やはり、劇場で見るのは大迫力ですね。
キックが原作より威力が高そうとか、〇〇男や○○女が○○オーグに変わってたり、サソリが一番キャラ立ってるんじゃねえかとか色々語ってみたいですがネタバレなんで黙っておきます。
ただ前評判で聞いていたトンネル戦は見辛かった。
バイク戦はまだ良いんだけど、降りて戦うとどうしても暗い…
二人の女性が通路を歩く。
翼の見舞いに来ていたクリスとマリアだ。
「今日はやけに薄暗いな…」
「外が雨だから仕方ないわ、時間つぶしにファミレスにでも行く?」
二人が何気ない会話をする。
翼も退院が近いようで安心し、まだ本部に戻るのは早いかなと思い食事の誘いをするマリア。
そしてそのまま待合室へと入ったが、
「ん?」
その時、クリスが違和感を感じて立ち止まる。
マリアも何かに感づいたようだ。
「妙だな」
「ええ、時間が時間とはいえ待合室に誰も居ない」
「受付も人っ子一人見当たらねえ」
最初に来た時は、お見舞いだったり検診だったりでそれなりの数がおり子供が暇を持て余して騒ぐほどだったが、今は一人も見かけない。
時間帯の所為だとも思ったが、受付まで空っぽだったのが不自然に感じていた。
極めつけは、
「…チッ」
「シャッターが下りてるわね…」
病院の出入り口であるドアの全てにシャッターが下りており、クリスがシャッターをガタガタと揺らす。
「この時間でもうシャッターなんて早すぎだろ!」
最後に起こったクリスが思いっきり腕でシャッターを殴ると大きな音が木霊の様に響く。
薄暗い待合室に響くさまはホラー映画のワンシーンにも見える。
「どうしました?」
「「!?」」
突然背後から声を掛けられた二人が振り向くと懐中電灯を持った女性看護師が居る。
一応、周りに気を張っていたマリアとクリスの背後から声をかけ目の前に居るにも関わらず気配が微妙な感じの看護婦を見てクリスとマリアが視線を合わせる。
「私たち、今帰るところで…」
「…玄関がシャッターで閉ってて立往生してんだよ」
取り敢えずは事情を話してみる二人。
予定より早く閉ったとか万に一つの可能性もある。
何より此処は病院だ、戦闘になれば被害がどれだけ出るか分からない。
「そうですか、それは災難ですね」
「…え、それだけ?」
「此処を開ける気は無いのかよ!?」
アッサリとした看護師の言葉に二人が唖然としている。
そんな二人の様子を他所に看護師がクリスとマリアに向け口を開く。
「ところで…アナタたちの血をください」
「…は?」
「え? 血?」
看護師の言葉に二人は今度は別の意味で唖然とする。
閉じ込められた上に血まで要求されたのだ。
「ようは献血しろって事か?」
「なら、私たちは無理ね。 次に献血できるのは再来月あたりだから」
看護師の血の要求を献血の意味で捉える二人。
マリアが今は献血は出来ないと看護師に説明するが、
「血を…ください!」
「おい!?」
看護師が何時の間にか手に持っていたメスでクリスに襲い掛かる。
間一髪避けたクリスだが、看護師が追撃しようとしてマリアが羽交い絞めにする。
「止めなさい、自分が何をしてるのか分かってるの!?」
「血を…血を…!」
マリアが必死に制止の言葉を発するが看護婦は暴れるだけで言う事を全く聞こうとしない。口元からは何時の間にか黄ばんだ犬歯が延び、出来の悪いドラキュラ映画にも見える。
直後に、クリスが看護師の鳩尾に一撃入れ気絶させる。
「ナイスよ、クリス」
「突然暴れやがって、これもショッカーの仕業か? …?」
看護師を気絶させ無力化して一安心かと思った二人だが、周囲に気配を感じ暗い方向に目をやる。
「血をくれ~」
「オレにも血をくれ~」
「私も…」
「血吸うたろか?」
暗闇から次々と人が姿を現す。
だが、その人々の目は普通じゃないうえに手にはバットや鉈といった武器まで握っている。そのどれもが看護師と同じく犬歯が延びていた。
更には、
「ちっ、患者も医者も全員アタシ等を襲うつもりかよ!」
襲ってくる人間たちの服装は白衣の物から入院服、手術中の服装までありそのどれもがクリスとマリアを狙っているのだ。
『気に行って貰えたかな?シンフォギア装者どもよ』
「「!?」」
突然、病院内に野太い男の声は響く。
どうやら病院に設置されている放送を利用しているようだと気付きクリスとマリアの視線は病院に設置されてるスピーカーに向く。
「アナタはいったい誰かしら? 名乗ってもらいたいけれど…」
「アタシ等を閉じ込めた連中か!」
『ブリュリュリュリュッ!! その通りだ、お前たちは俺が揃えた吸血人間どもに殺されるのがお似合いだ!』
そう言い切ると共に武器を持った人々がクリスとマリアに雪崩れ込む。
Killter Ichaival tron
Seilien coffin airget-lamh tron
しかし、クリスもマリアもボーとしてる訳がない。
二人とも、素早く聖詠を歌うとシンフォギアを纏いその場から一気に離れる。
「どうする? 此処で戦うのは不利よ。私たちの火力ならあんなシャッターも抉じ開けれるけど…」
「いや、クソったれのショッカーの事だ。 アタシ等が病院から逃げ出せばアイツ等は元よりこの病院ごと潰すのがオチだ」
「…ありえるわね」
マリアが病院の出入り口を破壊し外で戦う案を出そうとした時、クリスが即座に反対する。
その理由を聞いてマリアも納得した。ショッカーの事だ、自分たちが有利になるためなら何でもする。
それこそ病院に爆弾を仕掛けてる可能性だってある。
「敵の能力が分からない以上、私たちが不利ね。 こうなったら翼も回収しないと…」
「先輩か、まだ本調子じゃなさそうだけど孤立させとく訳にもいかないな」
ここでマリアたちは翼と合流する事を決めた。
絶唱を使い一時は重体にまでなっていたが、今は普通に立ち上がる事も出来る事は先のお見舞いで分かっている。
だが、病み上がりである以上は単身でショッカーの相手も難しいと思い二人は急ぎ翼の病室まで急ぐ。
途中、吸血人間と化した患者たちを気絶させ事無きをえ、二人は翼の病室の前に立つ。
扉を開ける前にクリスとマリアが互いの顔を見て頷く。
「先輩!」
「翼っ!」
それぞれが翼を呼ぶ。
当人である翼は病院服のまま立っており窓を見ていた。
そして、二人の声に反応して振り向く。
その目は自分たちどころか、何処か明後日の方向を見ているようでクリスもマリアも即座に違和感を感じる。
そして、口元には下の人間たちと同じ犬歯が異様に延びている。
「翼…あなた…」
「…Imyuteus amenohabakiri tron」
マリアが何か翼に言おうとした瞬間だった。
翼が聖詠を口にしてシンフォギアを纏う。
しかし、翼が持つ剣はクリスとマリアに向けられている。
「雪音、マリア、お前たちの血を全て寄越せ…」
「!?」
「嫌な予感が的中かよ!」
翼の声にマリアは絶句し、クリスは舌打ちをする。
少し目を離した隙に翼が操られている事を悟ったのだ。
「ブリュリュリュリュッ!! 如何だ!?シンフォギア装者ども、仲間同士で殺し合うがいい!!」
待合室で聞いた不気味な声が再び聞こえる。
今度は、スピーカー越しではなく部屋の内部から響いている事に気付く二人。
「翼を操るなんて…卑怯な!」
「いい加減姿を見せろっ!ゲス野郎!」
クリスが未だに姿を現さない敵を罵る。
今まで多くの敵と戦ってきたクリスにとってもショッカーの自分たちの弱点を熟知している事が苛立つ。
二人が見回すがシンフォギアを纏う翼しか目に写らない。
「そこまで、俺の姿が見たいか? 良いだろう、冥土への土産に見せてやるっ!」
その声が聞こえると同時に翼の肩を何者かが掴む。翼の細い体から伸びる腕に二人が絶句する。
尤も掴まれた翼は一切反応しなかったが、クリスが睨みつける。
その指は血のように赤く手の甲には土色をして虫の関節にも見える。
そして、翼の陰から姿を現していき途中で雷の光で怪人の姿を目撃するクリスとマリア。
「!?」
「…今まで見たどんな敵よりも醜悪さだ」
姿を見たマリアは口元を押さえ、クリスが扱き下ろすように言う。
当然だ。怪人の姿は左側に虫の卵のような物が無数に付いており、頭部の左側もそうなっている。口元からは足なのか牙なのか分からない物が生え、左腕には注射器のような巨大な針がある。
そして、頭部や左目の部分から昆虫のハサミのような物が飛び出しそれがカチカチと音を鳴らしている。
クリスやマリアが戦ってきた中ではトップクラスの醜悪さだ。
「吸血シラキュラス! それが俺の名だっ!」
怪人…シラキュラスが名乗り終えると共に翼が剣を持ってクリス達に迫る。
病室の入り口が破壊され、破壊に生じた煙から三つの何かが飛び出る。
クリスとマリア、そして翼だ。
翼の剣がマリアに振り下ろされ短剣で受け止めるが、マリアの想像以上の力が襲う。
「くっ! 翼、正気に戻りなさい!これじゃシェム・ハが復活した時の二の舞よ!! …って、それはこの世界の翼じゃなかったわね…」
「並行世界はこれだからややっこしいんだよ! アタシも何か言わねえと…あんな奴の命令何て聞くことねえ!」
翼の剣を受け止めつつマリアとクリスは翼の説得を行う。
二人とも嘗てのシェム・ハの復活の際の翼の暗示を思い出したからだ。尤も、即座に目の前の翼ではない事を思い出す。
しかし、二人の説得が聞こえようが翼の表情は何一つ変わらないままマリアとクリスに剣を振るう。
「ブリュリュリュリュッ!! 説得など無駄だ、俺に血を吸われた奴は吸血人間となり俺の意のままに操れるのだからな!!」
「血を吸われた、だぁ!」
「翼を元に戻しなさいっ!!」
シラキュラスの言葉に激怒するクリスに元に戻すよう訴えるマリア。
二人の視線がシラキュラスを睨みつける。
「誰が元に戻すか! 貴様たちは吸血人間となった人間どもに殺されるのだ!!」
「「!?」」
シラキュラスがそう言い終えると共にクリスとマリアの背後から複数の気配を感じ振り返る。
翼と同じ牙を生やした患者や看護婦たちが自分たちに迫る姿が見える。
「お前たちの弱点はよく知っている、守る筈の人間どもの手で死んでいけッ!!」
シラキュラスの計画、それは自身が吸血した人間を操りクリスとマリアの排除であった。
敵には容赦せず多くの怪人たちを倒してきた二人、しかしただの操られた一般人なら守るべき対象なのがシンフォギア装者だ。
故に、シラキュラスは戦闘員を出さず戦闘力の劣る吸血人間を戦わせることにした。
そして、この策はクリスとマリアに突き刺さった。
鉄パイプを持った患者がマリアに振り下ろすが、間一髪で避け当て身を繰り出し気絶させる。
しかし、その間にも手術用の服を着た医者がマリアの背中にメスを突き立てる。
「キャアっ!?」
「マリア!」
幸い、メスはシンフォギアの鎧に弾かれるがマリアの体のバランスが崩れる。
それを見て、マリアの下に行こうとしたクリスだが足元に重みを感じて視線を向ける。
「なっ!?」
「お姉ちゃん…血をちょうだい、…ねえ、血をちょうだい…」
重みを感じたクリスの足に10歳にも満たない女の子が何時の間にか足にしがみつかれていた。恰好から見て見舞客だろうか。
灯りが無ければ軽くホラーな事になっている。
「頼むから離してくれ、なあ」
クリスは足にしがみつく少女を穏便に離すよう言うが、少女の目は虚ろでクリスの声が聞こえてるかも怪しい。仕方なく、クリス自身が少女の手を触り、しがみつく手を離させる。
横目でマリアの様子を見ると、態勢を立て直して吸血人間と化した患者や看護師に当て身を繰り出して何人か気絶させていた。
その様子にホッとするが、通路の奥からまた吸血人間となった警備員や患者の姿が見え辟易するクリス。
━━━今までも一般人が巻き込まれる事はあったが、ここまでやるかよ!
クリスもマリアもギャラルホルンで並行世界に行き随分と戦ってきている。
その中には、一般人が巻き込まれ敵になった事もある。原因が聖遺物だったり錬金術だったりと様々だがその殆どは解決してきた。
大体の一般人が偶発的に巻き込まれた物が殆どだが、目の前の醜悪な怪人は堂々と巻き込んでいる。
それは嘗ての怪物と呼ばれたノーブルレッドのように。
「死ねッ! 雪音クリス!!」
「!?」
少女の手を解いた直後、声と共に殺気を感じたクリスがその場をジャンプして移動する。
直後に、クリスの居た場所に巨大な針が突き刺さる。
シラキュラスの左腕だ。
廊下の固い床だろうと平然と好き刺さる針に冷や汗を流すクリス。
「てめ~…」
「如何した?雪音クリス、例のイグナイトやアマルガムとやらを使わんのか? 最も使えばコイツ等も巻き込まれるかもな、ブリュリュリュリュッ!!」
シラキュラスの言葉に舌打ちをし奥歯を噛み締めるクリス。
言われるまでもなくクリスとしてはイグナイトやアマルガムを使いたい。
しかし、その為には病院の通路は狭く、何よりシラキュラスに操られてる人々が居る。
イグナイトもアマルガムも威力は絶大だが、操られてる人々を避けて攻撃は不可能に近い。
シラキュラスもそれを予想して言ったのだ。
此処ではクリスもマリアも本領を発揮出来ない。
「力を発揮出来んなら大人しく死ぬがいいぃぃ!!」
「!」
言い終えると共にシラキュラスの口から赤い液体が放たれる。
咄嗟ではあったが、クリスはその赤い液体を警戒して廊下を回転して回避し赤い液体は廊下の壁に降り注ぐ。
「そんな…なんて威力の溶解液…」
「…あんなにアッサリ溶けるのかよ?」
直後に赤い液体のかかった壁が発泡スチロールのように溶けだす。
もし、まともに浴びればクリスは骨もシンフォギアも残さずこの世から消えてしまうだろう。
溶けていく壁を見て間一髪で避けたクリスどころかマリアすら背筋に冷や汗が流れる。
「素早さだけは一人前だな、だが死ぬ時間が少し伸びただけだ。 あの世に逝っても寂しくはないぞ、直ぐに風鳴源十郎どもも後を追う!」
「おっさんがッ!?」「指令がッ!?」
シラキュラスの言葉に驚愕する二人。シラキュラス…ショッカーは自分たちが留守の間に特異災害対策起動部二課を陥落させようというのだ。
その間にも吸血人間となった翼がアームドギアの剣を振りかざす。
廊下から待合室に続く通路から爆発が起き、爆風の中からクリスとマリアが飛び出す。
此処は大型の病院で吹き抜け式の待合室もかなりの広さだ。ここならまだ戦いやすいと思いこの場所に来た。
しかし、そんな二人に吸血人間と化した患者たちが襲い掛かる。
「くそっ、戦闘員の方がまだ戦いやすい!」
「文句を言っても始まらないわ、今少しでも気絶させるのよ!」
「あの気持ち悪い怪人め! 嫌な手を!」
ノイズの様に倒す訳にもいかず、兵士のように武器を手放せば逃げる事もない。
操られた人間を相手にするにはそれだけ装者といえど…イヤ、年端もいかない少女たちだからこそ難しいと言えた。
仮に、この場に源十郎が居ればシンフォギア装者の妨げになる吸血人間たちの排除を自分たちで行うだろう。少しでもシンフォギア装者である少女たちの負担を減らす為に。
だが、この場に無事なのはクリスとマリアしか居ない。
マリアが当て身、クリスがアームドギアをスナイパーライフルにして吸血人間の急所に当て少しずつだが、クリスとマリアの周囲に次々と倒れていく人たちが増える。
このまま全員が気絶するかと思った時、
ピチャ、「ん?」
丁度、襲い掛かる吸血人間を気絶させたクリスのライフルに液体が零れる。
最初は自身か吸血人間の汗が飛んだのかと思った。が、
「!?」
水滴のかかった
其処には、手摺の上に乗り自分たちに向け広範囲に赤い液体…溶解液をバラ撒いている。
「マリア、上ッ!!」
「!?」
「シンフォギア諸共消えてしまえええぇぇぇぇぇッ!!!」
溶解液を広範囲…雨の様に降らすシラキュラス。
触れればシンフォギアすら溶かしてしまう溶解液を浴びればクリスもマリアも命はない。
避けようにも、雨の様に降る溶解液を全て避けるのは現実的ではない。
「させないッ!」
クリスがもうダメかと諦めの文字が浮かんだ時にマリアは蛇腹剣を取り出し回転させる。
降りかかる赤い溶解液が次々とマリアの蛇腹剣に弾かれているが、マリアのシンフォギアであるアガートラームの剣が僅かだが溶けだす。
剣を回転させ溶解液を弾いてる以上は当然と言えた。
その間にも、シラキュラスの溶解液は待合室の壁、床、椅子、カウンター、売店に付着しては一部が溶ける。
そして、それはクリスとマリアが気絶させた被害者も同然であった。
子供も老人も、男だろうが女だろうが気絶した彼らは叫び声も上げずシラキュラスの溶解液に触れ骨も残さず溶けていく。
その光景にクリスもマリアも奥歯を噛み締める。
「チィ! まだ生きてるか!」
溶解液を撒き終えたのか、クリス達が無事なのを見て舌打ちをするシラキュラス。
そんな、シラキュラスを睨みつけるクリスとマリア。
「シラミ野郎、よくも関係ない奴らを!」
「アナタのような外道、絶対許せない!」
関係ない筈の一般人を巻き込んだ事を許せない二人。
ショッカーのやり方に怒りに燃えている。
「ほざけっ! 俺に注目するのは構わんが頭上には注意しろよ」
「「!?」」
シラキュラスの言葉の直後に上から殺気を感じた二人が上を見る。
其処には巨大な剣を今こそ蹴りだそうとする翼の姿が、
「なっ!?」
「ウソだろ!?」
それは紛れもない翼の天ノ逆鱗だ。
何度となく翼と共闘していた二人が見間違う筈がない。直撃を受ければ自分たちも持たない。
そう判断した二人は急ぎ回避しようと動く。
「…ア…アア…」
「!」
だが、回避中のクリスの耳に声が聞こえた。
振り返ったクリスが見たのは、溶けかけた椅子の下に子供を見つける。
恐らく、クリス達に返り討ちにされ偶然椅子の下にいてシラキュラスの溶解液の難を逃れたのだろう。
「くっ!」
「クリス!?」
避難する筈のクリスが元の場所に戻った事でマリアがクリスの名を叫ぶ。
クリスは椅子の下にいた子供を抱えると急いでマリアの下へ行く。
しかし、あと少しのところで翼の天ノ逆鱗が床に減り込み崩れると共にクリスの足場も崩壊する。
「悪い、マリア」
咄嗟にクリスが抱えていた子供を投げ渡し崩壊する床に呑まれていく。
威力が出過ぎたのか技を放った筈の翼すら瓦礫に呑まれ見えなくなる。
「…クリス…翼…」
マリアが二人の名を呟く。
広かった待合室は並べられた椅子も全てが吹き飛び瓦礫になっている。
腐っても二人ともシンフォギア装者だ。生きて帰ると信じているが瓦礫からは誰も出てこない。
「ふん、一匹仕留め損ねたか! まぁいい、処分する予定の風鳴翼の処理出来たと思えばな!」
何時の間にか降りてきたのか、一階に移動しているシラキュラス。
その口からは、操っている翼も始末出来たと喜ぶ言葉が出る。
それを聞いた、マリアは抱えてる子供を壁の端に寝かせシラキュラスの方に振り替える。
シラキュラスは相も変わらず口から生える爪を動かし左目や頭から出たハサミが小刻みに鳴る。
「シラキュラス…お前だけは倒す!」
「出来るか!? 残ったのはお前ひとりだ!!」
マリアが蛇腹剣を短剣に戻して構え、シラキュラスも警戒するように腕の注射器を向ける。
マリアとシラキュラスの対決が始まる。
マリアの次は翼が操られる話。
クリスと翼は無事なのか!?
クリスもマリアも今までの敵より悪辣な手を使うショッカー怪人に手を焼いてます。
後、シラキュラスはただでさえ強いです。
クリスがシラキュラスの容姿をボロクソ言ってますが、シラキュラスの容姿はそれだけインパクトがあります。
蓮コラとか平気な人は是非見て欲しいです。