フェイタル・バレット 〜新説〜   作:アークコピル

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一つ目の機能 〜ファンド・マネジメント〜

結果から言うと、圧勝だった。管理施設跡のボス、アングリーバーサーカーは銃撃こそしてこないが、一気に距離を積めてきてその手に持つ巨大な斧で凪払ってくる巨大な敵である。その巨体に似合わぬ速さには、いつも翻弄される。

しかし、今回は違った。開始早々、ガイアとレインは光剣を手に突撃、斧を意図も容易くかわし、次々とダメージを与えていく。

わたしとレイちゃんも銃で援護するが、それ以上に二人の連携は見事だった。もちろん私たちとも連携しているのだが、二人がとても遠く見えた。同じゲームをしているのに、まるで二人だけは、別のゲームをしているような……

 

「ダスビダーニャ! クエストクリアー!」

 

アングリーバーサーカーが消滅すると、レインが大きな声で言う。

 

「お疲れ」

 

ガイアはそう言うと、慣れた様子でレインとハイタッチをする。そして私たちの方にも近づくと、「お疲れ」と手を上げる。

 

「お疲れさまなのです!」

 

シャロは二人の様子を見て早速覚えたのか、元気よくハイタッチをする。それに続いて、わたしもする。

 

「今日は楽しかったよ! ありがとう!」

 

「この後シャロの新しい機能を見てみるつもりなんだけど、一緒にどう?」

 

「新しい機能?」

 

「もしかしてドロップしたのですか!? マスター!」

 

レイちゃんが興奮した様子で尋ねる。

 

「ああ。今ドロップを確認したらパーツがドロップしていたよ。帰ったら早速使ってみよう」

 

「やったーなのです!」

 

「私は今日は遠慮しておくよ。他にしなくちゃいけないこともあるし……」

 

「そうか……そっちの方も俺でよかったら協力するから、いつでも呼んでくれ」

 

「うん、ありがとね! じゃあね! ガイくん、クレハちゃん、レイちゃん!」

 

元気に手を振りながら、レインは去っていった。

その背を見送った後、私たちもガイアのホームへ戻ることにした。

 

 

 

 

「よかったわね。レイちゃんの機能、一つ取り戻せて」

 

「ああ。資金運用ってのはこのGGOじゃあ、結構メリットが大きそうだしな」

 

あの後、ホームへ帰ったわたしたちは早速レイちゃんの新しい機能を開放した。

開放された機能は資金運用であり、これによってガイアはレイちゃんにお金を預けることで、ゆっくりとではあるが、その資金を増やしていくことができるというわけだ。

資金の運用設定は堅実、普通、ギャンブルとあったが、手堅いガイアは堅実に設定していた。

そして今わたしたちは、GGO内のショップに来ている。軽く食事を済ませ、レイちゃんは最近ハマっているカプセルトイのコーナーへ行き、今はわたしとガイアの二人きりとなっていた。

 

「ねえ、あんた……」

 

「何?」

 

「あんたの一番相棒って、誰……?」

 

なんとなくわいてきた言葉だった。他意なんてない。ただの、素朴な疑問。

 

「そりゃあ、やっぱりクレハだよ。なんたって幼馴染みだし」

 

「そ、そうよね! えへへ」

 

ガイアの言葉に、思わず笑みがこぼれる。

 

「なんだよ。急に」

 

「別になんでもないわよ! ふふ」

 

遠くから「マスター!」と声が聞こえる。その声はとても嬉しそうで、どうやらまたレアなものが当たったらしい。どうやらリアルラックが基本的に高いくせにガチャ運だけがないマスターと違い、レイちゃんはガチャ運に恵まれているようだ。

 

「ほら、レイちゃんが呼んでるわよ!」

 

「あ、ああ」

 

わたしはガイアの手を引っ張る。ふと昔のことを思い出す。あの頃、わたしの家族が引っ越してガイアと離れ離れになる前は、よくこうしてガイアの手を引っ張って色々なところへ遊びに行っていた。この関係は、今も変わらない。

 

――わたしとこいつは、幼馴染みなんだから……

 

わたしは意図せず考えようとしなかった。なぜあんな質問をしたのか、そしてガイアの答えを聞いて、嬉しかったのか。それを考えたら、なにかが変わってしまうような気がしたから……

 

これからもこの関係は変わらない。変わってほしくない。いつまでも続くものだと、わたしはそう信じていたし、そう願っていたから……

 

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