回復術士は復讐出来ない   作:ルイーゼ

5 / 7
剣鬼ヨハネス

『貴様が剣聖クレハ・クライレットだな』

 

「……貴方は、何者ですか」

 

『問答は不要。道具が思考するな』

 

 

はい。という訳で剣聖獲得RTAの再スタートや!

無骨な両手剣を抜いた私は、戦争終了直後で疲労困憊のクレハさんに斬り掛かりマウス!

……卑怯?

ふん、勝てば良いのだ勝てばー!!!

 

ガキン。

 

おおっと流石に防がれますか……。ならばもう一本追加です!

 

「なっ!?何故アーサーの剣を貴方が使っているのです!!!」

 

それはアーサー君の剣が高そうに見えたから悪い(守銭奴)

本音は自分が用意した剣は安物なので、万が一折れた時の保険ですね。どうせクレハさんから剣聖の座をいただいたら彼女を通してアーサー君に返せるのだから盗んだ訳じゃないもん!

とクソムーブが通ります。

 

二刀流に切り替えたルイーゼは片方の剣を横凪に振るう。

もう片方で彼女の剣を抑えて、後ろに下がろうとする爪先を踏んで固定する。驚愕の表情を浮かべるクレハを無視して腹を一閃。

 

「舐めないで!」

 

籠手で防がれた。どうにもただの金属という訳ではないらしく、アーサーの剣の刃先が少しだけ刃こぼれしてしまう。

応酬とばかりに今度はクレハは神技の剣を振るってルイーゼは剣を重ねて受ける。

 

ギリィ。と一瞬の膠着が生まれた。

 

「貴方の剣はクライレットの剣?

その風貌といい、魔族ではないのでしょう。何を以て私と剣を交えるのです!」

 

『ラーニング完了。計画を執行する』

 

「…意地でも会話しないつもりですか。ならば拘束して吐かせるまで!」

 

やはり彼女はルイーゼよりもレベルが上だ。

原作時よりは低下してみられるが、30~35といった所だろう。

 

勢いを増して剣数が増えてきた頃、ルイーゼが二刀流で防ぎきれない限界を迎えて外装が削られ始めてきた。

鍛練や経験数ではむしろ勝っていると思っていたが、『剣士』と『剣聖』というクラス差が大きいのか。

 

『滅亡せよ』

 

仕切り直しが必要だと判断したルイーゼは魔力放出(風)というMPを消費して突風を巻き起こすスキルを使用する。

 

あくまで攻撃目的ではないので、これは剣聖の取得条件には含まれない。

 

さて、もう一度初めから――――

 

「取った!」

 

は?

 

風の流れを利用した舞いの一撃。それが怪物の赤い瞳を捉えた。

 

(……拘束するって言ったやん)

 

不意をつかれたそれにルイーゼは避けることも出来ずに――赤い瞳に剣が突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『その結論は予測済みだ』

 

 

 

 

 

「なん、で……」

 

怪物は刺した剣を片手で掴んでクレハを見下ろした。

 

(あ、危ねー!)スーツを大きめに作っておいて良かったとルイーゼはホッと胸を撫で下ろす。

そして、そんなクソザコムーブを感じさせない理解出来ない巨悪ムーブを開始します。

 

クレハさんは完全に固まっていますね。まぁ眼球を貫いて生きているなんてノイトラじゃあるまいし、普通はありえないですもの。

 

「貴方は、生物ではないの……何者なのですか」

 

だから答えねぇって言ってますやん。

 

『人類は、滅びる……』

 

「ほろ、ッガバッ!?」

 

ルイーゼの剣が彼女の腹部へと差し込まれて、貫通する。

ありえないことが起きたからといって油断した結果だろう。剣を掴まれたのなら、それを放棄し瞬時に離れるべきだった。

 

『今ここに、再起不能の条件を満たした』

 

肉体が高揚とし、ルイーゼは剣士クラスが剣聖クラスへと進化したことを実感する。

 

『ジオラル王国の剣聖クレハ・クライレット。最後の剣聖として終末の一時に興じるがいい』

 

ルイーゼの外装から黒い煙幕が噴き出す。

「ま、待て」と手を伸ばすクレハに怪物は言葉を返さない。

 

この日、ジオラル王国は次代の剣聖の誕生が絶望的である事実と、魔族とは勝手の違う化け物の誕生に頭を悩ませることとなる。

 

 


 

人物紹介

 

剣鬼ヨハネス(非公式)…ルイーゼの仮の姿。名付け親はクレハ。

不老不死の怪物として恐れられていく。




幼少期編終了。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。