気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!   作:味噌村 幸太郎

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162 合法ロリおばさん 163 大人の境界線は身体の成長で……

162 合法ロリおばさん

 

 

 あれから二週間後。

 忌々しき『クソ女』と出会うこととなった。

 

 俺は天神に来ていた。

 福岡県福岡市における繁華街、中心部とも言える天神。

 天神なぞコミュ力、十九の俺には無縁の地だ。

 だってリア充の街だからな。

 

 指示された場所に辿りつくまでに一時間もかかった。

 母さんから借りた地図を見ながら、同じ場所をグルグルと周り、右へ左へ……「あれ? さっきと同じでは?」が何度も続き、やっとのことだ。

 

 天神はたくさんのビルで連なっているが、目の前のビルは一際目立つ。

 ビルの壁一面が銀色に塗装されており、鏡のように日光が反射し、下にいる俺はそれを直で食らっている。

「悪魔城……」

 

 そう呟くと、自動ドアが開く。

 すぐに目に入ったのは白い半円形の机、の上に花瓶。

 後ろには、これまた白い制服をきた受付のお姉さんがいた。

 

「こんにちは、本日はアポを取られていますか?」

「アポなら勝手に強引に取られました。それよりも白金とかいうアホな女いますか?」

 

 お姉さんは引きつった顔で「ア、アホ? し、白金ですね。少々お待ちください……」

 アホで通ったぞ。やはり社内でもそういう認識なのだろうな。

 

「クソ。なんで、この俺が……」

 俺はわざと聞こえるような舌打ちをした。

 それを聞いた受付のお姉さんはあたふたしている。

 

 別に俺の顔は特段、悪役面ではない。

 性格が若者にしては落ち着きすぎて、その表情は女子曰く「十〇代に見えない~♪ ウケる~♪」

 何がウケるんだ? 俺は顔芸などしていない。

 

 だから、普段から黙っていると「何を考えているわからない」「不審者」しまいには「キモい、死んで」と女子に言われる始末だ。

 なので、俺がイラつき沈黙さえすれば、その独特なオーラを受けた相手はキョドッてしまうらしい。   

 キモいのだよ、きっと。

 特に独身の若い女に、こうかはばつぐんだ!

 

 しばらく待っていると……。

「おっ待たせしました~」

 と、ピンク地に白いドッド柄のワンピースを着たツインテールのロリッ娘が現れた。

 

「誰だ、お前」

「え?」

 そう、これがクソ担当編集、白金 日葵との初めて出会った忌々しき日であった。

 

 

 

163 大人の境界線は身体の成長で……

 

「誰だ、お前」

「え?」

「ここは子供の来るところじゃない。早く小学校に帰りなさい」

 と俺は優しさから、少女を外へと追い出そうと背中を押す。

「ちょ、ちょっと待って!」

「うるさい、ママに言いつけますよ」

「イ、イヤー!」

 俺と少女が自動ドアの前で来ると、受付のお姉さんが立ち上がった。

 

「あ、あの! そのちっこい人が白金です!」

「え……このガキが?」

 俺は足元にいる未知の生命体を指さす。

「ガキとは失礼ですね! これでも私は成人した立派なレディーですよ♪」

 そういって、自称成人ロリッ娘はウインクしてみる。

 低身長で一三〇センチもないだろう。俺はこんな成人女性をこの世で見たことがない。

 

「お前が俺より年上だと言いたいのか?」

「ええ、そうですよ。新宮 琢人くん」

 えっへんと偉そうに両腕を組む。

 

「じゃあ証拠を見せろ」

「え? 証拠?」

「そうだ、成人しているんだろ? もう第二次性徴は終えたのだろう? なら俺に見せてみろ」

 俺がそう吐き捨てると白金は顔を赤らめて、自身の胸を両手で隠す。

「な、なにを言うんですか!? 女の子におっぱいを見せろなんて! あなたは変態さんですか!?」

「そんなことは自覚している。だが、お前の胸は貧乳とも呼べない。俺が見たい『大人の証拠』とは俗にいうおっぱいではない」

「じゃ、じゃあなんですか?」

 白金が息を呑む。

 

「そんなもの決まっているだろうが。お前の股間。草原を見せろ」

「なっ!」

 ボンッと音を立てて、顔が赤くなる。

「ほらどうした? 成人女性なら草が生えているのだろ? ちなみに俺は小学四年生の時、既にフサフサだったぞ?」

 俺は自慢げに自身の股間を押し出した。

 

「そんなもの見せられるわけないでしょ! バカ!」

「ほう……ならやはり俺はお前をただのクソガキと認識するぞ」

 白金は「ぐぬぬ」と悔しげそうにこっちを睨んでいる。

「み、見せればいいのね……」

「フン、だろうな」

「じゃあ……しかと見なさい!」

 そう言って、彼女はワンピースの裾を豪快にたくし上げた。

 俺の瞳に映るのは今時、小学生も履かないようなクマさんパンツ。

 それを見た俺は鼻で笑う。

 

「やはりガキだな」

「本番はこれからよ。み、見てなさい!」

 涙目でパンツに手を掛けようとしたその時だった。

 

「ストーップ!」

 

 受付のお姉さんがデスクから飛び出し、俺と白金の間に入った。

 

「白金さん! あなたバカでしょ!?」

「だ、だって……この子が私のこと……」

「だってもクソもありません! 子供相手にむきになって……あなた大人でしょ?」

 

 まるでダダをこねる子供を、お母さんが説教しているように見える。

 ちなみに、白金の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。きったね。

 

「あ、あなた……私の裸が目的だったの!?」

「お前の裸なんぞに興味などない。俺は物事を白黒ハッキリさせないと気が済まない性分でな。だから、お前みたいなわけのわからん生物は正直言って……キモい」

「う……うわ~ん!!!」

 泣いたぞ、これ。やっぱどう見てもガキだろ。

 

「ちょ、ちょっと、白金さん! 泣かないでよ、もう……」

 受付のお姉さんは泣きわめく迷子を慰めるように、白金の頭をさすっている。

 なにこれ、なんの喜劇?

 

「おい、俺はこんなバカに呼び出されたのか? 十代の貴重な青春時間だぞ? もう帰っていいか?」

 そういって踵を返すと、小さな手が俺を止める。

「そ、そうはいかないんだからね、えっぐ……」

「たまごならスーパーで買え。俺の近所のスーパー『ニコニコデイ』がおすすめだ」

「そんなの、いらんもん! 私は仕事のお話がしたいの!」

「ほう、この天才の俺とクソガキが仕事の話ねぇ」

 俺が笑みを浮かべると、白金は「バカー!」と言ってポカポカと殴りかかってきた。

 

「受付のお姉さん、らちがあきませんよ。俺、もう帰っていいですか?」

「あ、いや、ちょっと待ってね……コイツを大人しくさせるから……」

 受付のお姉さんですら、『コイツ』呼ばわりか……。

 

 しばらく待つこと数十分。

 お姉さんにアメとムチで説教された白金は、瞼を大きく腫らせて戻ってきた。

 

「あ、あの、こちらから呼び出したのに……取り乱して申し訳ございませんでした」

「さすが、大人様だな。気持ちのいい謝罪だ」

 

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