気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!   作:味噌村 幸太郎

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272 アンナが考えたリキくんの理想像

 

 どうにか、アンナの秘蔵動画を確保できた俺は、強引にアンナをレストランへと誘導する。

「ははは! 楽しみだな、お子様プレート!」

「うん☆ タッくんも食べたかったんだね☆」

「そうそう! 俺も食べたくて夜も眠れなかったんだよ」(棒読み)

 こうやって嘘で自分を塗り重ねて、大人になっていくのさ。

 

   ※

 

 昼食を終えて、アンナは追加でデザートを注文。

 テーブルに置かれたズキンちゃんのパフェを嬉しそうにスプーンですくう。

「おいし~☆」

 相変わらず、ブレないな。このお子ちゃまな趣味は。

 大人である俺にはしんどい施設だが、悪い取材ではなかった。

 俺ひとりだったら、絶対に来ないし新鮮な体験を味わえたと思う。

 

 ふとスマホを確認すると、一件のメールに気がつく。

 相手はリキだ。

 すっかり彼のことを忘れていた。

 

『タクオ。今一本目の映画を見終わったんだけど。隣りのおじさんがやけに話しかけてくるんだよ』

 ファッ!?

 

 受信した時刻は一時間ぐらい前か。

 うっ……リキ、まあ頑張ってちょうだい……。

 

「アンナ。そう言えば、リキが映画館に入る前、なんか話していたろ? なにを言っていたんだ?」

「ん? あ、リキくんがほのかちゃんとラブラブになれるように、ちょっとだけアドバイスしておいたんだよ☆」

 言いながらも、パフェの生クリームを美味しそうに頬張る。

「ほう。ちなみにどんな助言をしたんだ?」

「んとね……とりあえず、映画館に入ったら、たくさんのおじさんと仲良くなってねって言ったよ☆」

「……マジか?」

「ホントだよ☆」

 緑の瞳をキラキラと輝かせる。

 

 オーマイガー!

 ヤバい。俺としては、映画館の風景とか、どんな人たちが観に来ているかぐらいのレベルで考えていたのに。

 アンナはスナック感覚でマブダチを界隈に放り込む気だったのか。

 

 テーブルの上で頭を抱え込む俺。

 対してアンナは無邪気にパフェを食べ続ける。

 

「どうしたの? タッくん?」

「いや……リキの奴。今ごろ大丈夫かなって」

「大丈夫だよ☆ だって恋する男の子だよ? 好きな人のためだったら、なんでもやれるのが恋のチカラだもん! ほのかちゃんのために、リキくんは何が何でも取材してもらわないと☆」

 鬼だな、この人。

「そ、そうか……恋ってそんなに人を変えるものなのか?」

「うん☆ あ、そうだ! おじさんと仲良くなれた後はどうしよう」

「え? 後ってどういうことだ? まだリキに何かをさせるのか?」

「だってさ。ショタっ子とも仲良くなれないと、ほのかちゃんが興味持ってくれないでしょ? うーん、どうすればいいんだろう……。ショッピングモールで手当たり次第ショタッ子に声をかければいいかな。リキくんに甘いお菓子を持たせて」

 事案ってレベルじゃねー!

 犯罪だよ……。

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