回復術士は復讐出来ない   作:ルイーゼ

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修行パートです

「壺割れねー!」から始まりました未来の勇者ブレイドの修行パートです。

 

十四歳になるまでは【剣】の勇者というクラスに目覚めず、驚異的な動体視力や身体能力もないただの小娘に過ぎないブレイドこと、ルイーゼが本名な私は、安全に強くなる為に鬼滅の刃にある呼吸法を習得しようと型を真似たり、瓢箪のような壺を肺の力だけで割ろうとしましたが、育手もいなければ、死んだ人が教えに来てくれる不思議空間でもないので、結果は芳しくありませんでした。

少し、肺が強くなった気がする程度です。

 

やはり本格的に体を鍛える必要があるのでしょうか…。

レベル制の異世界なので手っ取り早く強くなるには、感謝の一万突きなどではなく、魔獣を殺して経験値を溜めていった方がいいのは分かっています。

ですが、勇者ではないものはレベル上限というものがありまして、恐らくは勇者になる前の私にもそのようなものがあるのではないかと思うのです。

つまり、何れは打ち止めになります。

経験値はストックされるので必ずしも無駄な行為であるとは言えませんけど、原作での敗因が“ろくに剣を学んでこなかった”ことに由来するので、脳筋になっても意味ないんですよね。

 

私がお手本とするなら【剣聖】クレハ・クライレットさんのような努力と経験によって研鑽された剣技です。

 

後はそんな彼女がケヤルに敗北した理由である媚薬対策に《薬物耐性》というスキルを得たい。

原作ケヤルはこのスキルを得るために自ら薬物を注入してラリっていたが、そんな博打みたいなことはしたくないので、型月の間桐家のように微量な毒を食事にでも混ぜておきましょう。

 

それで薬物耐性がつけば御の字。つかなくても多少は毒に免疫が出来るでしょうから、デメリットは毎度トイレに駆け込むぐらいです。やる価値はあります。

 

 

 

 

「どうしたんだルイーゼ。突然、剣を学びたいだなんて?」

 

未来の勇者ブレイドはそこそこ裕福な商人の家系でした。

頼れる長男や愛らしい次女に恵まれ、本当に……何故あのようなサイコレズが出来上がったのか疑問に思いますよ。

 

「エドワードお兄様はクライレットの剣を学んでらしたのよね!私に剣を教えて欲しいのだわ!」

 

クライレットの剣というのはクレハさんの剣の流派であるジオラル王国で主流のものらしい。

エドワードという私の兄にあたる彼は、四歳から十六歳の十二年ほど、クライレットの流派を学んで、長男として商人を次ぐ為に戻ってきたのだ。

 

小耳に挟んだのだが、エドワード兄様はクライレットの流派生の中でもそれなりの使い手だったらしい。

元々、両親に無理をいって通わせて貰っている手前、成人するまでという条件であったが、少し前まで私ぐらいの女の子に剣を教えて……恐ろしい剣の才能があったという話なので、たぶんクレハに剣を教えていたのだろう。

 

まさに師匠として、これ以上ない存在である。

 

「いや……でも。俺もそれなりに忙しいし」

 

「毎日でなくとも構いません!エドワード兄様が暇な時に、アドバイスをくれるだけでも!」

 

「う~ん。勝手に学んで怪我をするよりはマシか?」

 

悩んでいる様子でしたが、最終的には教えてもらえることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆

 

それから五年。

 

「…………一万、そして日が暮れていない」

 

クライレット流派を学ぶ傍らで、感謝の一万突き(HUNTER×HUNTER)呼吸法の鍛練(鬼滅の刃)見聞色の覇気(ONE PIECE)猿武(トリコ)、等々。

 

漫画の技を習得してみたり、全然ダメだったり、あっという間に時が過ぎました。

勇者になるまでは不要としていたレベル上げもエドワード兄様に付き添ってもらって、魔獣を多く討伐し……魔獣の肉を浄化して食べると上がるという素養値も、ステータスの水準を引き上げるのに重要なのでチマチマと口に入れながら、レベル上限まで上げきりました。

 

エドワード兄様に鑑定紙を貰って判明したステータスはこうです。

 

種族:人間

名前:ルイーゼ

クラス:――

レベル:26☆

ステータス:

MP:150/150

物理攻撃:72

物理防御:59

魔力攻撃:62

魔力防御:60

速度:101

技能:

・剣術Lv2

・体術Lv3

・縮地Lv5

・暗歩Lv1

・見切りLv2

・直感Lv1

スキル:

薬物耐性Lv1

 

 

鑑定紙なので素養値までは分かりませんでしたが、このステータスを見るに、ブレイドは高速戦闘向きであるようですね。

欲しかった薬物耐性も手に入りましたし、まずまずの結果でしょう。

勇者として目覚めれば、ジオラル王国に招かれ、ジオラル王国には《進化》というケヤル以外にも洗脳を使う腹黒王様がいるので、心を読まれないようにハリーポッター世界の閉心術のようなスキルを獲得したい所ですが、そこら辺は神造武具に頼ることになりそうです。

 

 

「十歳になった私が剣の勇者となるまで、あと四年……」

 

そして暫くしたら原作が始まる。

原作のブレイドのように特殊性癖を持たない私は男装などせずに、ルイーゼとして生きるつもりだが、果たしてどれだけ変えられるものか。

 

「欲張るなら剣聖クレハと覚醒クズ化する前の砲の勇者を味方に率いれたいですね……でも、あの人の闇落した理由をしってても場所と時期が分からないし」

 

それにクレハは尻軽明智光秀です。下手に仲間になったと油断して、ケヤルの玩具となった彼女に後ろからグサリとでもいかれたらたまったものではありません。

 

……ハァ。

 

前途多難。中々どうして私の未来は暗いもの。

やっぱり、今からでもケヤルを殺しに行こうかと悩むほどです。

 

でも、そしたら魔王やら人類の命運やらと、自動的に私が引き継ぐことになってしまいますし、下手に主人公補正のない私がやらかすよりも、理想的なのがケヤルと和解して、たまに助けにきてくれる強キャラポジに居座ることなんですよね。

 

「クズだけど……本当に、どうしようもないクズだけど。

彼がいないと終わってる世界って、本当に残酷」




人物紹介

ブレット…砲の勇者。ショタホモ。最強の勇者と呼ばれている。

クレハ・クライレット…剣聖。剣の勇者であるブレイドさんよりも強いが、薬物耐性が低い。尻が軽いと言われやすいのは否定しないが、ある意味一番の犠牲者。
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