改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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たぶん、今年最後の投下。
今年は色々ありました、親知らずを抜こうとしたら横向きで苦労したり、転んで背骨が折れたり…

皆さん、良いお年を


120話 地獄のじごく

 

 

 

 

台風が過ぎ去り穏やかな風と波が行き交う海。

魚が泳ぎ、その魚を狙う鳥が自由に飛び回り、イルカが海面をはねた。

そんな海に海面から潜望鏡が延びる。

 

「じごく島への距離、凡そ○○」

「モニターでも確認!」

 

特異災害対策機動部二課の職員の報告に藤尭朔也も報告する。

モニターには潜望鏡で覗いたであろう、島の姿が映る。

本来なら、古い港に幾つもの漁船があり閑散としているであろう場所が、新しくコンクリートで造られた壁の様な物が見える。

 

「完全に要塞化されてるわね」

「ここまで用意周到な奴なんて初めてだな」

 

月面や遺跡など敵の本拠地に行ったことは多数あるクリスとマリア。

それでも短期間で島を要塞のようにした敵にはあった事が無い。

 

「とりあえず、何処か陸地の近いところに停泊を…」

 

源十郎がそう口を開いた時だった。

 

轟音と共に船体が揺れ海面から水しぶきが噴き出す。

直後、黒煙が海面から昇る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大小さまざまな機器が並ぶ薄暗い部屋。

そんな部屋の中には、数人の戦闘員とバラランガ、サングラスをかけた男。そして地獄大使が居る。

更にもう一人、誰かが居るが陰になっており見えない。

彼らの中心には一台の機械が置いており、その機械から島の全体像が映っている。

 

「地上の工事も一先ず終わった。これだけの滑走路なら超音速機をいくら発進させても問題あるまい」

 

地獄大使がそう言うと、台の装置を触れる。

直後に、機械から出ている島の全体像が切り替わり、蓋を開ける様に地下の全体像を映す。

 

「予定されていた、超音速機も想定通り集まった。訓練が終わり次第、日本中に爆弾の雨を降らし今度こそ日本を征服するのだ!」

 

滑走路の下は強大な格納庫になっており、既に幾つもの飛行機が整備されている。

地獄大使の作戦、それは秘密裏に集めた超音速爆撃機で日本中に爆弾を投下し日本国民の虐殺及び政府機関の抹殺が目的だった。

多少の生き残りが出ようがこれで日本征服が出来る。

 

「シンフォギア装者も、音速で動く戦闘機や爆撃機では手も足も出まい」

 

怪人たちを倒し、幾度も自分たちの作戦を阻止してきた響を始めとしたシンフォギア装者たち。

しかし、今回の作戦はシンフォギア装者を相手にせず一般人を狙う。

 阻止したくとも、空を音速で飛ぶ戦闘機や爆撃機を相手にできるとは思っていない地獄大使。

短時間ぐらいなら、飛ぶ事も出来るだろうが音速を超える戦闘機に追いつける程ではない。雪音クリスの遠距離攻撃も音速を超えるスピードでは無力だろうし、経験の浅い小日向未来では神獣鏡では当てるのも難しい筈だ。

 

「それでも止めようというなら、疲弊させ怪人たちに始末させるだけよ」

 

響たちの事だ、一般人への攻撃が始まれば何が何でも阻止しようと動く事は予想できる。

 ならば、響たちに無駄な抵抗をさせ疲弊したところを怪人たちに襲撃させればいい。

 

「更に、その地下には…」

「地獄大使、報告です!」

 

続きを離そうとした地獄大使。

だがその時、一人の戦闘員が入ってきて緊急の報告をする。

 

「何事だ?」

「島の周りに張り巡らした機雷が反応しました。潜水艦が近づいてます!」

 

戦闘員から侵入者が現れた報告だ。

 

「この辺りの海は海上自衛隊の訓練域からも離れている。ならば、自衛隊が偶然来た訳でもない…先のヘリの撃墜を考えれば特異災害対策機動部二課か、案外早かったな。貴様ら持ち場に付け!予定変更しこの島を小娘どもの墓場にしてやれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の事に立っていた者たちは床へと転び、座っていた者たちも椅子から転げ落ちそうになる。

響は倒れかかったヒビキと未来を助け出している。

 

「何が起こった!?」

「き…機雷です!巧妙に隠蔽されている物が多数!」

 

源十郎の声に友里あおいが答える。

海中には幾つもの機雷が設置しており決まった海路を進まねば爆発してしまう。

 

「船底部分にダメージを確認!幸い航行に支障はありませんが何度も受けては持たないかと!」

「…これでは近付けん!」

 

 島の周りにはショッカーが設置した機雷が幾つもあり、ショッカーの信号を受信する装置か抜けれる海路を進まない限り爆発し海の藻屑になる。

今回は、最新鋭の潜水艦であった為、強度もあって軽傷ですんだが無理に進めば轟沈は避けられない。

 

「一旦退いて態勢を立て直すべきか?」

「…島の人達を置いていくの?」

 

源十郎としては、一旦退く事も考える。機雷の爆発でショッカーにも此方の存在がバレた可能性がある以上、奇襲などもう出来ない。

 此処は退いて海上自衛隊と協力して機雷を撤去し改めて攻める必要がある。

しかし、ヒビキの言う通りそれは島の村民を見捨てる事になる。

自分たちが島の事を知ったと思うショッカーが果たして村人たちを生かしておく保証がどこにある。

 

「…おい、アタシにいい考えがある」

 

悩んでいる源十郎の耳にクリスの言葉が聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、島の方では何人もの戦闘員がバイクに乗り封鎖している港へと向かっている。

背中にはバズーカを背負い、海中の潜水艦を撃つのが目的だ。

 

「…! 待て、何だあれは!?」

 

その時、一人の戦闘員が何かが空を飛んで此方に近づいてる物がある事に気付きバイクを停める。

それに続き他の戦闘員もバイクを停止させ、飛んでくる物の正体を探る。

 

「ミサイル?」

「ミサイルの一発や二発、どうという事は無い。行くぞ」

 

その正体は直ぐに分かった。弾頭が赤いミサイルだ。

特異災害対策機動部二課の発射したミサイルだろうと判断した戦闘員はミサイルを無視し港に行く事にした。

基地は島の地下深くでミサイル程度で如何にかなるものではない。

大方、特異災害対策機動部二課の悪足掻きだと判断した。

 

()()()()()()()()()()()()

 

戦闘員たちは気付かない、ミサイルの中心部がパカっと開くと同時にそこから4人の人影が飛び出した事を。

 

 

桜吹雪の静音(Silent beat)…

 

 

「音楽と歌だと!?」

 

ミサイルを無視して行こうとした戦闘員たちの耳に音楽と歌声が聞こえ、慌ててもう一度ミサイルの方を見る。

視線を向けた先には自分たちに迫る銃弾の雨あられが、

 

ギャンギャンと沸き散らした イカれた群れスズメ

どの世界に首突っ込んでも 標的(まと)のオンパレードだ

 

歌い主であるクリスの弾丸は正確に戦闘員やバイクに命中し爆発を起こす。

それに反応したのか他の戦闘員も海岸ではなくクリス達のいる方に向かう。

 

「よし、敵はアタシ等に夢中だ!」

「このまま囮として突っ込むぞ!!」

 

礼儀作法がなっちゃいねぇ(Go to hell!)

ド派手花火でShall We Dance?(Go to hell!)

 

 見れば、戦闘員の乗ったバイクや銃座の付いたバギーまでこっちに迫ってきている。

しかし、それらを見てもクリス達は臆することなく迫る戦闘員たちの群れに突っ込んでいく。多少の銃弾ならシンフォギアが防いでくれる上に似たような事もクリスとマリアはバルベルデでやってきた。

 

「響たちの為にももっと目立っていくぞ!!」

 

奏の掛け声を合図に一斉に迫る戦闘員たちに向かう。

直後、バイクやバギーが宙に飛び爆発し戦闘員たちの悲鳴が木霊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンクリートで壁の造られた港。

その外側に何人かの黒服たちがモーターボートに乗って港の壁付近に居る。

 

「…予定時刻になりました。戦闘員の影は無し」

『此方でも確認した、マリアくんたちは見事に囮になっているようだ』

「クリスたちがやってくっれたね」

「これで私たちは捕まっている人たちを助けに行ける」

 

黒服と源十郎の会話の後に未来とヒビキも言葉を続ける。

二人だけではない、響も喋っていないがコンクリートの壁の前で拳を当てている。

 

そう、彼女たちは別動隊だ。

島の人間である島民たちが捕まってると思しき古い教会へ助けに行くのだ。

実は、自衛隊のヘリが撃墜する寸前に戦闘員が島民たちを島の端にある古い教会へと運んでるのを目撃していた。

 響たちはその島民たちの救出が目的だ。

その為にクリスとマリア、翼と奏がワザと目立ち戦闘員たちの目を釘付けにしている。

 

『よし、作戦開始だ響くん』

「はいっ!」

 

源十郎の通信を聞いた響は腕のガングニールのパーツを引いて腕を振りかぶり一気に拳をコンクリートに叩きつける。

同時に、引っ張ったパーツが元に戻りエネルギーが一気にコンクリートを貫く。轟音と共に粉砕されるコンクリート、尤も島の中心部ではクリスの歌声と爆発音が響き戦闘員たちはそれに引きつけられている

響の目の前にあったコンクリートは見事に粉砕され人間が通るには十分の穴が開く。

 

「…お見事」

「凄いよ、響!」

 

ヒビキと未来が称賛する。黒服たちも口にはしないが何人かが小さめの拍手をする。

 

『道は開いたな、港から海道沿いの道を行けば協会に行ける筈だ』

 

通信機からの源十郎の声に響たちが頷くと黒服と共に穴をあけたコンクリートを進む。

クリス達に遅れ響たちも島に上陸した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Let's bang! 繋いだ手と手の信頼は(忘れはしない)

強弓紡ぐ弦(つる)のように 絶対切れない代物(しろもん)だ!

 

クリスのボーガンの矢が戦闘員を次々と薙ぎ倒す。

そして、見える範囲で戦闘員が居なくなると少し呼吸を置いて歌うのを止める。

辺りにはバイクやバギーの残骸が散らばり幾つも燃えている。

ガソリンが燃える匂いにクリスが一回だけ咳をする。

 

「喉は大事にしておけ、煙は喉へのダメージは大きんだ」

 

すると、クリスと少し離れて戦闘員の相手をしていた翼がそう言ってクリスの下に向かっていた。

翼の傍にはマリアも居り、そっちでも戦闘員の相手をしていたようだ。

 

「あいよ、そっちは?」

「出て来た戦闘員は軒並み倒したわ…怪人は一体も出てきてないわね」

 

マリアの報告にクリスも眉を顰める。

三桁近い戦闘員を蹴散らしたが、怪人が出てこないのはクリスも感じていた。

そうなると考えられるのは、ショッカーの怪人は壊滅状態か…

 

「恐らくは島に作った基地で待ち受けてるだろうな」

「待ち伏せか…厄介だな」

 

翼の言葉にクリスも頷く。

何時造り出したのか分からないが、こんな短期間に大規模な滑走路を造ったのだ。内部にも巨大基地が造られてる可能性はおおいにある。

地の利は完全にショッカーにある以上、待ち伏せだけでもシンフォギア装者には厳しかった。

 

 

 

 

「おい…戦闘員から基地の出入り口を聞きだした!」

 

その時、翼やマリアと別行動をしつつ戦闘員の相手をしていた奏が遅れて戻ってくる。

奏の口にした言葉にクリスたちも注目する。

 

「聞き出したって、どうやって?」

「戦闘員同士の会話を聞いたんだ。出入口は少なくとも二つ、一つは戦闘員や怪人が出入りする通常の出入り口、もう一つは資材搬入用の運搬用のエレベーターがある」

 

奏は偶々、戦闘員同士の会話を聞いていた。

クリスが暴れた事で資材を時間予定変更でエレベーターに下ろすよう赤い服の戦闘員が黒い戦闘員に指示していたのを見つけた。

 後をつけ搬入口も分かっている。大きさも何人も乗れそうだった。

 

「奴等の話だと、エレベーターの方は下層まで行けるそうだ」

『そうか、なら二手に分かれた方がいいな』

「そうね。…ん?」

 

二人に分け、二カ所から入り込むのは構わない。

各個撃破される可能性があるが、洞窟のようにアンドロガスで一網打尽にされれば目の当てられない。

ならば、通信機の源十郎の言う通りに二手に分かれるのがいいだろう。万が一の時は外に響たちがいる。

 だが、マリアは別の事に反応した。

 

「指令の声が通信機から聞こえた気が…」

「ああ…アタシも聞いた」

『…報告が遅れたか、奴等の妨害電波に引っかからない通信機を開発したんだ』

 

ショッカーの妨害電波で、特異災害対策機動部二課はシンフォギア装者である翼やクリス達と連絡が絶たれ連携を取る事は出来なかった。

 その結果、装者は何かしらのアクシデントを本部連絡することが出来ず指示を貰えず自分たちで判断せざるを得ない、本部も装者の見聞きした情報を戻って来た時でしか調査も出来なず後手後手の対応しか出来なかった。

その状況を打破する為、源十郎は政府と共に打開策を考え新型の通信機を作り出した。

 

『取り敢えず、何時まで奴等に通用するかは不明だが地下深くでも連絡が取れる。響くんたちももう直ぐ教会に着く』

「なら、急いで地下に降りた方が良いわね」

 

マリアの言葉にクリスたちも頷く。

 時間を与えれば態勢を立て直したショッカーがどう出るか分からない。

なら、時間を与えず敵の拠点を叩いた方が良い。

クリス達は二組に分かれ出入り口、二カ所に潜り込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放置され雑草が伸びきる畑に、ボロボロになった家屋。

その隙間を通る黒服たちに交じる響たち。

戦闘員がクリス達に向かったようだが、警邏している戦闘員が居る可能性がある以上、慎重に教会へと進んでいる。

黒服たちも響たちも緊張した空気で移動する。

 

「…ぷっ!」

 

そんな空気をぶち壊したのはヒビキだった。

何かを思い出して噴き出したようで、響も一瞬たじろぐ。

 

「…響?」

「どうしたの、もう一人のワタシ」

「ごめん…昔の事をも思い出して…」

 

未来と響の質問にヒビキは顔を赤らめて謝罪し理由を言う。

 

「昔?」

「…うん、私がまだ幼稚園ぐらいの時に親友…この世界の()()と街を探検した時があったんだ」

 

ヒビキが長らく忘れていた…いや、封印していた記憶、それがこの世界の小日向未来の記憶と思い出だった。

 エレキボタルの策で重傷を負い意識が戻るまでに見た夢に出ていた。

自分でも何故思い出せなかったのか不思議なくらいだったが、今なら分かるように気がするヒビキ。

 

「…ツヴァイウィングの事件の後に、世間のバッシングで家族まで巻き込んで…辛かったけど、丁度その時に未来のお父さんの仕事の関係で引っ越しちゃったんだ…」

 

「…そうか」

「…この世界にも私が居たんだね」

 

響は、ヒビキの独白を聞いて今までの行動に納得する。

自分にとっても未来は心の支えだ。その彼女が居なくなりバッシングが続いた結果、ヒビキは一人でノイズと戦うようになった。

もし、響も未来が居なくなり嘗てのバッシングや迫害を受ければヒビキのようになった可能性がある。

 

━━━だけど、ワタシはショッカーに拉致されちゃったけどな…未来を巻き込まないだけ良かったかな?

 

ある意味、この世界のヒビキ以上に不幸になってる事に気付いてない響。

緊張感に包まれた空気が少し軽くなった気がすると同時に教会が見えて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処が…」

「見張りも居ないね…」

 

少し離れたブロック塀に身を隠しつつ教会の様子を窺う響たち。

見た目だけでも相当古い教会だったが、逃走防止用か窓には木の板が打ち付けられ、ご丁寧にステンドグラス部分にも木の板が貼られている。

しかし、それだけの事をしておいて見張りの戦闘員は一人も居なかった。

 

「たぶん、クリスたちも方に行ったんだよ」

「…あれだけ派手に暴れれば行くかな?」

 

未来もヒビキも戦闘員がクリスの方に援軍に言ったと推測する。

それでも、油断せず黒服たちが教会の周囲を取り囲んで戦闘員の影が無いか探し、扉にも黒服が罠が無いか調べる。

 まるで昔見たスパイ映画みたいだと思いながらも響たちも扉の前に陣取る。

 

「…罠の類はありません」

 

黒服の報告に響たちは互いの顔を見合い、教会の扉を開く。

中は予想通り光も碌にない真っ暗であったが、扉から入る僅かな光が奥に届き何人かが座っている事に気付く。古い服やパジャマのままだったりで島民たちだと推測する。

 

「…あの、私たちは特異災害対策機動部です!皆さんを助けに来ました!」

 

未来が島民らしき陰にそう言った。

黙ったままでは、ショッカーの一味だと勘違いされ下手に騒ぎかねないからだ。

 しかし、未来の声が教会内に響くが座っている島民たちは反応するどころか、身じろぎ一つしない。

その反応に未来とヒビキは互いに視線を合わせ頷くと座らされる居る島民に近づく。

響は念のためにと黒服たちと周囲を警戒する。

 

━━━暗いけど私の目には明るく見える、見たところ島の人間しか居なさそうだし周囲を警戒した方がいいかな。島の人達は少なからず気配がするから無事だと思うけど…でも気配が少ない気が…

 

「あの…私たち特異災害対策機動部の人間で…」

「…大丈夫…ですか…・怪我してるなら…」

 

未来とヒビキがそれぞれの座っている島民に触れようとした時、島民の体は力なく倒れた。

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

「未来!?」

 

未来の悲鳴が教会内に木霊し響が声の主である未来達に近づく。

響が駆けつけると未来は尻もちをついて震えている。

 

「如何したの、未来!」

「人が…人が…」

 

響の声に未来は倒れた人に指を刺しうわ言のように繰り返し、ヒビキの方に視線を映せば未来と同じように床に尻もちをついて唖然としている。

二人の反応に訝しんだ響が倒れた島民の様子を見ようと近づき…愕然とした。

 

「と…溶けてる!?」

 

倒れた人の顔、腕や足が茶色い液体状になり流れていく。

其処から白い骨が見える以上人の体が溶けてると分かった。

 

「人が…人が…オエェ!?」

「未来!?」

 

あまりのショックの所為か、それとも人間が解けるのを間近で見た所為か未来の喉元か酸っぱい物がこみ上げ出撃前に食べていた食事諸共吐き出してしまう。

 慌てつもゆっくりと未来の背中を撫でる響がヒビキにも視線を繰ると未来と同じように吐き戻し嗚咽も混じる。

 

無理もない、ヒビキは目の前で人が殺され戦闘員が解けて消滅するのを目撃したが、人間がハッキリと溶けていく様など見た事もないだろう。

見れば、教会内を調べていた黒服たちも吐きはせずとも顔色が悪い。

響も改めて座らされている人たちを見回し、殆どの人間の顔の部分が溶けてて茶色の液体化している事に気付く。

 

━━━島の人達は全滅していた、恐らく生き残っている人は殆どいない。…あれ?でもこの気配は…

 

「ゥニイィィィィィッ!! 少し遅かったな立花響!!」

 

「「「!?」」」

 

響が気配が奇妙だと気付いた直後、教会内に不気味な声が響き、座らされていた元島民たちの方が煙を上げ誰かが飛び出す。

暗くて見え難いが頭部が黒い針だらけの顔に黄色い中身、左腕にハサミを持った怪人がいた。

 

「お前がやったのか!? ショッカーの改造人間!」

 

「俺の名はウニドグマ、此処に居る人間どもは俺の幼体の餌として使用したんだ!!」

 

怪人…ウニドグマは響にハッキリと言う。

その姿は以前の怪人と同じく悪びれた様子もない。

 

━━━こいつ等、また関係ない人たちを! まって!? 幼体って言った?なら…「ギャアアアアアアアアアア!?」!?

「「!?」」

 

黒服の悲鳴が聞こえ、響たちが悲鳴の聞こえた方を向く。

其処には、火達磨になっている黒服と、

 

「ウニ…ドグマ…!?」

 

炎を噴いたであろうもう一体のウニドグマが居る。

それを皮切りに、暗い教会内、壁や床から別のウニドグマが這い出て来る。

耳をすませば、外から銃声や悲鳴が聞こえる事から別のウニドグマも居る模様だ。

 

「同じ怪人が何体も…」

 

「驚いたかぁ!俺の幼体『ウニドグマの卵』に人間の細胞を餌にすれば、第二第三の俺が完成する。地獄大使の用意した超音速機で日本を大混乱にした後は俺が残った人間どもを食い尽くす!日本中に俺様が溢れるのだ!!」

 

ウニドグマが語る地獄大使の恐るべき作戦。

それは、ウニドグマを使い日本をウニドグマ巣にする事だった。

響たちは、この恐るべき作戦を阻止する事は出来るのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒビキもこの世界の未来との思い出を思い出しました。
ショッカーに狙われる可能性が爆増しました。

クリス達が乗っていたミサイルは、シンフォギアGの調たちお捕らえようとした時の物です。
全体像が見えない。

ヒビキも未来もとうとうゲロインになってしまいました。
何しろ本編の映像も今まで以上にグロいです。

戦闘員に鞭を使われた島民も働けなくなったり、工事が終了すれば用済みとしてウニドグマの幼体のエサにされました。


前にもう一つのシナリオと言うのがウニドグマ回の大滝村です。
この村は少年以外、ショッカーに皆殺しにされたというヤバい村です。
因みに映像は本部にも流れてるので職員の何人かは吐いてる可能性あり。

ウニドグマの言う通り、日本をウニドグマの巣にするのが地獄大使の策の一つです。
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