お陰で、YouTubeで「仮面ライダーVS地獄大使」が見れました。
映画の方は見に行くかは悩み中。
結構、賛否両論が激しいみたいで…トンネルの戦闘とかよく見えないとか。
懐に余裕がないと辛い。
「ク…クリスちゃん?」
響の頭はパニックになっている。
ヒビキに体の中の金属片を見られ、
そして響は気付く、クリスの目があの時の公園で傷口を見た後に似ている事を。
「その面で『クリスちゃん』なんて呼ぶんじゃねえ、偽物野郎っ!」
響のクリスちゃん呼びに腹を立てたクリスは響に向けアームドギアを向けると一瞬にしてガトリング砲に変え撃ち放つ。
「!?」
驚く響だが、クリスの放つガトリング砲の弾を避ける。
ならばと、クリスも回避する響を狙い撃つ。
「なんのつもり、クリスちゃん!こんなの嫌だよ!」
自分を狙う弾丸やミサイルを回避しつつクリスを説得しようとする響。
仲間であり自身の事情をしる筈の少女が敵意剥き出しなのが腑に落ちないのだ。
もし自分に非があったなら謝るつもりだ。
しかし、帰ってきた言葉は、
「ハッ! 随分とアイツを真似てるな、だけどそう何度もアタシたちを騙せると思うな!」
「騙す?騙すって何を…」
クリスへの問いを口にする響。
しかし、クリスは問答無用とばかりにガトリング砲と小型ミサイルの雨を降らす。
爆炎が響を包み込む。
「な…なんでこんな事…止めなきゃ…」
「動かない方がいいわよ」
響の傷口やクリスの突然の攻撃に唖然としていたヒビキだが、何度目の爆音に意識が戻ると二人を止めようと動こうとした。
だが、背後から女性の声が聞こえ振り向くと何時か公園で話しかけていた女性がいる。
マリアだ。
「アンタ…あの時の…」
「下手に止めようとするとアナタも危ないわ。 あの娘、完全に頭に血が上ってる」
マリアの言葉にヒビキはクリス達の方に視線を戻す。
相も変わらず数えきれない弾丸とミサイルが響に降り注ぐが、響はギリギリで何とか躱していく。
ヒビキの目では気付かなかったが、ミサイルの後に弾丸やボーガンを放ったり、大型ミサイルも展開して撃ちつつ即座にアームドギアを狙撃銃にして狙い撃ったりもしていた。
流石の響もクリスの攻撃を全て避けれず幾つかの弾丸が掠れる。
その擦れた個所から金属が覗きヒビキは如何すればいいのか分からなかった。
クリスの弾丸が響の頬を掠め一筋の傷を作る。
傷口からは赤い血が流れると供の即座に傷が消えてしまう。
「掠り傷とはいえ、もう傷が消えちまうなんてな…」
「クリスちゃん…もう止めようよ。 私たちが争ってもショッカーしか喜ばないよ」
掠り傷ばかりで本命は悉くよけられたクリスは嫌味の一つも飛ばす。元々もクリスの体力はそこまで高くはない、それは自覚していたが今日は改めてそう思っていた。
しかし、クリスの嫌味に響は「止めよう」の一点張りだ。その証拠にクリスの攻撃に一切反撃せず回避と防御が殆ど、同士討ちすれば喜ぶのはショッカーだけだと理解している。
「はっ、S・O・N・Gの本部を襲撃しておいてよく言える、偽物野郎!」
「ソ…ソング? 歌が如何かしたの!?」
クリスは本部を襲撃した事を責めるが響には訳が分からない。
響の所属は未だに特異災害対策起動部二課でS・O・N・Gという組織は未だに影も形もない。
序に言うなら、響はこの世界に来る前の元の世界の情勢すら知らない。ある日、ショッカー基地の壊滅の為にマリアたちのいる牢から出されたのだ。
尤も、その響の態度が芝居にしか見えなくなっているクリスには逆効果でもある。
埒が明かないと判断したクリスはシンフォギアのギアであるペンダントを握る。
「クリスちゃん!?」
「コイツで一気に片付けてやる。 イグナイトモジュール! 抜剣っ!!」
クリスが胸元のペンダントを出っ張りを押し込み宙に掲げる。
そして、クリスの手を離れたペンダントは空中へと舞い三方向に開くとクリスの胸に突き刺さる。
「クリスちゃん!!」
シンフォギアのペンダントがクリスの胸に突き刺さるのを見て思わずクリスの名を叫ぶ響。
響にはクリスが謎の自傷行為をしたようにしか見えなかった。
しかし、
「黒い…シンフォギア…?」
目の前のクリスは倒れるどころか見傷であり、纏っていた赤い色のシンフォギアが黒く染まっている事に唖然とする。
少なくとも響にはシンフォギアの形態などエクスドライブ位しか知らないのだ。
「はっ、仲間から教えてもらってないのか。 これはシンフォギアの決戦ブースターだ!」
「決戦ブースター?」
━━━…知らない。 わたし、そんなの知らない…私がこの世界に来た後に開発されたの?
響の脳内はクリスの見たこともないシンフォギアでパニックになっている。
イグナイトなんて言葉、響も初耳だ。自分がマリアたちと同じ牢に入れられてる間に開発されたのかも知れないが…師匠である風鳴源十郎からは何一つ聞いていない。
なら、響がこの世界に来てる間に開発されたのかも知れないが、その力を自分に向ける事の意味が分からなかった。
「イグナイトの力、見せてやるよぉ!!」
そんな響の思考を無視してクリスはイグナイトの力を使い響への攻撃を再開させる。
「一体どういう事だ?」
クリスの歌声が廃墟化した街に響く中、路地裏にて戦いを観察する者が二人いた。
ヒビキやマリアではない。一人は全身が赤っぽく左腕には巨大なハサミを持ち、口の両端に触覚を持ち頭部にも二本の角らしきものがある。
クリスの弾丸が響の腕のガングニールのパーツを抉る。
先程よりもクリスの弾丸が早いことに響が避け辛そうに回避しているがさっきよりも掠る弾の方が多くなってきている。
「雪音クリスが立花響と戦うか、面白いではないか」
「そうだな、理由は今一分からんが潰し合うのなら万々歳だ」
響たちを襲って来た再生怪人のカニバブラーと地獄サンダーだ。そして苦戦する響を嘲笑する。
響がアルマジロングの弾丸スクリューボールを受けて出来た土埃に紛れ襲おうと隠れてる内にクリスが響を攻撃しだすのを目撃していたのだ。
「理由など如何でもいい、上手くすれば二匹とも始末するチャンスだ」
「ああ、雪音クリスが立花響にトドメを刺す瞬間襲うぞ」
チャンスが来るまで二体は路地裏から二人の戦いを見物する。
時が来た瞬間がシンフォギア装者の最後だとばかりに。
「ハア…ハア…」
クリスの攻撃を避け続ける響の息が乱れている。
最初のイグナイトは驚いたが攻撃の殆どはクリスの時とさほど変わらず弾速と破壊力が増してるだけだ。
━━━それでも普通に辛いな…
イグナイト状態のクリスの攻撃を避けること自体は難しくはない。
だが、クリスが殺意の籠った攻撃は響には辛くもあった。
それにクリスのミサイルの爆風や弾丸を躱すことで体力も使ったのか響は瓦礫の上に座り込む。
「ちょこまか逃げやがって、ネズミか? …なんで反撃しねえんだよ」
「クリスちゃん…お願い私の話を聞いて…クリスちゃんは誤解しているよ…」
座り込んだ響にボーガンを構えつつ近づくクリス。
一方的に攻撃されてる響だが、それでもクリスを説得しようとしていた。
「…誤解だとっ!アタシの後輩のちび助、二人とも怪我させといてよく言えるな!」
「ちび助…?」
響の記憶にクリスの後輩など知らない。
当然だ、この時期のクリスの後輩となる月読調と暁切歌は響が居た時は牢に入れられている元FISの肩書しかない。
だからこそ響にはチンプンカンプンだった。
尤も、その響の反応にクリスは呆れるように溜息が漏れる。
「もういい、お前にはアタシの全力をぶつけてやるよ!」
そう言い放ったクリスは纏っていたイグナイトを解きインナー姿になる。
クリスがシンフォギアを解いた事で話し合えるかと期待した響だが、クリスのはその気はない。
そのまま右手でガッツポーズのように構えた。
「今だっ!!」
「雪音クリス、覚悟ぉーーーー!!」
突然の声と共に地面から何かが飛び出してきた。
カニバブラーと地獄サンダーだ。地獄サンダーが砂にした地面に潜り近づきチャンスを待っていた。
クリスがシンフォギアを解いた事で抹殺するチャンスだと考えたのだ。
「クリスちゃん!!」
怪人がクリスを狙ってる事に響がクリスの名を叫ぶ。
しかし、響の声を無視してクリスはガッツポーズしていた腕を上にあげる。
「アマルガム!!」
クリスが一言放つ。
瞬間、クリスの周囲が金色に輝き、怪人たちの攻撃を弾く。
「なにっ!?バリアだと!」
「シンフォギアの新しい能力か! 舐めるなぁ!!」
攻撃が防がれた怪人たちだが、そのままクリス目掛け泡を吐いたり拳やハサミを叩きこむ。
しかし、怪人たちが何度攻撃してもバリアは破れずクリスの腕から金色の巨大な何かが出てきた。
「金色の…花?」
響の目はクリスの掲げた腕からクリスの何倍もある金色の花に注がれた。イグナイトの時と同じ響の知らない能力だ。
アマルガム。それは錬金術とシンフォギアの融合。
ある戦いの後にシンフォギアに組み込まれた決戦機能。
金色の花が一気に散ると共にクリスの周囲に居た怪人たちが吹き飛び、その場にはクリスだけが立つ。
吹き飛ばされた怪人たちは瓦礫へと衝突するが、直ぐに立ち上がる。
クリスの姿は気程までと違い、明るい色で胸元のギアが蝶の形にも見え、今まで見た中でも随分と軽装に見える。
そして、その片手には大きな弓が握られている。
クリスは目だけを動かして怪人の姿を見た後、弓を上に掲げ一本の矢を撃った。
その矢はクリス達の上空に達すると、まるで宇宙に飛んだ人口衛星のように止まり先端がアンテナの如く開く。
その開いた先端から赤い網のような物が出てクリスの周囲…響や怪人たちを内側に閉じ込める様に蓋をする。
「何だっこりゃ!? バリアのつもりか!」
「なら失敗したな、雪音クリス! 敵がバリア内部に入り込んでるんだ!」
響はクリスの展開したバリアみたいの物をジッと見つめ、怪人たちはクリスを馬鹿にするように口を開く。
バリアを展開するには広すぎるうえに敵が内部に入り込んでいる。バリアにもよるが、これでは自分が逃げられずに詰む。
怪人の声を無視して歌うクリスはもう一本の矢を弓に装填して撃つ。
撃たれた弓は怪人たちに迫るかと思いきや横をアッサリと素通りした。
「?」
「はっ、ノーコンもいいとこだな! 雪音クリス!!」
自分たちに射られるどころか明後日の方向にいった矢に怪人たちは薄ら笑いを浮かべ、そのままクリスに突進していく。
最早、クリスの周囲にバリアはない。一気にトドメを刺すつもりだ。
━━━クリスちゃんが外した?クリスちゃんらしくない。 …一体…!?
クリスの矢が盛大に外れ響の後ろの方に飛んで行った事に響はクリスらしくないと考える。
クリスの射撃の腕は自分たち以上だ。下手すれば狙いも付けずにあたる事もある。
そんな、クリスが怪人たちに当てられない事が信じられなかったが、直後に響は目にする。
クリスが放ち自分の真横を飛んで行った矢が戻ってきたのだ。
「死ねぇーーーー!! …がっ!?」
「何だとぉ!?」
飛び掛かった地獄サンダーだが、突然背後から自身の胸を貫かれる。
カニバブラーと貫かれた地獄サンダーも最初は立花響が「何かしたのでは?」と考えたが地獄サンダーの貫いた物が先ほどクリスが放った矢だということに気付く。
地獄サンダーがそこまで認識した直後に爆散。
「雪音クリスの矢が何故っ!? 二発しか撃っていない筈…!?」
そこでカニバブラーは目撃した。
地獄サンダーを仕留めた矢が消えることなく進み、クリスの出す赤い網のような壁に当たった瞬間、別方向に飛んでい行くのを。
「跳弾だと!?雪音クリス、貴様まさかっ!!」
クリスが広域にバリアを展開したのも自分たち諸共バリア内に入れたのも全てはこの攻撃の為の伏線。
カニバブラーの声にクリスは何も答える気は無かった。
その後、クリスの矢を避け続けようとしたカニバブラーだったが、クリスの矢が通過する度に体が削られ最後には回避し切れず直撃して爆散した。
「後はお前だけだ」
怪人を倒したクリスは地面に座り込む響に近づき弓を構える。弓には当然矢が装填され何時でも撃つことが出来る。
クリスが怪人を倒したこと自体、響は不思議とは思わない。
この世界に来る前もクリスはショッカーのアジトで怪人を倒したと聞いても居た。
しかし、そんなクリスが自分を敵視してる事が納得いかない。
何より、
「クリスちゃん、そのシンフォギアに黒いシンフォギアは一体…」
自分の見たこともない二つのシンフォギア。
その正体が気になったのだ。
決戦ブースターと聞いたイグナイトも何時の間に出来たのだと考える響。
「はっ、あの馬鹿の姿を真似てもイグナイトもアマルガムも知らないならしょうがねえな。テメーみたいな出来損ないがシンフォギアを纏うこと自体、間違いなんだ」
「…そんな言い方…酷いよ…」
嘗ては、クリスとも対立した響だが和解し一緒にショッカーと戦ってきた。
共に戦ってきた筈の彼女の口からは聞きたくもない罵倒が飛んでくる。
「私たち、今までずっと一緒にショッカーと戦ってきた筈なのに…」
「…そういう
響の説得もクリスには届かない。当然だ、クリスがショッカーと接触したのはこの世界に来てからだ。
この時点で響の言う「ずっと一緒」が信用できない言葉だった。
そして何より、
「残念だがあの馬鹿はアタシ等の世界で元気いっぱいなんだよ。ついでに言えばアイツの体は、お前と違って完全な人間の体なんだ。 何を企んでるかは知らねえけどお前たちの計画は初めから破綻してたんだ!」
「!?」
クリスの発言に響の顔をから表情が消える。
━━━どういうこと…。クリスちゃんの言葉が正しいなら、クリスちゃんの世界にはもう私がいるの?それも生身の体の。 所々にクリスちゃんの認識と差異を感じる。 SONG…イグナイト…アマルガム…もしかしてクリスちゃんたちは私の知ってるクリスちゃんたちじゃない?
響が自身の勘違いに気付く。
同時に響の体から力が抜け目線も地面に向かってしまう。
「………」
クリスのは聞き取れないが響の口から何かブツブツと言い出す。
眉を顰めるクリスだが、抵抗しないなら一気に弓を引き締め矢を放とうとした。
「何かようかよ」
今まさに響にトドメを刺そうとしたクリスだが、背後の気配と弱弱しい殺気に動きを止め口にする。
クリスの背後には拳を突き出しているヒビキが居た。
「勝負はもうついてる、トドメを刺す事なんて…」
「…お前は知らねえだろうが、ウチの二人のチビがコイツにやられたんだ」
響がもう抵抗する意思がないのはヒビキにも伝わりクリスを止める為に近づく拳を向けた。
しかし、ヒビキの説得も頭に血が上ってるクリスにはあまり効果は無い。
本部の襲撃と打撃、口では憎まれ口などを言いながらも大事な後輩を傷つけ、馬鹿とからかいながらも誰よりも信用してる少女の姿をした敵を許す気はない。
一瞬、ヒビキとクリスの間に一触即発の空気が流れる。
「…そこまでにしなさい、クリス」
其処で声を掛けてきたのはマリアだった。
「抵抗しないなら特異災害対策起動部二課の本部に連れて行って尋問するべきよ。少なくともその子は何か知っていると思うし」
「…お前はいいのかよ? あのちびっ子は…」
「ええ、私の妹ぶんでもある。だけどアナタが怒ってくれたから冷静でいれれたわ」
「…チッ」
マリアの返答にクリスは舌打ちする。
だが、マリアの説得を効いたのか弓矢を仕舞い、シンフォギアも元の状態に戻した。
後は、マリアと協力してヒビキを保護して共に本部に連れて行くだけ
・
・
・
クリスのイグナイトとアマルガムのエネルギーに引かれたのか、地面を潜り何かが迫る。
・
・
・
「…なあ、マリア。嫌な予感がするんだけど」
「奇遇ね、ワタシもよ」
軽く地響きが聞こえてきたクリスがマリアに軽口を言い、マリアも同じ考えだと返答した。
直後、
◆
◆
◆
◆
◆
◆
◆
‼
「またコイツか!?」
「アナタの歌に引かれたのかしらね」
朽ちかけたアスファルトを破り現れたのはゴライアス。
クリスのフォニックゲインに引かれたんだろうと考えたマリアもアームドギアを握りゴライアスへの攻撃に備える。
その後、日が暮れるまでゴライアスの相手をしたクリス達はゴライアス撤退後、二人の立花響の姿が消えていた事で逃げられたことに気付いた。
クリス達のいた場所から少し離れた朽ちかけのアパート。
ノイズの出現に放棄され大家すら居なくなったアパートの一室が乱暴に開かれ誰かが入ってくる。
「ハア…ハア…相変わらず重い!」
肩に響を抱えたヒビキが息を切らしている。
ゴライアスの乱入に隙を見て蹲る響を担いで逃走したのだ。
無事に部屋に入った後は担いでいたヒビキを放置され変色した畳の上に落とす。正直、埃だらけだったが気にしてる余裕は無かった。
「…全部うそだったの?」
ヒビキも座って暫く息を整えた後に口にする。響を連れて逃げたのは幾つか疑問があったからだ。
響の傷口から金属が見えクリス達の襲撃、もう何が何だか分からないヒビキは響が口にしていた情報が全て嘘なのか気になっていた。ただどうしても腑に落ちない事も多々ある事が気になる。
だからこそ、響はクリス達がゴライアスの相手に集中してる間に響を担いで逃げたのだ。
しかし、響はそれに答えず倒れていた体を動かして座り込む。
「並行世界から来たのも、ショッカーに命を狙われてるのも全部ウソ?」
「………チガウ…」
「ワタシに近づいたのも…ワタシがターゲットだったから?」
「……ちがう…」
「ずっと私の傍に居たのも、私を信用させて特異災害と合流させない為?」
「違う違う違う違う…違う!!」
ヒビキの問いに悲鳴にも似た声で答える響。その目からはポロポロと涙が出ている。
「私は! …私たちはずっとショッカーと戦い続けて…でも…私はショッカーの…スーパー破壊光線砲を止める為に…絶唱で…!」
「…なら、その体は? 如何して言ってくれなかったの?」
「…如何説明すれば良かったの!? あいつ等に拉致されて無理やり改造手術されて人間じゃ無くなったって言えば良かったの!!」
「!?」
「私だって…好きで人間を辞めた訳じゃないよ!この傷だって未だに消えない改造手術の傷だし…」
泣き叫ぶように言った響はシャツを脱いで胸元の傷をヒビキに見せる。
それを見たヒビキは手で口元を押さえる。以前は襟を引っ張ってツヴァイウィングライブの時についた傷だけを見せたが、今度はシャツを脱いだ事で胸の全体の傷を視認できた。
━━━これじゃ誰にも言えないわけだ、私だってきっと同じ目にあえばこの子と同じだと思うし…
響の事情を聞いて納得するヒビキ。自身も同じことにあえばきっと誰にも相談など出来ないだろうとも考える。
「…帰りたい…帰りたいよ…。クリスちゃんもマリアさんも私の知ってるクリスちゃんとマリアさんじゃなかった! 元の世界に帰りたいよ、翼さん、クリスちゃん、師匠、お母さん…お祖母ちゃん…お父さん…未来」
響は涙をポロポロ流して帰りたいと訴える。
その姿は一緒にショッカーと戦った勇敢な少女とは到底思えない。
━━━そうか…どこかで見た記憶があると思ったら迷子になって泣きじゃくる子供だ…
その姿にデジャブを感じたヒビキは、ツヴァイウィングのライブの前に親友と街に遊びに行ったときに迷子の少女に会ったのを思い出す。
親とはぐれ、親友と二人で話そうとしても警戒して声も出さず目から涙をポロポロ流した少女。
結局、親を見つけるのに時間がかかり遊ぶ時間が消えて二人で笑い合った時を。
結局その日は泣きじゃくる響の背中を見て休む事にするヒビキ。
今の自分では下手な慰めすら出来ないと判断して声をかけなかった。
何よりも戦ったり響を担いで移動などして疲労も溜まっていた。
意識を失う直前に外から雨音が聞こえてきたような気がし意識が途切れる。
ヒビキが意識を失う少し前、
クリス達のいた並行世界では、本部の新調の為暫くの休みを貰った装者である響と未来は丁度ウィンドウショッピングを楽しんでいた。
「ねえ、未来。このアクセサリークリスちゃんに似合わない?」
「え、クリスには子供っぽくない?」
「そうかな?」
久しぶりに二人の時間を楽しむ響と未来。
並行世界の危機にノイズの出現。謎の組織ショッカーなど問題は山積みと言える現状休みの時はリフレッシュも仕事の内とも言えた。
「!」
「次はあそこ行こう、響。…どうしたの?」
楽しく遊んでいた響の表情が悪くなった事に気付いた未来が急ぎ響に近づく。
しかし、響の息はドンドン激しくなり遂には、
「ウワアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「響!響っ!!」
大声を上げ倒れてしまい未来が必死に響の体を揺する。
その内、誰かが呼んだ救急車のサイレンが辺りに響いた。
平行世界で響と未来が右往左往して一日が経ち、廃墟となったアパートでは、
「…ファ~、壁を背にしていたのに結構眠ったな」
横になっらなかった所為か体から疲労が抜けていないとと内心愚痴るヒビキ。
外からは未だに雨音がするので雨だろうと判断した。
「…あれ?」
昨日から放置していた響も泣き止んだかと思って視線を向けた時に気付く。
其処には誰も居なかった。
ゴライアスの便利さ。劇中のゲームでも動きが変わらなかったような…
クリスがここにきて全力で響を倒そうとしてる為、イグナイトもアマルガムも使用。…ガチです。
読者の中には、「クリス、何してんだ!」という人も居るでしょうが、クリスの視点からすれば、本部襲撃に調と切歌が重症、普段は馬鹿扱いしているが誰より親友だと思っている人物に化けてる。の三アウトもいいとこです。
とうとう響から弱音が漏れましたが、響の心情は「希望を与えられ奪われた」状態と言えます。
トカゲロンに負けた時以上の絶望を感じてます。
そして、並行世界(XD)の響に精神リンクの洗礼が…