改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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戦姫絶唱シンフォギアXDの新イベントで奏の世界のキャロルもXD本編の世界を移動。
やっぱり、シンフォギアでなくても聖遺物の力を使えばギャラルホルンを移動できるんだろうか?


107話 二度目の襲撃! 二課本部の攻防

 

 

 

クリス達が病院でシラキュラスと戦う少し前。

 

クリスとマリアが利用しているギャラルホルンの出入り口がある公園の奥。

丁度、ギャラルホルンの力で歪んだ空間が開く。

其処から二人の女性が出てきた。

 

「此処がもう一人の翼のいる世界か」

「…みたいですね」

 

一人は小日向未来だ。

もう一人のシンフォギア装者と共に来ている。

未来も、もう一人も自分たちが何時も通りの公園の奥の方に居る事に気付く。

 

「ある意味、お約束だね」

「そうですね…」

 

赤い髪の女性の言葉に未来は上の空になっている。

未来の頭には自分の世界の立花響を直したいという思いしかない。

出来れば今すぐにでもこの世界の響の下に行き、精神リンクの原因を取り除きたいのが本音だ。

 

「あの…私、ちょっと別行動していいですか?」

 

だからこそ、未来は自分と一緒に女性にそう打ち明ける。

クリスとマリアの報告で、この世界の特異災害対策起動部二課は未だにこの世界の響の居場所が分かっていない。

一刻も早く響を直したい未来にとってこの世界の特異災害対策起動部二課本部に行くより自分で探した方がマシだと思った。

 

「そうか…なら、本部への挨拶はアタシだけで行くよ」

「! よろしくお願いします!!」

 

もう一人の女性がアッサリ了承すると未来は頭を下げその場を離れる。

目標は街で其処で響を探すつもりだ。

 

「…風邪引かないと良いんだけどね」

 

行かせたは良いがこの雨の中、傘を差さずに街中を探すのは如何かと心配する女性。

尤も、いざとなればコンビニで傘でも買うだろうと考え自身も特異災害対策起動部二課本部のある学院へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様は護国を何だと思っとる!!」

「護国も大事ですが人も大事でしょ!!」

 

特異災害対策起動部二課本部のとある部屋にて二人の男の怒号が響き渡る。

ライオンのような鬣の髪形をした男と白い長髪をし白い顎髭を生やした老人だ。

風鳴源十郎とその父、風鳴訃堂だ。

 

「国無くして何が民か!?先代の護国に命をささげた者達に情けないと思われるぞ!!」

「だからと言って、全ての人間がアナタみたいになれる訳じゃないんですよ。平和に生きる者まで巻き込むのは納得が出来ない!!」

 

二人が怒鳴り合う内容は大体が護国関係だ。

国を守り多少なら民の犠牲も無視する風鳴訃堂。若さ故か出来るだけの命や未成年を守りたい風鳴源十郎。

これまでにも何度も双方の意見はぶつかり合い、時には拳も飛び交うことも珍しくもない。

 

源十郎が此処まで反発するのは訃堂が生粋の国粋主義者だからだ。

それも筋金入りで国の為なら国内に住む国民がどうなろうと知ったことではない事もだ。

 

「そんなことで、外国(そとくに)から国が守れるか!? 東夷の犬どもから日ノ本を守れるのか!?」

「アナタの言ってる事は理解できると思ってます! ですが、もう鬼畜米英の時代じゃないのも事実です!国際化…グローバルに動かなければ、それこそ彼らの付け入る隙になるのも理解して欲しい!」

 

そう言って、訃堂の向かい側に座る源十郎が机をたたく。

これまでにもお互い、この討論はしてきたが決着がつくことはなかった。

そして、今回もまた、

 

「…失礼、呼び出しです!」

 

背広のポケットにしまっていた装置が音を出すと源十郎がソレを止め、訃堂を残しその場を後にする。

源十郎が一組織の長、それなりに仕事があり呼び出されることも多い。

去っていく源十郎の背を見送る訃堂。仕事がひと段落すれば、また口喧嘩になるだろう。

 

「…失ってからでは遅いのだぞ」

 

訃堂は淡々とそう呟き、用意されていたお茶を飲む。

お茶自体、既にぬるくなっていたが訃堂にはあまり問題なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、あの人の頑固さには困る!」

「お…お疲れ様です」

 

指令室に戻った源十郎が愚痴を零し、友里あおいが苦笑いを浮かべる。

訃堂の相手を源十郎がしてホッとする一同だが、暫くすれば訃堂自らが地獄の訓練をする事に溜息も漏れる。

エージェント達はまだいい。問題は技術班やオペレーターたちも強制な事だ。

 

「この後の訓練を考えると頭が痛くなりますよ」

「まぁ、最低限鍛えたほうが良いのは確かですけど…」

 

この後の訓練に溜息を漏らす藤尭朔也に苦笑いで返答する友里あおい。

友里あおいは指令室で死神カメレオンに襲われ、ある程度の護身は必要だとは思っていた。

尤も、訃堂に鍛えられても如何にかなるかは不明だが。

 

その後、源十郎が皆に一通りの現状報告を聞いて訃堂の待機している部屋に嫌々戻ろうとした時だった。

 

「地震?」

 

指令室自体が少し揺れ、誰かが「地震?」と呟く。

元から日本は自身大国だ、地下深くにある特異災害対策起動部二課本部も耐震技術を集め造られている。簡単には崩壊しない。

だからこそ、直後に警報が鳴りだした時、皆が一瞬唖然とした。

 

「如何した、何があたった!!」

「確認します! …保安部より入電! 学院からのエレベータから怪物が侵入したそうです!!」

「怪物だとぉ!?」

 

━━━神出鬼没のノイズならノイズと伝えられる筈。なら…!

 

「ショッカーか!」

 

敵の正体を寸時に見抜く源十郎。指令室に残り各員に指示を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異災害対策起動部二課本部内は一瞬にして誰もが慌ただしく動く。

重武装して向かう者、書類や物品を持って逆方向に行く者。

その誰もが慌てていた。

 

「撃てぇ、撃てぇ!」

 

重武装した男たち…いや、何人かの女性が混じっていた。

特異災害対策起動部二課の制服なり黒服たちが着るスーツを着てる者たちが一斉に銃撃している。

拳銃を始め自動小銃まで撃ち込み、辺りには硝煙が舞う。

弾が切れたのか、誰かが止めるよう指示したのか分からないが銃撃が止み目の前には煙が漂う。

 

「これだけ撃てば…「シュシュシュッ…」!?」

 

黒服の誰かが安堵の声を漏らした時、その場にいた全員の耳に不気味な声が聞こえる。

途端に、マガジンを入れ替えようとするが、

 

 

 

 

 

「そんな豆鉄砲が俺たちに効くと思うなっ!」

 

 

 

 

硝煙の煙から赤い人影が飛び出すと近くいた黒服の首が宙に舞う。

上半身が赤く黒いズボンをはいた男…さそり男の左腕のハサミで切ったのだ。

 

「……うわああああああああああ!!」

 

切られた首が床を転がり足元を通り過ぎる。

途端に、ショットガンを持っていた職員がさそり男に向け発砲する。

その時、足元に何かが当たり横目で確認すると、

 

「サソリ?」

 

床には何時の間にか無数の赤く目が光るサソリがうろついており尻尾を此方に向けてるように感じた。

職員が「何でこんな所にサソリが…」と考えた瞬間、サソリの尾から赤い液体が噴出する。

 

「うわああああああああああ!」

「何だコレは!?」

 

サソリに気付いた職員は勿論、さそり男に注意がいっていた職員や黒服にも赤い液体を被る。

それだけではない、サソリの液体に触れた者たちが一斉に苦しみ始める。

そして、最後には体が完全に溶けて赤い液体となり床に染み込むように消えていった。

 

「ショッカーが開発した人食いサソリの威力は如何だった? シュシュシュッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、別の通路では武器を握った黒服たちが急いで現場へと向かっていた。

再び、ショッカーに奇襲されたが前回の教訓で訓練もしてきた者たちも多い。

 

「ウアッウアッ! 俺の獲物はお前たちか?」

 

「「「!?」」」

 

突然、別人の声が聞こえると同時に飛行機が空を飛ぶような音が響く。

何事かと職員たちが辺りを見回す。

 

「おい、あれは何だ!?」

 

一人の職員が気付き指を刺し、他の職員も其処を見る。

彼らが見たのは天井スレスレを飛行する青身がかった体をした平べったい者が直地する。

エイキングだ。

皆が一斉にエイキングに銃を向けるが、

 

「遅いッ、死ね! 走れイナズマッ!!」

 

エイキングが尻尾のような左腕を掲げそう言った瞬間、職員たちに電流が走る。

 

「「「「うわああああああああああっ!!!」」」」

 

その電流は凄まじく、天井のライトが粉砕され持っていた弾薬が暴発して煙に包まれる。

そして、煙が晴れた後には武器の残骸と灰となった職員たち()()()物が通路に散らばっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「急げっ! 急いで隔壁を下ろすんだ!」

「だが、まだ他の職員の避難は終わっていないぞ!」

 

さそり男やエイキングが暴れている通路からやや離れた別の通路で何人かの武装した職員が話し合っている。

内容は、先日取り付けた隔壁を下ろす話だ。

 

「この通路以外にも回り道する為の通路もある。 翼さん達が戻るまで指令室を死守しなければならないんだ!」

「確かに助っ人のシンフォギア装者も留守の間に攻められてるからな…」

 

隔壁を下ろす派の説得により渋々納得する職員。

分厚い鉄の塊が降りてきて無事、通路を封鎖して別の場所に行こうとした。

 

「?」

「ん? 如何した?」

 

一人の職員が立ち止まり、つられて別の職員も立ち止まりどうかしたのか聞く。

聞かれた職員はソッと唇の前に人差し指をして耳を澄ます。

 

「…やっぱり、隔壁から音がする」

「音?」

 

その言葉に他の職員たちが一斉に隔壁の方を見る。

其処には通路を塞ぐ鉄で造られた隔壁しかない。

 

「オイ、気のせいじゃ…」

 

別の職員がそう言いかけた時だった。

隔壁の向こう側から鈍い音が聞こえた。それも一度や二度ではない、何度も鈍い音が響き心なしか近づいてきてるような気さえしていた。

 

「お…おい、あれ!」

 

その時、別の一人の職員が気付き隔壁のように指を刺した。

最初は分からなかったが気付いた者たちは一斉に血の気が引く。隔壁に少しずつだがヒビが入り一部がモチのように膨らんでいる。

何者かが隔壁を向こう側から殴っているのだ。

 

それから数秒もせず分厚い鉄の筈の隔壁がぶち破られ誰かの姿が見える。

ソレは両目の部分に赤い巨大な複眼があり顔の真ん中には針のような突起物。

そして、黄色と黒のハチの尾の様な物が巻き付いた人外。

 

「ブゥゥーヨンッ! この程度でショッカーの足を止める事など出来んッ!!」

 

「「「う、うわああああああああああッ!!!」」」

 

正体は分からないが敵だという事だけはわかる。

分厚い鉄の壁を破ってきた事で恐慌状態になった職員たちは一斉に銃撃を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、指令室では警報が鳴り響く中、職員が慌ただしくコンソールに向かい指令である源十郎は各所からの報告を聞いていた。

 

「第四,第五ブロックの音信途絶! 警備隊6班より援護要請!」

「各通路に設置された隔壁も次々と突破!」

 

その報告も殆どが凶報ばかりで状況は絶望的と言えた。

予算を使った分厚い鉄の隔壁すら時間稼ぎにもならない。

 

「あの二人への通信は!?」

「…ダメです、繋がりません!」

 

一縷の望みでもあるクリスとマリアへの通信も繋がらない。

恐らくは、ショッカーが妨害電波でも出してるのだろう。

 

「…こうなれば戦うしかないか…」

 

怪人の足は止まらず、外部への通信も妨害された事で源十郎は設置されている拳銃を取り出す。

源十郎が拳銃を握るとオペレーターの二人や他の職員も銃を握りしめる。

正直、射撃訓練でしか撃ったものが殆どでる。

 

━━━こんなことなら親父の言う通り、もっと格闘訓練なりやっておけば良かったか?

 

今更になって、源十郎は訃堂の口を酸っぱくして言っていた「鍛えろ」の言葉が圧し掛かる。

何より死神カメレオンのの襲撃で対策した筈の本部がこうも易々と侵入され蹂躙されているのだ。分厚い隔壁すら足止めにもならない。

 

そんな事を考えていると、指令室の扉が崩壊して誰かが入ってくる。

 

「あ…ああ…」

 

源十郎たちが銃を構えるが煙の中から声がすると同時に黒服の姿が見えた。

一瞬、安堵の声が漏れるが煙が引いていく事に緊張感が強まり額や背中から汗が噴き出る。

黒服の傍に誰か居る。それも自分たちの知らない奴が、…そして明らかに人ではない。

 

「ブゥゥーヨンッ! 後は此処の連中を始末するだけよ!」

 

「怪人!?」

 

煙が晴れ完全に姿が見えると共に異形の姿と首根っこを掴まれ傷だらけの黒服の姿が見える。

同時に誰かが怪人と呟き源十郎は奥歯を噛み締める。

 

「人質のつもりか!?」

 

もし黒服を人質にしてるのなら厄介だ。

自分たちの職業上、ショッカーに下る訳にはいかない。かと言って見捨てれば指揮にも関わり翼たちのメンタルにも響く。

 

「人質? 勘違いするな、これは見せしめだ。 ブゥゥーヨンッ!」

 

源十郎にそう返答する怪人は首根っこを掴んでいた黒服の首に自身の針状の口に突き刺した。

悲鳴が上がる中、虫の息だった黒服が苦しそうに怪人の口から赤い物が見える。

 

「血を吸ってるのか!?」

「いやああああッ!!」

 

「その通りだ、だが面白いのは此処からだ!」

 

そう言うと、怪人は血を吸っていた黒服を床に投げ捨てる。

倒れた黒服の顔は完全に青白くなり一目で死んでる事が分かる。

だが、これが見せしめかと思った源十郎たちの目に信じられない光景が広がる。

倒れた黒服の姿が一瞬にして骨だけになり目の前には白い煙を吹き出した裸の骸骨が横たわる。

 

「うわああああああああああッ!!」

「きゃああああああああッ!!」

 

「見たか、お前たちもこうなるのだ! ブゥゥーヨンッ!」

 

黒服の末路を見た職員たちが悲鳴を上げる中、怪人は冷淡に告げる。

しかし、源十郎も黙って見てる訳が無く持っていた銃を怪人に向け発砲する。

 

「銃を持ってる者は俺に続け!」

 

他の職員にも発破をかけ数人の職員が源十郎に続いて怪人に向け発砲する。

しかし、怪人は弾丸を弾きながらゆっくりと源十郎たちの方に向かっていった。

 

「最後に教えてやる、俺の名はモスキラス! 地獄に行っても忘れるなッ!!」

 

銃撃もなんのその、名乗りを上げた怪人…モスキラスは元黒服だった骸骨を踏み潰して源十郎たちに迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異災害対策起動部二課本部のとある通路。

息を切らして走る女性職員が負傷した肩を庇いつつ走る。

通路には黒焦げになった灰や真新しい血の跡が広がり凄惨な事になっている。

 

           ウアッウアッ!

 

「ひッ!?」

 

女性の背後からの声にビクッとなる。

急いで持ち場に戻ろうとした時、目の前に現れ仲間を殺した悪魔のような奴と同じ声だ。

そう考えた時、女性が血で足を滑らせ倒れる。

転んだ事により負傷した肩の痛みに耐える女性。それでも何とか立ち上がろうとするが、

 

「如何した? もうドブネズミのように逃げないのか?」

 

「!?」

 

背後からの声に女性がゆっくりと振り向く。

出来れば気の所為であってほしいと望むが目に写った物を見て溜息の一つも漏れる。

ソイツはさっき自分の同僚たちを殺した怪物…エイキングだ。

 

エイキングの姿に思わず舌打ちする女性。

生憎持っていた武器はエイキングの電撃で壊れてしまい丸腰だ。

それでもただ殺されるよりわと女性が構える。

 

「ほう? その怪我でまだ戦うか。 ただの腰抜けではないようだな」

 

「…女だからって舐めないでよ」

 

本当は逃げたい。命乞いしてでも助かりたいのが女性職員の本音だ。

だが目の前の相手は決して自分たちを見逃すような奴じゃない。

それに、同じ女性である風鳴翼が今までノイズを相手に戦ってきた事が彼女を支えていた。

 

━━━翼さんやあの二人もずっと戦ってたんだ。 ……私だって!

 

「その割には足元が震えているぞ、お前も早く地獄に行けッ!!」

 

そう言って、エイキングが左腕を掲げようとした。

 

 

 

 

 

 

「貴様か、此処を襲った化け物とは」

 

 

 

 

「!?」

 

今まさにエイキングが「走れ、イナズマ」と言いかけた時、

突然の背後からの声にエイキングが振り返ると着物を着た老人が佇んでいる。

 

「何だ、貴様ッ! 死にぞこないの爺が、お前も死にたいか!」

 

何時の間にか背後を取られたエイキングだが、相手が老人と知るや強気に出る。

そして、真っ先に老人を殺そうと左腕を掲げる。

 

「走れッイナズマッ!!」

 

無数の電流が老人へと向かう。

今まで多くの特異災害対策起動部二課職員を葬ってきた電撃だ。

老人が受ければ数秒と持たないとエイキングは考えていた。

 

しかし、老人は胸元から一本の小刀を出し自身の頭上に投げる。

瞬間、老人に迫っていた電撃が小刀へと殺到する。

 

「なにっ!? 小刀を避雷針にしたのか!?」

 

なんて事は無い、老人はエイキングの言う通り小刀を簡易的な避雷針にしてエイキングの電撃を躱したのだ。

雨の日に雷が高い木やビルの避雷針に落ちる事と同じだ。

いきなりの事で唖然とするエイキングだが、伊達に何人も殺してきた訳ではない。

イナズマが効かないのならば、素手で殺してやろうと視線を老人に戻した時、既に老人の姿が見えなくなると同時に自身の視界がズレていた。

 

「ふん、噂に聞くショッカーの改造人間もこの程度か」

 

老人が刀を振って鞘に戻してエイキングの背後を歩く。

エイキングは老人の一閃で切られたのだ。悲鳴もなく爆発するエイキングの姿を見て腰が抜けたように床へと座る女性職員。

 

「ふむ、状況は如何なっている?」

「は、はい! 現在、本部は敵の奇襲を受け混乱。各所で職員が奮闘していたようですが殆どが死んだようで…指令が現在、指令室で抵抗しているようです」

 

座り込む女性職員への心配する素振りすらなく老人…風鳴訃堂の問いにハキハキと答える女性職員。

その言葉で訃堂も初めて襲撃した怪人が一体ではない事に気付く。

 

「…貴様は生き残りを集め外部に連絡を入れろ、ワシの名を言えば風鳴機関から増援が来る」

「はい…え?」

「いいから急がんかッ!敵は待ってはくれんぞッ!」

 

訃堂の声に職員女性は「ハイっ!」と言って慌ただしくその場を離れる。

無様な歩き方に溜息を漏らす訃堂。

 

「……ワシも焼きが回ったか?」

 

訃堂としては、女性職員を見捨てるつもりだった。

無様に逃げ戦おうともしない者は訃堂の理想の護国足りえる者ではない。

女性が無様に命乞いをすれば即座に見捨てる気であった。

しかし、女性は恐怖しながらも立ち向かう事を選んだ。それが訃堂が動いたきっかけだ。

 

「…指令室に急ぐか」

 

女性の報告で怪人が指令室に居ると判断した訃堂は刀を片手に急ぎ向かう。

その駆け抜ける姿は道を知ってるかのような動きだった。

 

 

 

 

 

 

 




シンフォギアの世界のアメリカは余計な事をする事である意味有名です。

本部を襲った怪人は原作でも仮面ライダー二人と戦ったモスキラスです。シラキュラスとは吸血繋がりですね。
ショッカーの本気度が伺える。

そして、再生怪人はエイキングとさそり男。…源十郎ヤバいかな?
そして、何度も出てきたさそり男にとうとう人食いサソリが、相変わらず人を食ってないけど。

訃堂は訃堂で大口叩くだけあって普通に強いです。油断した再生怪人なら瞬殺です。
力量は原作並みに近い設定です。
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