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グランブルーファンタジー 蒼穹黄金鉄塊
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ファータ・グランデ空域、ザンクティンゼル。その島は、小さな村があるだけのこれまた小さな島。
自然の中で暮らす穏やかな島には、一人の少女と子ドラゴンがいた。
「行くよビィ! 早く!」
「待てってジータ!」
小さな頃から共に過ごした二人は、村のそばにある森の中を駆けた。何時もの様に鍛錬に励んでいた彼女は見たのだ。森の中に落ちていく“なにか”を。
好奇心を抑えきれない彼女は、ただ一匹ビィだけを伴い森を走る。
そしてあの“なにか”が落ちた場所へたどり着き目当てのものを探した。遠目では人間のようにも見えたそれは、果たしてどこに──。
「おいジータ、あれ」
「え?」
ビィが指差し叫ぶ。ジータも同じ方向を見た。そこには、大樹に背を預け気を失っている一人の男がいた。
咄嗟にジータは駆け寄り声をかけた。息はあった。見たところ怪我もない。
褐色の肌の男は、白銀の髪を静かに揺らし眠るように目を閉じていた。来ている白の鎧から、騎士の様に見える。
──だとして、何故そんな男がここ?
ジータが疑問を感じていると突然男の目が開いた。
「うう・・・?」
「あ、意識が……大丈夫ですか?」
「・・・な」
「な?」
「・・・何いきなり話かけて来てるわけ?」
「へ?」
それがジータとビィの、そして空から墜ちた“黄金の鉄の塊でできたナイト”──ブロントさんとの出会いであった。
この出会いから始まる長い長い大冒険──蒼穹の特異点ジータ、黄金の鉄の塊でできたナイトブロントさん。二人の行く先には、常に大騒動が巻き起こる。
ブロントさんとの出会いから少し経ち、蒼の少女ルリアとカタリナとの出会い──。
「そこの小娘といい邪魔ばかり! いい加減大人しくその少女をこちらに渡してほしいものですネェ!」
「その提案はどちらかというと大反対だな」
「なぁにい~っ!?」
「お前ら勝手に平気に兵器あつかいされる奴の気持ち考えたことありますか? マジでぶん殴りたくなるほどむかつくんで止めてもらえませんかねえ・・?」
「こ、このとんがり耳が……我らエルステ帝国に逆らうとでも!?」
「第三者の中立的立場から客観的な意見を言ってるだけなんだが・・・?」
「君よすんだ!? それ以上ポンメルン大尉を挑発しては……っ!」
「大丈夫! ブロントさんは強いんだよ!」
「なんてたってオイラ達のメイン盾だからな!」
「メ、メイン……盾?」
時にエルステ帝国の兵達をジータと共に返り討ちにし──。
「ポート・ブリーズはお終いさ! ティアマトは暴走し住民ごと島は沈む!!」
「てめえ……なんてことをっ!?」
「あははっ! 残念だったねぇ~! 脱出艇もなくなって君たちはゲームオーバーってわけ──」
「メガトンパンチ!!」
「ぶえっ!?」
「ブ、ブロントさん!?」
「普段は確かに心優しく言葉使いも良いナイトでもおまえらのあまりのごく悪鰤に完全な怒りとなった・・・仏の顔を三度までという名セリフを知らないのかよ」
「ブロント、お前……」
「さんをつけろよでこすけ野郎!」
「えっ!? わ、わりぃ……!」
ポート・ブリーズで帝国の悪事を砕き、ジータにでこすけ呼ばわりされたラカムを仲間に──。
その後もイオ、オイゲン、ロゼッタと頼もしい仲間達を得たジータとブロントさん一行。険しい旅も仲間と共に乗り越えて行く。
そしてその仲間に危機が迫れば躊躇う事無く助けにいく。だからこそナイト。
「ジータ、ルリア……それにヴィーラのために私は……」
「お前それで良いのか?」
「だが!」
「俺の程でないがカタりナもそれなりなナイトと思っていたんだが? その浅はかさは愚かしい。自己満の塊な今のお前はナイトじゃにい。守るべきもの守ってこそがナイト」
「ブロントさん……」
「・・・ルリアが待ってるんだが?」
その心こそが、黄金の鉄の塊。
「いい加減にあきらめなさいっ!! お姉さまは誰にも渡さないっ!!」
「おいィ? お前らは今の言葉聞こえたか?」
「いいえ、聞こえませんっ!」
「なにか言ったの?」
「オイラのログにはなにもないな」
「ほらみろこれが現実。ナイト以前に人としてお前のやり方は大失敗だったんだが?」
「なにをっ!?」
「お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」
「お前……っ!? お前がお姉さまをたぶらかさなければ……お前があぁ!!」
幾多の苦難を乗り越えて、ブロントさんは旅を続ける。ジータ達を星の島へ導き、いつかは元の世界に戻るため。
その時が来るまで、彼は空の世界で有頂天になる。仲間達を守るため──。
「おれの怒りが有頂天になった」
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グランブルーファンタジー 蒼穹黄金鉄塊Ⅱ
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異世界より現れた騎士ナイトブロントさん。今日も今日とて騎空団のヌードメーカーとして、ジータとその仲間達と共に空の果て、星の島イスタルシアを目指す──。
「いやぁ、ヴィーラさんは強敵だったね」
「けど流石はブロントさんだぜ! あんな状態のヴィーラの攻撃よく耐え続けたよな!!」
「ナイトが強いのは当然に決まっている。黄金の鉄の塊で出来ているナイトがヤンデレのヒステリックに遅れをとるはずはにい。ヴぃーらのやつは、ヤンデレの暴走で危うく危なかったが最後は「私は正気に戻った」と無事終了」
「相変わらず分かりにくいんだか分かりやすいだかわからん口調だなブロント」
「さんをつけろよでこすけ野郎!!」
「だぁ! 悪かったって!?」
アルビオンでは暴走したヴィーラを倒し正気に戻したブロントさんとジータ。そしてジータにでこすけ呼ばわりされるラカム。
彼等はその後も多くの島々をめぐり、今回ジータ達が訪れたのは……。
「ごくり……こ、ここが噂の島か……」
古戦場と呼ばれる戦いの地。魔物と星晶獣との決戦が行われる激闘の島。
この地で定期的に表れる星晶獣達、活発化する魔物、それらを相手に自分達の実力を試そうとジータ達はここを訪れたのだ。
魔物のいない上陸地点、そこからもわかる戦いの空気にビィとルリアは、武者震いで震えた。
「来たばかりだけど、ピリピリした雰囲気がよくわかるぜ……」
「は、はい……私も緊張します……」
「確かに緊張する……けど大丈夫!! あたしも頑張るし、メイン盾のブロントさんだっているんだからね!!」
「あとでジュースを奢ってやろう」
「9杯でいいよ」
「多い多い多い」
ワザとなのか天然なのかわからにいブロントさんとジータの会話にビィがツッコミを入れたりしていると……。
「あっれぇ~! やあやあ、久しぶり団長ちゃん達~!」
「あ! ドランクさんとスツルムさんっ!?」
「まただよ(笑)」
そこに現れたのは、黒騎士の雇われ傭兵であるコンビ、スツルムとドランクと遭遇。これまでも何度か戦ったこともある二人。驚くジータ達、思わずブロントさんもあきれ顔。だがこの時は……?
「帝国の奴らがなんでここにいんだよっ!!」
「こっちも色々と事情がある……。安心しろ、今日はそっちの邪魔はしない」
「ほ、本当かよ?」
「嘘を言ってどうする。第一この島でその男ブロントさん相手に行き成り戦い挑むほど馬鹿じゃない」
「ほう、経験が生きたな。お前の見込みは、なかなかある。俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ」
「どう言う意味だ……。それに、こっちも面倒な人間を拾って──」
スツルムが疲れた様子を見せた時、物影よりジータ達には聞きなれぬ男の声がする。
「まさかここで会うとはなあ、ブロントォ……!」
「何いきなり話かけて来てるわけ?」
物影から現れた一人の忍。黒の目線で顔の隠れた如何にも怪しく、物影から現れたはいいが白昼堂々忍んでない男。
「顔も見ずにその返事とは、相変わらずだなブロントよぉ!」
「さんをつけろよでこすけ野郎!!」
「って、ここでもそれ言われんのかよっ!?」
ブロントさんと浅からぬ因縁を感じさせ、ジータにでこすけ呼ばわりされる男の名は、通称“汚い忍者”。ブロントさんと同じ世界から現れた男で、ブロントさんに勝るとも劣らない実力があるようでないような男。
「僕らもちょっと腕試しってところでさ。こちらの汚にーさんの実力も知りたくてね」
「ドランク今イントネーションおかしかったなぁおいっ!?」
「少し前に拾ってな。腕も悪くないようだから色々こき使ってやってるんだ」
「人を犬猫みてぇに言うなスツルムッ!?」
空の世界で奇妙な再開をした騎士ナイトと忍にんじゃ。なんの因果か彼らは、この古戦場でまたも因縁ある相手と戦う事となる。
「異世界でもベヒーモスとはな……はんっ!! だが今更負けるわけネェ!!」
「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」
「そっちこそうるせえっての!!」
古戦場に現れる強大な魔物ベヒーモス。それを倒していくジータ達であったが……。
「な、なんだぁこのベヒーモスッ!? 明らかに他とちげぇぞ!?」
「まるで、星晶獣……けど、なにか違います!!」
「つーか、こいつぁ!?」
「キングベヒんもス・・・!!」
戦い方も信念も違い、相性も悪い二人。だがただ一つ仲間を守ると言う共通の使命を持つ。その思いさえあれば、水と油さえ混ざる。
「異世界でもキングベヒーモスとはな……はんっ!! だが今更負けるわけネェ!!」
「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」
「だからそっちこそうるせえっての!! 忍者が一人、忍者が二人・・・ファイナル分身!」
古戦場にて盾の座と仲間を護るため、騎士が駆け忍が舞う──。
「・・汚いなさすが忍者きたない」
「汚いは・・・褒め言葉だ」
「コラボで出番があるのは、確定的に明らか」