改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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125話 ショッカーの新たなる戦士!?

 

 

 

…ここは…何処?

頭がボーっとして手を動かそうとしても動けない?縛られてるの?何で?

 

「もう間もなく予定時間です」

 

人の声が聞こえる?

 

「フフフ、間もなく立花響を始めシンフォギア装者が来るだろう。準備にとりかかれ」

 

「響っ!?」

 

私の頭は響の名前で一気に覚醒して目を開けた

最初に飛び込んだのは、変なコスプレをしたおじさんと黒ずくめの男たち

黒服の人達じゃない!?

 

「これはこれは、もう目を覚ましたか小日向未来」

 

おじさんが私に話しかけるけど私はそれどころじゃない!

十字架のような物で私は縛り付けられている

 

「此処は何処!?何で縛られてるのっ!?アナタたちは一体ッ…」

 

「我らはショッカーだ、なに覚える必要はない。お前は間もなく死ぬ事になっている、小日向未来」

 

「!?」

 

この人たちの目は本気だ、ハッタリでも何でもない!

死ぬ!?私が死ぬの?いや、響とまだ再会もしてないのに

 

「イヤッ!誰か…響、響ッ!!」

 

こんな所で死にたくない私は何とか逃れようとするが腕の拘束はビクともせず、口からは自然と親友の名が出る

一般人でしかない筈の響の名を叫ぶと、頬に鋭い痛みが走った!

 

 

「痛っ!?」

 

「少し静かにしろ、小日向未来。五体満足で立花響と会いたいのならばな」

 

コスプレをしたおじさんは何時の間にか手にしていた鞭を地面に打ち付ける。たぶんあの鞭を振るったんだ

頬がジンジンする上にヌルッとした液体が頬を伝う。泣きそうになった私は眼から涙をこぼすだけで精一杯だ

やっぱりおじさんたちは脅しではなく本気で私を殺す気だ、この人たちはやると言ったらやる

 

「ふん、やっと静かになったか」

 

私が声を押し殺してると、おじさんの機嫌が良くなった。それは良いんだけどこの十字架から解放して欲しい

あれ、黒ずくめの人がおじさんに近づいている

 

「アジトのソナーに反応がありました。地獄大使」

「…来たか」

 

おじさんが気味の悪い笑みを浮かべてる。響……会いたいよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もう間もなく、浮上したアジトに到着します。皆、出撃の準備をお願いします』

 

艦内のアナウンスでもう直ぐ目的地に着く事が知らされる。

シンフォギア装者たちの待機場所にも流れ、響たちはお互いの顔を見合わせる。

敵の胸元に行く所為か、緊張感のある空気が辺りを支配している。本来なら、馬鹿で元気の響がその空気を打ち壊すことが多いのがクリスたちの世界の立花響だ。

しかし、その響の二人も口を閉ざしている。

 

「…いやお前ら、何か喋ろよ」

「…え~…」

「それは理不尽だよクリスちゃん…」

 

そんな空気に耐えられなくなったのか、クリスが二人の響に無茶ぶりをしてヒビキは嫌そうな顔をし、響は「アハハ…」と愛想笑いを浮かべる。それに釣られたのか未来と奏からも乾いた笑い声がした。

兎に角、重かった空気もクリスの一声でだいぶマシになった。

すると響の方を見ていたマリアが口を開く。

 

「そこの立花響」

「「え?」」

 

マリアが響の名を呼ぶ。当然ではあるが、二人とも響と言う名前なので二人ともマリアの声に反応し視線を向けた。

その事に苦笑いするマリアだが直ぐに表情を戻す。

 

「この世界に来た立花響に聞きたいことがあるんだけど」

「は、はい!」

「アナタは元の世界に戻る方法を見つけている?」

「………いいえ」

 

マリアの質問に響は即答出来なかった。ショッカーの所為とは言え響がこの世界に来たのは完全な事故だ。

戻れる算段など一つも無い。最悪、この世界を放浪する旅にでも行こうかと考えてる程度だ。

尤も、マリアにとってその解答は予想通りと言ったとこだった。

 

「なら、私たちの世界にでも来る?ギャラルホルンを経由すればアナタを元の世界に返せるかも知れない」

「!?」

 

マリアの言葉に響は眼を見開いた。

ギャラルホルンというのは知らないが元の世界に帰れるかもしれない期待が響に宿る。

 

「その……考えてもいいですか?」

「ええ」

 

とはいえ響は即返事をすることはしなかった。

マリアの言う「ギャラルホルン」という物も知らないし、マリアの口ぶりから100%帰れるとも限らない。期待して裏切られるのは響としてもゴメンだ。

それに、この世界の未来とこの世界の自分も合わせてやりたいと思う。

 

そんな響を尻目で見るクリス。するとマリアが近づく。

 

「あの子が私たちの世界に来るのは反対?」

「…アタシだって信用はするさ、マリアの情報からアタシ等の世界に来た奴の目星もついたしな。…正直信じられねえけど」

「奇遇ね、私もよ」

 

二人がそう言って話し終えると同時に待機場所のスピーカーから声が出る。

 

『…ショッカーのアジトに到着したわ。分かってると思うけど指令が不在の今、一応私が指示を出します。指令が時間稼ぎをしてる間に地獄大使を倒すか小日向未来の救出が目的よ』

 

声の主は友里あおいだ。

友里あおいの言葉通り、指令である風鳴源十郎は本部に居ない。航空自衛隊の無差別爆撃の遅延の為に政治家関係閣僚を必死に止めていた。

 

 

 

 

 

 

「なんのつもりだ、風鳴源十郎っ!!」

「申し訳ないが暫く俺の相手をして欲しいんで」

「正気か!?今すぐにでもショッカーの兵器を無力化させねばならんのだぞ!!」

「せめて、少女一人助けるまで待って欲しいだけだ!」

 

「みんな、大変じゃな~(ズルズル)」

「こんな時にもソバを食うなっ!」

 

「…ショッカーは富士を噴火させるつもりだぞ、少女一人と一億の国民を天秤にかける気か!?」

「装者たちを信じて欲しいとしか…」

「越権行為だぞ!!」

「覚悟の上です!処分はいかようにも!」

「ふん、やはりケツの青い愚息よ」

 

「…親父」

「おい、誰だ!風鳴訃堂を呼んだ奴は!?」

「小娘一人の為に国を危険にさらす気か?」

「…俺は彼女たちの可能性に賭けているだけだ!」

「この…愚か者があああぁぁぁぁぁぁっ!!」

「こんな所で暴れるな!」

「ちくわ大明神」

 

『おい、誰だ今の?』

「使い古されてるが、お約束と言う奴か(ズルズル)」

「ああ、通信機がっ!?」

 

某、偉い人たちが居た一室にて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘗て、響との戦いの場所となったショッカーの最大のアジトにして現在の地獄大使たちの最後の砦。

スーパー破壊光線砲のセットする屋上部分に腕組みをし目を瞑る地獄大使。

一筋の風が地獄大使を過ぎ去る。風の影響で地獄大使のマントがはためいた。

その時、アジトの外周の海が水柱を上げ何かが飛び出す。

 

「来をったようだな」

 

地獄大使がゆっくりと瞼を開くとアジトの上を真っ直ぐ飛びミサイルのような物。

その中部からは、蓋のような物が外れると何かが飛び出した。

その飛び出した物は地獄大使の目前で着地する。

響を始めとしたシンフォギア装者だ。

 

そして、シンフォギア装者の乗り捨てたミサイルのような物がスーパー破壊光線砲へと向かう。

着弾するかに思えたが、その手前で爆散した。それを見て舌打ちするクリス。

 

「ちっ、ドサクサで破壊は無理か」

「着弾する前に爆発したわね」

 

「舐めるな、貴様らの行動などお見通しよ。残念だがスーパー破壊光線砲は特殊な電磁シールドで守られている。破壊したければ絶唱クラスの攻撃を用意するのだな」

 

地獄大使はシンフォギア装者がスーパー破壊光線砲の破壊を狙っている事は百も承知だ。

小日向未来の救出と共に地獄大使の切り札であるスーパー破壊光線砲が特異災害対策機動二課の目標だと考えた地獄大使は、スーパー破壊光線砲自体を守る電磁フィールドを使った。

 

計算上、電磁フィールドを破るにはシンフォギアでは絶唱クラスの歌の力が必要であり、それ以外となるとスーパー破壊光線砲を発射する瞬間を狙うしかない。

 

「それはそれとして、ようこそシンフォギア装者諸君。よくぞ我がショッカー、最後のアジトに」

 

「…最後のアジト?」

 

響たちを前に地獄大使は堂々とした振る舞いを見せる。

少し戸惑ったマリアが地獄大使の言う「最後のアジト」の言葉をオウム返しする。

 

「その通り最後のアジトだ、立花響との戦闘でどういう訳か並行世界に渡った我らの領土にして最後の砦。そしてお前たちの墓場だ」

 

「はっ、何度もアタシ等の墓場を用意してくれてありがとよ」

「…そんなことより未来を返せ!」

 

地獄大使の言葉を皮肉で返すクリス。

そんなの知らないとばかりにヒビキが未来を返せと訴える。それを見て口の端を吊り上げる地獄大使。

 

「慌てるな小娘、いま小日向未来に合わせてやる!」

 

地獄大使が言い終えると同時に地獄大使の背後の地面が開き何かが地下から出てくる。

それは、白い十字架のような物とそれに両手を広げ縛られて頬にガーゼがされている未来が現れる。

未来の左右には槍を持った戦闘員が居るオマケつきだ。

 

「未来ーーーーーーっ!!」

「響ーーーーーーっ!!…!」

 

ヒビキと未来が互いの名を呼び合ったが未来が目を見開いた。

この場にヒビキが居たのは良かったと言えば良かったのだがもう一人の響とシンフォギアを纏ったもう一人の自分が何故か居たのだ。

ただでさえショッカーに捕まって混乱していた未来の頭は更に混乱する。

 

━━━なんで私と響がもう一人居るの?偽物?私と響は実は双子だった?それとも昔流行った都市伝説の…

 

「ドッペルゲンガ…」

「あ、未来が気絶した!?」

「たぶん何か勘違いしたな…」

 

ショッカーに捕まった混乱とヒビキに会えた嬉しさ、もう一人の響と未来の姿を見たパニックで未来は眼を回して気絶。

ヒビキが未来の心配をしクリス達は苦笑いする。頬にガーゼはしてあるがどうやら無事だと判断する。

響も苦笑いしていた表情を戻し地獄大使を睨みつけつつ周りを警戒する。

 

━━━ゾル大佐の時も死神博士の時も此処で再生怪人たちが出て来た。地獄大使も恐らく…

 

「何してんだ?」

 

響が周囲を警戒し視線を別々の方向に向ける仕草にクリスが気付き思わず聞く。

傍から見れば落ち着きのない子供にも見える。

クリスの言葉につられ皆の視線が響に突き刺さる。

 

「ふん、再生怪人どもを警戒してるのか?残念だが再生怪人は品切れでな、だが代わりにショッカーの戦士を用意した」

 

「!?避けて!!」

『!?』

 

地獄大使が響の警戒してる原因を言い当てると右手をスッと上げる。

直後、上から自分たちに向ける殺気に気付いた響は皆に避けるよう言った。

その直後に自分たちを狙う何者かに気付いたクリス達は一斉に離れ、さっきまで居た場所に衝撃音と爆音が響いた。

 

「奇襲か!?」

「舐めたマネしやがって!」

 

翼と奏が直ぐに態勢を立て直し、アームドギアを取り出して下手人の居る煙に突撃する。

それぞれがアームドギアを振るうとガキィッ!という金属音が響く。

クリス達が見守る中、一陣の風が煙を吹き飛ばし襲撃者の正体が分かった。

 

「なっ!」

「…にっ!」

 

「やっぱり…」

「嫌な予感が的中か…信じたくなかったぜ!」

 

奏と翼は襲撃者の正体に驚愕して言葉を詰まらせ、クリスとマリアは最悪の内の予測の内の一つに当たり額から汗を流す。

 

「…私?」

「何で響が…」

 

ヒビキと未来も反応するが何処か様子がおかしい。響に至っては、煙から出た人物を睨み奥歯を噛み締めた。

襲撃者は響と同じ顔、姿をし腹部にはショッカーベルトを巻いたショッカー響だった。

奏も翼も襲撃者の正体を知って一旦距離を取る。

 

「どうして響が…」

「…クローンね」

「…知っていたんですか?」

 

未来の呟きに答えたのはマリアだ。その事に響は「知ってる」事に内心驚く。

その後、マリアはじごく島の地下で何人ものクローンされた人間を見て来た事を響に伝える。

その間にも、ショッカー響の周りにもう三体のショッカー響が現れる。

 

「覚悟はしていたつもりだが…結構くるものがあるな…」

「一体何が如何なってるんだ!?」

 

クリスはショッカーに利用される響の姿を見て複雑な思いを抱き、事情の分からない翼は混乱している。

ヒビキは呆然とし未来はまるで悪夢を見てるかのような表情をしていた。

 

「おい、おっさん!その偽響どもはなんだ!?」

 

奏からは、地獄大使に向けショッカー響の正体を聞く。

前にS・O・N・G本部で戦った事のある奏だが、四体も現れた以上、ただのソックリさんだとは思えない。

 

「ほう、まだ立花響から聞いていないのか?まあいい、教えてやる!この者達は立花響の細胞から造り出したクローン聖遺物怪人、ショッカー響だ!」

 

地獄大使が堂々と言いのける。

皆が一堂に唖然とするのもなんのその、ヒビキと未来は顔を青くし奏も翼も汚い物を睨みつける様な目をしクリスとマリアの怒りが上がる。

 

「まだショッカー響が残ってるなんて…」

 

「勘違いするな、立花響!死神博士が使ったのは、言わば先行量産型というやつだ。死神博士亡き後は、調整に手間取ったがな」

 

ショッカー響は、フロンティアの戦いで全て倒したと思っていた響。主導していた死神博士も倒れショッカー響は全滅したと思っていた。

しかし、ショッカーはショッカー響を諦めていなかった。聖遺物の研究もそうだが、特異災害対策機動二課や響への嫌がらせも目的とし死神博士が倒れた後に地獄大使が引き継いだ。

 

「ショッカー響だけでないぞ、ショッカー響と共に調整していたアレもやっと完成した。お前たちで性能を試してやる!」

 

地獄大使がそう言い終えた瞬間、ショッカー響たちの前に黒い渦のような物が降って来た。

黒いドリルのように回転していたがやがて止まり、ドリル部分が布のように柔らかくなって引っ込んでいく。

其処に居たのは、

 

「ウソ…」

「…マジかよ…」

 

マリアとクリスは今度こそ絶句。翼や奏すら声を出せずヒビキと未来は訳が分からないといった表情。

響は眼を見開き信じられない物を見た反応をする。

 

目の前に居るのは、黒っぽい鎧みたいなシンフォギアを纏い肩や耳に深紅の飾りを付け()()()()()()には頭部に付けたシンフォギアのパーツがあり腹部には金色に輝くショッカーベルト。

 

「紹介しよう、ショッカー響と同じくマリア・カデンツァヴナ・イヴの細胞から生み出したショッカーの新たなる戦士、『ショッカーマリア』だ!!」

 

それは、嘗てフロンティアの戦いの時に最初の戦いで会場で纏ったガングニールのシンフォギアを纏ったマリア・カデンツァヴナ・イヴ、そのものであった。

 

 

 

 

 

 




源十郎が時間稼ぎしてる内にショッカー最後のアジトで決着をつけようという話。
風鳴親子の所為で「議会が躍る、されど進まず」状態に。

そして、ショッカー響に続きショッカーマリアが登場。響の二番煎じみたいに感じるかも知れませんが響と同じくガングニールのシンフォギアを纏えるという事でショッカー造られた設定です。
言うなれば、響とマリアは一号二号みたいな感じにしたかった。

ショッカーって偶に謎バリアがありますよね。

一応、Gの時のカ・ディンギル跡地での戦いでマリアの血が抜かれたが伏線のつもりです。

この世界の未来はショッカーでもお馴染みの十字架に括りつけられてます。お約束です。

ショッカーマリアの見た目は完全にガングニールを纏ったマリアです。本物との見分けは腹部の黄金のショッカーベルトですね。




それでは設定を

ショッカーマリア

本来なら響と同じ改造人間としての資質もない外れ扱いだったが、響と同じガングニールを扱える事と調と切歌の一度目の裏切りによりマリアからサンプルとしての血や細胞を入手。これをきっかけに研究が開始される。
ある程度は形になったが、響と比べマリアのガングニール適性が低い事、研究を主導していた死神博士が死亡した事で研究が頓挫し地獄大使の派閥が取り込んだ。

一応、完成はしたが響に比べてもコストがバカ高くなり死神博士が亡くなった事で通常のLiNKERしか扱えないでショッカーマリアの地位はかなり低い。
コスト面や強化面からみても割高ではあるが、地獄大使は特異災害対策機動二課の嫌がらせの為に完成品をぶつけた。
強さ自体は、ショッカー響より高性能の人工筋肉と特殊合金を使い性能は高め。
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