気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!   作:味噌村 幸太郎

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384 スキと言う気持ちさえ、あれば大丈夫!

 

 リキがほのかに片想いをしていると知って、一は今にも自殺しそうな顔で落ち込んでいた。

 見兼ねた俺は、優しく彼の肩に触れる。

 

「なあ。お前が気になっているリキは多分、ノン気だ。それでも、お前はあいつに想いを伝えたい……というか。ズバリ、付き合いたいのか?」

 言っていて、なんだか自分と境遇が似ている……気がするのは、勘違いですよね?

「た、例え! 僕の想いがリキ様に届かなくても良いんです! あの人のそばにいたい……それだけなんです!」

「ふむ。じゃあ、一はリキが変態女先生と付き合っている姿を見ても、受け入れられるってことか?」

「もちろんです!」

 こりゃ、重症だな……。

 一はかなり興奮している様子で、まだまだ喋り足りないようだ。

 

「リキ様が変態女先生と結婚しても、お子様を作られても……僕は良いんです。たまに求めてくれるなら……」

「え?」

 耳を疑った。

「ぼ、僕はリキ様に呼ばれたら、すぐにイキます!」

「は? どこに?」

「それ以上は……言えません」

 と頬を赤くして、俯いてしまった。

 

 

 これ以上、関わりたくなかった俺は、すぐにこの場を去りたくなった。

 でも、興奮した一を落ち着かせるため、リキの電話番号とメールアドレスを教えてあげた。

 ついでに、俺のも。

 憧れのリキ様の連絡先を知った一は、元気を取り戻し、笑顔で業務へと戻っていった。

 

 なんか、一を見て思ったのだが、俺の周りって……。

 性が曖昧……な人間が、多くないか?

 

  ※

 

 博多社から逃げるように、飛び出して、俺は天神から博多方面へと向かう。

 アンナとミハイルへのプレゼントを選びに、渡辺通りを軽く歩いてみたが……。

 どうにも一人でショッピングをするのは、難易度が高すぎる。

 ちょっとでも、アクセサリーショップに近づけば、化粧をバッチリ決めたお姉さんが寄ってくるからな。

 

 店さえ探すのも億劫になった俺は、いつも通う商業施設。カナルシティ博多へとたどり着く。

 映画しか見ない場所だが、何回か店は覗いたことがあるから、配置だけはなんとなく分かる。

 

 地下一階にある噴水広場の近くに、アクセサリーや小物などを扱っている店が数件、並んでいた。

 何人かの若い女性が群がっている店が、目に入る。

 聞いたことのあるアクセサリーショップだ。

 その名も『パワーーー! ストーンマーケット』

 有名なチェーン店。

 

 ここなら、ぼっちの俺でも選びやすいかもな。

 店員もあまりグイグイこないだろうし……。

 

 なるべく、女性の客とは近づかないように、品物を選ぶ。

 痴漢に間違われたら、嫌だからね!

 

「……」

 

 数十分、商品を一生懸命、眺めていたが……。

 どれも全部、同じに見える。

 一体、なにが良いんだ? これ、ただの石だろ。

 

 そう思っていると、近くにいた若い女性店員が話しかけてきた。

 

「あのぉ~ ひょっとして……カノジョさんとかにクリスマスプレゼントとか、ですか?」

 言われて、俺は反射的にビクッと身体を震わせてしまう。

 カノジョという名前にだ。

 まるで、彼氏みたいじゃないか!

「ち、違います。相手は女の子でして……。誕生日が近いんですが、どれがいいのか。さっぱりわからないんです」

 ついつい弱音を吐いてしまう。

 だが、お姉さんはニッコリと優しく笑ってくれた。

「大丈夫ですよ。男性のみなさん、結構そういう方が多いんです。良かったら、ご一緒にお探ししましょうか?」

「良いんですか……」

「もちろんです♪」

 

  ※

 

 お姉さんが言うには、こだわりさえ無ければ、何でも良いとのこと。

 しかし、その……何でも良いってのが一番困る。

 黙り込む俺を見兼ねて、お姉さんがアドバイスをくれた。

「じゃあ、誕生石とか、どうでしょう?」

「なんです、それ?」

 

 お姉さんに連れられて、たくさんの煌びやかな宝石が並ぶコーナーに来た。

 天然石らしいが、正直これも俺には価値が分からない。

 

「12月がお誕生日なんですよね?」

「あ、そうです……」

「じゃあ、これなんて、どうです? タンザナイト」

 そう言って、お姉さんが手に取ったのは、透き通るようなキレイなブルー。

 光りの当て方によって、紫色にも見える。

 とても不思議な宝石だ。

 

「あ、きれいですね……」

「でしょ? このタンザナイトを加工して、ネックレスやリング、ピアスにも出来ますよ♪」

「なるほど」

 

 考え疲れた俺は、もうこの宝石に決めていた。

 だが、問題が残っている。

 どのアクセサリーにするかだ……。

 

「そう言えば……」

 

 この前、スクリーングでミハイルとあった時、耳にピアスの穴を開けたと言っていたな。

 なら、実用性も考えて、ピアスにしとくか。

 相手は、アンナだけど。

 やっとプレゼントが決まったことで、安心した俺は、すぐに店員のお姉さんへ注文と会計を頼む……が、すぐに加工できるわけではないらしい。

 出来上がるのに、一週間ほどかかるようだ。

 

 また、ここに来るのか……めんどくせ。

 彼氏やってる奴らって、無駄に時間を浪費すんのか。

 仕事じゃなかったら、ごめんだぜ。

 

  ※

 

 アンナのプレゼントは決まったが、ミハイルがまだだ。

 最初こそ、キッチン系のグッズにしようと思っていたが……。

 そういう店を覗いても、宝石以上に訳が分からない。

 

 結局、あいつの好きそうなキャラクターショップへと向かう。

 男がネッキーの可愛らしいぬいぐるみを買うのは、恥ずかしいし、嫌だ。

 なんて、ひとりで店の中をうろうろと歩いていると……気になるコーナーを見つけた。

 それは“夢の国”のキャラクターが、デザインされたアクセサリーだ。

 

「これなら、間違いはないかもな……」

 

 右がネッキー。左がネニーの顔をしたピアス。

 ただ、値段がべらぼうに高い。4万越え。

 よく見たら、ダイヤが入っているからか。

 

 しかし、あいつもバイトして、俺に高価な万年筆をプレゼントしてくれたんだ。

 ま、いっか。

 

 あれ……なんで、男のミハイルがアンナより高級なんだ?

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