改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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「俺の背骨が折れた…」
「人間には215本の骨があるのよ、一本ぐらい…え?」
MRI撮った結果…寝返りがキツイしコルセットがうざい

115話始まります


115話 アジト強襲 地獄大使の罠

 

 

 

朽ちかけた工場から何台ものトラックが行き来する。

見る人間が見れば工場が再稼働したか、朽ちかけた工場の解体でもするのかと思うだろうが、工場の周辺はノイズ被害により放置された家屋しかない。

そんなところに一台の車から6人の少女が降りる。

 

「此処からは歩いて行動した方が良いわね」

「そうだな、ならアタシたちはこのまま工場付近まで行ってみる」

「私たちも海岸付近で洞窟に向かう」

 

マリアの声に奏と未来が答える。

乗用車ではこれ以上目立つため徒歩で向かう事にした。

見た限り、戦闘員が見張ってるという事はないが何処で見られてるかは不明だ。

 

そして、その場を移動する少女たちだが彼女たちは気付かない。

少女たちの動向を覗くように地面からカメラらしき物が延びていた事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ…特異災害対策起動部二課どもめ、やはり来おったな」

 

クリスや響たちの目標であるアジト。

その内部では、指令室にて地獄大使がモニターを見ていた。モニターには二手に分かれるクリスたちの姿が映っている。

 

響たちは既に地獄大使に補足されていたのだ。

 

「む、立花響は洞窟の方には来んのか」

 

モニターには、クリス達が海岸付近に回り奏と響が少しずつ廃工場に近づく行動が映る。

立花響が洞窟に来ると考えていた地獄大使は当てが外れたと考える。

 

「まぁ良い、洞窟だろうと廃工場だろうと小娘どもが死ぬ事には変わらん」

 

そう言うと、地獄大使の表情は不気味に笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早くこの荷物を片付けろ!」

「オーライ、オーライ!」

 

廃工場の内部はある意味、男たちが忙しく動いていた。

用意されたトラックに荷物を運ぶ者や廃工場に来たトラックから荷物を取り出す者まで厳つい顔をした男たちが文句も言わず働く。

一見、ただの労働者にも見えるが、何人かの戦闘員が指示する姿にただ事ではない事が伺える。

 

そして、一台のトラックが廃工場に侵入し停まる。

その途端、別の男たちがトラックの荷台から幾つもの木箱を持っていく。

 

「うへ~、連中嫌な顔をもしないで黙々と働いてるぞ」

「信じられないな…アイツ等の中には全国指名手配されてる組員も居る」

「…でも、どの人も目が虚ろですね」

 

トラックの荷台の天井で様子を見ていた奏たちがそう反応する。

彼女たちは少しずつ近づいていた途中、廃工場へと向かうトラックに気付きシンフォギアを纏いトラックの荷台の天井に着地したのだ。

内部では、予想通り戦闘員が男たちに指示を出しており、どの男たちも目が虚ろであった。

 

「あの目、やっぱ操られてるようだね」

「そうなると、斬るのは躊躇われるか…」

 

響の報告に奏も確認し翼が斬るのを躊躇う。

もし、この男たちがショッカーに組みし悪事を働いていたのなら奏も翼も躊躇はしなかっただろうが、仮にも二人は人類守護を根差す特異災害対策起動部二課の一員だ。

操られているだけなら助ける必要がある。仮にそれが反社側の人間だとしても。

 

「理想は戦闘員以外、全員気絶ですね…「侵入者だ、殺せ!!」!? もうバレた!」

「しょうがない!」

 

偶々トラック近くで作業していた男にヒソヒソ話が聞かれ三人の存在がバレる。

バレた以上は仕方ないとトラックの天井から降りる三人。

 

「立花響だと!? 直ぐに殺せぇ!!」

 

響の姿を確認した戦闘員が男たちに殺すよう指示をする。

すると、今まで作業していた男たちもその辺に置いてあったスコップやピッケルなどを持って響たちに向かっていく。

 

「殺せ」

「殺せ殺せ」

「殺せ殺せ殺せ」

 

「うわぁぁ…見事なまでに操られてるね」

「芝居でもなさそうだ」

「なら、やるしかないですね」

 

スコップやピッケルを握り「殺せ」と繰り返す男たちの姿に奏は苦笑いし、翼はアームドギアの剣を構え響が拳を握りしめる。

直後、奏たちは男たちの群れに突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海岸付近の洞窟付近。

立てられた十字架の間を歩き巡回する戦闘員たちが居たが、次の瞬間に一人の戦闘員が悲鳴を上げる間もなく倒れる。

付近の岩陰からクリス達が顔を出した。

 

「見張りは片付いたな、入るぞ」

「ええ…」

「…この十字架、不気味ですね」

 

見張りの戦闘員を片付けたクリス達は慎重に洞窟の入口へと向かう。

道中、未来が洞窟前に設置されている十字架を見て不気味だと呟く。

クリスもマリアも口には出さないが同意し、洞窟の中へと潜入する。

その時、マリアの頬に水滴がつく。

 

「冷たッ!?」

「雨か?」

 

クリスが空を見上げるとポツポツと雨粒が落ちてくる。

 

「そう言えば今朝の天気予報で台風が近づいてるらしいよ」

「なら、早く片付けた方が良いわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…思ったよりは明るいわね」

「真っ暗よりはマシだけどな」

「内部は見事に人工物ですね」

 

洞窟の中に入ったマリアとクリスが感想を言い合う。

目立たない様にか洞窟の内部は灯りがセットされているが最低限の光しかなく思いのほか進み辛い。

それでも、未来の言う通り洞窟の入り口とは比べ内部の通路は完全に整備されていた為、躓くことはなかった。

 

「なあ」

「ん?」

「何?クリス」

 

思ったより静かなうえに戦闘員の妨害もない事でクリスが二人に声を掛ける。

 

「マリアと未来はあの馬鹿とソックリな奴を信用するのか?」

「なに、またその話?」

「クリス…いい加減認めてよ」

 

あの馬鹿とは当然響の事だ。

未だに疑ってるのかとマリアは呆れ気味になり、未来も内心頑固だなと思いつつクリスを窘める。

クリスとて最低限の信用はしているが、どうしても気になる事があった。

 

「だったら、アタシ等の世界の本部を襲撃したアイツは誰だよ?それにアタシは地獄大使の野郎と一緒にあの馬鹿が居たのも見てんだぞ」

「それは…」

 

クリスの言葉にマリアも未来も何も言い返せない。

映像でしか見てないが、映っていた響は自分たちの知っている立花響と瓜二つだ。

それこそ、この世界の二人の響も自分たちの知る立花響そのものだと言える。

 

「…きっとアレは響の偽物だよ!響は優しい子なんだよ、クリスだって知ってるでしょ!」

「私もそれに同意ね、ショッカーの怪人には人間に化けれる奴が居たわ。それこそ立花響に化けていた可能性がある」

 

マリアたちの声にクリスも納得はする。

監視カメラの映像や記録からは、余りにも自分たちの知る響とは思えない残虐な手や容赦がまるでない。

偽物と言えばクリスだって頷く。が、

 

「なら、どうやってギャラルホルンを起動させたんだ? マリアだけじゃアイツも行けない筈だし、シンフォギアだって本物のガングニールだって話だぞ」

「それは…」

 

クリスの問いにマリアは答えられなかった。

ギャラルホルンで並行世界に移動出来るのは何もシンフォギアだけではない、聖遺物に精通していればある程度は通れる。その点を考えれば本部を襲った響は聖遺物やシンフォギアに精通している人物が化けている可能性もあった。

しかし、エルフナインが調べたところ本部を襲った響のシンフォギアは本物だという結論が出ている。

 

「考えられるのは、ショッカーも聖遺物に対する技術を持っているか…程度ね」

「…まるで、もう一人の響がこの世界に居るみたいな違和感が…」

 

マリアと未来の呟きが洞窟内で消える。

クリスとしても此処で言い合っても解決しない事は分かってはいた。

結局は、地獄大使を確保するか、何かを知っている響が言わない限り、クリスたちが知る事は無い。

 

答えの無い会話をしていると、クリス達が感じていた圧迫感が薄れていた。

恐らくは狭い通路から少し広めの通路にでも出たのかとマリアが考えると、

 

「冷てぇ!?」

 

先頭を歩いていたクリスの悲鳴が聞こえると共に水の音がした。

 

「水…この辺りには海水が溜まっているのね。滑らないよう気を付けて」

 

急に自分の足が濡れたクリスはビックリして冷たいと言い、マリアが水に指を湿らせた後、感触と匂いで海の水だという事が分かる。

他の二人に足元に気を付けるよう言うと、海水の中を歩くマリア。

 

ガシャーン!!

「「「!?」」」

 

水の中を少し進んだ三人の耳に何かが落下した音がして振り向くと自分たちの通った通路が塞がっている。

「閉じ込められた!」そう感じた三人だが、周囲から幾つもの水しぶきが立つ。

 

「イーッ!」

 

「戦闘員!? 水の中に潜んでたの!」

「何でもアリだな、コイツら!!」

 

水の中から飛び出してきた戦闘員に直ぐに臨戦態勢をとるクリス達。

薄暗い中、黒いタイツの戦闘員の奇襲を受けるクリスたちだが、今更戦闘員に苦戦をするクリスとマリアでは無く次々と蹴散らしていく。

 

「やるな、次は俺様が相手をしてやる。 アビィィィィィィッ!!」

 

ある程度戦闘員を倒したクリス達の耳に男の声が聞こえると一際大きい水しぶきが上がり、明らかに戦闘員ではない者が出た。

青い体に左腕に巨大なハサミを付けた怪人が現れる。

 

「戦闘員と同じく水の中に潜んでた!?」

「見た目からしても海中の生物かもね」

 

「俺の名はシオマネキング、ショッカー強化改造人間の一人だ! アビィィィィィィッ!!」

 

「ご丁寧にどうも!」

「本当にコイツら自己紹介が多いな!」

 

シオマネキングが自身の名を言いクリスとマリアへと襲い掛かる。

当然、迎撃するクリス達だが彼女たちは気付かない。天井付近の換気口から赤い煙が出ているのを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、クリスがシオマネキングと対峙した頃、

廃工場の方では、

 

「ハアアアッ!」

 

「イーッ!?」

 

響の拳が戦闘員を殴り飛ばす。

壁にぶち当たった戦闘員はそのまま倒れ緑色の泡となって消えてしまった。

 

「響、そっちは終わったか?」

 

丁度、操られたヤクザたちをしばき倒した奏が響に声を掛ける。

奏の声に響が周囲を見渡す。戦闘員はすべて倒され操られていた人達も気絶し、暴れないよう縛られていた。

敵の姿は何処にも見えない事で響が「はい!」と返事をする。

 

その後、怪人に警戒する響と手掛かりを探す為、周囲を探索する奏と翼。

その時。奏が放置されている幾つかの木箱に目を向ける。

 

「翼、こっちに来てみろ!」

「!?」

 

ようやく倒れた男たちの全員を縛り上げた翼の耳に奏の呼び声が聞こえる。

 

「どうした、奏」

「コイツを見てみろ」

「これは!?」

 

奏は開けた木箱を翼に見せ、中身を見た翼は思わず絶句する。

中には、おがくずと共に黒く輝く金属…拳銃や様々な重火器が安置されていたのだ。

翼も手を突っ込み何かを握って取ると、それは箱に入った銃の弾丸だった。

 

「武器密輸!」

「それだけでもねえな」

 

そう言うと奏は武器が入っていた木箱に手を突っ込み奥の方へ何かを掴んで引っこ抜き翼に見せる。

それは袋に入った白い粉状の物。

 

「まさかそれは…」

「調べねえと分かんねえけど、おおかた麻薬だろうな」

「…後で叔父様に確認してみる」

 

奏の言葉を聞いて翼は冷や汗をかく。

防人とはいえ翼は若く知識も薄いが、公安で働いていた源十郎に見せれば直ぐにわかるだろう。

武器密輸に麻薬の密輸、単純に男たちが取引でもしたのかとも考えるが、この場に居る男たちは完全に操られている。

仮に事情聴取をしようが、操られている間の記憶があるか怪しい。

 

「翼さん、奏さん!」

 

その時、周囲を警戒していた響が二人の名を呼ぶ。

一旦、武器や白い粉を木箱に戻し、二人は響の方へ向かう。

そう離れてない場所に響は居り、その前には木箱ではない紙で包まれてる幾つもの荷物が置かれている。

その内の一つが破かれて中身が見えかけていた。

 

「立花響、何か見つけたのか?」

「…これを」

 

何か見つけたのか響に翼が聞くと握っていた物を翼に手渡す。

一見、少し重いが手触りからして武器の類ではないと直ぐに分かり見ると、翼の額から汗が流れる。

 

「どうした翼、…札束? 奴らの資金か?」

 

翼の手には万札の札束が握られている。軽く翼が札を何枚か抜き取りそれが一枚のダミーではない事を確認する。

何処からこれだけの大金を持ってきたのか不思議に思う奏。

 

「よく見ろ、奏。()()()()()()()()

「番号?」

 

翼に言われ、奏は改めてお札に刻まれている番号に目を通す。

お札には偽造防止の番号が刻まれ透かすと薄っすらとお札に描かれている人物が写る。余談ではあるが日本の紙幣は偽造防止技術は世界一らしい。

 

「どれも番号が全て同じ…偽札かよ!?」

「ただのコピー札でもない、かなり巧妙な偽札だ。下手に世間に出まわれば発覚は困難だぞ」

 

翼の言葉に奏も額に汗を浮かべる。

ノイズ憎しで特異災害対策起動部二課に入ったが、腐っても特異災害対策起動部二課は行政機関。その手の話は幾らでも聞いてきた。

序に言えば、偽札が包まれていた紙の荷物は十や二十は軽く超えている。

 

偽札もそうだが、武器や麻薬も放置は出来ない。これらが一斉に国内に出回れば日本は大混乱に陥る。

奏の反応を見て直ぐにでも源十郎たちに知らせようとした翼だったが、

 

「ギャアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

「「「!?」」」

 

静寂だった現場に男の野太い悲鳴に三人が一斉に振り返る。

場所は、翼が拘束した男たちに居る場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止めろ、止めてくれ!」

 

「バラランガが操った人間が正気に戻ったか、だが構わんお前も死ねぇ!!」

 

響たちに取り押さえられた時に落ちたのか、胸から赤いバラが抜けた男は目の前の怪人に命乞いをする。

尤も、他人の命など欠片も気にしない怪人には命乞いなど意味がないとばかりに右腕の白い触手が男の首に巻き付く。

悲鳴を上げる間もなく、電流が男を焼き尽くす。数秒もせずに男は黒い灰となってしまった。

 

「間に合ったか!?」

「ダメだ、全滅している!」

 

丁度そこへ、男の悲鳴を聞きつけた奏たちが駆け付けたが、其処には翼たちの捕らえた男たちの焼死体しかなく、傍には嘴の様な物が飛び出し体中には白い骨のような模様と左腕の骨の様なハサミをした怪人が居る。

 

「お前がやったのかぁ!」

「ワタシの知らない怪人…」

 

「その通り、俺の名はシードラゴン! 此処が貴様らの墓場だ、イィィィィ∹ーーーーーチィッ!!!」

 

翼が剣を向け言うと、怪人シードラゴンが雄叫び声を上げ左腕のハサミを向ける。

同時に奏も腕のパーツを合わせ槍を出し、響も拳を構える。

 

「二人とも落ち着けよ、相手は一人だ「ニィィィィーーーーーーーーーチィ!!」…!?」

 

シードラゴンを見て翼と響に声を掛ける奏だが突然の殺気に後退する。

直後に、奏の居た場所が轟音が響きコンクリートの床が砕ける。

 

「新手か! …なッ!?」

「同じ怪人…「タァァーーーーーツッ!!」!?」

 

奏も響も襲撃してきた相手を見て驚いた。

奏の前には目の前に居たシードラゴンと瓜二つの怪人が存在したのだ。いや、左腕だけ微妙に違ってはいたが…

そして、驚く響に上から雄叫びが聞こえると共に殺気を感じ自分の頭の上を腕でクロスするようにガードする。

直後、衝撃が響の腕を襲った。

 

「さ…三体目!?」

 

何とか、腕を振り弾き飛ばすが着地した怪人の姿を見て思わず口に出す響。

響の言う通り、襲い掛かって来たのは奏の時と同じシードラゴンの姿が、三体のシードラゴンに囲まれる響たち。

 

「囲まれたか!」

「落ち着け、翼!囲まれたとはいえ数はイーブンだ、勝ち目は十分…」

 

「愚か者が、何時俺たちが三体だけだと言った!? 貴様には聞こえんのか?この声がな!!」

 

奏の言葉を遮ってシードラゴンの一人がそう言い放つと共に奏たちの耳に何かが聞こえてくる。

 

アフアフアフアフ       ブルルルルル

         オオオーゥ

                       ボアボアボアゥ

 

「うわああ…」

「辺り一面から声がする!」

 

廃工場内で聞こえる不気味な声に響は察しがついたのか頭を抱え、翼と奏が周囲を見渡す。

次の瞬間には、何処からともなく人影が現れ、奏たちに殺気をぶつける。

 

 

 

 

 

「プラノ…

 

 

 

~~~怪人たちの名乗り 以下省略~~~

 

 

 

 

 

…ゲ男!!」

「どうだ、これだけの怪人軍団の前に同じことがほざけるか!?」

 

奏や翼、響が周りを見渡す。

何十という怪人が自分たちを取り囲み蟻の這い出る隙間もない。即ち、逃げるのは不可能と言っていい。

奏たちも死角をカバーしあいつつ何時でも戦えるよう体勢を取る。

これには奏や翼は愚か、響すら額に汗を浮かばせる。

 

「かかれぇぇーーーーーーっ!!!」

 

シードラゴンの掛け声に怪人たちが一気に響たちへと迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、

 

挨拶無用のガトリング

ゴミ箱行きへのデスパーリィー

One, Two, Three 目障りだ

 

クリスの歌が洞窟内に響き、アームドギアであるボーガンを使いシオマネキングに撃ち込む。

傍らにはマリアと未来もクリスの援護を行い伸ばした蛇腹剣や小さな鏡からレーザーを出す。

 

「アビィィィィィィッ! そんなへなちょこな攻撃が俺に通用するか!!」

 

ミサイルの雨あられを喰らったが、煙の中からそう言い放ちシオマネキングが出てくる。

クリスたちの攻撃は全てシオマネキングに直撃するが、その体には傷一つない。

 

ドタマに風穴欲しいなら

キチンと並びなAdios

One, Two, Three 消え失せろ

 

それでも諦めず、アームドギアをガトリング砲に変えたクリスが一斉射撃をシオマネキングに撃ち込む。

更にマリアも蛇腹剣を短刀に戻しクリスの前に出てシオマネキングを翻弄する。

だが、それでもシオマネキングがダメージを受けたようには見えない。

 

━━━まるで効いてねえ…強化改造人間てのも伊達じゃねえって事か? それにしても体力が何時も以上に持ってかれてる気が…

 

ふと、クリスはマリアと未来を交互に見た。

二人はクリスと同様、息を切らして汗を流し、まるで長時間戦ったかのように疲労している。

 

━━━やっぱおかしい、マリアも未来もいつも以上に疲労している。 それに心なしか何時もの様な攻撃が出来てねえ気が…待てよ、前にもアタシは同じ経験をした気が……!

 

その時、クリスに電流が走る。

目の前にシオマネキングが居るのも関わらず、クリスは周囲の壁を見渡し天井にも目を向けた。

 

━━━やっぱり!

 

「マリア、未来、気をつけろ!Anti LiNKERだ!」

「「!?」」

 

天井の通風孔から赤い煙を見つけたクリスがマリアも未来にAnti LiNKERが使われている事を叫びマリアも未来もも驚いた。

何時もより疲労が強く、アームドギアの攻撃が何時も以上に下がっている気はしていたが、ショッカーがAnti LiNKERを持っているなど夢にも思っていなかった。

それは、クリスも同様である。

 

『ようやく気付いたようだな、雪音クリス』

 

「「「!?」」」

 

その時、何処からともなく地獄大使が響く。

ふと、壁の角の方に目をやると何時の間にか出ていた拡声器らしき物が設置されている。

地獄大使の声もその拡声器からしていた。

 

『だが一つ間違ってるぞ、雪音クリス!』

 

「…間違ってる?」

 

『それは、我らショッカーが改良を施したAnti LiNKERを超えたAnti LiNKER、名付けて「アンドロガス」よ!』

 

「アンドロガス?それは一体…!」

 

地獄大使からアンドロガスの情報を聞いてAnti LiNKERとどう違うのか聞こうとした瞬間だった。

クリスやマリア、未来のシンフォギアが粒子となって散っていく。

そして、

 

「アビィィィィィィッ…ほう、ピンクか」

 

「な!?」

「いやああああああああああああああああああああああ!!」

 

マリアは絶句し、クリスは驚愕の声を出して未来に至っては悲鳴を上げ手で胸元を隠しつつ身をかがめてしまう。

何故なら、彼女たちは一糸まとわぬ全裸になっているのだ。いや、ペンダントであるシンフォギアのギアだけネックレスとして残っていた。

未来に遅れて、クリスもマリアも胸元を手で隠す。

 

『実験は成功だ。これでシンフォギア装者はただの小娘よ』

 

アンドロガス

それは、Anti LiNKERに目を付けたショッカーが更なる改良を加えた新型のAnti LiNKERだ。

シンフォギアを纏っていようと、少しでもアンドロガスを吸えば性能は減退し、やがては纏っているシンフォギアも消え全裸の女が残る。

武装解除しつつ、目障りなシンフォギア装者を始末する為に造られたのだ。

 

『シンフォギアを失った貴様らは最早戦えまい、大人しくするのだな』

「こうなれば、お前たちはただの女だ。アビィィィィィィッ!!」

 

シンフォギアを失い、戦う力を無くしたクリス達を見て勝利の雄たけびを上げるシオマネキング。

目の前に居るのは戦う力を無くした裸の女でしかない。そう思っていたのだ。

 

「クッ、女だからって舐めて貰っちゃ困るわ!!」

 

「!?」

 

そんな態度の腹を立てたのか、それとも自信があったのかマリアは羞恥心を捨てて裸でシオマネキングに殴りかかる。

不意打ちもあり、油断していたシオマネキングは、顔や体にパンチや蹴りを受ける。

尤も、シオマネキングは微動だにせず、マリアの髪を掴み壁に叩きつける。

 

「がっ!?」

「マリア!」

「マリアさん!!」

 

マリアがアッサリ制圧されたことにクリスと未来がマリアの名を叫び、クリスが加勢しようと動くが、

 

「イーッ!!」

「イーッ!」

 

「クッ…まだ戦闘員が」

 

戦闘員に囲まれ二人とも身動きが取れなくなる。

そうしてる間にも、シオマネキングの左腕のハサミがマリアの首に触れる。

 

「そんなに死にたいのなら殺してやる!先に地獄に行けぇ!アビィィィィィィッ!!」

 

そのまま、シオマネキングのハサミがマリアの首を切断しようと開きゆっくりと閉じていく。

マリアがシオマネキングがゆっくりと自分を殺そうとしてる事に気付き、頭部の痛みも無視して両手でシオマネキングのハサミを押さえようとするが、女の力ではどうしようもない。

遂には、ハサミで切ったのかマリアの両腕から血が流れる。

このままシオマネキングのハサミがマリアの首に食い込む。

「マリアァァァッ!!!」

「マリアさぁぁぁぁんッ!!」

 

 

 

 

『待て、シオマネキング』

 

 

 

 

 

しかし、其処で待ったをかけた者がいた。

地獄大使だ。

首に食い込むハサミの感触が薄れゴホゴホと咳をするマリアに歯を食いしばるクリスと涙目になっている未来。

三人は、地獄大使の声のする拡声器に注目する。

親切心や心を入れ替えたとは到底思えないが地獄大使の次の言葉を待った。

 

『気が変わった、その三人を悪魔祭りの生贄にする。連れて来るのだ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ショッカーって様々な作戦や暗躍をしてますが偽札とかには手を出してませんでしたよね?

怪人たちの名乗りもしつこいかと思い省略しました。響は響で再生怪人の相手はウンザリしてます。

罠の方ですが、洞窟を進めばアンドロガス。廃工場は怪人軍団の待ち伏せとなっています。

本編だとG編以降、姿を消したAnti LiNKERですが、ショッカーなら喜んで使うだろうなと思います。(XDは知らん)

ギアを破壊されない限り、シンフォギアが解けると着ていた服装に戻りますが、アンドロガスは元に戻る衣服の再生すら阻害して装者を素っ裸にします。

本編のショッカーですと、裸にひん剥いた記憶は無いんですけど、何故か似合ってる気がする。

裸のマリアたちの前にシオマネキングと、絵面は最悪ですが、

最後に、原作から改変されたアンドロガスの設定でも



アンドロガス

原作では改造人間の肉体組織を破壊する毒ガスだった。

この作品では、ウェル博士から渡されたAnti LiNKERを元にショッカーが開発を進めた対シンフォギア装者用毒ガス兵器。
吸い込む事によりシンフォギア装者が歌う事で発生するフォニックゲインを分解し最後にはシンフォギアも纏う事は不可能になる。服の再構成も阻害し装者を丸裸にして無力化させる。
更に吸い続ける事で歌おうが長時間のフォニックゲインを生み出す事は出来ずシンフォギアも纏う事は出来ない。
今はまだ無理だが、何れはシンフォギア装者の肉体組織も破壊出来るよう改良する事を地獄大使は考えている。



共通点は赤しかなさそう。

因みに、特異災害対策起動部二課やシンフォギア装者が廃工場を見逃していれば、密輸された武器や麻薬、偽札をバラ撒いて日本は大混乱に陥りました。
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