改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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この度、シンフォギアXDで仮面ライダー555がコラボしました。
珍しくギャラルホルンとか異世界系のクロスではなく同一世界の設定っぽいです。

感想は色々ありますが、いっそ仮面ライダーSPIRITSともコラボしないかな。
響たちと戦うデルザー軍団を見たい。


116話 あ、マリアたちが生贄に! 蘇る怪人たち

 

 

 

まぼろし? 夢? 優しい手に包まれ

眠りつくような 優しい日々も今は

 

奏の槍が戦闘員を切り捨て、ジャンプすると槍をぶん投げる。

ぶん投げられた槍は翼を襲っていたサラセニアンの横っ腹を貫きサラセニアンはアッサリとこと切れ溶けて消える。

 

「奏、ありがとう!」

 

助けられ礼を言う翼に奏が頷く。

歌ってる故に喋れないのもそうだが、同時に喋ってる余裕もない。

 

儚く消え まるで魔法が解かれ

すべての日常が 奇跡だと知った

 

「死ねぇーーーツ!!」

 

刺突剣を持った蜂女が奏に襲い掛かる。

寸前で、槍を引き抜いた事で迎撃に成功するが、蜂女の剣さばきに肩の肉が少し抉られた。

 

「奏ッ!」

 

奏が傷つけられた事で翼が加勢に入る。

翼の剣が奏を猛追していた蜂女の刺突剣とぶつかり火花を上げる。

 

「ハッ、お前が並行世界の風鳴翼だろうが知った事か! 死ねぃ!」

 

「今度は私に恨みのある怪人か!?」

 

蜂女の怨念の籠った声に翼も、何となくだが並行世界の自分に恨みを持っている事がわかる。

同時に、クリスとマリアに出会った時のドクガンダーの言葉に戸惑っていた気持ちも何となく分かった。

横目で見れば奏の方も刺突剣を持ったキノコモルグとドクモンドの両方を相手している。

直ぐにでも加勢したいが、

 

「つ…強い!」

 

蜂女の刺突剣の腕に翼も苦戦する。

ノイズを相手にしていた時とは比べ物にならない程の剣の実力者だと考える翼。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オオオーゥ!! 死ねぇ、立花響!!」

 

「!?」

 

一方、翼と奏からそんなに離れていない距離で遠距離攻撃してくるアマゾニアを倒した響の耳に不気味な鳴き声と殺気を感じ振り返る響。

其処には、自分を殺そうと右腕の剣を振り下ろすモグラングの姿が、

回避が間に合わないと感じた響は、咄嗟に左腕でモグラングの剣を止める。

 

「チッ、これならどうだ!」

 

攻撃が止められたモグラングだが、ならばとシャベル状の左腕を響に振り下ろす。

響も残った右腕でモグラングのシャベル状の腕を受け止め握る。これで響はモグラングの動きを封じるが、

 

「調子に乗るな小娘ッ!俺の力で潰してやる!!」

 

「ウグッ!?」

 

両腕を掴まれた響にモグラングは渾身の力で響を圧し潰そうとする。

その証拠に、響の立っているコンクリートにヒビが入り足元が砕ける。

普通の人間ならばとっくの昔にコンクリートの染みになっている。

だが、響は額に汗を浮かばせ耐えていた。

 

━━━前に再生された時より力が上がっている。早く決着をつけないと…痛っ!?

 

攻撃を止める事に成功した響だが、モグラングの予想以上のパワーに長くは持たないと焦る。

だが、次の瞬間には背中への痛みに集中力が乱れかける。

 

「アララララララララ、俺の電磁鞭で死ねぃ、立花響!」

 

「ナマズギラー…」

 

響が背後に目を向けると、其処には嬉々として電磁鞭を振り下ろすナマズギラーの姿が映る。

直後に、響の背中に再び衝撃と電撃が襲う。

 

「アグッ!」

 

「終わりだ、立花響。元の世界の仲間にも会えず死んで行け!!」

 

━━━ワタシが死ぬ?元の世界にも帰れず…未来やクリスちゃん達にも会えず…死ぬ? …イヤだ…そんなの嫌だ!!

 

「ヌッ!?」

 

モグラングは自身の異変を感じた。響が掴んでいる両腕が奇妙な音がすると共に響の腕の力が強まる。

危機感を感じたモグラングが響から距離を取ろうとするが、響に掴まれた腕がビクともしない。

よく見れば、響が掴んでいる腕部分からヒビが入っている。

 

「は、放せ!放せぇ!!小娘が!!」

 

「負けない…お前たちなんかに…!」

 

モグラングの怒号に反応もしない響だが、モグラングの腕が悲鳴を上げる。

ヒビが大きくなり、遂には右腕の手首が握りつぶされ左腕のシャベル部分が砕ける。

 

「負けるかああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

両腕を破壊されたモグラングは最後に自分に迫る響の拳だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アビィィィィィィッ、とっとと歩け!」

「歩くスピードが遅いぞ!」

 

「痛っ!!」

「おい、未来に手を出すなぁ!!」

 

一方、その頃

地獄大使の罠によりシンフォギアから裸になってしまったマリアたちは手を縛られシオマネキングが先導する形で歩かされていた。

彼女たちは先の戦闘から羽織る物すら貰えず歩かされ後ろで鞭を持った戦闘員が見張っている。

遅れてるのか暇つぶしか、鞭を持った戦闘員は定期的に最後尾の未来の背中を叩きその度にクリスが未来を庇う。

尤も、繋がれている以上物理的に庇う事も出来ず口しか出せない。

 

━━━小日向未来の消耗が思ったよりも激しいわね、だいぶ歩かされてる上に裸同然の状態じゃ無理がないわね。幸い、アンドロガスが出た場所からだいぶ距離が離れたしギアも奪われてはいない。今なら…

 

Seilien coffin airget-lamh tron

 

Killter Ichaival tron

 

マリアが再びシンフォギアを纏う為聖詠を歌い、クリスもそれに続く。

裸にはされたが、シンフォギアの要であるギアはペンダントとしてまだマリアたちの胸元にある。

このままシンフォギアを起動させようとするが、

 

「…なっ」

「ウソだろ…」

 

しかし、聖詠を歌ったはずのマリアとクリスはシンフォギアを纏うどころか裸のままだった。

これには未来も唖然とした表情で二人を見る。

 

「聖詠を歌ったのにどうして…」

 

「アビィィィィィィッ! 馬鹿め、我らが何も考えずギアをお前たちから取り上げなかったと思う!?」

 

戸惑うマリアたちにシオマネキングが馬鹿にするように言い放つ。

その言葉に、視線がシオマネキングに向かう。その人外の顔は何処までも不気味であり心なしか笑みを浮かべてるようにも見えた。

 

「アンドロガスは暫く体内に残りフォニックゲインの生成阻害する。お前たちは暫く変身できんのだ」

 

「なんだって…」

「そんな…」

 

シオマネキングの言葉にクリスも未来も絶句する。

今までもクリス達S・O・N・Gは様々な敵と戦ってきたが此処までシンフォギアをメタる敵はそうはいない。

それだけショッカーも本気だという事だ。

 

「あら、つまり時間が経てばシンフォギアも纏えるってことね」

 

だが、マリアだけは冷静にシオマネキングに言い返す。

シオマネキングの言葉が本当なら、もう二度とシンフォギアを纏えないという訳ではない。

時間さえ絶てば自ずとシンフォギアを纏える筈だ。

 

「アビィィィィィィッ…そんな時間があればいいな。そら、着いたぞ地獄大使がお待ちだ」

 

目的地に着いた事をシオマネキングがマリアたちに教える。

目の前には薄暗い中、不気味に佇む扉がありゆっくりと開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはこれは、暫くぶりだな雪音クリスにマリア・カデンツァヴナ・イヴ。そして初めましてかな?小日向未来」

 

「「「!?」」」

 

扉を開けた先には、地獄大使がようこそと出迎える。

だが、その姿の割に地獄大使から受ける圧を感じる3人。

マリアとクリスは改めて地獄大使を見て背中に鳥肌が立ち未来に至っては自然と涙が流れる。

未来と違い経験豊富な筈のクリスとマリアすら言葉を詰まらせ何も言えず地獄大使を睨む事しか出来ない。

 

━━━コイツ…ここまで気迫が…

━━━ウロボロスのメンバーと比べても勝るとも劣らないわね

 

「わざわざショッカー墓場にようこそ。同時に此処がお前たちの墓場になる」

 

「へっ、どの怪人もそう大口叩いてアタシ等に倒されたんだ」

「アナタの望み通りになると思わない事ね、地獄大使」

 

何とか、地獄大使の気迫を跳ね除けそう言い切るクリスとマリア。

それに対し、地獄大使は口の端を吊り上げクリスの頬に鞭を押し付ける。

 

「ふん、並行世界の人間とは言え貴様たちは変わらんな。だが、その減らず口ももう直ぐ言えんようになる。それに…」

 

地獄大使がカギ爪状の左腕でクリスのペンダント状のギアを引き千切る。

それに合わせたかのようにマリアと未来のギアも戦闘員に引き千切られ地獄大使に渡された。

 

「返して!」

 

未来が返すよう言うが、当然地獄大使は無視する。

 

「これで、もうお前たちはシンフォギアを使えん。お前たちの運命はショッカー墓場の生贄になるしかない」

 

「イケニエ…?」

「どういう意味だ?」

 

クリスの言葉に地獄大使は何も言わずスッと左腕のカギ爪状の腕で何かを指し示す。

クリス達が刺された方に視線を向け…ゾっとした。

幾つもの骸骨が組み込まれ中心部には不気味な目玉が点滅する十字架があったのだ。

そして、十字架の前には人一人が眠れる台がある。

 

「祭壇か?」

「もはや、邪教の類ね」

 

思わずマリアが呟く。

ロボットやら宇宙人やら巨大な蛇と言った物は見て来たクリスもマリアも此処まで不気味で禍々しい物は見たことがない。

何より悪趣味だとしか言いようがない。

 

「こ…こんなの怖くない! きっと響や翼さんが直ぐに来てくれる!」

 

不気味な圧に押されながらも未来は声を振り絞る。まるで自分に言い聞かせてるようにも見えた。

クリスもマリアも口には出さなかったが、廃工場を制圧すればこっちに加勢に来ると読んでいる。

尤も、それを聞いた地獄大使は鼻で笑う。

 

「ならば、上の立花響どもの様子でも見てみるか」

 

そう言うと、地獄大使は裸で縛っているマリアたちを引き連れ用意していたモニターの前に連れて来る。

そして、モニターのスイッチを入れると、上の廃工場で戦う響たちのようすが映った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、地上の廃工場内では響、奏、翼が並み居る怪人たちとの死闘が続いている。

奏の槍がハエ男をぶん殴り、翼の剣が蜂女の刺突剣を弾き飛ばし、響の肘鉄がナマズギラーに食らわせ、パンチがセミミンガを殴り飛ばす。

 

「ちっ、何をしている!囲め、囲めぇ!!」

「相手はたったの三匹だぞ!」

 

シードラゴンの一人がそう言い放ち、毒トカゲ男もそれに続く。

だいぶ、奏と翼の息も上がっているが怪人たちも当初の三分の一が既に倒されている。

奏と翼が互いの死角をカバーし、響がひたすら拳で怪人を殴り飛ばす。

決して、チームワークが良いとは言えないがそれでも再生怪人を倒すには十分であった。

 

「アイツ、アタシ等のサポートが無くてもやるな」

「随分と戦い慣れている?」

 

一見、響の戦い方はかなり荒っぽく見えるが、奏や翼たちの目では怪人相手にうまく立ち回り攻撃を避け反撃でダメージを与えている。

数は未だに怪人たちが圧倒しているが、着実に響たちの方に傾いている。

 

「クオォォォォ!!」

 

「危ない!」

 

「勝てる」そう感じていた奏と翼の耳に一際大きい不気味な鳴き声が聞こえる。

奏の「危ない」と言う声に翼も何かが自分たちに迫っている事に気付き、二人は咄嗟に横に飛ぶように避ける。

直後、奏と翼が居た場所で爆発が起こった。

 

「翼、無事か!?」

「なんとか、今のはいったい…」

 

「クォーーーッ、俺のロケット弾を避けたか。生意気な!」

 

「「!?」」

 

声のした方に二人が視線を向けるとプラノドンが二人を睨んでいる。

翼も目撃した自分たちに迫る物はプラノドンの放ったロケット弾だったのだ。

二人は直ぐに態勢を立て直しプラノドンに身構える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、地上の戦いは先輩たちが押してる!」

「これなら響たちも直ぐに此処に来れるかも!」

 

モニターで廃工場内の戦いを見たクリスと未来がそう反応する。

マリアも口には出してないが、地上は響たちが有利に戦いを進めているように見えホッと胸を撫でおろす。

そして、同じくモニターに目を通している地獄大使に視線を向ける。

 

「ご自慢の怪人たちも次々に敗れているようだけど、大丈夫かしら?」

 

「…確かに怪人たちが倒され減っているな、()()()()()()()()()

 

マリアとしては嫌味の一つでしかなかった。

少しでも、地獄大使が苦虫を噛み潰した表情し怒鳴りつけるかと思っていたが、マリアの予想に反し地獄大使は笑っていた。

それがマリアには不気味な事に思えるぐらいに。

 

「おい、直ぐに残った生贄を連れて来い!シンフォギア装者にも自身の末路を見せてやる」

「イーッ!」

 

地獄大使の命令に戦闘員が返事をし、間もなく二人の戦闘員が一人の男を連れて来る。

その男もまた、ボロボロになった黒い制服を着た男だった。

 

「おい、アレって…」

「特異災害対策起動部二課の職員…」

 

マリアたちの脳裏に源十郎が言っていた行方不明になったエージェント達の話を思い出す。

現に戦闘員に連れられている黒服もエージェントであり、仲間を逃がすために騒動を起こし半殺しにされたのだ。

 

そして、黒服は戦闘員によって骸骨で出来た十字架の前に置かれた祭壇に寝かされる。

 

「何をするつもり!」

 

「今から見ておるがいい、悪魔祭りをな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「祭壇の悪魔の霊を生贄に移したまえ、カイダンメカケエトセトラカイダンメカケエトセトラカイダンメカケエトセトラカイダンメカケエトセトラオンキリバサラオンバッタ、オンキリバサラオンバッタ…エロイムサイムエロイムサイム…ジョゲムジュゲムゴウコウノスリキレカイジャリスイギョスイギョウザ!」

 

縛られたマリアたちは一部始終見ていた、否。見せられていた。

地獄大使を始めとした戦闘員もシオマネキングも地面に膝をついた後に両手で円を描くように振い不気味な呪文を言い続ける。

直後に、室内にも関わらず雷鳴と雷光が辺りに響き未来が思わず「キャッ!?」と言ってしまうがそれを気にした者は一人もいない。クリスもマリアも地獄大使の呪文に釘付けだ。

そしてマリアたちが気付いた時には祭壇で寝かされていた黒服は跡形もなく消え、代わりに骨で造り上げられていた十字架付近に人影がいる。

 

「ウルルルルルルッ!!」

「ブリュリュリュルリュッ!!」

 

「なっ!?」

「ウソだろ…」

 

マリアもクリスも何度目かの絶句し目見開いた。

何故なら、其処に居たのは自分たちが倒した筈の怪人、海蛇男とシラキュラスだったのだ。

 

「そんな…」

 

これには未来も絶望した声を漏らす。

映像やクリスに聞いた限り苦戦しつつやっと倒した怪人が目の前にいるのだ。

同じ怪人を用意したにしろ、あれだけ強い怪人を隠している理由はないと考えたクリスとマリアの脳裏に嫌な答えが浮かぶ。

 

「見たか?これが怪人復活の儀。悪魔祭りだ」

 

最悪な事に、その答えは正解であったことだ。

 

「…怪人復活の儀」

「悪魔祭りってそういう意味!?」

 

此処に来てマリアたちは地獄大使がバスごと人間を浚っていた理由が分かった。

生贄の確保。それだけだったのだ。

 

「…テメェー、怪人たちを蘇らせるのにいったい何人の関係ない人間を生贄にしやがった!」

 

「ふっ、それに答えてやる義理がワシにあるのか?雪音クリス。貴様らの命ももう直ぐ悪魔祭りに捧げ上の立花響を始めとした三匹も生贄にする、そうすれば倒された怪人たちは全て蘇るのだ!」

 

「怪人が…」

「…全て…」

 

クリスの怒号もなんのそのと返事をする地獄大使。

尤も、地獄大使の返答に言葉を失う二人。

自分たちの命を使って怪人が全て蘇れば、最早対抗する術はない。

一応、風鳴訃堂がいるが幾ら強くても数が居ては何れは圧し潰される。この世界にキャロルや結社が居るかどうかも分からない以上、何としても地獄大使の悪魔祭りを止めなければならない。

 

━━━…だけど

━━━…どうすれば…

 

だが、止めようにもギアを奪われクリスもマリアも未来も生身でしかない。ついでに言うと裸だ。

これではどうしようもない。

 

「だが先ずは確保した生贄どもを先に使う、海蛇男、シラキュラス、お前たちは上で戦う怪人どもに混ざれ!次の生贄を用意しろ!」

「イーッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギェェェェェェェェェ!?」

 

響が拳を連打し、耐えきれなくなったヤモゲラスが悲鳴を上げ倒れ爆発する。

翼も剣でキノコモルグを両断し、奏も槍でドクダリアンの一つ目を貫いた。

 

「ハア…ハア…後どの位だ!」

「ハア…見える範囲なら10体程度…」

「もう少しで怪人たちも全滅です」

 

響たちの反撃で次々と敗れる再生怪人たち。

奏も翼も息が上がってきているが、既に怪人たちも数える程度。

このままいけば勝てると思った三人。

 

「!? 避けろっ!」

「「!?」」

 

そんな中、何かに気付いた翼が怒号を上げその場からジャンプする。奏も響も翼につられその場を離れる。

直後、翼たちの居た場所に赤い液体が付着し床のコンクリートが音を立てて溶けていく。

 

「新手かい!」

「…何だと!?」

「翼さん?」

 

周囲の怪人を警戒しつつ、赤い液体が降って来た場所に目をやる。

廃工場の天井付近の鉄骨に何者かが乗っており、ソイツが赤い液体の犯人だと睨んだ奏と響。

尤も、翼はその人影を見て顔を青くし背筋が凍った。それを見て翼を呼びかける響。

何故ならば、

 

「何故、貴様が其処に居る!?シラキュラス!!」

 

あの顔や体につく丸いブツブツ、頭部からは腕のようなハサミが生え左腕に注射器のような針を持った怪人。

あの病院で倒した筈のシラキュラスが目の前に立っているのだ。

それだけではない、

 

「…マジかよ」

「…ッ」

 

奏も思わず声を出し、響も苦虫を噛み潰した表情で舌打ちをする。

シラキュラスの横にいた人影が目に入ったのだ。

 

「ビリュリュリュリュリュッ、久しいな立花響!!」

「ブゥゥーーーヨォォォォンーーーーッ!地獄の底から蘇ったぞ!!」

 

廃工場に設置された伝統に照らされ人影の正体が見えた。

其処に居たのはシラキュラス同様、倒した筈のエレキボタルとモスキラスだった。

 

「…なんの悪夢だよ」

「悪夢なら冷めて欲しいな…」

 

倒した敵がまた目前に現れる。

響は慣れている方だが、翼と奏は初めての体験故動揺が隠し切れない。

しかし、響としても腑に落ちない事がある。

 

「エレキボタル、この短時間でどうやって再生した!」

 

響がエレキボタルを撃破して、そんなに時間は経っていない。

過去にも、再生怪人が軍団で来た時も倒したばかりの怪人は再生が間に合わず来なかった事もある。

にも拘わらず、倒したばかりエレキボタルが目の前に居るのが不思議だったのだ。

 

「知りたいか!立花響!!」

「地獄への手土産に教えてやる!俺たちは地下のショッカー墓場から蘇ったのだ!!」

 

「ショッカー墓場…?」

 

「そうだ、そして地獄大使の悪魔祭りで人間どもを生贄にし俺たちは復活した!」

 

モスキラスの言葉に翼が「生贄!?」と叫ぶ。

同時に今まで捕まった人間はこの為に浚われたのだと確信する響たち。

 

「言っておくが、地下で地獄大使が悪魔祭りを行う限り俺たちは何度でも蘇るぞ!」

 

キィィィリィィィ       アララララララララ

             フワフワフワ

                           ケケケケケケケケケ

 

響たちの耳にまたもや不気味な声が響いてくる。

同時にシラキュラスがそう宣言すると物陰から次々と人影が現れる。

そして、姿を確認すると共に翼たちは眼を見広げる。

 

「カミキリキッドにサイギャング、ギリーラ!」

「それだけじゃねえ、さっき倒した蜂女にサラセニアン、毒トカゲ男までいるぞ…」

「倒した怪人がこんなに早く…」

 

数が減り形勢が逆転したかと思っていた三人はまったくそんな事が無かった事を噛み締める。

有利どころか、寧ろ数は殺気よりも増えつつある。

 

「…一時撤退も視野に入れるべきか」

「ダメだ、マリアたちが洞窟に入っている以上下手に離脱は出来ない」

「…それに今度の敵は捕まったマリアさんたちになるかも知れません」

 

あまりの不利に翼が撤退を口にする。

しかし以前にも拉致したマリアを洗脳しクリスと戦わせた事があるショッカーだ。

奏と響の言う事に頷く翼、此処が正念場だと足に力を入れアームドギアの剣を力強く握る。

翼に続くように奏も槍を改めて構え、響も拳を握る力を強める。

 

「馬鹿め、仮に貴様らが我らを倒したところで」

「地獄大使の悪魔祭りで直ぐに蘇る!何度だろうとなっ」

「お前たちが勝つ可能性何て存在しない!」

 

響たちを再び取り囲む怪人たち。

翼や奏たちの抵抗の意思を見せると三体のシードラゴンが響たちの勝ち目がないと言う。

そして、再び怪人軍団が響たちの飛び掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の地獄大使の狙いは響たちの徹底的な消耗戦です。
響は改造人間ゆえスタミナは普通の人間を遥かに超えてますが、奏と翼は鍛えてるとはいえ普通の人間で消耗戦は辛いです。特に奏は、

その為にも地獄大使には未だに多くの浚った人間をストックしてます。
因みに、響たちが怪人を倒すより地獄大使の悪魔祭りで復活させる怪人の方が多い設定です。

え、何でマリアや響たちを生贄にすれば怪人が全て蘇るかですって?知らない、だって原作で首領が言ってたんだもん。

地獄大使の悪魔祭りの呪文はかなり適当。何度聞いても聞き取りにくい。

因みにマリアたちは毛布も貰えず裸で縛られてます。絵面が酷い…
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