改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

102 / 172
記憶の遺跡ですが、アニメを見返してて無印の5話で思いっきり言っていた…OTL

ソシャゲのオリジナル設定だと思ってた。


自分はまだ見てませんが、配信された仮面ライダーBLACK SUNがどうも政治とかで賛否両論のようですね。
やはり政治が絡むと面倒ですね。
初代仮面ライダーも政治家とかは出てきますがショッカーやゲルショッカーのターゲットで政策とかは語られないんですよね。
そっちの方が良かったのかも…


93話 カルマ怪人!? ショッカー包囲網を突破せよ

 

 

 

 

永田町にカルマノイズが出る数分前、

 

 

 

本来、人が居ない筈の廃ビル内から煙が出て炎が見える。

近くに人間が居れば火事だと消防に連絡されるだろう。事実、遠くから煙を確認した通行人が既に連絡してある。

そんな、ビル内から煙と共に二つの陰が飛び出す。

 

「ゴホッ! ゴホッ! …」

「大丈夫?」

 

煙から出てきた娘の一人が咳き込み、もう一人がその背中を摩る。

二人の顔には火事の影響か煤だらけである。

その二人こそ立花響の二人だった。

 

さっきから咳き込んでいるヒビキに響がそっと背中を撫でている。

燃え盛る廃ビルの一室。多数の戦闘員との戦闘にカミキリキッドの攻撃に生身のヒビキには相当な負担だった。

ヒビキの限界を悟った響が急いでヒビキを抱えて外に出て簡単な介抱をしているのだ。

 

「逃げ足だけは一人前か、キィ~リィ~ッ!!」

 

だが、ヒビキの回復を待ってくれる程敵も甘くはない。

煙と共に炎が見える中、カミキリキッドは平然と出てきて二本の触覚の間に電流が走る。

体には煤が付いているが、ダメージらしいダメージがまるで無い。

 

介抱する響も咳き込むヒビキもカミキリキッドを睨みつけつつ汗が流れる。

 

「…強い」

 

カミキリキッドの力量は響の想像以上だった。二人の響の拳を受けてもビクともしない上に口からの火炎に左腕のハサミに翻弄されていた。

更には、

 

「死ねぇぇーーーーー!!」

 

「「うわあッ!?」」

 

カミキリキッドの発する電撃が二人の響を襲う。

炎に電撃、破壊光線といった変幻自在の攻撃の前に響は苦戦を強いられていたのだ。

 

「どうだ!? 俺の実力は?連れてきた戦闘員が壊滅したが直ぐに新しいのが来る! お前たちは袋の鼠だ」

 

響とヒビキは協力してカミキリキッド配下の戦闘員を全滅させたが、怪人のカミキリキッドの前に膝をついてしまう。

その時、響たちの耳にサイレンらしき音が聞こえてきた。

 

「これって…」

「ノイズの警報!?」

 

それは響も何度も聞いたノイズの警報だ。距離がある所為かかすかな音しか聞こえてこないが、

 

「キィ~リィ~ッ! 予定通りノイズが現れたか、これで特異災害対策起動部二課の装者は全滅だ!!」

 

「!? 全滅…どういうこと! 答えてカミキリキッド!!」

 

カミキリキッドの口走った言葉に響が反応する。響としては聞き逃せない内容だからだ。

 

「全ては地獄大使の策よ、お前たちを俺が仕留めると共に永田町で風鳴翼や雪音クリスといった装者どもを誘き寄せ出現するノイズを手駒にし叩き潰す。 それが作戦だ!!」

 

「ノイズを手駒!?」

「ソロモンの杖は無い筈、どうしてノイズを手駒に…」

 

カミキリキッドのノイズを手駒に出来る発言にヒビキが反応し、もう一人の響がソロモンの杖もないのにノイズを操ろうとするショッカーの執念に奥歯をかみしめる。

 

━━━カミキリキッドの言ってる事が正しかったら翼さんたちが危ない!

 

カミキリキッドの言葉が嘘やハッタリとも思えなかった響の脳裏に焦りが出てくる。

翼もクリスもマリアも響の知っている人物ではない。それは分かっていた。

だからと言って、見す見す見捨てるほど響も非情になりきれない。それどころか今直ぐにでも助けに行きたいくらいだ。

でも、目の前のカミキリキッドを…ヒビキを放置して行くことなど…

っと考えていると、ヒビキを介抱していた手に温かみを感じ見ると、ヒビキがソッと触っている。

 

「…行きたいんでしょ」

「もう一人のワタシ…」

 

響と少なくない日数過ごしたヒビキ。何となくだが気持ちは分かってきている。

響と過ごすうちに懐かしい感覚もある。嘗て人助けが趣味と言えた少女の心に温かさも戻ってきたようだ。

ヒビキと共にこの場を離れクリスたちを助けに行く。そう決める響。

しかし、クリスたちを助けに行くには、目の前のカミキリキッドが邪魔といえた。自分たちを殺す目的がある以上、むざむざ見逃す気などないだろう。

そう考えていた響の耳にある音が聞こえ、ヒビキに耳打ちする。

 

「私が合図をしたら真っ直ぐ走って…」

「? うん…」

 

言葉の意味は今一理解してないヒビキだが、響の真っ直ぐな目を見て頷く。

それを見て響はカミキリキッドを睨みつけるように見る。

 

「キィ~リィ~ッ!! 何をする気か知らんが此処がお前たちの墓場となる…死ねぇ!!」

 

目の前でコソコソ話をする響たちに業を煮やしたカミキリキッドは火炎を吐き止めを刺そおうとする。

だが、それと同時にカミキリキッドの背後からエンジン音らしきものが聞こえてきた。

 

「今だぁ!」

 

「!?」

 

響の口から合図が出た。取り敢えずヒビキは言われた通りに真っ直ぐ走り出しカミキリキッドの吐く火炎の真横を抜ける。

そして合図した響もジャンプしてカミキリキッドの上を取り拳を握りもう片方の手で握っていた土をカミキリキッドの顔にぶん投げる。

 

「目隠しか!? 古典的な手をッ!!」

 

直ぐに火炎を吐くのを止め防御姿勢に入るカミキリキッド。改造人間である以上、一時的目が見えなくても戦えるが立花響が連携して攻撃してくればダメージは避けられない。

少しでもダメージを減らし反撃すれば二人の響は容易く倒せると考えてだ。

だからこそ、カミキリキッドは響への対応が遅れた。

 

響の狙いは、

 

「とりゃあああッ!!」

 

「イーッ!?」

 

カミキリキッドではなく、

 

「乗って!」

 

「なにぃー!!」

 

カミキリキッドが増援で呼び出した戦闘員のバイクだった。

 

響に促されヒビキが響の後ろに乗る。それと同時にエンジンを吹かす響。

バイクに乗るために蹴飛ばされた戦闘員は緑の泡となり別の戦闘員も突然の事に呆然として響を見つけていた。

 

「立花響ッ! 貴様ーーー!!」

 

ただ一人、カミキリキッドが響の名を叫ぶように言い、響が視線をカミキリキッドに向ける。

 

「カミキリキッドッ! 悪いけどお前の相手をしてる暇はないの!」

 

それだけ言うと響は更にバイクのエンジンを吹かし一瞬にしてバイクを反転させるとそのまま走り出す。

バイクのエンジン音が響く中、カミキリキッドは、急いで追い、いきなりの事で戦闘員は呆然と見るしかなかった。

 

「ちょ!? 早い! アンタ、今更だけど免許持ってるの!?」

「…ノーコメントで」

「…イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?!?」

 

バイクが猛スピードを出し中、ヒビキの悲鳴がドップラー効果で遠ざかる。それを視線だけで追う戦闘員たち。

 

「何をしている、追えぇぇ!! それでもショッカーの一員かぁ!!」

 

そんな呆然とする戦闘員たちにカミキリキッドが怒号の声を出す。

その声に即座に反応した戦闘員のバイクが次々と響たちの乗るバイクを追跡する。

同時にカミキリキッドも部下の戦闘員が乗るバイクの後ろに乗り込み後を追う。

 

「キィ~リィ~ッ! どうやら奴ら永田町に向かってるようだ。地獄大使の下ならば纏めて始末出来ると言うものよ。 ただ死ぬ場所が変わっただけだ!」

 

響たちに逃げられたカミキリキッドだが、響たちの進路上行き先は地獄大使が指揮をする永田町だ。

あそこならば入り込めば出るのは不可能に近い包囲網を敷いている。わざわざ其処に飛び込むと言うのだ。

どちらにせよ、二人の立花響が死ぬのは変わらない。

 

カミキリキッドを乗せたバイクが何台も駆け出し燃える廃ビルには誰も居なくなる。

その直後にサイレンが聞こえ、消防車が廃ビルの消火活動に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、永田町では突然現れた黒いノイズに皆が意識を向く。

ほんの僅かだが、この時ばかりは戦闘員も動物もノイズすら停止し、黒いノイズに注目していた。

そんな中、クリスとマリアはイグナイトを解き通常のシンフォギアの姿へと戻る。

 

「どうした? いきなり元に戻ったが…」

「…制限時間が近いのもあるが…」

「アレの近くでイグナイトの状態は不味いのよ」

 

急に元に戻った二人に翼が戻った理由を聞くと二人の口から黒いノイズの情報を知らされる。

 

イグナイト。それは元々魔剣ダインスレイフを、人為的に暴走を引き起こして、それを力に変えている。

その結果、シンフォギアは更に強くなったがある特定の敵、カルマノイズには相性が非常に悪かった。

カルマノイズには「呪い」と言われる人間に破壊衝動を植え付ける、それがイグナイトと致命的に相性が悪かったのだ。

 

「…なるほど」

 

理由を聞いた翼は納得し改めて突然現れたカルマノイズを見る。

そのノイズは現れた時と変わらる格好でただ立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「小娘どもがイグナイトとかいうのを解いた? それは兎も角、あの黒いノイズは…」

 

同じ頃、ビルの屋上で観察していた地獄大使は突然現れたノイズに注目している。

突然現れたノイズを遠目で確認する。

 

━━━ベルトをしてない以上、ワシ等のノイズでもなさそうだ。 ブドウみたいなタイプは見たことあるが黒いのは初めてだな。 …まぁ構わん、ノイズならば…

 

突然現れたカルマノイズを見て悩む地獄大使。

見た目は自分たちの造り上げたショッカーノイズにも見えたが、ショッカーノイズ特有の腰の部分にショッカーのマークが入ったベルトがない以上、別のノイズだと判断する。

他のノイズと出現したタイミングが気にはなるが、

 

「ジャガーマンに命令させればすむだけよ」

 

たかが黒いノイズが一体現れようがジャガーマンが操れば済むと考える地獄大使。

しかし、その考えは直ぐに覆されてしまう。

 

 

 

 

「おい、そこの黒いノイズ! お前も俺の配下となりシンフォギア装者を殺せ!」

 

地獄大使の意思を察したのかジャガーマンがカルマノイズに命令を出す。

どういう訳かイグナイトを解いたクリスとマリア。戦力が激減した今ならチャンスとも思った。

黒いノイズも配下にし、総攻撃を企てている。

しかし、カルマノイズはジャガーマンの命令を無視してただ立ち尽くしている。

言う事を聞かないノイズに腹を立てたジャガーマンが近づいていく。

 

「聞こえないのか!? 俺の命令に従えと言ったんだぁ!! ……こっちを見たらどうだ!」

 

「馬鹿ぁ! ソイツに近づくんじゃねえ!!」

 

クリスの制止を無視して、ノイズに近づいて怒鳴るがカルマノイズはジャガーマンに全く反応せず、遂には力尽くでノイズに言う事を聞かせようとした時、カルマノイズの体が現れた時のように霧状となる。

 

「なっ!?」

 

驚くジャガーマンだが、その霧は意思があるのかジャガーマンの周囲を取り囲み体の中に入り込んでるようにも見える。

 

「何が起こって…グガッ! ヒョォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!」

 

「「「「!?」」」」

 

ジャガーマンの咆哮にクリス達は愚か、偵察していたサイギャングと地獄大使すら驚く。

絶叫にも近い咆哮の為か一部の動物がその場を逃げるように離れ、停止していたノイズたちも動く。…尤も、

 

「イーッ!?」

 

バイクに乗った戦闘員に向かって突撃し共に炭化したが。

それどころか、動物も他のノイズも次々と戦闘員に襲い掛かり先ほど見せた連携も見られない。

 

「何をしている、ジャガーマン! 俺の部下を襲ってんじゃねえぇ!!」

 

これにはサイギャングも怒りの声を跳ね上がる。

突然の襲撃に裏切りかと思う程に、

何時の間にかジャガーマンを包んでいた黒い霧も消え姿が見えるがその姿にサイギャングたちは一瞬言葉を失う。

 

「黒い怪人…」

 

その姿は先程よりも体が黒く筋肉が肥大してるのか体格が倍近くなり左肩の鎧がギチギチとなっているジャガーマンだった。

黒くなったジャガーマンが息を吐き赤くなった目でクリスやサイギャングたちを見回す。

 

「不思議なモンだ、今なラ何デも出来そうな気分ダぜ! 取り敢えズ、オ前ら暴れナ!!」

 

ジャガーマンの一声に残っていた動物もノイズも戦闘員やサイギャング、翼たちに襲い掛かる。

其処にはもう、クリスたちを苦しめていた連携など何処にもなかった。

 

 

 

 

 

「アレが…」

「ええ、カルマノイズが発する破壊衝動よ」

「本来なら現れただけで周りの人間が暴徒化するんだが、世界蛇みたいに操れなかったようだな」

 

襲い来る動物やノイズを蹴散らしつつクリス達が話す。

怪人にカルマノイズが取り付いたのは想定外だが、自分たちを苦しめていた連携が出来なくなった事は大きい。

一気に怪人たちを叩くチャンスだろう。

 

「!」

 

その時、翼の近くに何かが転がってきた。

見ると、戦闘員のバイクでノイズに襲われ炭化しただろうと考えた翼はある決心をする。

 

「二人とも、私は二本角の相手をする。二人はジャガーマンの相手を頼めるか?」

 

転がったバイクを起こした翼が二人にそう声をかける。

今この場にはジャガーマンとサイギャングの二体の怪人が居る。

見たところ、翼は敵のバイクに乗ってサイギャングと戦うのだろうと判断する。元の世界での翼のバイクセンスを知っている二人は首を縦に振る。

 

「しゃーねえ!」

「私たちは私たちでジャガーマンを相手にするわ」

 

こうしてそれぞれが、どの怪人を相手にするか決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええい! 何がどうなっている!?」

 

バイクに乗ったサイギャングは混沌としつつある永田町で疾走する。

途中、空から飛行型ノイズが突撃してくるが固い皮膚のサイギャングには通じず逆にサイギャングの力で粉砕される。

ジャガーマンの突然の暴走から既に何体ものノイズと動物を蹴散らしているサイギャングだが、どうするか悩む。

 

「あのバカを止めるべきか? …それとも小娘どもを優先するべきか。 …そもそも、これも作戦の一部なのか?」

 

ジャガーマンを止めるにしてもクリス達の抹殺にせよ、地獄大使の作戦はまだ続いてるのかすらサイギャングには不明だった。

バイクを停め思考するサイギャングだったが別のバイクのエンジン音に気付く。

部下の戦闘員が何か伝えに来たのかと思いエンジン音のする方を見る。

 

「…チっ、シンフォギア装者の風鳴翼か!」

 

「二本角、お前の相手は私だ!!」

 

エンジン音の正体は片手にアームドギアの剣を握った翼だった。

バイクで真っ直ぐ突っ込んでくる翼の姿にサイギャングも己のバイクのエンジン音を吹かした。

二台のバイクが交差し金属音らしき物が聞こえる。翼の剣がサイギャングを切り裂こうとした。が、

 

「痛っ!? なんて硬さだ…」

 

剣を持っている方の腕に凄まじい衝撃を感じる。剣を見れば刃が欠けている事に気付きサイギャングの体の固さに気付く翼。

見た目以上に体が頑丈だと判断する。

 

「ケッケケケケケケケケケケッ!! 貴様程度の小娘が俺を倒せると思わん事だな!」

 

そう言うとサイギャングはバイクのアクセルを吹かし翼の横を走りぬき、直ぐに翼もバイクで後を追う。

サイギャングのスピードに翼もじょじょにバイクのアクセルを引き出力を上げる。

 

「クッ、何だこのじゃじゃ馬は!?」

 

バイクの速度を上げてる内にハンドルがいう事を聞かなくなり途中で停止した。

シンフォギア装者の中でもバイクの第一人者と言える翼をもってしてもショッカーのバイクの操縦に四苦八苦している。そもそもショッカーのバイクは改造人間が乗る事を想定して普通の物より遥かに出力が高い。

 

「ケッケケケケケケケケケケッ! バイクに振り回されてるようじゃ俺には勝てねえぞ! 此処まで追ってこい!」

 

ショッカーのバイクに苦戦する翼を見て笑うサイギャングは挑発するように言うとバイクの速度を上げビルの壁に向かう。

そのままでは激突するかと思われた時、翼は信じられない物を見た。

 

「!?」

 

「ショッカーのバイクの性能はこういう事も出来るのだ!」

 

翼が見たのは壁に激突したサイギャングではなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

サイギャングが走る壁が斜めってる訳ではない。ちゃんとしたビルの90度の壁をサイギャングのバイクが駆け上がっているのだ。

奥歯を噛み締め決心した翼がバイクを吹かしサイギャングを追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾つものミサイルがジャガーマンへと降り注ぎ次々と命中していく。

小型ミサイルを撃ったクリスは更にアームドギアのガトリング砲を二丁持ち弾丸を幾つも撃ち込んでいく。

 

「やった?」

「…だといいが」

 

クリスの弾丸で発生した土煙でジャガーマンの姿は見えない。

一旦、撃つのを中断したクリスにマリアが聞くが曖昧な答えと言えた。

正直アルカノイズを取り込んだ(取り込まれた?)ジャガーマンがどの位の強さか読めないのだ。

 

「何ヲ撃ったンダ? ゴミども」

 

「「!?」」

 

もう過ぎ煙が完全に晴れるかと思われた時、クリスとマリアの背後から声がし振り向く。

其処には無傷のジャガーマンが放置された車の上に乗っていた。

 

「何時の間に…」

「まったく見えなかったぞ!」

 

「お前たち程度が俺のすみーどを見抜けるワケが無いだロ!!」

 

そう言った瞬間、ジャガーマンの姿が消えクリスとマリアの前に現れる。

 

「早っ…」

「しまッ…」

 

「ヒョォォォォォォォォォォォォッ!!」

 

ジャガーマンの俊敏な動きに対応が遅れたクリスとマリア。

その隙を見逃さなかったジャガーマンの爪がクリスとマリアの体を引き裂いた。体を守っていたシンフォギアの装甲も殆どが砕かれインナー姿にされた。

 

「ゴポッ!」

「カハッ!」

 

切り裂かれた二人は宙を舞い地面へと激突する。二人の体には早くも傷だらけになり頭から出血している。

そして、攻撃したジャガーマンの両手には二人の血が付いている。

クリスとマリアのシンフォギアも砕かれインナーも傷や血が広がって見るも無残な姿となる。

 

「クッソッ…!」

「…カルマノイズを…凌駕する…わね…ゴホッ」

 

カルマノイズとは幾度も戦い続けた二人だが、今回はかなりピンチだった。

嘗て、カルマノイズを造った世界蛇…ウロボロスとも戦い勝利した。しかし、それは仲間たちが居たお陰でもある。

この場に居るのはこの世界の響を残せばサイギャングと戦う翼しか居らず、クリスとマリアの仲間は元の世界に居る。

今から助けを呼ぶ手段も無ければ、そんな暇もない。

二人は、ただでさえ包囲され少なからず消耗し目の前のカルマノイズに取り付かれたジャガーマンがいる。

 

「フン…生娘は旨いト昔から言うが…イマイチだナ」

 

「ゲッ…」

 

視線をジャガーマンに向けていたクリスが顔を顰め声を漏らす。

マリアも何とか視線を向けクリスの気持ちが分かった。

二人を切り裂いた時に手に付いた血を舐めしゃぶっているのだ。

 

「さて食前酒ハ楽しンダ、残っタ血はスープ悲鳴は前菜メインは当然ニク。食後には目玉をシャブリながら骨ヲ嚙み砕いてヤロウ」

 

手の血を舐め切ったジャガーマンは改めて地面に倒れるクリスとマリアを見る。その目は完全に獲物を捕らえた猛獣の目で二人に血と共に汗が流れる。

このままでは食い殺される。二人は何とか立ち上がろうとするが、ジャガーマンに切り裂かれた傷の痛みや血が滑り満足に立つことも出来ない。

 

「食い殺されるなんて…真っ平だぞ!!」

「奇遇ね…こっちもよ!!」

 

それでも二人は多くの戦いを経験した歴戦の戦士と言える。気合で何とか立ち上がる、が傷の影響で反応が遅れ気味となり息も荒い。

元より俊敏なジャガーマンから逃げるのすら不可能に近い。

負傷により逃げることも出来ない二人にジャガーマンがニヤつき近づくと鋭い爪を伸ばした腕を振りかぶる。

何もできない事に絶望し目を瞑るクリスとマリア。

 

「死ネェぇェぇェぇ!!」

 

ジャガーマンの声が響くと共に鈍い音が辺りに響く。

 

「「……? …!?」」

 

しかし、何時までも衝撃がない事に不思議に思い目を開いた二人は驚いた。

よく知っているオレンジ色と白のシンフォギア姿。

 

「キ、貴様ハ立花響!」

 

響がジャガーマンの頬に拳をめり込ませていた。

 

 

 

 

 

 

 




響とクリス達がとうとう出会った話。

劇中でもグレ響にカルマノイズが取り付いたので怪人にも取り付くでしょう。
設定的には、破壊衝動でやや暴走気味。力量は13体の強化改造人間程に高まってます。


因みに響たちはノーヘルでした。ついでに戦闘員もノーヘルでした。劇中だと道交法が変わったのか戦闘員も途中でヘルメット被りだしたけど…
響、二回目の無免許運転。

バイクの性能は仮面ライダーのサイクロン号に匹敵します。
シンフォギア装者の中でもバイクに長けている翼をもってしてもショッカーのバイクには四苦八苦してます。極めることが出来れば超高層のビルでも平気で登れます。

…翳り裂く閃光で翼がバイクに乗ってたっけ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。