ボロボロになった黒服が警察に保護される数日前、
ギラーコオロギが死のツメを使い騒動を起こした現場から少し離れた場所にて
「昨日の騒ぎは凄かったのう」
「通行人が未知のウイルスに感染した奴だろ?」
「オレが聞いた話じゃ宇宙人に洗脳されてたんじゃないのか?」
とある建物の一室にてソファーに座っている強面の男と壁を背もたれにしている男たちが談笑している。
内容は、東京の中心で赤いツメ化した人々の暴動だった。
現場から距離があり被害を免れた男たちは雑誌の飛ばし記事の事で盛り上がる。所詮は他人事だ。
「お~随分楽しそうに話すの~」
「オジキ!」
「組長!」
談笑している最中、着物を着た年配の男性が入ってくると、今まで談笑していた男たちが一斉に年配の男性に頭を下げる。
そう、此処はヤのつく自由業の事務所だ。
彼らの多くは顔に傷を持っている強面ばかりだ。
皆がオジキと呼ばれる男性にお辞儀している間に、部屋の内部にある一際立派な机と椅子に座る。
「ふぅ~、…ん? 誰や、ワシの机にバラを刺した奴は?」
「は?バラですかい?」
オジキの言葉に組員がオジキの机を見る。
机には、細い花瓶と一本の真っ赤なバラが生けてある。
「…あんなのあったか?」
「いや…気付かんかった」
組員の誰もが知らない赤いバラ、それなりに目立つものが誰も知らない内に生けてあるのだ。
勿論、この場に居ない組員の誰かが用意したのかも知れないが、オジキが口に出すまで誰も気づかない事に背筋に汗が流れる。
「まぁええわ、仕事の話をしようか?」
「あ…はい」
組員たちの空気を察したのかオジキはそうそう話を絶ち自分たちのシノギの話をする。
「昨日の騒動で政府の人間が被害者の救済に動いとるらしいが、どうにも間に合っていないそうや。そこで家の組が炊き出しをしてやろう思うとるんじゃが…」
「おお、いいっすね~」
彼等自身、職業柄一般人が怖がる職業故、自分たちの株を上げる事に反対は無い。
オジキの提案に乗った組員たちは早速動こうとするが、
『悪いがその仕事はキャンセルだ、お前たちにはやって貰う事がある! バァァァーーーーーラァァーーーーーッ!』
「「「!?」」」
組員たちがドアから出ようとした時、何処からともなく不気味な女の声が聞こえると共に明るかった部屋の電気が点滅しだす。
一瞬、組員もオジキも誰かの悪戯とも思ったが部屋の中に女は居ない。
多少の後ろ暗い事をしている組員たちは震えあがった。
「…! おい、あのバラを見てみろッ!!」
一人の組員がオジキの机に生けられていたバラを指差す。
皆が視線をバラに向ける、するとバラからは煙が出ていた。
直後、バラから大量の煙が出て見えなくなると、巨大な人影に変わっている。
「お前たちは今日からショッカーの僕となるのだ、バァァァーーーーーラァァーーーーーッ!!」
「ば…化け物だぁ!!」
煙から姿を現した者それは、頭部が巨大な赤いバラで体には赤いバラの蔦らしき物に絡まれている五体満足の体。
それを見た組員が化け物と言って懐に入れていた拳銃を取り出して発砲する。
何発もの銃声が響き、流れ弾が窓に当たりガラスが砕け外に飛び散る。
やがて、全ての銃弾を撃ち尽くした組員は弾切れにも関わらず拳銃のトリガーをカチカチ鳴らす。
何しろ、目の前には
「そんな豆鉄砲が私に効くか!」
銃弾が直撃した筈の化け物には傷一つついていない。
銃を撃っていた組員はおろか、呆然と見守っていた組員も愕然とし震えだす。
「逃げるぞ、早く開けろ!」
「ドアが開かねえんだよ!!」
銃が効かない、ノイズとは違う別の恐怖にかられた組員たちは逃げようとしてドアに集まるが何時もは簡単に開くドアがビクともしない。
終いにはドアを蹴破ろうと蹴りを繰り出す。
「なんで開かないんだよッ!!」
大の男の蹴りを受けようがドアはビクともしなかった。
「遊びは終わりだ、お前たちにはショッカーの為に働いてもらう。喰らえっ!」
その様子を見ていたバラの怪人がそう言って腕を振る。
振った瞬間に腕から何か飛び出ると組員たちは胸に痛みを感じ見ると、
「バ、バラ…」
「なんで、バラが手裏剣のように…」
組員たちが見たのは自分の胸に突き刺さる赤いバラだった。
バラが突き刺さった組員たちが次々と倒れていく、傍目には死んだようにも見えるが
「起きろ、立ち上がれ! お前たちには仕事がある、バァァァーーーーーラァァーーーーーッ!!」
バラの怪人の言葉に呼応するように胸に赤いバラが刺さった組員たちが立ち上がる。
しかし、皆の顔は青く手からは植物の様な棘が生えていた。
後に、近隣住民に通報され警察が室内に入るが中はもぬけの殻だったそうだ。
時間は戻り、
翼が入院した病院とは別の病院。
手術室の上の電光が消えると一人の手術用の服を着た医者が出てくる。
「先生…立花響くんの容態は…」
医者が出てくるのを見つけた赤いスーツの男がベンチから立ち上がり医者に近寄りそう聞いた。
特異災害対策起動部二課司令官の風鳴源十郎だ。
本部を襲撃された後始末も早々に源十郎がヒビキの緊急搬送を聞かされ取る物も取らず駆けつけたのだ。
この病院もまた翼が入院していた病院と同じく政府との繋がりが強く、政府機関である特異災害対策起動部二課も利用出来たのだ。
その後、執刀した医師からヒビキの容態を聞き額に汗が流れると同時に静かだった廊下を駆ける音がする。
「ハア…ハア…」
「ハア…」
「ゼェー…ゼェー…」
足音の正体はクリスとマリア、未来だった。
クリスとマリアは奏と合流後に病院での戦闘の後始末や戦闘の内容報告で、未来も状況説明や怪人の説明などで病院に遅れて来たのだ。
急いだのだろう、未来やマリアに比べクリスは息も耐え耐えだった。
「あまり病院内で走るな…」
「相変わらずクリスはスタミナが足りないな」
すると、クリス達の後を追ったのか翼と奏も歩いて来ていた。
翼は呆れつつも、奏はクリスと何度か合同で訓練したり一緒に戦ったりでクリスのスタミナ不足を知っていた。
「う…うるへぇ~」
未だに肩で息をし汗だくのクリスも文句を言うが、疲れからか呂律が回っていない。
そんなクリスたちの様子に源十郎も苦笑いを浮かべる。
その後、クリスの息がやっと落ち着いた頃、それを待っていた源十郎が「ゴホンッ」と咳をする。
「響くんの状況だが峠は越えたそうだ」
「「「「「!」」」」」
源十郎の声に皆が安堵する。
戦闘が終わった直後に未来からの通信で響が危険な状態にあると聞いてクリス達は気が気でなかった。
それに、未来も目の前でヒビキが口から血を垂らし胸の一部が凹んでいので落ち着きがなく、クリスがそれを気にしていた。
皆の表情に笑顔が戻ってくる、が
「だが、一つ問題が起きたそうだ…」
『!?』
源十郎の一言に一同の額に嫌な汗をかく。
源十郎の表情からも事の重大さが伺える事からクリスは生唾を飲みこんだ。
「これを見てくれ」
その後、別室へと移動した源十郎は医者が手渡したシャーレを皆に見せる。
シャーレの中には黒い石のような物とそれに水晶のように生えた金色の鉱物のような物だ。
「なんだこりゃ?」
「何処かで取れた鉱石にも見えるわね」
「指令、これは?」
シャーレの中のを見てクリスとマリアが反応し、翼が源十郎にこれが何かを聞く。
皆、響の状態の話を聞きに来てこの石の様な物を見せられ困惑している。彼女たちには目の前の石と響がどうしても結びつかない。
「それは、手術中に立花響くんの心臓付近から採取した体組織の一部だ」
『!?』
クリスたちはまたも絶句した。
このよく分からない物が響の体内から出た物だと言う。
「実は、立花響くんが峠を越えたのは手術ではなく、聖遺物のガングニールが再生させたんだ…」
「アイツの体、どうなってんだよ…」
思わずクリスがそう漏らす。
源十郎が医者から聞いた話ではヒビキの肋骨は完全に砕け幾つかが肺を突き破り命の危機だったそうだが、手術中に奇跡が起きた。
執刀し、砕けた肋骨を取り除いている最中にヒビキの体が光り出し砕かれた肋骨や肺は再生、それどころか手術の為に開いた胸すら綺麗に再生し、ヒビキの胸には以前に付いた手術後しか残らなかった。
源十郎の話を聞いて不安がるクリスたち。すると、源十郎は一枚の大きな写真を取り出し光る台に乗せる。
それはレントゲン写真で写っている体つきから女性の物だろう。
しかし、そのレントゲンに映っているのは心臓を中心に黒い何かが広がっているようなレントゲン写真だ。
「そのレントゲンは…」
「響くんの物だ、過去に彼女はガングニールの欠片で負傷し手術したが、心臓付近の全てのガングニールの破片を回収しきれなかった」
「まさか、ガングニールの破片が心臓が融合?」
「そう言えば、立花響は融合症例第一号だったわね!」
源十郎の言葉に翼が二年前の会場の事件を思い出し、マリアも過去に響を呼ぶ際に情が移らないよう呼んだ異名を思い出す。
ヒビキの心臓は聖遺物であるガングニールに侵食されている。それは、ヒビキにとって危険でもあった。
「身に纏うシンフォギアとして、エネルギー化と再構成を繰り返してきた結果、体内の浸食が進んだのかも知れん」
「生体と聖遺物が解け合って…立花はどうなるんですか?」
「このままでは遠からず死に至るだろう…」
翼の質問に源十郎はそう返すしか無かった。
ヒビキの症例は類を見ない程希少で前例もない、救う方法があるなら自分も知りたいと思う源十郎だ。
そして、拳を握った翼は奥歯を噛み締める事しかできない。
「何より、これ以上の融合状態が進行してしまえば、果たしてそれを人間と言っていいのか…ん?」
レントゲンを見つめ独白するように言う源十郎だが、其処で違和感を覚えた。
翼以外の反応が無いのもそうだが、先程マリアが言った言葉に引っかかりを覚えたのだ。
━━━今、マリアくんは何を言った?
「マリアくん!」
源十郎は視線をレントゲンからマリアたちの方に目を向ける。
この現象を自分たち以上に知ってると思ったからだ。
そして、源十郎の目にはクリスとマリアがハイタッチしている姿が映る。
「思ったより大した事ないじゃねえか」
「ええ、そうね」
「良かった…」
よく見れば、クリスとマリア以外も喜んでいたりホッと胸を撫でおろす仕草をしている。
翼もこれには唖然とせざるを得ない、短いながらも彼女たちが一人の少女が死ぬかも知れないと聞いて喜んでいるとは到底信じられなかった。
「聖遺物を分解する聖遺物だと!?」
あの後、翼と源十郎が喜んでいるクリス達と軽い口論になり、そこでマリアが喜んだ理由を説明する。
その説明で源十郎が大声を出した。
「声、デケぇよ!」
「…相変わらずだな、旦那」
ほぼ、源十郎の真ん前にいたクリスが耳を押さえ、奏は平行世界だろうが変わらない源十郎の反応に苦笑い。
クリス達が喜んだ理由はヒビキの浸食するガングニールを取り除ける方法があるからだ。
それこそ、未来のシンフォギアである神獣鏡だ。
未来のシンフォギアである神獣鏡ならヒビキの体内にある聖遺物を取り除ける。
「それじゃあ、始めます」
場所を移し、未来が居るのは手術室であり目の前には手術で寝かされているヒビキがシーツをかけられ横たわる。
既にシンフォギアを纏った未来がアームドギアである鏡を出しヒビキに向け放つ。
「た、体内のガングニールが消滅していきます!」
「響ちゃんの状態には問題ありません」
未来の行動をモニターしていたオペレーターの藤尭朔也と友里あおいが報告する。
現在彼らの居る場所は、急遽用意された指揮車である。現在、新型潜水艦の譲渡の交渉段階だ。
未来の神獣鏡をモニタリングしつつヒビキの体調を見ていた職員たちが次々と報告し、数分もせずヒビキの体内にあったガングニールは残らず除去された。
「…この目で見ても信じられんが、これで立花響くんは救われたな」
「そうだけど…これで立花響の戦力化も期待出来ないわね」
「………」
源十郎がヒビキが健康になった事を喜ぶが、マリアがヒビキの戦力を惜しがる。
口には出さないが翼も内心では同意見でもあった。
パートナーである奏を失ってから翼は一人でノイズと戦い続けた。動けるシンフォギア装者が自身しか居ない、そう思っていた。
そんな時にパートナーである奏のシンフォギアを纏うヒビキがノイズを倒している情報が入る。
翼としては思うところもあったが、何度か話をしようとするが取り付く島もなく去られてばかりだったが、偶然か故意かは不明だがヒビキに助けられた人たちも多くいる。
不愛想だがどこか頼りになる、それが翼のヒビキのイメージだ。
そんなヒビキがもうシンフォギアを纏えないと思うと残念だと思う。
クリス達も何時までもこの世界には居てくれない、何時かは自分の世界に戻ってしまうだろう。
そうなれば、翼はまた一人でノイズと戦う事になる。そんなこと考えて翼は思わず溜息を漏らす。
「ガングニールについては問題ない。この世界の奏くんのガングニールの破片を回収してギアに再構成できる。もし、立花響くんがガングニールを求めるならそれを渡そうと思う」
源十郎の言葉に翼も顔を上げ少しだけ微笑む。
源十郎としても、ヒビキの戦力は喉から手が出る程魅力があり、放置は出来ない問題である。
何より、聖遺物と融合していたヒビキの存在は遅かれ早かれ諸外国(特にアメリカ)が知る可能性が高く、彼等からすればヒビキの存在は金のなる木、或いは聖遺物を知る為のカギになるかも知れないと考え狙われるかも知れない。
いくら特異災害対策起動部二課は政府機関とはいえ、24時間365日ずっとヒビキを護衛できるかと言えば不可能に近い。
それならば、まだ自衛が出来るガングニールのギアを渡すのも手ではある。
「…どっちにしろ、あの子が選ぶしかなさそうね」
「そうだな…アタシとしちゃもう一人の方が問題だろ」
ヒビキがシンフォギアを纏い特異災害対策起動部二課に入るかは分からないが、取り敢えず一旦話を区切るマリア。
そして、クリスが言うもう一人は、
『名前は?』
『…立花響…です』
『年齢は?』
『…16歳です』
『君とショッカーの関係は?』
『…敵です』
『君はこの世界の人間か?』
『…違います』
『どうやってこの世界に?』
『………』
『君のその体は何だ?』
『………』
「見ての通り、これ以上は黙秘を続けている」
未来のヒビキの治療が終わると一同は場所を移動し、モニターである映像を見る。
負傷したヒビキとは別の立花響の尋問映像だ。
名前や年齢、ショッカーとの敵対関係までは話すがそれ以上は決して語ろうとしない響の姿に少なからずショックを受けるクリスとマリアたち。
「これが響かよ!?」
「あの響があんな弱々しく見えるなんて…」
「…立花響を知っている者が見れば信じられないわね」
「………」
尋問される響を見て奏や未来たちは口々に映像に映る響の感想を言い合う。
尋問される響は、彼女たちの記憶の響と比べ元気もなく今にも泣きそうな顔をしている。
何時も馬鹿みたいに元気の塊で人の気も知らずにポジティブな事を言い、他者との手を繋ぎたがる少女だとは到底思えない程だ。
「一応、監視の為に一室に籠っているがベッドも利用せず壁を背にして座っているんだ。我々の用意した食事もとっていない」
「「「「!?」」」」
━━━食べる事が大好きなあの響がご飯を食べない!?
━━━絶対偽物だ!…偽物だろ?
━━━いえ、天変地異の前触れよ!!
この日、クリス達が何より驚いた。
未来たちにとって響は自他共に認める程のご飯好き。クリスは嘗て響と敵対していた時に「好きなものはご飯&ご飯!」と自己紹介で言っていた事を思い出し、モニターに映る響を唖然と見る。
「それから、君たちが見たと言う金属だが此方が用意した金属探知機には何の反応もなかった」
「反応が無い?」
響が特異災害対策起動部二課に保護された時に軽くだが金属探知機で響の体を調べたが何の反応もなく、クリスの見たと言う肌の下の金属片は見間違いではないかと疑われ出す。
「…アタシはちゃんと見たんだよ、抉れたアイツの肩から金属の様な物を!」
クリスとしてもハッキリと見たことを伝える。
血に濡れていたが、あんな金属片を見間違うようなクリスではない。
その事を、知っているマリアと未来が少し考える。
「…考えられるのは、其方が用意した金属探知機が故障していたか性能不足、あるいは…」
「私たちの知らない金属が響の中にある?」
金属探知機にすら潜り抜ける未知の金属、技術力のあるショッカーなら十分考えられる。
「響の体の中とか調べなかったのか?」
そこへ、奏が源十郎にそう質問する。
特異災害対策起動部二課はれっきとした政府の組織だ。それ用の機材も直ぐに揃えれると思ったからだ。
「…本人が嫌がったんだ、俺としても子供を無理矢理調べるのはな…」
「…旦那らしいな」
源十郎としても、響の体の秘密は知りたくもある。
発明家としても技術者としても機械の体は魅力的だ、しかし響の嫌がる姿を見て諦めざるえなかった。
少女の泣き顔を見てまで強行する程、外道にもなれない。それが風鳴源十郎という男だ。
「おっさんらしいは一旦置いといて、未来…お前から見てアイツをどう思う?」
平行世界だろうが変わらない源十郎の姿に安心しつつ未来にモニターに映る響の事を聞くクリス。
クリスとしては、立花響の姿をした偽物を倒したくもあるが、モニターに映る響の姿を見て本当にS・O・N・G本部を襲い後輩である調と切歌を負傷させたとは到底思えない。
「そうね、私たち以上に立花響と共にいたアナタの意見を聞かせて」
「私は…あの子も本物の響だと思う」
クリスに続きマリアも未来に意見を求める。
少し考えた未来の口からはあの響も本物だと告げる。
「…根拠は?」
「根拠って程でもないけど、エレキボタルとの戦いで私たちと命を懸けて共闘したし、この世界の響が負傷して一番ショックも受けていた。…あれはお芝居とは思えなかった」
未来は二人の響と共闘したエレキボタルとの戦いを思い返す。
自分たち三人がかりでも苦戦した相手だ、映像に映る響が本当に襲撃者だったなら、自分の味方なぞせずエレキボタルと組んで自分たちを殺しに来る筈。
未来としても、モニター向こうの響の表情が父親が失踪した時以来、久しぶりに見た気もする。
「…っとなると、あの立花響はショッカーの居た世界の立花響かしら? ショッカーの事をハッキリと『敵』って言ってるし…」
「だけどそうなると、アタシたちの世界の本部を襲ってお子ちゃま二人を負傷させて地獄大使と一緒にいたアイツは誰だよ?」
未来の答えにマリアがもう一人の響の正体を推測するがクリスが待ったをかける。
自分たちの世界のS・O・N・G本部を襲撃しクリスがハッキリと響の姿も見ている。
声も本人の物と言え、クリスにはアレが偽物とは到底思えなかった。
最初は、映像の響が自分たちやこの世界の立花響を油断させるために偽物を造ったのではと考えたが、未来の言う通りエレキボタルと戦う意味は無い。
それどころか、あの響がエレキボタルに加勢していれば未来とこの世界の響は死んでいるだろう。
━━━いったいどういう事だ?これじゃこの世界にもう一人のアイツが居るみたいだ。アイツならそこら辺知っているかも…ダメだな、聞いても素直に答えるとは思えねえ…まるで昔のアタシだな…
映像で見た以上、響が素直に喋るとも思えないクリス。
そして、泣きそうな響の顔を見て嘗ての自分を思い出す。両親が死んで軍人たちに浚われ競売にかけられた事を、その後何をされたのかも…
恐らく、自分や未来でも喋らないだろうと判断するクリス。
━━━アイツは本当にショッカーの居る世界のアイツか?でもそうなるとあの馬鹿は誰だ?…試してみるか
「なあ、オッサン」
「ん?」
映像に映る響が何者なのか悩んだクリスは一つ賭けをしてみる事にした。
そこで、指令である源十郎に声を掛けある物を用意してもらうよう頼む。
戦闘はありませんでしたが、翳り裂く閃光編の響の問題の大部分を解決。
この作品ですと、大問題のショッカーがまだ健在ですが…
原作でも響は腕を食いちぎられながらも再生してますから砕かれた肋骨も再生しました。
…暴走はしませんでしたが…
シンフォギアの原作だと響から取れた石は源十郎は翼にしか見せてないので、当然クリスもマリアも知りません。
源十郎があの後、写真や映像に残してクリス達に見せた可能性も低いので。愚者の石の件で見た可能性はありますが…
前よりは冷静になったクリスですが如何しても、ショッカー響の存在に引っかかっています。響が素直に話せば信じるかも…
そして、ショッカーは何を企むか?
次回は響の心情とクリスの賭け。