新世紀武闘伝エヴァンゲリオン!!   作:紅乃 晴@小説アカ

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第二話「炸裂!お前が心の壁なら僕は輝く指先だ!」

 

 

第三東京市。夜の摩天楼の中で、激しい拳のぶつかり合いがあった!!

 

使徒、サキエルと対峙する人造人間エヴァンゲリオン初号機。二体の巨人は高層ビルの中を飛び交い、拳を繰り出し、種と種の存亡をかけた激闘を繰り広げていく。

 

それこそ、後に語り継がれる戦い「エバーファイト」の幕開けであった!!

 

 

「鳴り響いたな!!種と種の頂点を極める戦い…エバーファイトのゴングがよぉ!」

 

 

ぎょろぎょろと仮面のような顔を蠢かせながら、サキエルは着地した初号機を舐めるような目で睨みつけた。使徒とエヴァンゲリオンでは肉体的なポテンシャルが違う。人の側から抜け出せれないエバーを、サキエルは完全に下に見ていたのだ。

 

 

「サードチルドレンのファイターさんヨォ…こいつはお礼をしなきゃならねぇよな!!この腕でよ!!」

 

 

黒く歪な爪が備わった腕を振り上げる。それはずるりと伸びるとまるで鞭のようにしなったのだ!!一閃がシンジに襲いかかるが、その一撃をギリギリのところで避ける。

 

避けた先にあったビルは、その強靭な一撃の元粉々に砕け散ったのだ!!

 

 

「伸びる!?」

 

「食らいやがれ!銀色の腕ぇ!!」

 

 

慣性のまま引き戻った腕を再び振るうサキエル!!その一閃は初号機へと襲い掛かった!!

 

 

「てぇりゃああああ!!」

 

 

シンジは咄嗟に腕を十字に構えてサキエルの〝銀色の腕〟を受け止める。バチバチと火花を散らして装甲が削り取られてゆくが、シンジの咆哮と共にサキエルの伸びた腕は弾き飛ばされた!

 

 

「ほぉ、さすがはエバーファイターに選ばれただけのことはある。しかしなぁ!!こいつを見てもらおうか!!」

 

 

そういうと、サキエルはもう片方の手を初号機にかざした。3本爪の一つをあげるとその手の中には一人の少女が捕らわれていた。

 

 

「子供だと!?」

 

 

オペレーターの青葉が望遠モニターでその少女の姿を司令部に映し出した。ミサトは指示を出すのも忘れて呆然と見つめ、リツコはタバコを逆さにしたまま火をつけようとしていた。

 

 

「このガキを返して欲しければ下手な真似はしたいことだな!!」

 

 

サキエルが子供を人質に初号機へと再び腕を振おうとしたが、シンジの方が何倍も早かった!目にも止まらぬ速さで跳躍し、一瞬で腕を伸ばしたサキエルの懐中に飛び込む!

 

 

「なっ…きさまぁっ!!」

 

「プログレッシブ…ナァァアイフ!!」

 

 

初号機は肩から迫り出したナイフを掴むと、そのまま一気に振るう!瞬時に、女の子を掴んだ腕が切り落とされ、宙を舞った!

 

 

「子供が!!」

 

 

緩んだサキエルの手から女の子が宙に放り出される。そのまま落ちて仕舞えば死は免れない。シンジは躊躇うことなく、女の子を助けるために動いた!それがたとえ、腕を切り落とされ痛みに悶えるサキエルに背を向けることになっても!

 

 

「バカが!!俺様のビームで粉々にしてやる!!」

 

 

パッとサキエルの目が光り輝いた刹那、超高密度のビームが放たれ女の子を助けようとした初号機に命中した。ビームの余波で周辺のビルが倒壊し、あたりは土煙に包まれる。

 

 

「ははは!!やった!!」

 

 

サキエルの高笑いが響く中、土煙が徐々に晴れてゆく。その光景を見て、サキエルは息を呑んだ!

 

 

「なっ…!?」

 

 

なんと初号機は無傷だったのだ!女の子を手に乗せ、しかも背後から撃たれたサキエルのビームを完全に防いでみせたのだ!そして、そのビームを受け止めた初号機の手の甲…否、シンジの手の甲に紋章が浮かび上がる。

 

ハートのマークの中央に「13」の文字があしらわれ、剣が交差する独特な紋章。

 

 

「あ、あの紋章は…!?」

 

「知っているのか!?日向!」

 

 

もちろん、誰も知らない。そもそも、そんな紋章が浮かび上がるシステムなどエヴァンゲリオン初号機には搭載されていない。

 

だが、その紋章を見たサキエルは目に見えて狼狽えた。

 

 

「バ、バカな!?こいつがエバーファイト覇者…キングオブハートだと!?」

 

 

シンジはすぐに女の子を無事なビルの屋上へと優しく置く。その瞬間、まるで瞬間移動のような速さで初号機がサキエルの眼前へと迫った。

 

防御をする間もなく、サキエルの顔面たる独特な部位に初号機の拳が叩き込まれ、そこから目にも止まらぬラッシュが始まった!

 

 

「はぁああ!!肘打ち!裏拳!正拳!!どりゃああああ!!」

 

「ぐわぁああああーー!!?」

 

 

まるで腕が分身したかのような速さで繰り出される打撃にサキエルがなす術もなく叩きのめされてる。そんな光景を見て、やっと正気を取り戻したリツコがボソリとつぶやいた。

 

 

「私たちは何を見せられてるのかしら?」

 

「なんなんでしょうねー、これ」

 

 

トドメだ、と言わんばかりに振われる一撃。だが、サキエルは己の敗北を認めてはいなかった。拳は目に見えない壁に阻まれ、弾き飛ばされたのだ!

 

 

「なにぃ!?」

 

「ひっひっひ!!まんまと引っかかったなぁ!!俺のATフィールドによぉ!!」

 

「ATフィールド!?」

 

「ダメだわ!ATフィールドがある限り…」

 

「ならばぁあ!!」

 

 

心の壁で初号機の攻撃を阻むサキエル。貴様が心の壁ならば、僕は輝くの指先だぁあ!!

 

 

「僕のこの手が真っ赤に燃える!!明日を掴めと轟き叫ぶ!!」

 

 

構えた初号機の指先が光り輝き、その一撃はATフィールドへと突き刺さった。心の壁で守られたサキエルの障壁を突破し、その輝く指先はサキエルの胸にある真っ赤なコアへたどり着いたのだ!!

 

 

「ひっさぁああつ!!シャアァアイニングゥ!!フィンガアアアアアーーー!!!!!」

 

 

サキエルの悲鳴が東京市の街に響く!!

 

そのサキエルの眼前に、シンジは胸元のポケットから写真を取り出して突きつけた!!

 

 

「エバーファイト!国際条約第一条!!コアを破壊された者は失格となる!!」

 

「うわぁあああ!?あがががぁ!?」

 

「まだだ!!お前には聞きたいことがある!!貴様!この男の顔を知っているか!!」

 

 

銀髪と赤い目をした青年の写真だ。それを突きつけられて、サキエルは怯え切った声で答えた。

 

 

「ひぃい!知らねぇ!!知らねぇよぉお!!」

 

「そうか…ならば!!ヒィイイト…エンド!!」

 

 

シンジの言葉と同時に、サキエルのコアは砕け散り、使徒の体は爆散した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「…碇、あれもまた…計画のうちか?」

 

「なにそれ…知らん…怖」

 

 

 

そして司令部の空気は死んだ。

 

 

 

 




豆知識


エバーファイト国際条約

第1条
コアを破壊されたものは失格となる。

第2条
相手の〝精神干渉、または精神へ直接攻撃〟してはならない。

第3条
破壊されたのがコア以外であれば、何度でも修復しセカンドインパクトを目指すことが出来る。

第4条
使徒側がリリスと接触した場合は人類の敗北となる。人類側はリリスを防衛しつつ、使徒全てのコアを破壊すれば勝利とする。

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