改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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たぶん今年で一番ビックリした事、
腰の調子が悪くて病院で見てもらったところ、レントゲンで背骨が折れた後があったこと。
背骨って折れても回復するんだ…(汗


114話 不器用なクリス

 

 

 

暗い部屋。

特異災害対策起動部二課が響に用意した客室の一つ。

大きめのベッドや幾つかの本が置いてあり特異災害対策起動部二課としても見張りを置きつつ響を客人扱いする事で部屋に居たが、響は電気も付けずベッドや椅子も使わずに床に座り込んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…師匠たちに尋問されて、もう5時間か…時間が正確に分かるのも考え物だな

師匠たちが…違うか、並行世界の師匠たちにこの部屋を用意されてもな…ワタシとしては牢屋でもいいんだけど…

もう一人の私…大丈夫かな?職員の人からは緊急手術だって言ってたけど…

…ダメだ、一人でいるとネガティブな事ばかり考えちゃう。まるで改造されたばかりの頃のショッカー基地を思い出すな…

 

ショッカー基地に幽閉されて間もない頃はまだ希望もあった

きっと政府の人達や警察の人達が気付いて助けてくれる、この体も元に戻ると思っていた。

だけど、時間が経つことにワタシの希望は消えていった

 

『ウワアアアアァァァァァァッ!!!!???』

 

『如何だ、立花響。これでも我らの為に働かんというのか?』

 

ワタシに最初に待っていたのは理不尽な暴力だった

最初は躾として、ショッカーの命令に口答えする度に殴られたり鞭でぶたれたりして、最後らへんでは電気ショックを受けさせられた

 

『だ…誰が…お前たちの…命令なんかに…!』

 

『! 小娘風情が!!』

 

でもワタシの体には拷問は効かなかった

改造手術により体の耐久力は人間の時の比じゃない、拷問でワタシの体が傷ついても即座に回復させていく。それが良い事なのか悪い事なのかは分からなかったけど

だけど痛みだけはどうしようもなかったな…

 

それからもショッカーの怪人や白い服の戦闘員たちは飽きることなくワタシに暴行を加えて行ったがある日突然無くなった

 

『ギャアアアアアアアアアアアアッ!!!!』

『止めてェェェェェェェェェ!!!』

 

ワタシへの暴行で心が折れないと判断したショッカーの行動は早かった

ワタシの目の前で他者を殺し始めた

毒殺に始まり、火炎、雷、水、ノイズと次々とワタシの目の前で他人を殺していくショッカーの怪人と戦闘員たち

 

更には、

 

『止めて…止めてください!!』

 

『すまない、君を殺さないと我々は解放されないんだ!』

『お願い死んでッ!どうして死んでくれないの!!』

 

捕まえた一般人に武器を持たせワタシを攻撃させてきた

ショッカーが反乱を警戒して殆どが木の棒とかだったけど、ワタシを殺せる程の威力は無い

遂には木の棒が折れて攻撃していた人達も息を上げる

終ったと思った瞬間、水風船が割れたような音とヌルッとした生温かい水分が自分にかかる

目の前には、首の無くなった人たちの死体が…

 

『どうして…どうしてこんな酷い事を!』

 

その水分が目の前の人達の血だと分かったワタシは何度目かの涙を流す

幾ら何でもひどすぎる

 

『何を言っている、全てお前の所為だろ。立花響』

『お前が我らに協力していればこいつ等も死なずに済んだものを』

 

ワタシの涙の訴えもあいつ等には効果が無かった。それどころかサボテグロンは笑いながら死んだ人を踏みにじる

それからもワタシの目の前で老若男女問わず人が殺されていく

わざわざ、ワタシを拘束して兵器の実験も見せつけられワタシの心は疲弊しきっていた

 

『立花響、貴様には失望したぞ』

 

だけど、そんな日々も首領の一声で終了した

直後に、ワタシの脳改造の決定がきかされたのだ

 

 

 

 

 

 

嫌な事を思い出しちゃったな…

こうした暗い部屋で一人でいると何時も思い出しちゃう

 

「クリスちゃん…翼さん…未来…」

 

思わずワタシの口からクリスちゃんたちの名前が出る

この世界ではない、ワタシの世界のクリスちゃんたちの名前だ

ショッカーとの戦いは激戦で苦しいけど、クリスちゃんも翼さんも協力して怪人たちを倒し大幹部のゾル大佐と死神博士を倒した

 

「…これからは一人で頑張らないと…大丈夫、残りは地獄大使だけ…」

 

ワタシは、もう他者を頼っちゃいけない

頼った結果、エレキボタルの催眠で操られてこの世界のもう一人のワタシを傷つけた

クリスちゃんもマリアさんもワタシの事を敵として見てるけど仕方ない。その結果、この世界で死んでも仕方ない

ワタシが地獄大使を倒せば、元の世界の敵は首領ただ一人。クリスちゃんや翼さんには苦労をかけるかも知れないけど…

 

死ぬかも知れないと考えると怖くないと言えばウソになる。だけど、クリスちゃんやマリアさんがこの世界の私のように大怪我を追うのは我慢できない

隙を見て特異災害対策起動部二課から抜け出さな「おい」いと…!

 

突然、ワタシ以外の声に顔を上げるとクリスちゃんが目の前にいる。いつの間に!

見たところ一人みたいだけど、でもシンフォギアを纏ってる…もしかしてワタシを殺しに来たのかな?

クリスちゃんに殺されるなら…良いかな?出来れば地獄大使を倒した後にして欲しいけど

 

「ちょっとツラ、貸せ」

「…え?」

 

死ぬの覚悟していたワタシの耳に予想外な言葉が聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリスちゃん…此処は?」

「おい、始めてくれ」

 

クリスに連れられ響はある場所へとやて来た。

外からじゃ分からなかったが、内部は体育館並みの広さで壁や床が白で覆われ響としても無機質と感じる部屋だ。

響がクリスに此処が何処なのか聞こうとするが、クリスは響の言葉を無視して通信機で合図を送る。

 

「?……!?」

 

クリスの反応に疑問符を浮かべていた響だが、背後から気配を感じ振り向く。

其処には、黒いタイツと黒いマスクをし骨のマークを付けた男たちがいる。

 

「ショッカー戦闘員!」

「チッ、もうこんな所にまで来やがったか!おい、手伝え!」

 

突然現れたショッカー戦闘員に驚く響だが、クリスが即座にアームドギアを構えボーガンで何体かの戦闘員を射抜く。

 

「クリスちゃん…うん!Balwisyall nescell gungnir tron…」

 

何故、クリスが自分を此処に連れ出したのかは不明だがクリスの要請に頷いた響は聖詠を歌いシンフォギアを纏いクリスの加勢をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、シンフォギアを纏って戦闘員を殴り飛ばしてら」

「…此処までは順調ね」

 

戦闘員と戦うクリスと響の様子を見ている奏とマリアが呟く。

二人は、クリスと響の居るエリアの三階部分に相当する高さでカモフラージュされた窓から様子を見ていた。

 

「ふむ…戦闘員はもういいだろう、怪人たちを出すんだ」

「はい」

 

クリスと響の戦闘を見ていたのは、奏とマリアだけではない。

司令官である源十郎と特異災害の職員が何人かおり、翼と未来も此処に居る。

そして、マリアを始めとした奏、未来、翼はシンフォギアを纏っている。

 

ショッカー戦闘員は本物のショッカー戦闘員ではない。

今までクリス達が戦い特異災害対策起動部二課がデータを集めた質量のあるホログラムだ。

全ては、特異災害対策起動部二課が作った偽物だ。クリスが源十郎に頼み用意した施設だ。

 

「それにしてもクリスも無茶を考える」

「自分を囮にしてあの響が攻撃して来るか検証するなんてね」

 

クリスの策は、響を連れ出しこの訓練室でショッカーの襲撃を受けた芝居をすることだ。

もし響が敵でクリスを攻撃するようなら即座に訓練は中止し、シンフォギアを纏ったマリアたちが止めに入る。

クリスはこの方法で響のスタンスを確認したかった。

 

「…それにしても雪音にしてはやけに回りくどい事をするな」

「仕方ないわ、私たちの仕事上敵か味方か不明な事が多いから」

 

翼の呟きに答えたのはマリアだ。

クリスやマリア、未来を始めとしたS・O・N・Gはよく平行世界へ任務に行くが、現地での知識は乏しく相手が敵なのか組むべき味方なのか分からない事が多い。

 

調査をしようにも、ギャラルホルンは基本的にはシンフォギア装者しか起動させれず緒川を始めとした調査部ではどうしようもない。

その結果、クリスもマリアも派遣先の敵組織に利用された事が一度や二度ではない。

 

「…ウロボロスには本当にしてやられたわね」

「うろぼろす?」

 

マリアの呟いたウロボロスという言葉に翼がオウム返しする。

尤も、マリアはウロボロスの説明もせず「忘れて」と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケッケケケケケッ!」

 

「サイギャング!?」

 

何体もの戦闘員を殴り飛ばした響の前に縦に二本の角を持つ灰色の怪人、サイギャングが立ち塞がる。

横目でクリスの方を見ると、ドクガンダーとミサイルの撃ち合いをしている。

ならばと響は一気にサイギャングに腰のブースターで一気に近づく。

 

「今更お前なんかに!」

 

火炎を吐くサイギャングをものともせず、響の拳がサイギャングの顔を捉え一気に拳を振りぬく。

角を粉砕され顔面を打ち抜かれたサイギャングは悲鳴を上げる事もなく消滅。

 

「?」

 

それを見ていた響は違和感を覚える。

 

━━━戦闘員の時もそうだったけど、こんな消え方見たことないな。ショッカーが別の何かを仕掛けた?

 

戦闘員も怪人も光如く消え、何時もは見ぢり色の泡や液体になる戦闘員や爆発する怪人らしくない。

違和感を持ちつつも響は各個撃破に動く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━アタシを攻撃する素振りも無いな…アイツは味方って考えた方がいいのか?

 

ホログラムで作られた戦闘員をボーガンで射抜きつつ響の方に視線を向けるクリス。

響の表情から此処が訓練室だとはバレていないと思うクリスは更に生成された、かまきり男と対峙する。

 

━━━万が一の為にマリアには控えて貰っているが、もしアイツが本性を現して襲い掛かっても問題は無い筈。アタシも怪人との戦いには慣れて来たしな…

 

クリスがふと、視線を響をズラすと同時にかまきり男の頭をボーガンで撃ち抜く。

目線の先は、一見壁にしか見えないが源十郎の技術でそう見えてるだけで、ガラスが貼られ此方の様子をモニターさせている。

もし、響が暴れ出しクリスを攻撃しようがマリアたちがガラスを破り響を拘束する手筈になっている。

 

━━━とはいえ、取り敢えずは信用しても「クリスちゃん!!」…!

 

突然の響の切羽詰まった呼び声に目線を戻すと此方に向かって拳を振るう響の姿が、

咄嗟に、クリスも響に向けてボーガンを向けトリガーを引こうとした。

 

━━━やっぱりコイツ…ん?

 

響が此処に来て自分を攻撃してきたのかと疑ったクリスだが、響の目を見て……引き金を引く。

 

一際大きい銃声が室内に響く。

少し移動していた響の髪が元の位置に戻る。

 

 

 

 

「キィィィリィィィッ!!」

 

同時に頭を撃ち抜かれたカミキリキッドの断末魔の悲鳴が響く。

クリスは響に撃った訳ではなく、響の背後に立ち不意打ちの一撃を喰らわせようとしたカミキリキッドを撃ったのだ。

そして響の拳もまた、

 

「ウルル…ルル…ル…」

 

クリスを背後から襲おうとした海蛇男の顔面に拳を入れている。

響がクリスの名を呼んだ時、余所見をしていたクリスの死角から来ていた海蛇男に気付いた。

クリスを守る為に響はクリスに拳を振るう様に見えたのだ。

 

━━━コイツ、アタシを助けようと?こりゃ未来の言っていた事がガシャン…へ?

 

クリスの耳にある意味聞きなれた音がしてよく見ると、響のガントレットのパーツが今まさに元の位置へと戻ろうとしていた。

拳のエネルギーを海蛇男にぶつける為に

 

「ちょッ!?」

 

咄嗟にクリスが止めうようとしたが、直後に金属が打ち合う音と衝撃波、ガングニールの蒸気がクリスを襲う。

 

「あ…頭が…」

「ご…ごめんクリスちゃん、見たことない怪人だったから…って、え?」

 

音自体はクリスが付けている頭部の装置で何とか防げたが、衝撃波と蒸気はどうしようもない。

シンフォギアのお陰でダメージは最小限だが、少しふらつくクリス。

そんなクリスの様子に謝罪する響だが、自分たちを取り囲んでいた怪人や戦闘員が一斉に消えていく。

 

「アレ?アレ?」

「これで納得したかしら、クリス」

 

戸惑う響の耳に此処に居ない筈の声が聞こえ上を見る。

其処には響視点で何時の間にか設置されていたガラス張りがある、向こう側でマリアや翼たちが突っ立っている。

 

「え、マリアさん!?それに翼さんに奏さん…未来?」

「…取り敢えずはな」

 

ショッカーの襲撃だと思い、マリアたちも別の場所で戦っているのかと思っていたが全員が上の階に居り自分たちを見ていたのだ。

響にはチンプンカンプンだったが、その後のマリアたちに説明され始めて自分が騙された事を知る。

 

「訓練って、酷いよクリスちゃん!」

「あまりクリスを責めないであげて響、私たち結構味方の振りで騙されることが多いから」

 

未来の説得に響は渋々クリスを責めるのを止めた。

考えてみれば、自分もショッカーとの関係は敵対してるだけの情報しか渡していない。

 

━━━やっぱりワタシの体の事を伝えた方がいいかな?皆の様子を見る限りもうショッカーとは敵対済みっぽいし…うん!

 

「ねえ…「済まない、皆急いで指揮車まで来てくれ!」聞いて…」

 

寂しさもあったが、並行世界の装者であるクリス達に協力する為、自分の事情を話そうとした響だが、訓練直後緊急報告を受けたに源十郎の声にかき消されてしまう。

運の悪さに内心、「やっぱり自分は呪われているかも…」と考えてしまう響だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「指令、一体どうしたんですか?」

「ああ、みんな揃ったようだな、これを見て欲しい」

 

指揮車に移動したマリアが源十郎に何か分かったのか聞くとモニターに二つの映像が映し出される。

一つは、海辺近くに造られたと思わしき古びた工場ともう一つは、何処かの海岸で撮ったような海岸付近に出来た洞窟のようだ。

 

「また随分古い工場だな」

「まるで廃墟ですね」

 

工場を見た奏と未来がそう反応する。

二人がそう反応するのも仕方ない、映像に映る工場は彼方此方が錆びだらけで碌に手入れもされていないのが伺えるうえに窓も所々割れている。

最早打ち捨てられてるのは誰の目から見ても明らかだろう。

 

「正解だ、この工場は十年前に不渡りとノイズの出現で閉鎖された場所だ。近年では廃墟マニアや肝試しする若者ぐらいしか足を延ばす者はいなかったんだが…これを見て欲しい」

 

そう言うと、源十郎の声にモニターにもう一つの映像が映る。

先程と変わらない廃工場の絵だが、

 

「トラック?」

「それも一台は二台じゃないわね」

 

次に見せられた映像には廃工場を出入りする大型トラックが映る。

更には内部で働いてる人物も見えるが、奇妙な事に誰もが胸に赤いバラをつけている事だ。

 

「みんな胸に赤いバラを刺してるわね」

「おしゃれ…じゃなさそう」

「仲間の証ってやつか?」

「この者たちは皆、指定暴力団のグループだ。最初は取引にでも来てるのかとも思ったんだが…」

 

源十郎たちも最初に聞いた時は暴力団が何か取引でもするのかと思っていたがとある事情により自分たちがこの件を担当する事になる。

 

「! 止めてください、あのトラックをアップにして!」

「キミ、言う通りにしてくれ」

「は…はい」

 

一見、廃工場を再稼働させる為に来たのかと思っていた一同だが未来がある事に気付く。

源十郎もそれに賛同し、映像を操作している職員に命令する。

直後、一台のトラックが大きく映し出された。尤も、かなり離れた場所から撮ったのか映像は粗目ではある。

それでも、特異災害対策起動部二課にある装置は最新式もあり荒かろうが鮮明にも出来る。

 

未来の言う通り映し出されたトラックを拡大して点のようにしか見えなかった物が鮮明に見える。

誰もが汚れた後かと思っていた物はシンボルのような物だと分かった。

 

「横を向いた鳥のマーク?」

「何処かでみたような…」

                   「ショッカー…」

 

クリスもマリアもそのマークのに見覚えがる気がしたが思い出せない。それは、奏や翼、未来もそうだった。

そんな中、誰かが「ショッカー」と呟き皆が一斉に声の主の方を振り返る。

その先に居たのは響だった。

 

「それはショッカーがつけるマークです」

「! 思い出した! 戦闘員や怪人どもも腰に付けているベルトと同じだ!」

「ええ、私も」

「ショッカーか、やはり…」

 

続いてクリスとマリアも頷き翼もゆっくりと頷く。

そして、源十郎はもう一つである洞窟の方も拡大させる。

 

「洞窟? 何か入り口付近にあるけど…」

「あれ十字架じゃねえか!?」

「それに戦闘員もいる」

 

洞窟の入り口付近には幾つもの十字架が立てられており何人もの戦闘員が巡回している。

それだけ見ても、ショッカーにとってこの洞窟は重要なものだと推測出来た。

しかし、そこからが分からない。

 

「先日、行方不明になっていたウチの調査部のエージェントが警察に保護された。彼が言うには奴らが無関係な人間を何人も浚いこの洞窟に運んでるそうだ」

 

保護されたエージェントの報告でショッカーが誰彼構わず浚い洞窟に運んでいる事が分かった。

牢屋も複数あり、自分たちの方でも他にも数人のエージェントが拘束されている。

自分は、仲間のエージェントが騒ぎを起こし隙をついて逃げるのに成功したそうだ。

 

「…報告では、不定期気味に檻の人間が連れて行かれるそうだ。そして戻された者は一人も居ないと言う」

「ショッカーはそれだけの人間を浚って如何するつもりかしら?」

「奴らの事だ、どうせ碌な事じゃねえだろ」

 

浚われ連れて行かれた人間がどうなったかは分からないが、ショッカーの事でどうせ碌でもない事をしてるのは間違いないと言うクリス。

それは、その場にいる全員も頷く。

ショッカーの目的はこの世界を手に入れる事だ。その為なら他人の命など如何でもいいのが悪の組織であるショッカーだ。

 

「問題なのは、この洞窟は廃工場の真下にあるんだ。どっちを先に攻めてもその間にショッカーも迎撃態勢に入るだろう。…いや、エージェントが逃げた事で既に迎撃態勢に入ってるかも知れんが…」

「要は二か所の同時攻撃ね、丁度、装者も6人いるし二手に分かれた方が良いわね」

 

ショッカーに時間を与える訳にはいかない以上、洞窟と廃工場を両方攻める事になる。

幸い、シンフォギア装者も6人いる事で人手もある。その中には当然響も入っていた。

その所為か、クリスは面白く思わない表情をし、それに気づいた奏が響の肩に腕を回す。

 

「か、奏さん!?」

「響、同じガングニールのシンフォギア同士組もうぜ! ほら、翼も」

「奏!」

 

突然の事に驚く響に組もうと言い、翼にも腕を引っ張り抱き着く。

驚いて目が点となる響と、突然の奏の行動に顔を赤くしつつ溜息をつく翼。

 

「なら。決定ね」

 

奏の狙いに気付いたマリアがそう締めくくる。少し、クリスたちを見回した源十郎は何も言えなかった。

その後の決定により、海岸付近の洞窟はクリスとマリア、未来の三人。上の廃工場の制圧は奏と翼、そして響が決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 




クリスの賭けは、響と二人で移動中にショッカーの襲撃と見せかけ響の態度を見るでした。
もし、響がショッカーの回し者でクリスを背後から攻撃すればマリアたちが即座に響を取り押さえるプランでした。

未来の証言を聞いてない訳では無いんですが、マリアも言っているように並行世界で何度か騙されてる(ベアトリーチェ曰く、勘違いらしい)ので簡単に警戒は解けてません。
それでも、今回の事で多少の信頼は得ました。

皆さんの中には「いや、響に謝れよクリス」と言う方もいますが、クリスが自主的に謝る理由が無いんですよね。
響の事は一応味方だと考え直しましたが、響の中にある金属やS・O・N・G本部を襲った響の正体も分かってないので。
響が正直に話せば良いと思いますが、響にとってショッカーに拉致されてる間は正しく思い出したくもないトラウマで、出来れば誰にも話したいとは思ってません。3話の源十郎たちに語った事すら響は内心嫌々でした。

次回は、ショッカーとの戦いが再び。
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