この為に書き溜めてました。
目的?ランキングに載りたい…。因みに書き溜めはその2まで。
=地獄大使を倒した並行世界=
東京湾に突如出現した建造物が崩れ、早数日。東京を始めとしたスーパー破壊光線砲の後始末で忙しい日本。
モスキラスがリディアン音楽院高等科のグランドで暴れ、更にスーパー破壊光線砲の被害で暫くの休校を余儀なくされ、一週間程でやっと再開した。直後に学院にて一人の転校生を迎える。
「ええ、今日から新しいお友達よ」
「小日向未来です。よろしくお願いします!」
新しいクラスメイトとして、この世界の小日向未来がリディアンに転校してきた。
新しいクラスメイトに興奮する者、興味も出ず授業の準備をする者、それぞれの生徒が反応する。
そして、その中にはこの世界の立花響が不安げに未来を見て、未来も響の方を見ると軽く手を振った。
この日、ヒビキのクラスに新しいクラスメイトが誕生した。
その数日後
休み時間ごとに質問攻めにされていた未来もようやく落ち着いてきた頃、
「ねえ、転入生と立花さんがイヤに仲良くない?」
「え、そう?」
「私も気になります」
ある日、響と未来のクラスメイトである三人、この世界の安藤創世、板場弓美、寺島詩織が響たちの話題にしている。
ちょっと前まで、不登校気味で不良ではと噂された立花響が転校生である小日向未来と仲がいい事に疑問に感じてたのだ。
「不良の噂のある立花さんか…あの子、目付きが悪いのよね」
「…どちらかと言えば目付きが鋭い、方が正しいような」
「まさか、小日向さんは不良の立花さんに脅されてる?」
思わず失礼な事を言う弓美に、ソッと視線を向ける創世と詩織。
視線の先には席に座ってる響と立ったまま談笑する未来の姿がある。
此方の視線に気付いたのか、席に座る響が創世たちに視線を向けると、二人は慌てて視線を戻した。
「…小日向さんを見る限り、脅されてる感じはないけど」
「寧ろ、小日向さんが望んで立花さんと話してる感じだけど」
響と話す未来を見てそう感想を述べる創世と詩織。
普段の未来と響の事は知らないが、少なくとも脅されて話してるようには見えない。
「そう言えば、立花さんの事で思い出したけど最近、立花さん授業が終わった後暫く寮に帰らず街中をほっつき歩いて廃墟地帯にも行ってるとか…」
「廃墟地帯?偶に犯罪者が身を潜めてるヤバい所じゃん」
この世界のヒビキは、楽院を休みがちかつ誰ともコミニュケーションを取らず目付きも悪い事でスッカリ不良のような扱いを受けていた。
更には、休んでいた平日も目撃情報が出回りより不良扱いされ三人組は愚か未来以外のクラスメイトすら避けられていた。
「廃墟地帯で何を…まさか小日向さんを連れて良からぬことを!」
「「…」」
創世の言葉に弓美と詩織は互いの顔を見合し、そして頷いた。
時間は放課後。
創世と詩織と弓美は街中を歩くが誰かから隠れるように移動する。
途中の電柱に身を隠すと三人は顔を出し視線を前に向けた。
視線の先には未来と会話するヒビキの姿が。
「いいのかな…こういうの…」
「サスペンスアニメみたいで楽しいじゃん~」
「そういう問題では…」
複雑な表情をする創世と詩織、対して弓美は以前見た探偵アニメを思い出して楽しそうだった。
彼女たち三人は、噂の真相を知る為に放課後からヒビキと未来を追跡していた。
もし、噂通りヒビキが人の道を踏み外してるなら三人で説得。或いは転入生の未来を引っ張って教師に相談しようと考えていた。
「あ、角を曲がって行った!行くわよ!」
「ちょ、待ちなさいよ!?」
ヒビキと未来が角を曲がって見えなくなると弓美が二人の返事も聞かず駆け出し、創世と詩織が後を追う。
弓美を追って角を曲がった、其処には丁度弓美が立っており、弓美の前にヒビキが居た。
「あっ…」
「バレてましたね…」
追跡していた目標が目の前に仁王立ち。
ヒビキの表情は相変わらず機嫌が悪そうに見え、弓美たちの視点では機嫌が悪そうに見えた。
「…アンタたち…なに? 教室でも私を見ていたようだけど…」
「えっと…」
「その…」
「何ていうか…」
ヒビキの疑問に三人は淡淡として対応する。
内心、教室で見ていた事もバレている事に完全にしどろもどろになっている。
「もう、何なのよ!?」
「いや…バレてたね」
少し時間が経ち、創世と詩織と弓美の三人はトボトボと歩いていた。
焦っていた事からヒビキにどう説明したか覚えてはいないが、アッサリとヒビキに追跡がバレた事にご立腹している弓美と宥める創世。
ヒビキとしては一応オブラートに包んでいたが、弓美たちの印象は態度と目付きが悪いで固まってしまっている。
それでも、噂程まで悪そうには見えなかったなと考えても居た。
「あれ…此処何処?」
「え?」
「何言ってるのよ。…あれ?」
ふと、創世が周りを見て呟き詩織と弓美も周りを見た。
ヒビキの追跡を諦め大人しく帰っているつもりだったが、見渡せば自分たちは何時の間にか廃墟地帯に近い路地裏に居たのだ。
道には空き缶やタバコが捨てられ、いかにもという感じがする。
「ヤバッ、曲がる場所間違えた!?」
「来た道を戻りましょう!」
ノイズの出現で半ば見捨てられた廃墟地帯は犯罪者の温床だと昔から言われている。
アニメでもドラマでも、廃墟地帯の出るテーマなら必ずと言っていい程出てくる話題な上に、ニュースでも女性を廃墟地帯に連れていかれ乱暴にされた言うニュースまである。
このままでは、自分たちも何かしらの事件に巻き込まれるのではと創世達が急いで来た道を戻ろうと踵を返す。
しかし
「おやおや、お嬢ちゃん達…こんな所でどうしたんだい?」
「「「!?」」」
創世達の通った路地裏には既にホームレス風の男が数人いた。
そのどれもが、ボロボロの服装をしているうえに表情は下卑た笑みを浮かべている。
三人とも、目の前のホームレスたちが真面ではない。そう直感しているが創世は詩織と弓美を隠すように前に出る。
「あの、私たち少し迷っちゃって…でも帰り道は分かるんで通っていいですか?」
「それはいけない、良ければこの先に休める場所があります。一緒に行きましょう」
「い、いえそんな…」
ホームレスの提案に創世は断ろとするが、ホームレスたちから圧を感じ言葉が小さくなる。
詩織が奥に逃げるべきかと廃墟地帯を見るが、夕暮れもあって不気味に見える。
そのままホームレスたちが創世たちに近づこうとした時
「待てッ!」
『!?』
女性の声が響くと共に創世達の前にヒビキが飛び出した
「え!?」と驚く創世達を無視するようにヒビキはホームレスたちを睨みつける。
「ア…アンタ何処から来たの!?」
「上から降って来たような…」
突然現れたヒビキにビックリする三人を他所に、ヒビキはホームレスたちを睨みつけたままだ。
「おやおや、お嬢さん我々に何か用かい?」
「…下手な芝居は止めなよ、正体を現せ!」
穏やかに声を出すホームレスとは対照的にヒビキは怒気の混じった声を出す。
場の空気が重くなった事で、創世達はヒビキとホームレスを何度も見る。
「ちょっと、アンタ何を言って…」
ヒビキの言動の意味が分からなかった弓美が何言ってるのか意味を聞こうとした。
そして気付く、ホームレス風の男たちが笑っているの。
「フフフ…正体か、良いだろう見せてやろう。立花響ッ!!」
ホームレス風の男たちが名乗っていない筈のヒビキの名を言い目前で自身の腕をクロスする。
同時に他のホームレスも続けて腕をクロスさせる。
「…ハッ!?」
「…なにコレ」
「………」
弓美を始めとした創世達は言葉を無くした。
ボロボロの汚らしいホームレスが一瞬にしてゴツゴツした岩のような肌をし変なベルトをしているのだ。
そして、他のホームレスも黒タイツをはいた戦闘員に変わる。
「…やっぱりショッカーの改造人間か…お前は!?」
「人呼んでアルマジロング!久しいな立花響、貴様の首を取りショッカーの再興の贄となれっ!!」
ヒビキは相手の正体が過去に襲って来た怪人だと気付き、アルマジロングは怨嗟を籠め響の言う。
正体を現したアルマジロングが合図を送ると戦闘員がヒビキを襲いだす。
ヒビキも直ぐに聖詠を歌いシンフォギアを纏い迎撃する。
「何よアレ…」
「…カッコイイ」
「これではまるで板場さんの好きな特撮では…!」
いきなり始まった戦闘に唖然とする創世と詩織、ヒビキのシンフォギアを見てカッコイイと感想を述べる弓美。
突然の事に動けずに居ると背後から腕を引っ張られる感触がして振り向いた。
「アナタたちは早く逃げて、巻き込まれるよ!」
「こ、小日向さん!?」
腕を引っ張る正体は転入生の小日向未来だ。
突然現れた怪人に変身したヒビキ、避難を促す未来で混乱する三人だが未来の様子からその場を後にする。
響たちは地獄大使を倒した。しかし、ショッカー全部を倒せたかと言えば否である。
再生されていた怪人は日本各地に散らばり独自行動を始め特異災害を悩ませている。
更には、未確認ではあるがショッカーの科学者がアメリカやバルベルデ共和国、或いは風鳴機関に亡命したという情報も入りてんやわんやとなっている。
ヒビキも、廃墟地帯で蠢いていたショッカーの怪人を調査していたのを創世たちがつけていたのだ。
この後、ヒビキはアルマジロングを無事に倒すが学院で創世たちに質問攻めに会う事になる。
=ギャラルホルン 或いはXD軸の世界のクリス達=
その頃、更なる平行世界であるクリスやマリアたちが来たギャラルホルンの世界では、国連直轄の超常災害対策機動部タスクフォース。
正式名称は「Squad of Nexus Guardians」通称「S・O・N・G」の本部である指令室。
「…以上がショッカーに関する情報です」
「よくやってくれた。それにしても地獄大使まで怪人になるとは…」
「それだけじゃありません、出現したカルマノイズを取り込んでより強くなってます」
指令室では、並行世界から戻ったクリスとマリア、未来が指令の風鳴源十郎に事の顛末を説明。
モニターにはクリス達が撮った記録が映し出される。
映像は、未来と並行世界の奏が合流してのシラキュラス及びモスキラス、エレキボタルの戦闘だ。
「…血を吸う事で操る怪人か、悪辣だな…」
「…モスキラスは普通に強いデス」
「エレキ催眠…」
「ようは催眠術だけど…強力っぽいね」
留守番をしていた翼や切歌に調。そして、完全に体調が戻った響だ。
切歌も調もカウンセリングで響へのトラウマを克服したのか、もう響を怖がる仕草はない。
三体の怪人を見終わると廃工場に造られたショッカーのアジトでの戦闘に島一つを造り替えたといえるじごく島の戦闘。
そして、最後は並行世界の未来を人質にしスーパー破壊光線砲を使う地獄大使との決戦。
「人間を生贄にして怪人を蘇らせる悪魔祭りだと!?それにあれだけの怪人たちが…まさに怪人軍団か」
「…シンフォギア装者を狙い撃ちにしたようなガスですね」
「当然のように小日向さんを人質に…」
源十郎たちがそれぞれの感想を呟く。
技術も呪術の類も使える地獄大使もそうだが、無関係な人間を平然と巻き込む邪悪な精神性に脅威を感じている。
それに上の階での響たちと怪人軍団の戦いも壮絶と言えた。人間やノイズを凌駕する怪人をあれだけの数を出す地獄大使の手腕は恐ろしさを感じる。
そして、モニターには命乞いもせず万歳して果てた地獄大使の姿にエネルギーチャージしたスーパー破壊光線砲を絶唱で止める別の世界の立花響と虹色に広がるエネルギー。
「…彼女はいったい…」
「たぶん帰ったのよ」
源十郎の問いにマリアが淡々と言う。
確信はない、それでも最後の別れ際に話した響の言葉が頭から離れない。光が治まった後、スーパー破壊光線砲の砲身や基地の一部が抉れ消滅し機能も完全に停止している。
無事に帰れたことを祈る事しかマリアたちに出来る事だ。
その後、解散という流れになり響たちが腹をすかして指令室を後にする。
「マリアは行かないの?」
「私はもう少し指令と話したい事があるの。先に行ってなさい」
「了解デ~ス!!」
マリアが調と切歌を見送り扉が閉まる。暫く閉った扉を見ていたマリアは改めて司令官の源十郎に視線を戻す。
「…例の情報は?」
「…これだ」
マリアの問いに源十郎が返答するとモニターにまた別の映像が映る。
其処には幾つものガラス管がありピンク色をした何かが浮かんでいる。
一見、ピンク色の玉のように見えるがマリアや源十郎の表情を見てもっと厄介な物だと分かる。
「…調査班が調べた情報ですが、響ちゃんのDNAが検出されました」
「…やっぱり」
「なんて事だ…」
オペレーター席に座る職員の報告にマリアは目を伏せ、源十郎は頭を抱える。
響の絶唱とスーパー破壊光線砲のエネルギーがぶつかりアジトが抉れ機能を停止した。
停止したアジト内を政府が調べたところ、ガラス管に浮かぶ肉片を見つけたのだ。
それだけではない。モニターの映像は更にアジトの奥へと移動しより多くの大型のガラス管を見つける。
内部には、腕や脚、胴体部分。そして、響の頭が浮かぶ物まであった。
「…これが全て響くんだと!?」
「この報告通りなら…」
ショッカーが響の細胞を入手しクローンを造って利用してるのは最終決戦場であったアジトでの戦いでマリアから聞かされていた。
しかし、こういう光景はやはり心に来るものがある。とはいえ、それは響だけではない。
「…これはマリアさんの細胞?」
「ショッカーマリアが居るんだし、そりゃあるわね」
マリアの細胞もアジトに保存されていた。響に比べれば数は少なめだが多少のショックをマリアは感じていた。
幸か不幸かガラス管のどれもは既に生命反応は無く、彼女たちの体は向こうの特異災害対策機動二課が秘密裏に埋葬、クローンに関する書類やデータも向こうの源十郎の独断で処分していた。
それについては、この世界の源十郎たちも文句はない。残していても争いの原因になる事は明白だ。
「ショッカーの技術はとんでもありません。カルマノイズを文字通り喰らう事で力を上げるなんて…」
今度は指令室に入ったエルフナインが喋る。
ショッカーは、前に永田町でカルマノイズと初めて遭遇したと思われ数日でカルマノイズの特性や力を取り込もうとしたのだ。
柔軟性が高いとかそういう問題ではない。ハッキリ言って脅威と言える。
ショッカーの技術はS・O・N・Gを遥かに超えてるかも知れない。
「指令、調査部と化学部よりこれ以上の調査は無理。との報告が」
「こちらの技術では追いつかんと言うのか…」
その証拠にシンフォギア装者から得たショッカーの技術を解析していた調査部と化学部が早々にギブアップした情報が来た。
ショッカーの兵器や改造人間の調査が主だが、シンフォギア装者が運んでくる情報では限界がある。
今回は、地獄大使の言う自称ショッカー最後のアジトが半分残ったがそれでも解析が追いつかない。
「俺たちだけではこれが限界なのか」
「そうね、
自分たちの限界に落胆する源十郎が残念そうに呟く。それは錬金術師の視点からショッカーを調べていたエルフナインも同様だ。
しかし、マリアは意味深に返答し、源十郎とエルフナインがマリアに視線を向ける。
マリアの表情は、諦めていないという表情だった。
「私に一つ、考えがあるわ」
「…それで此処に来たと言う事ですか?マリア」
「ええ、
マリアのドヤ顔に若干呆れている初老の女性。
マムと言われた女性は、ナスターシャ教授だ。尤も、マリアの世界ではなく並行世界の生き残ったナスターシャ教授だ。
その証拠に、片目にしてあったアイパッチは無く五体満足で車椅子にも乗らず自分で歩けている。
何故、マリアがナスターシャ教授に会いに来たのか?それこそがマリアの案であり、行き詰ったS・O・N・Gとは別の視点が欲しかったのだ。
丁度、この世界での定期報告に訪れる予定だったマリアは、この機会にマムであるナスターシャ教授の知識を借りようと思ったのだ。
マリアの案、それは並行世界の科学者にも聞く事だった。
「…取り敢えず、そのショッカーという組織のデータを見せてもらえる?」
「ええ、勿論」
呆れながらもマリアの言うショッカーという組織に興味が出たナスターシャ教授はマリアからデータチップを受け取り、部下の職員に解析を命じる。
直後に部屋内のモニターに今まで戦ったショッカー怪人との戦闘シーンやデータが映し出される。
「…本当に良いんだろうか?」
「他の世界を巻き込んでるんじゃ…」
尤も、マリアの案が全員から受け入れられた訳では無い。
マリアの背後には翼とクリスも居り、マリアの付き添いで来ていた。
一応、S・O・N・Gの方針には平行世界に過度に関わらないという暗黙のルールーが決められている。
自分たちが過度に手を出せば、並行世界の人間が自分たちありきと思うかも知れないし、良かれと思って手を貸したことが後々自分たちの首を絞めた事もある。
「ええ、二人の言う事は尤もだけどショッカーにギャラルホルンを知られた以上、もう私たちだけの問題とは思えないの」
「だが、ギャラルホルンを知った地獄大使は倒した筈だ」
「お前だってアタシと一緒にあのオッサンが爆発した所をみただろ」
マリアがギャラルホルンをショッカーが知ったと言うが情報を手に入れたのは地獄大使で、その地獄大使もあの世界の戦いで爆死している。
つまり、ギャラルホルンを知っているショッカーの一員はもう居ない筈だとS・O・N・Gは考えていた。
「そうね…ショッカーの大幹部である地獄大使は私たちが倒した。でも何かしら?私の中である疑念が湧いてるのよ。…ショッカーは本当にギャラルホルンを知らないのかしら?」
「「………」」
マリアが胸騒ぎしてることを話す。またクリスも翼もマリアの胸騒ぎを否定できなかった。
翼も情報で聞いたショッカーの厄介さや怪人の手強さを知っている上にクリスに至っては爆死した地獄大使も目的を果たしたように感じていた。
短時間であるが、今までショッカーの行動や能力に苦戦を強いられたクリスとマリアは特にである。
ナスターシャ教授が見守る中、マリアたちの間に沈黙が漂う。
モニターにはマリア達と怪人の戦闘シーンが映りナスターシャ教授や部下の科学者も食い入るように見ている。
丁度その時、部屋の扉が開き一人の少女が中に入る。
「マリア姉さんが来てるって本当ですか!?」
「セレナ!」
扉から入った少女が周りを見渡しマリアの姿を確認すると抱き着いた。その少女は肩に伸びる程の長髪に何処となくマリアと似たような顔立ち、胸元が赤みがかった白いワンピースのような服装。両側頭部に花のような髪飾りを付けている。
彼女の名はセレナ。マリアの妹であるが、目の前のセレナは並行世界のマリアの妹だ。…正直ややこしい。
「マリア姉さん、いらっしゃい!あ、翼さんもクリスさんもこんにちはっ!!」
「オウっ!」
「…どうも」
セレナがクリスたちの存在に気付き挨拶する。
元気そうな姿にクリスは元気よく、翼は少し苦笑いをして挨拶を返す。
「それで姉さん、今日は如何したの? 定期報告なら私が行くのに」
「…実は」
セレナの疑問にマリアは答える。
平行世界の響にあった事やもう一人の響に会った事。
そして
「ショッカー?」
「ええ、恐ろしい組織よ」
秘密結社ショッカーの話もしたマリア。
恐るべき兵隊の戦闘員や改造された人間を使い世界を手に入れようと自分たちと交戦し、辛くもマリアたちの勝利した事を話す。
途中、ナスターシャ教授が見るモニターにセレナも目を通す。
映像には、最初に遭遇したドクガンダーに地下施設の最初の襲撃にノイズから逃げる避難民をバスで浚おうとしていた海蛇男が映る。
「…酷い」
「…確かに恐るべき組織ですね。錬金術師とも違うようで…」
ショッカーのデータを見ている内にセレナは涙目に、ナスターシャ教授は奥歯を噛み締める表情をし先の感想を述べていた。
その後、S・O・N・G本部が襲われた際、奏がぶった切ったショッカー響の片腕のデータにも目を通す。
「…マム、何か分かった?」
「…残念ですがこれは私の知識を遥かに超えてます」
マリアの問いにナスターシャ教授は期待通りとは言えない答えを言う。
ナスターシャ教授は科学者として。今まで様々な聖遺物を目にし研究してきた。その知識を頼りにしていたマリアだったが、当てが外れてしまった。
「マム、私もマリア姉さんたちのお手伝いがしたい」
「…セレナ」
マリアの残念そうな表情を見てセレナはナスターシャ教授に橋梁したいと申し出る。
知識面では大して役に立たない分、並行世界とはいえ姉の手伝いをしたいのだ。
少し考えたナスターシャ教授は改めてマリアに渡された情報に目を通す。
「確かに、ショッカーという組織は放置するには危険すぎますね。無限に指からミサイルが出る怪物に姿を消しつつ短距離ワープの出来る奴や幻影や方向感覚を狂わせる者がいる以上、油断はできませんよ。セレナ」
「マム!」
ナスターシャ教授が調べた限りショッカーの技術力を無視できないと言う。その言葉にセレナは目を輝かせる。
その後、後日にでもセレナをマリアたちの世界に送り如何協力するか話し合いが決定する。
そしてマリアを始めとしたS・O・N・Gの装者が戻ろうとした時だ。
「なあ、アタシもちょっと心当たりがあるから別の世界で協力してもらうよう言って来るわ」
「…なら私も少し寄り道していこう」
マリアとナスターシャ教授のやり取りを見て、並行世界の人間に協力を要請する気になったクリスと翼。
正直、並行世界に自分たちの事情で過度に関わるのは如何かとも思うが、マリアの言う「ショッカーがギャラルホルンのデータを手に入れていたら」と言う言葉に胸騒ぎを覚えていた。
特にクリスは手段を選ばない地獄大使の姿を見ている以上、思い過ごしとも思えなかった。
「ええ、なら私ももう一つの世界に行ってみるわ。それから予備のショッカーの情報と立花響のクローンの腕の情報が入ったチップを渡しておくわ」
「…用意いいな」
「まさか他の並行世界の装者とも会う気だったな!?」
マリアの用意周到さに呆れつつマリアが手渡したメモリーチップを受け取る二人。
こうして、三人は真っすぐS・O・N・Gに戻らず別の並行世界へと渡る。
グレ響の世界は未だにショッカー残党が動いてます。
特異災害の翼も動いてますが装者二人では厳しそうです。
尚、LOST SONG編。たぶん、これもやるでしょう。…続いていれば
XD軸のS・O・N・G所属のマリアたちもショッカーを警戒しています。
それ故にマリアは並行世界のマムことナスターシャ教授を頼りました。
まあ、放置すると世界蛇みたいになりそうだからね。
次回は別の並行世界の装者や科学者が出る模様。