「三つ目の機能はズバリ! 銃弾を作れる機能なのです!」
あれからボスを難なく倒し、俺たちはホームへと帰ってきていた。そして早速シャロに三つ目のパーツをつけてみたわけなのだが……
「ねえ! ちょっとそれ、とんでもない機能なんじゃないの!」
「そうだよ! ガンゲーのGGOで銃弾はいくらあっても困らない、ううん。一番重要なものと言っても過言じゃないよ! それを自分で作れるなんて!」
「場合によっては銃弾を大量生産してプレイヤーに売ることが出来たらそれだけでGGOどころか、リアルの分の生活費を稼げちゃうかもしれないよ!」
クレハ、レイン、そしてフィリアがそれぞれ興奮した面持ちで俺とシャロに詰め寄る。正直、少し怖いぐらいだ。さすがのシャロも小さく「ひぃ!」と声を漏らし、俺の後ろにサッと隠れる。
「落ち着けよ3人とも。いくらアファシスでもさすがにそこまでゲームバランス壊すような機能はつけないだろ。なあ、シャロ?」
とりあえず三人を宥めすかし、シャロの方へと振り向く。シャロは俺の服の裾を掴んだまま、涙目で俺の方を見ながら首をコクコクと縦に振った。
「はい。マスター。申し訳ないのです。銃弾は新しく出来た特別なストレージに一種類だけ登録することができ、あとは一時間に一つずつしか増えないのです。とてもそれだけでマスターの使う銃弾を全て賄ったり、ましてや商売をしたりすることなんて出来ないのです……」
申し訳なさそうにシュンとしてしまうシャロ。俺はそんなシャロの美しい金髪をそっと撫でる。
「気にしなくていいよ。そもそも本当にそんなトンデモ機能を持ってたら、ますます他のプレイヤーからの嫉妬が怖いしね。少しでも弾代が節約できるっていうんだから、充分だよ」
「マスター!」
シャロの顔がパッと笑顔へと変わる。そんなシャロにクレハたちもそれぞれ謝罪する。
「ぜんぜん平気なのです。むしろ銃弾が少ししか作れない分、もっと私がマスターをクエストでお助けするのです!」
「ああ、頼りにしてるよ。シャロ」
「はい! お任せください!」
そういってシャロは少し前のめりの姿勢で敬礼をすると、満面の笑顔を浮かべた。
「ねえちょっと、あたしたちのことも忘れないでよね!」
「そうだよ! 私たちだってガイ君の仲間なんだから! もっと頼ってくれていいんだよ! むしろもっと頼って!」
「そうそう! ゲーム全体の腕では君の方が上でも、トレジャーハンターとしてのスキルは私の方が上だしね!」
クレハ、レイン、そしてフィリアが俺を見つめてくる。彼女たちの目には、これからの冒険に対する期待が沸き上がっているように見える。彼女たちだけではない。シャロの目もまた、彼女たちと同じ心が宿っているようだ。
「ああ。よろしく、みんな」
きっと、今の俺の目も彼女たちと同じだ。俺たちの冒険がきっと始まる。