやめたファスティバは──。

 

「どっせええぇぇ────いいっ!!」

「おわあぁ────ッ!?」

 

 ガードしたままのキン肉マンに向かい、渾身の力を込めたラリアットをぶつけた。その勢いとパワーは、肉のカーテンを解いていないキン肉マンをロープまで吹き飛ばしたのだ。

 

「ああ!? 肉のカーテンの状態の王子を!? なんてパワーだ!!」

「け、けどあの防御ってよう、パンチとかの打撃はともかく押されたり投げられたりには、実際のところ無防備じゃねえのか?」

「い、いえ……。肉のカーテンは、その実ただのガードではなく、相手の攻撃エネルギーを吸収、体の硬化などキン肉一族の王子だからこそ発揮する力があります。並みの力ではああも容易く吹き飛ばされたりしません……」

 

 ファスティバの“カーテン破り”にミートも驚きを隠せずにいた。そしてファスティバは、その勢いのまま必殺技へと移っていた。コーナーポストに上がり、さらにそこから跳躍。ロープに弾かれ戻ってきたキン肉マンへ向かっていく。

 

「行くわよ!! これがアタシのフェイバリット──」

「来た────っ! ここで愛の一撃ィ────ッ!!」

「ラアアァァ──ブッ!! サーブ・ボンバアアァァ────ッ!!」

「ぐおわああぁぁ~~っ!?」

 

 強烈な飛び蹴り。ドラフの体躯から繰り出されるコーナー最上段からの片足ミサイルキックは、肉のカーテンを解いたキン肉マンに見事直撃。またも吹き飛ぶキン肉マンは、そのままリングへと叩きつけられた。

 

「決まったアア~~~~っ!! これは綺麗に入ったぁ──!!」

 

 歓声が上がった。誰もがファスティバの勝利を疑わなかった。

 

「ダウン、ダウ~~ン!! これはもうキン肉マン立てな……い、いや!?」

 

 リングにダウンしたキン肉マン。直ぐにもレフェリーがファスティバの勝利を告げると思われた。しかし、会場で聞こえたのはその判定を告げるの声ではなく、驚いた実況と観客のざわめきであった。

 

「グ、ムムゥ~……! きょ、強烈な技だわい……」

「なんと……キン肉マン立ち上がったああぁぁ~~~~っ!? あ、あのファスティバのフェイバリットを受け、立ち上がった者がかつていたでしょうかぁ~~っ!?」

 

 キン肉マンは立ち上がった。なお闘志を宿した瞳は、まっすぐにファスティバを見ている。

 

「さあ……次はこちらの番だぁ──!!」

 

 次に仕掛けたのはキン肉マンだった。強烈な必殺技を食らったにもかかわらず、素早くファスティバへと向かい突進。ぶつかり合うと同時にファスティバを突進の勢いで持ちあげる。そしてそのままブレーンバスターに似た体勢へと持っていき、ファスティバの両足をつかみ固定。

 

「今度は私のフェイバリット!! うおおぉぉ────ッ!!」

「これはあ────ッ!? キン肉マン、なんとファスティバを肩にかかえそのまま高く飛び上がるうう~~~~っ!!」

 

 超人ゆえの跳躍力。巨漢ファスティバをつかみ抱えてなお飛び上がったキン肉マンは、そのままリングへと降下を始める。

 

「必殺っ!! キン肉バスタアアアアァァァァァ────ッ!!!!」

「ぐ、ぐふぅ……っ!?」

 

 キン肉マンがリングに落ちた瞬間、正に、文字通り激しい衝撃が会場に走った。

 キン肉バスター、相手を叩きつけるような技に見え、実際はその関節をも痛めつけるキン肉マン“48の殺人技”の一つである。

 キン肉マンが両手を離せば、ファスティバがそのままリングへと落ちダウン。会場が静まりかえった。だがそれは悲壮感のないものだ。誰もがファスティバを信じ待っているのだ。そして、それはキン肉マンも──。

 

「……ぐ、ぐぅ!! ほ、本当に……凄いわね。キン肉マンさんって!!」

「おおっ!!」

 

 ファスティバが立ち上がった。その瞬間大きな歓声が上がる。

 

「立った、立ちましたああ!! やはり、やはり我らのファスティバ強い!! 凄いタフネス!! キン肉マンの強力な必殺技を見事耐えましたああ~~~~っ!!」

「ははは……! 凄いのはおぬしの方だファスティバ。すごい、本当に凄い。キン肉バスターを耐えるどころか、まだ余裕があると見える」

「やあね、アナタだって。アタシの技を耐えたくせに余裕そうじゃない」

「馬鹿言っちゃ困る! 私はもうヘロヘロだわい!!」

 

 互いに余裕を感じさせるままに構え向かい合う。

 ──が、ここでタイムアップ。

 

「あ~~っと! ここで時間です。タイムアップ!!」

「む?」

「あら残念……」

「両者向かい合いまたも激しい攻防が始まると思われましたが、結果は“引き分け”となります」

 

 引き分け、その結果に会場の観客は残念なようなホッとしたような様子だった。

 急遽行われたエキシビションマッチゆえ、この試合は通常より時間は短めであり延長もないのだ。

 

「いやはや、おぬしと言いジータ達と言い空の世界の住人……下手な超人以上と言う他ないわい!!」

「アタシも異世界の超人さんと試合が出来て楽しかったわ! 次は是非エキシビションマッチじゃない正真正銘、勝つか負けるかの真剣勝負でね!」

「それは私も望むところっ!!」

 

 二人は熱い握手を交わした。そこには、短い時間であっても確かに芽生えた“友情”があった。単なるエキシビションマッチとは思えぬ試合に、ルリア達も観客達も二人を称える歓声を上げたのだった。

 

「──セハハァ~~!! なるほど……キン肉マン。思った通りの男よのぉ~~」

 

 そんなキン肉マン達を見る不穏な視線、それに気付くことなく──。

 

 ■

 

「そういや今更だけどさ、キン肉マン」

「ん? なんじゃビィよ」

「おめえミートに王子って呼ばれてるけど、あれどういう意味だ?」

「どう言う意味もなにも、私が王子だからだが?」

「……うっそでぇ~~~~っ」

「ほ、本当じゃい!!」

 

 旅の中、他愛のない会話も異世界の人間同士では面白いもの。ビィは暫く聞きそびれていた事をキン肉マンに聞いてみていた。

 

「だっておめえ、ここぞじゃ強いかもしれねえけど……基本情けないし、バカっぽいし“王子”って柄じゃねえぜ?」

「ひ、ひどい言いようではないかビィ……」

「ビ、ビィさん失礼ですよ!? 確かにキン肉マンさんは、おっちょこちょいだったり、頼りない事もありますけど、とっても優しいじゃないですか!」

「ル、ルリアちゃん? あんまフォローになっとらんのだが……」

「え? ……あれ?」

「あちゃ~~~~」

 

 散々な言われようのキン肉マンを見たミートは、呆れたように頭を抱えた。

 

「ええとですね。確かに王子は普段こうですが」

「こうですが、ってミートまで……」

「事実、王子は我々の世界にあるキン肉星のキン肉族の正式な王位継承者です」

「う~ん、ミートが言うなら本当ってことか」

「ビィ? おぬしほんと遠慮ないのう……」

「もっと正確に言うと、キン肉王家の58代目大王になりますね」

「だ、だだだだ大王さんなんですかっ!?」

「そのとぉ~~り!! 私キン肉スグル、キン肉大王なのです!!」

「……みえねぇ~~~~!」

「だから本当じゃってば!! ビィ君てばもぉ~~!!」

 

 ──また時に、異世界の料理の話に花咲くこともある。

 

「そう言えば、この世界では“米料理”があまり無いようじゃのう」

「お米、料理ですか……?」

 

 “むしゃむしゃ”と食堂で食事を楽しんでいる時、パンを手にキン肉マンがふと呟いた。

 

「別に普通にあるぜ?」

「いや、まあ確かに無いとは言わんが」

「ボク達の住む国は、お米が主食なんです。だからどうしても王子は、それが恋しくなるんですよ」

「うむ、何よりも“牛丼”だ!!」

「牛丼?」

「何を隠そう私キン肉マン!! 全日本牛丼愛好会会長であるのであ~~るっ!! あ、牛丼一筋、三百ね~ん!!」

 

 どこから取り出したのか、丼を両手にもって踊りを踊るキン肉マン。それを無視してビィ達は話を続けた。

 

「牛肉と玉ねぎ、それを醤油や砂糖で甘辛く煮込んだものをご飯に乗せる。それが牛丼ですよ」

「な、なんか聞くだけで美味しそうだな……」

「はい……食べてみたいですぅ」

「似た材料があれば作れますし、今度試しに作ってみましょうか?」

「いいな! 異世界の料理ってのも気になるぜ!!」

「……あら? ミート、ビィ、なにか話がまとまったのか?」

「もう、王子が話し出したんでしょ……!!」

 

 踊り終わってふとビィ達の会話に気が付き話に置いてきぼりのキン肉マンは、キョトンとしていたのだった。

 

 ■

 

 空の世界の住民と交流を深めつつ、謎の存在と事件の真相を探るキン肉マン達は、デュエリストの間で“戦いの神”として信仰されるある星晶獣の存在を知る。その星晶獣に伝わる話が、まるで超人のようであると気づいた彼らは、それが祀られる地へと向かった。

 だがそこで待ち構えていたかのように顕現し現れた星晶獣は、驚愕の事実を彼らに教えた──。

 

「セハハハハ────ッ!! 待って居たぞキン肉マンよ~~~~!!」

「な、なんと私の名を!?」

 

 戦いの神と呼ばれた星晶獣の姿を残したと言う石像。それが突如弾け砕けたかと思うと、その中より正に石像とうり二つの星晶獣が現れたのだ。

 

「キン肉マン、始祖達と無量大数軍と戦った貴様ならば知っているだろう! かつて古代の時代、かの神々によって滅ぼされた超人達のことを────っ!! 私はその際偶然にも開いたワームホールにより、覇空戦争時代のこの空へ飛ばされた超人なのだ~~~~っ!!」

「そ、そうか……! ザ・マンが始祖達を助けた時、そのために天と地の狭間に特殊な次元が作られたと聞きました……! その空間が開いた影響でこの世界に通じるワームホールが偶然開いたんだ!」

「だ、だがミートよ! それはおかしいではないか~~!? 団長達にも聞いたがその、“歯くせー戦争”とやらは、数百年前!! 奴がいたのが始祖と同じ時代ならば、ようわからんが私達の世界と時間の流れがまったく合わんのではないか!?」

「いえ、世界を超えると言うのは予想外の事が起きます。まして偶発的なものでは、大きな時間のズレが生まれても不思議ではありません!」

「そ、そう言うものかのう……?」

「予想でしかありませんが……。あと王子、“歯くせー”でなく“覇空”ですよ」

「セハァ~! その通りだ~~アリキサンドリア・ミートよ──!! 流石キン肉マンのお目付け。その頭脳は伊達では無いな~~」

「ボクの名前まで!?」

 

 太古より生きる謎の超人。彼が完璧超人の始祖達を知っているのも不思議であったが、こちらの世界に移動しにキン肉マンとミートの事までよく知っている様子にミートは驚きを隠せずにいた。

 

「あ、あなたはいったい? 始祖達ばかりかボク達までも知っているなんて……この世界にいたと言う貴方がどうして……!」

「セハハハ……ッ!! あの時、覇空戦争と呼ばれる戦乱の時代に飛ばされた私は、超人と言う異界の種族に目を付けた星の民により……無理やりこの身を星晶獣へと変えられたのだ~~~~!! 散々望まぬ戦争に繰り出されもしたさ……! だがそのお陰で私は今この時代にまで存在し力を高め……やっと元の世界へと干渉し物質の移動が出来るようになった!! 故に元の世界の出来事を覗き見るも容易!! 貴様達をこの世界に呼んだのは、私自身の世界移動のための実験にすぎ────んっ!」

「じゃ、じゃあ……デュエリストさん達の襲撃事件は……!」

「永き眠りより覚め、久方ぶりに顕現した我のウォーミングアップのようなものよ!」

「やいやい! そんな事までして、おめえの目的ってのはなんなんでい!」

 

 ビィの問いに超人は、高笑いを上げた。

 

「セーッハッハッハ……ッ!! 知れたことよ……今こそ私は元の世界へと戻り、かつての超人大絶滅を起こした神々への復讐を行う!!」

「ふ、復讐!?」

「左様!! あの忌まわしきカピラリアの光により滅びた我が同胞達の無念のためにっ!! それこそが、超人を超え神の如き星晶獣となった私の……“星晶超人”である私の使命なのだ────っ!!」

「ゲェ────ッ!! 星晶獣の超人……!?」

 

 かつて世界を超えた超人は、星晶獣となり長き時の中で復讐に取りつかれていた。

 

「……言われたように私もかつての神、ザ・マンその人や始祖達からその事を聞いている。だがあなたのやり方は──」

「間違っていると言うのか~~~~!? 同胞を全て滅ぼされ、見知らぬ世界へ飛ばされ、たった一人生き残った私に対して────ッ!!」

「そうだ、“間違っている”!!」

 

 キン肉マンは、星晶超人の祀られる祭壇であり神聖なるリングでもある場所へ飛び乗り叫んだ。

 

「私はあなたのやろうとしている事に、どんな理由があろうと“間違っている”と言わねばならない!!」 

「ふんっ!! 若造が吠えよる!! ……だが、邪魔をされるのも煩わしい。貴様を我が復讐のため、ウォーミングアップの仕上げの相手にしてやろうか?」

「受けて立つ。あなたの行いの先、新たな戦いによる悲劇が生まれるのならば止めるのみ!!」

「……やはり、正義超人よ!! であるならば──」

 

 リングへと立つ星晶超人。二人の超人は、今空の世界のリングにて対峙した。

 

「最早言葉は不要よなあ!!」

 

 出るか、必殺キン肉バスター!! 

 

「頑張れよ──!! キン肉マ──ンッ!!」

「負けないでください……!!」

「アタシ達もついてるわよっ!!」

 

 燃えろ、火事場のクソ力!! 

 

「──へのつっぱりはいらんですよ!!」

 

 戦え、炎のキン肉マン!! 

 




始祖編後のキン肉マンでやりたかったので、他の超人の出番が難しい。グ、グム~~。
普通ならテリーとかロビンなんだけど、テリーは現状戦えんし、始祖編直後ではロビンはね。
まんがまつりの映画のノリなら、ザコ敵が出るしウォーズマンとかに「ここは任せろキン肉マン!!」とか言ってもらい無双ゲームさせたい。
きっとウォーズマンは、闇属性。これぞウォーズ・レッグ・ブリーカーでござーい!

星晶超人は、ティターンと友達だと思う。ティターンが星晶超人の復讐を諫めつつも「こーいう時は、俺も呼べ」とか言ってそのままセコンドにつく。
星晶獣にも友情はあるんだーっ!!

テンポ優先で削ったが、“へのつっぱり”には、ルリアに反応してほしい。
「はわっ!? 言葉の意味は分からないけど、とにかくすごい自信です……!?」


SSR【奇跡の逆転ファイター】キン肉マン 炎属性

奥義【キン肉バスター】炎属性ダメージ(特大)/次の奥義がマッスルスパークになる/奥義ゲージが最大200%になる
──【キン肉バスター】使用後、奥義ゲージ199%以下で奥義発動の場合。
奥義【マッスルスパーク”天”】炎属性ダメージ(特大)/次の奥義がキン肉バスターになる/奥義ゲージが最大100%になる
──【キン肉バスター】使用後、奥義ゲージ200%(MAX)で奥義発動の場合。
奥義【完璧マッスルスパーク】炎属性ダメージ(極大)/奥義ゲージ200%消費/次の奥義がキン肉バスターになる/奥義ゲージが最大100%になる


アビリティ
【キン肉ドライバー】敵に2~9倍炎属性ダメージ/火事場のクソ力時極稀に29倍炎属性ダメージ
【肉のカーテン】2ターンの間攻撃行動を行わないかわり防御力大幅UP/ガッツ効果/ガード効果/敵対心大幅UP
【超人絞殺刑】敵に炎属性ダメージ/攻防DOWN(累積)


サポート
【火事場のクソ力】体力が29%以下となると一部アビリティの効果UP/攻防大幅UP/連続攻撃確立UP/クリティカル率UP/奥義ダメージUP/奥義ダメージ上限UP
【友情パワー】キン肉マンの体力が高いほどバトルメンバーの防御UP/キン肉マン体力が低いほどバトルメンバーの回復アビリティの回復量と効果UP

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