改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

今回の話で98話。
原作の仮面ライダーならゲルショッカー首領と決着をつけ新シリーズに移行しますが、この小説では地獄大使との決着もマダ。
今年はゲルショッカーとの決着とかいければいいんですが…


98話 激突! S.O.N.G.VSショッカー

 

 

 

「ギーッ!」

         「ギーッ!」

 

手から赤い爪を生やした人間が闊歩する。

この辺りは数分前まで平和で通行人も行き来して賑わてる商店街付近だが、今は赤い爪を生やした人間が居るだけである。

 

赤い爪に引っかかれたり爪を突き立てられた者も赤い爪を生やし仲間になり普通の人間を襲うようになる。

パニックが起これば一般人は右往左往の混乱に陥り何処に逃げていいかも分からない。

逃げる最中に誰かを押しのけ踏みつける事もあったが、悉くが赤い爪の餌食となり、仲間になって他者を襲う。

まさにゾンビ映画の世界とも言えた。

 

「ハア…ハア…お姉ちゃん、こっち!」

「ハアハアハア…」

 

そんな中、人影の消えた道路を駆ける人影が居る。

どちらも女性で一人はまだあどけなさがある。二人は姉妹で今日は買い物に来ていて偶然巻き込まれたのだ。

他にも友人たちはいたが、赤い爪に次々と感染して他者を襲い自分たちは何とか逃げていたのだ。

 

後ろからは何人もの赤い爪を生やした人間たちが追い、ならばと曲がり角で撒こうとする姉妹。

しかし、

 

「ハア…ハア…ウソ…」

「ハア…沢山いる…」

 

曲がり角で曲がった二人の目の前には何人もの赤い爪を生やした人間が佇んでいた。

そして、二人に気付くと「ギーッ!」という声を発して一斉に近寄ってい行く。

反対方向を振り向くが其処にはもう赤い爪を生やした人間がやって来ている。

逃げ場は…無くなった。

 

「ギーッ!」「イーッ!」「ギーッ!」

 

最早逃げ場はない。自分たちもアレの仲間に去れる姉妹がそう思った時、

 

「オラァァ!!」

 

突然女性の声が聞こえると同時に目の前に赤い鎧のような物を身に纏った銀髪の少女が降りてくると手に持っていたライフルのような物を振るい目の前の赤い爪を生やした人間を殴り倒す。

 

「ギーッ!」

 

「ノイズ並みに数だけは多い!」

 

少女は文句を言いつつもライフル銃を振り回して次々と赤い爪の人間たちを殴り倒す。

頭や顎、鳩尾が殆どで殴られた人間は意識を失って気絶していく。その少女こそシンフォギア装者の雪音クリスだった。

本来のクリスの戦闘ならガトリング砲を撃ちまくればアッサリと鎮圧出来る。

だが流石のクリスも一般人に重火器は使えず気絶させるだけならライフル銃で殴るのが手っ取り早い。

警官隊は全滅したが赤い爪に注意すれば其処まで脅威ではない。

 

現に自衛隊も網などを使って感染者を捉えて両腕を後ろで縛れば簡単に無力化される。

 

「くそっ、この騒ぎを起こした怪人は何処だ!?」

 

感染者の一人を殴り倒したクリスがあっちこっち見回すが怪人どころか戦闘員の姿すら見えない。

クリスは警戒しつつも赤い爪に感染した暴徒の鎮圧を進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、

あの人影の無い公園の奥。

普段ならだれも立ち寄らない公園の奥、それが今では何人もの人影が蠢いている。

その殆どがショッカー戦闘員であり幾つもの機械がセットされ中心部にはクリス達が使っていたギャラルホルンで出来た空間の歪みがある。

 

「ショッカー響とマリアはギャラルホルンで無事に移動したようだが…何か分かったか?」

「イーッ! 残念ですが我々が用意した発信機は途中で途切れました。 ショッカー響には幾つのか発信機も取り付けていますが…」

「新しく製造した通信機も途中で途切れました」

 

その報告を聞いて舌打ちをする地獄大使。

ショッカー響を洗脳したマリアの案内で行かせたが、ショッカー響には色々仕掛けをしており、並行世界に行く用の実験を行っていた。

発信機も通信機もショッカーが新しく造り上げ理論上地球の裏側だろうが一寸の狂いもない性能を持たせ嵐や津波でも壊れにくい物だ。

それらを使いショッカーはこっち側でもギャラルホルンのデータを得ようとしていたが…

 

「ちっ、こうなればショッカー響が戻るまで動けんか…「ギィィィラァァァァァ…」…来たか」

 

戦闘員たちの報告を聞いて愚痴る地獄大使の耳に鳴き声が聞こえると同時に自分の横に何かが着地した音がする。

目線を向けなくても分かる、自分の部下であるギラーコオロギだ。

 

「地獄大使、言われた通り街中に俺の死のツメをばら撒いてきた」

「ご苦労…」

 

ギラーコオロギの報告に乾いた返事をする地獄大使。

 

死のツメ、それは本来日本や世界の都市部に感染させパニックになった隙に主要都市を制圧する作戦に使う筈だった。しかし、時代が進み通信網の発達に医療の発達も合わせ死のツメのパンデミックでの混乱は早期に抑えられる可能性が高くなり作戦自体凍結していた。

 

今回推し進めたのも雪音クリスや特異災害対策起動部二課を釘付けするのが目的だ。時間が稼げればそれで十分なのだ。

 

━━━仮に早期に鎮圧されようが構わん。 感染者どもは感染して三日で死ぬ

 

ギラーコオロギの死のツメは感染源であるギラーコオロギが死ねば綺麗さっぱり消える。だが裏を返せばギラーコオロギが死なない限り死のツメに感染した人間が治る事は無い。

それこそワクチンを作ろうが感染したものが死ぬのが早い。

どちらにせよ、そうなれば日本を混乱に落とせると考える地獄大使。

 

「仕事は果たした、早くシンフォギア装者の立花響や雪音クリスと戦わせてくれ!」

 

闘争本能が刺激されたのか、シンフォギア装者との戦いを望むギラーコオロギ。

それが頼もしくもある反面、面倒だと考える地獄大使は口を開く。

 

「暫し待て、ショッカー響が戻り次第マリアを殺害した後に雪音クリスと戦え!」

 

地獄大使の考えは至ってシンプル、各個撃破だ。

嘗て、響や翼たちを纏めて始末しようとしてショッカーは行動していたが、その悉くが敗北し大幹部二人も失ってしまった。

ならば各個撃破を狙うのは当たり前と言えた。

用が済んだマリアを殺害後、雪音クリスや二人の立花響を抹殺し、世界を手にする。

それもまた地獄大使のプランの一つであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがギャラルホルン…か?」

「は…い…」

 

並行世界のS・O・N・G本部に侵入した響は元聖遺物安置室の中心部で光る巻貝のような物を見上げマリアにそう聞く。

その間にも、ショッカー響はギャラルホルンを舐め回すように観察する。

直後に倉庫の扉が開く音がし、マリアとショッカー響が出入り口の方に目を向ける。

 

「フア…誰か居るのかと思ったら、マリアさんですか。 クリスさんと入れ違いになったみたいですね」

 

金髪の少女…エルフナインが大きく口を開け欠伸をしていた。

クリスの報告後、根を詰めていたエルフナインは指令や同僚たちに諭され仮眠室でさっきまで寝ていた。だが、ギャラルホルンを安置している元倉庫内に気配を感じて見に来ていたのだ。

さっきまで熟睡しかけていたエルフナインは目をショボショボとさせながらマリアの姿を確認した。

 

「このガキが?」

「エルフ…ナイン…よ」

 

「あれ響さん?」

 

ショッカー響とマリアが何かを話し、エルフナインも響の存在に気付いた。

寝惚けてる所為か、立花響もギャラルホルンで移動したのかとも考えるエルフナイン。何しろ、完全聖遺物ギャラルホルンが稼働してからは響も翼も並行世界へ移動しては問題を解決したり定期報告などでも移動する。

だから、響がギャラルホルンの傍にいるのも納得できてしまっていた。

そんなエルフナインの反応をよそにショッカー響がマリアに視線で合図を送り、マリアが頷くとショッカー響は元倉庫を後にする。

そして、マリアがエルフナインに話しかけた。

 

「エルフナイン…ちょっと頼まれごとがるんだけど…」

「頼み、ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャラルホルンの情報全部ですって!? 無茶です!!」

 

マリアの頼みごとの内容を聞いたエルフナインはキャラに似合わない程の声量で叫ぶように言う。

何しろ、マリアの口から出た内容はS・O・N・Gが保管しているギャラルホルンの全データ。即ちトップシークレットを超える内容だったのだ。

 

「無理は…承知している…わ。 でも…どうして…も必要な…の…」

 

マリアは話を続ける。

自分たちが完全聖遺物ギャラルホルンを使って並行世界に行き来してるのがショッカーにバレ、ショッカーはS・O・N・Gに逆襲する為に並行世界でギャラルホルンを探している。

それに気づいた特異災害対策起動部二課だが、先手を打とうにもギャラルホルンを所持してる訳でもなく何処にあるのか分かってる訳でもない。

だからこそ、ギャラルホルンを所持しているS・O・N・Gの所有しているデータが欲しかったのだ。

 

「ショッカーがギャラルホルンを!? …でも勝手にギャラルホルンの情報を渡すのは…」

 

いくらマリアの頼みと言えど、エルフナインは簡単にはギャラルホルンのデータを渡さなかった。

独断と言うのもあるが、如何にもマリアの言動に違和感も感じてたからだ。

その時、エルフナインの持つ通信機に連絡がいく。

 

『エルフナインくん、聞こえるか?』

 

「あれ、指令ですか?」

 

通信機からは上司である風鳴源十郎の声がし返事をする。

 

『既にマリアくんから聞いてるだろうが、ギャラルホルンのデータを渡して欲しい』

 

「えっ!? 良いんですか?」

 

源十郎の言葉に思わずエルフナインも「良いのか!?」と反応する。

これまでも、響たちが赴いた並行世界は幾つもありギャラルホルンの事も話してはいた。…話をしてはいたがギャラルホルンのデータを外に持ち出すことは殆どなく、今回は異例中の異例とも言えた。

 

「本当にギャラルホルンのデータを渡して良いんですか?」

 

『ああ、万が一にもショッカーがギャラルホルンを手に入れれば厄介な事になる。 直ぐには使えなくてもショッカーの科学力を舐める訳にはいかない』

 

「…わかりました」

 

指令の許可が出た以上、エルフナインとしても断る気はない。

それだけ、エルフナインもショッカーの科学力には警戒していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、ギャラルホルンの方を急いで頼む。 …あまり時間があるとは言えんからな」

 

通路の途中、ギャラルホルンを安置している元倉庫から其処まで離れていない通路の途中で源十郎の声がするが、其処には源十郎の姿など何処にも見えない。

それどころかS.O.N.G.関係者の一人すら居ない。居るのはマリアと別行動として先に元倉庫から出たショッカー響だった。

そして、ショッカー響は壁側に設置されてる配電盤に腕を突き刺していた。

 

「纏めたデータはマリアくんに渡しといてくれ。 …これで良し、後は時間を十分稼がねばな」

 

源十郎の声から響の声に戻ったショッカー響は配電盤に差し込んでいた腕を戻す。

マリアに目配せした後、ショッカー響は配電盤のある通路まで行き腕を突き刺したのだ。目的はS.O.N.G.本部の通信網の掌握、エルフナインに通信したのもこの手である。

これでS.O.N.G.は中からも外からも通信が不可能にされてしまった。S.O.N.G.本部は巨大な密室となったのだ。

マリアからエルフナインの情報を握ったショッカーは当初はエルフナインの拉致を模索したがギャラルホルンを経由しなければならない事で頓挫。ならばエルフナインを騙す事にした。

 

ショッカー響はショッカーの造り上げた改造人間だ。声を変えること自体其処まで難しくはない。

後は他の任務を行うだけだった。

 

「あれ? 今指令の声がした筈だけど…」

 

ショッカー響が丁度配電盤の蓋をした時、通路の奥から声がした。視線を向けた先にはS.O.N.G.の制服を着た若い男性が書類を片手で持っていた。

 

「響ちゃん、風鳴指令此処に居なかった?」

 

若い男は丁度、書類を指令の居る指令室まで行こうとしていたが、途中で指令の声が聞こえ、これ幸いとばかりに来たのだ。

来たは良いが、指令である風鳴源十郎の姿は何処にも見えず丁度、シンフォギアを纏っていた響を見つけ声を掻けた。

面倒くさそうに男を見るショッカー響。

 

「ああ、ごめん。 この書類をどうしても指令に届けなきゃ「面倒だ、死ねっ」!」

 

男の運がなくとんでもない間違いをしていた。

一つは、目の前の響はS.O.N.G.に所属する立花響では無かった。それどころか、世界的犯罪組織の一員である改造人間だった。何よりショッカー響にはS.O.N.G.でのもう一つの使命がある。

 

「あが…あがが…」

 

「さて、少しでもS.O.N.G.の戦力を削がなければな…」

 

職員の喉を手刀で貫いたショッカー響は眉すら動かそずそう言った。

 

ショッカー響の使命。それは、S.O.N.G.への敵情視察兼この世界のシンフォギア装者の調査と戦力を削る事だ。

 

「ふう、やる事が多い」

 

職員を一人殺害したショッカー響はそう呟き溜息をつくとその場を後にする。

直後にショッカー響の通路からは悲鳴が木霊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハア…ハア…一体何が如何なってるデスか!?」

「ハア…切ちゃん、急いで指令室に行かないと!」

 

S.O.N.G.本部の通路内、二人の少女が通路を走っている。その足元には赤い液体が滴り二人は口元を抑えていた。

少し前にS.O.N.G.本部の潜水艦へと戻ったこの世界の暁切歌と月読調だが、艦内に戻った直後に直ぐに異変に気付いた。最初は何かしらの事故かと思い、本部の指令室に居る風鳴源十郎に連絡を取ろうとしたが、通信が繋がらず仕方なしに通路を走って指令室に向かっていたのだ。

その途中には、無残に殺されたS.O.N.G.の職員が何人も見つけてしまう。

 

「ハア…どうして警報が鳴らないデスか!?」

「…分からない…分からないよ切ちゃん」

 

途中に通路に設置してある、緊急警報を鳴らす装置を押してみたが、うんともすんとも言わなかった。

こんな事、二人にとってもあり得なかった。

確かにS.O.N.G.本部は何度か敵組織に侵入されてきたが、その度に警報が鳴り大人たちが対応しシンフォギア装者が動いていた。

しかし、今回は警報も鳴らず通信も繋がらない。終いには職員たちの死体、二人にも何かが起きてる事が容易に想像できた。

 

あと少しで指令室に着く。丁度その時に前方で見知った姿、同僚を目撃した。

 

「あ、響さん! 大変デースッ!!」

 

シンフォギアを纏った立花響の姿だ。

尤も、切歌と調は気付いていない。響の手元が血で真っ赤になっていたのを。

 

「!?…?」

 

調は調で響の姿が目に入った時、胸元がドクンっ!と言い違和感を感じていた。

この違和感を無視した事を後に調は後悔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…暁切歌、月読調。 これより脅威度の確認を行う」

 

S.O.N.G.の職員を処理しつつ指令室に向かっていたショッカー響はこっちに近づいてくる切歌と調の姿を見てそう呟く。ショッカー響には平行世界の装者、クリスとマリア以外の戦闘力も試す任務もあった。

 

「響さん、今本部で何が…!」

「!?」

 

だからこそ、無邪気に近寄る切歌の側頭部に蹴りを放った。

側頭部に突然の蹴りを食らった切歌は通路の壁に叩きつけられ一瞬意識が飛ぶ。寧ろ気絶していた方がマシだったかも知れない。

 

「切ちゃんッ!?」

 

調の悲鳴にも近い声に切歌の意識は何とか戻したが、その視界には自分に迫る拳が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

調には何が起こったのか分からなかった。自分たちは確かに響に話しかけた筈だが目の前で切歌の顔を響が殴り、可愛かった切歌の顔が血が飛び散り腫れ上がっていく。

 

「止めてっ!!」

 

思わず調は切歌を殴り続けるショッカー響の腰に抱き着き止めるよう懇願する。その時、ショッカー響の腹部のベルトにも触る。

 

「どうして! どうして、響さんが切ちゃんを…!」

 

調には訳が分からなかった。強くて明るくて時々馬鹿だけで誰よりも他者を重んじる優しい響の存在は調にとっても切歌にとっても光のような存在。ある意味、マリア並みに大事な相手であった。

そんな響が切歌の顔に容赦のない拳を振るっているのだ。悪夢なら一刻も早く冷めて欲しい。

 

だが、直後に切歌の顔を殴っていた手を止め後ろに抱き着いた調の髪を引っ張る。

 

「痛っ! …!?」

 

頭部の痛みもそうだったが、腹部に激痛を感じた調。

ショッカー響の拳が調の腹部に減り込んでいたのだ。

痛みと衝撃に調の口からは唾液と共に少量の血が飛び出る。

少女にとって余りにも無慈悲な一撃。調はその一撃で意識が刈り取られ、気を失う寸前に響の表情が見えた。

その目には、まるで興味のない物を見つめるような目だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦闘終了か、あまりに呆気ない。 この姿の所為か?」

 

切歌と調を片付けたショッカー響だが、碌に戦闘データを得られなかった事に不服を感じていた。

与えられた任務を失敗するのはショッカーでは許されない。気を失っているが二人はまだ息をして事を確認する。

尤も、ショッカー響は二人に対して最早興味はない。この程度の力ならショッカーの脅威には到底及ばないと判断した。

これならばS.O.N.G.の壊滅も容易いと考えるショッカー響。

 

「とはいえ、私一人でムシケラ共の殲滅は骨が折れるか?」

 

他のシンフォギア装者の力量も分からない。この二人は雑魚だったとしても並行世界に来たマリアとクリスは侮れない力量だった。もしてや、本部にはショッカーでも要注意人物の司令官の風鳴源十郎とエージェントの緒川慎次がマリアの尋問通りなら居る。

 

早期に指令室を抑えねばショッカーが任入した事がバレるかも知れない。

 

「早期にあの二匹の無力化は必要不可欠、しかしその間にシンフォギア装者やムシケラが逃げる可能性がある。 …か」

 

ショッカーとしては、邪魔者であるS.O.N.G.関係者を皆殺しにしたかった。

エルフナインの監視兼データの受け取り役のマリアは下手に動かす訳にもいかず、かと言って自分一人では少々手間だと考える。

 

「…そう言えば、地獄大使よりあれを持たされていたな」

 

そこで何かを思い出したショッカー響は自身のインナーを引っ張り何かを取り出す。

それは一見、石ころにも見えたが、それを殴られて流血している切歌、ついでに調たちと接触する前に殺した職員たちの血溜まりに投げ入れる。

 

転がった石だが大きくなると共に血溜まりの血液が減り、切歌に付けた石も大きくなり…やがて、

 

「「ウオァッウオァッ!」」

 

不気味な鳴き声を上げ、それを見ていたショッカー響は顔に似合わぬ邪悪な笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指令室

 

今日も今日で何時も通り仕事をする職員たち。

司令官である源十郎もモニターを見つつ職員たちの様子も窺い緒川もその傍にいた。

誰もが今日も何時も通りだと思っていたのだ。強いて違和感があるとすれば何時もより少し静かだということだ。

 

「…やっぱりおかしい!」

 

そんな中、オペレーター席に居た友里あおいの呟きが一際大きく聞こえる。

 

「どうした?」

「それが、外部との通信が途切れてるようで…響ちゃんたちの通信が入らないんです」

 

オペレーターは仕事上、外部との通信をやり取りし日本政府や国連での緊急連絡など受け取っている。

時には平行世界からのノイズや新たなる聖遺物の情報まで、

 

「…上手く偽装されてる! 指令、本部の通信網が誰かに握られてます!」

「何だとっ!?」

 

友里あおいの言葉で自らも調べた藤尭朔也も同じ結論に達し源十郎に伝える。

今までの平穏な一瞬にして崩れ、源十郎や緒川も慌てだす。

 

「直ぐに原因を探るんだ! 装者たちへの連絡も急げ!」

「「「はいっ!!」」」

 

源十郎の指示に一斉に返事をする職員たち。

急げ原因究明をしようとするが難航し緒川も原因を探ろうと指令室を後にしようとした。が、

 

「アレ? 響さん?」

 

丁度、扉を開けた先に響の姿を確認した緒川だが、彼女の片手に目線が行くと息を飲み込む。

 

「ひび…き…さん…」

 

ツインテールの片方を握られて引きずられたグッタリした調の姿が

直ぐに緒川は響に何をしてるんか問いただそうとしたが

 

ドドンッ

 

銃声に近い音と衝撃により緒川の体は指令室に飛び、緒川の目にはもう片方の手を此方に向け指先から少量の煙が出ている響の姿だった。

 

銃声に近い音は指令室にも響き何事かと出入り口の方を見た源十郎は倒れる緒川の姿を見る。

 

「緒川ッ!!」

「きゃあああああっ!!」

 

何が起きたのかは分からない、突然の事だ。

誰かが銃を抜いたのかと考えた源十郎だが、緒川の倒れた先には響しか居ない。

 

「響くん?」

 

立花響はリハビリがてら小日向未来と共にノイズを倒しに行ってもう直ぐ戻る筈ではある。

だが、若干早すぎる気がした瞬間、響は此方に手を向ける僅かな光と先程の銃声のような物が響いた。

直後に源十郎の肩に衝撃と激痛が走る。

 

「痛っ!? 一体何が…!?」

 

痛みの起きた己の肩に触れた源十郎。その痛みや傷から銃のようなもので撃たれたと理解した。

すぐさま周囲を警戒する源十郎だが、銃を持っている職員は皆素手であり目の前には指から煙が出た響。

 

「!?」

 

そして源十郎も直ぐに気付いた。

響がもう片方の手で黒い束…ツインテールの片方を引っ張り調を引きずってるのを。

 

「ひ…響くん…君は…」

 

源十郎の声に響…ショッカー響は口の端を吊り上げる。

 

「…来いっ!」

 

ショッカー響はただ一言だけそう言った。

直後に、

 

「ウオァッウオァッ!」

「ウオァッウオァッ!」

 

「うわあああああああっ!?」

「何だ!?」

 

指令室の壁や床を突き破り幾つもの鱗に覆われた触覚の生えた怪物、吸血三葉虫の改造人間ザンブロンゾが現れる。

 

 

 

〇月×日

S.O.N.G.本部はショッカー響と怪人たちの侵入を侵入を許した。

 

 

 

 

 

 




科学者の拉致をやるショッカーは当然エルフナインを狙いますよね。

ショッカー響が使ったのは吸血三葉虫の化石を血溜まりに投げ怪人に戻しました。
一応、荷物扱いで運用できるのか実験も兼ねてます。
S.O.N.G.本部にザンブロンゾが何体か放たれてます。

尚、切歌も調もまだ死んではいません。

後、ショッカー響の補足を

今回登場したショッカー響ですが、再生怪人として蘇った訳ではなく新しく生産されたタイプです。
何故、再生ではないのかと言うとショッカー響はザンブロンゾやエイキングと同じ量産前提で造られた怪人です。

今まで、出なかったのは並行世界に来たゴタゴタと調整に手間取ってた設定です。
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