気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!   作:味噌村 幸太郎

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256 兄妹っ!

 

 唐突の兄妹出現に、俺は驚いていた。

 このピーチと名乗るギャルが、あの豚……じゃなかった、オタク絵師のトマトさんの妹だと?

 顔も全然似てないし、体型なんてもってのほかだ。

 

 しかし、この子。誰かに似ているような気が……。

「あ!」

 思わず声に出してしまった。

 そうだ。

 俺のクラスメイトであり、今回ラノベのイラストのモデルにもなったギャル。

 花鶴 ここあに、どことなく雰囲気が似ている。

 あそこまで、ビッチさはないが……。

 小型版の花鶴と言った感じ。

 マジか。にぃにってば、妹を性的対象にするタイプなのか。

 キモッ!

 

 トマトさんの性癖に絶句している俺を見て、白金が首を傾げる。

「DOセンセイ。ピーチ先生の顔をじっと見つめて、一体どうしたんですか? 惚れちゃいました?」

 その一言で我に返る。

「アホか! ちょっと、トマトさんのことで思う事があってな……」

 さすがに妹の前で暴露するわけにはいかんだろう。

「「?」」

 顔を見合わせて、答えを探る白金とピーチ。

 

  ※

 

「スケベ先生、にぃには今度から先生と同じ高校に通うっす。色々と教えてあげてくださいっす」

 相変わらず淡々と喋るな、この子。

「了解した。緩い高校だから、心配しなくていいぞ?」

 誰でも入学できて、簡単に卒業できるバカ高校だからな。

「安心っす。自分も一応、全日制コースの三ツ橋に通っているので、ひょっとしたら、校内で会えるかもっす」

「え……ピーチも同じ五ツ橋学園の生徒だったのか?」

「ちっす。これ、自分の生徒手帳っす」

 そう言って、取り出したのは、見覚えのある小さな手帳。

 ずっと前、赤坂 ひなたと初めて出会った時、同じものを見せてもらった。

 ちゃんと三ツ橋高校と明記してある。

 中身を見せてもらうと、確かに写真と名前が書いてある。

 

『三ツ橋高校1年B組、筑前 桃』

 

「ん? ピーチの本名って、『もも』と言うのか?」

 フリガナが無いので、そのまま読みあげる。

 だが、彼女は首を横に振る。

「違うっす。自分の名前は、桃と書いてピーチっす。ペンネームじゃないっす」

 ファッ!?

 なんという、キラキラネーム。

「そ、そうなんだ……」

 思わず言葉を失う。

 ここであることに気がつく。

 そう言えば、兄であるトマトさんの本名は、筑前 聖書(ちくぜん ばいぶる)だったよな。

 

 バイブルとピーチ……。

 うーん、どこかで聞き覚えが。

「はっ!?」

 あ、察し……。

 

 恐る恐る彼女に問いかける。

「もしかして、ピーチの親御さんって、ベイベだったりする?」

 すると彼女の顔がパッと明るくなった。

「よく分かったすね! そうっす! マミーもダディーもバリバリのベイベっす! 聖書にぃにと自分の間にも、兄妹が何人もいるっす」

 そう言ってスマホを取り出す。

 画面に一枚の写真を写しだした。

 一軒家の前で、大家族が勢揃いし、笑顔でピースしている。

 総勢で12人ぐらいか?

 

「全員、年子で生まれたんで、一歳違いの兄妹っす。上から聖書にぃに。(みさお)ねぇね。『あの』ねぇね。(ぼく)にぃに。双子のロングにぃにとシュートにぃに……」

 えぇ……まだ引用する気なの?

 どれだけ産むんだ。

 

 ピーチの話では、お母さんは現在、妊娠中らしい。

 ベイベってスゴイなぁ。

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