改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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10話 特異災害対策機動部二課VSショッカー 前編

 

 

「ショッカーがシンフォギアシステムを手に入れただと?」

「ええ、今までの響ちゃん翼ちゃんの戦闘データを参考にしたそうよ」

 

デュランダルの事件から一夜明け、特異災害対策機動部二課本部で弦十郎は了子からショッカーとの闘いの一部始終を聞いていた。

 

「あの薬品工場がショッカーのアジトだったらしいけど、何か分かった?」

「緒川の話ではコンピューターは全て破壊されデータのサルベージも不可能らしい。あの工場で働いてた従業員の殆どはショッカーの存在を知らないようだ。工場長並び複数の従業員が行方不明だという。あったのはこれぐらいだ」

 

弦十郎は懐から一枚の写真を出し了子に渡す。

写真には丸い地球の上に羽を広げた鷲のマークが映っていた。

 

「響ちゃんが言っていた鳥のレリーフってこれ?」

「可能性が高い。後で響くんにも見せるつもりだ。それにしても、ショッカーがシンフォギアを…」

 

ショッカーがシンフォギアシステムを作った事に驚く弦十郎。

 

「ショッカーの技術は我々の想像以上という事か」

「それだけじゃないわ。シンフォギアシステムを使ってた怪人からこんな反応が出たのよ」

 

了子が弦十郎に一枚の書類を渡す。

渡された書類に目を通す弦十郎は目をカッと見開く。

 

「ガングニール!?怪人全てからガングニールの反応が出たのか!?」

「そうよ。響ちゃんのに比べれば極小もいいとこだけどノイズには十分といったとこね」

「…ならば、ショッカーは如何やってガングニールを手に入れたんだ?」

「…横流しでもされたか、二年前のライブ会場かしら?あそこ暫く閉鎖されて誰も近づけなかった筈だし…それより葬儀の方はもういいの?」

 

弦十郎は何時もの服ではなく黒い喪服を着ていた。

殺された広木防衛大臣の葬儀に出る為だ。

 

「もうそんな時間か、行ってくる」

 

弦十郎が指令室を後にする。

見送った了子は一息つく。

 

━━━天羽奏が使っていた砕けたガングニールが全て回収出来たとは言わないが本当にそうだろうか?ショッカーが回収したガングニールの欠片を更に砕き、それを怪人や戦闘員に投与した?有り得ない話ではないが…何か引っかかる

 

コーヒーを一口飲み了子は考える。本当にショッカーはライブ会場でガングニールを手に入れたのだろうか?可能性を否定しきれない以上これ以上考えても仕方ないなと考える了子。

っと、其処へ指令室の扉が開き了子が反応し見る。

 

「あら弦十郎くん、葬儀に行ったんじゃ?」

 

其処には喪服を着た弦十郎が立っていた。

 

「…さっき電話で「お前は来るな」と言われてな。議員連は俺を参列させたくないようだ」

 

溜息をつく弦十郎に了子は「そう」と言う。

 

「じゃあ、さっきの話の続きだけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハア…ハア…ハア…」

 

響はグランドで走り続ける。

現在は体育の授業で先生が自習と言って他の皆はドッジボールをしたりバレーボールをしたりする中、響は一人黙々と走り続ける。

 

「立花さん、何時まで走り続けるのかしら?」

「あれもう10周ぐらいしてる筈だけど」

 

走り続ける響に他の生徒も注目したりするが一分もせず自分達の競技に戻る。

 

「…響」

 

そんな中、小日向未来だけが響を見守り続けていた。

 

━━━もう20周近いのに全然体が疲れてない。運動がそこまで得意じゃない筈なのに…師匠との特訓でもそうだったけど、これが改造人間なんだ

 

響は走る中、一人考える。

 

━━━怪人達はどんどん強くなっている。暴走したデュランダルの力が無ければ私達は負けていた。ショッカーに勝つにはもっと強くならないと、じゃないとショッカーは全てを奪っていく。私にした改造手術や拉致を平気で…でもデュランダルなら…!

 

走る響は頭を振る。

 

━━━暴走するデュランダルは危険だ。でも怖いのは暴走じゃない、躊躇いもなく怪人ごとあの鎧の娘に振り下ろそうとしたからだ。デュランダルに頼っちゃ駄目だ…私自身がもっと進まないと、もっと先に…

 

一心不乱に走り続ける響はチャイムが鳴り止むまで走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デュランダル移送計画が頓挫して正直安心しましたよ」

「そのおかげで本部の防衛システム強度も上がる事になったんですよね」

「そうよ、予定より17%アップしてるんだから」

 

指令室で了子達が談笑する。暫く口を閉じていた弦十郎が口を開く。

 

「そう言えば、デュランダルは何処に保管されてた?」

「?何言ってるんですか指令、此処の最深部アビスに安置したじゃないですか」

「おお、そうだったそうだった」

「…弦十郎くん、今日おかしくない?」

 

了子が弦十郎の態度に違和感を感じていた。

何時もより口数が少なく、まるで此方の情報を探るような口調のような…

 

「俺は俺さ、了子」

「…弦十郎くん、もしかして酔って「ふう、今戻った」い…え?」

 

弦十郎が了子の後ろに回り腰に手を当てる。やっぱり何時もの弦十郎ではないと感じた了子が酔ってるのか聞こうとした。

だが、その瞬間指令室の扉から弦十郎がもう一人入って来たのだ。

 

「し、指令!?」

「な…なんで指令が!?」

 

了子だけでなくオペレーターの藤尭朔也と友里あおいも驚愕する。

 

「ん?如何したんだ…って、俺がもう一人!?」

 

今入って来た弦十郎も自分と同じ顔に驚く。

 

「何で弦十郎くんが二人…!」

 

次の瞬間、了子の腰に手を当てていた弦十郎?はその手を了子の首に回す。

 

「思いのほか早かったな、風鳴弦十郎」

 

了子を人質にした弦十郎?は、本人がやらない様な邪悪な笑みを浮かべる。

 

「お…お前は!?」

 

「あ…あの人が指令じゃない!?」

「今まで話していた指令は偽物!?」

 

突然の事に他の職員も動くことが出来ない。其処に、

 

「「「「イーッ!」」」」

 

何処からともなく戦闘員が指令室に入って来る。

 

「戦闘員!?貴様、ショッカーの者か!?」

 

「フフフ、特異災害対策機動部二課。どれほどの物かと思ったが大した事もない」

 

弦十郎?が空いてる手を自分の顔に持っていく。

顎の下辺りの皮を引っ張る。其処には、

 

「!?」

「ゾル大佐!?」

 

其処に現れたのはゾル大佐だった。何時の間にか服も何時もの軍服となっていた。

ゾル大佐に特異災害対策機動部二課本部を、それも指令室に潜入していた。

オペレーターの藤尭朔也と友里あおいはオペレーターの席から離され戦闘員がオペレーター席につく。

二人は他の職員同様、ソファー付近に立たされた。

 

「ゾル大佐!一体どうやって…」

 

「化粧は得意なのでな。貴様の姿をしてるだけでアッサリ通れたぞ。俺が通信機を落としたと言えば簡単に渡した」

 

「なんだと?」

 

「さて、それじゃあ交渉といこうか。デュランダルを渡せ、そうすれば櫻井了子を無傷で返してやってもいい」

 

捕らえた櫻井了子を戦闘員に任せソファーに踏ん反り返るゾル大佐。

特異災害対策機動部二課本部はゾル大佐に占領された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい…はい…私がですか?」

 

授業が終わり、機動二課本部へ行こうとした響は緒川から電話を受けていた。

内容は自分の代わりに風鳴翼の見舞いに行ってほしいという頼みだった。

 

『こんな事、響さんにしか頼めなくて』

 

聞けば、緒川達は現在ショッカーの協力者と思しき人物の拘束に動いていたそうだ。

 

「そうなんですか?」

『はい。ああ、それから翼さんのお見舞いが終わった後でもいいんで本部の方も顔を出して貰っていいですか?本部の防衛システムの強度上げの最中か此方から連絡ができないんです』

「それなら…はい。分かりました」

 

言われなくても響は本部に行くつもりだった。自分の居場所なんて其処しかないと考える。

見舞いに行く事を了承した響は携帯を切る。

 

「…響」

 

まるで、電話が終わるのを待ってたみたいに声が聞こえった。

声のした階段の方を見ると未来が居る。

 

「…何かよう?」

「…うん、今日これから買い物に行くんだけど良ければ一緒に行かない?今日、運動してお腹すいたでしょ。前に言ってた『ふらわー』に行かない?奢るよ」

 

未来を無視するのを諦めた響が聞く。元より響の性格上、未来を無視し続けれる訳が無かった。

あの日から完全にギクシャクし出した二人の関係。

響に何があったのかは分からないが昔の関係に戻りたい未来が響を誘う。何よりゴハンが好きな響ならと考えた未来だが…、

 

「…ごめん、先に予定入っちゃった」

 

それだけ言って響はその場を後にする。やはりその姿を見て未来は見守るしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そんな…翼さん!」

 

見舞いの花を買い、翼の入院する病室まで来た響。慎重にドアロックを解除したが翼が見当たらず部屋も散らかっていた。

響の頭に最悪の想像が溢れるが、

 

「…何をしてるのかしら」

 

丁度其処へ、リハビル代わりに病院を歩き終わった翼が戻り、響に何をしてるのか聞いた。

其処で、響が翼が攫われたのかと勘違いしていた事に気付く。

 

「ショッカーは翼さんの身柄も狙ってるんです!だから、この部屋で襲われて連れていかれたのかと…」

 

其処まで話した響が翼が顔を赤くしてる事に気付いた。其処で大体察した。

その後、翼の入院部屋の跡片付けを手伝おうとしたが、

 

バキィ!ビリィ!パリンッ!

 

翼の入院部屋から謎の破壊音が響く。病室の中で翼が頭を抱えていた。

小物は壊す。服や下着は破る。花瓶を握りつぶす。などゴミを増やすばかりで結局部屋にあった物全てをゴミ袋に入れて出してしまった。

「こんなんなら自分でやった方がマシだった」とすら考える。

翼が頭の中で緒川に「人選を間違えた!」と文句を言って響を見る。響はただ俯いてジッとしていた。

 

「…力の制御も出来ないの?」

「すいません…」

「改造人間って厄介ね」

「すいません…」

「そんなんで戦えるの?」

「…戦います。私にはもうそれしかないから」

 

「そう、なら教えてもらおうかしら。あなたの戦う理由を」

「え?」

「ノイズや怪人との戦いは生半可じゃない。幾つもの死線を潜って来たあなたなら分かるでしょ」

「…困ってる人をほおって置けないからじゃ…駄目ですか?」

「それだけ?」

 

「…お父さんの仇もあります。でもそれだけじゃないんです。私、人助けとか趣味だったんです。他人と競い合う勉強やスポーツが苦手で…人助けなら他の人と競い合う事もないと…私、人に誇れるものは何も無かったんです。だから、皆の役に立ちたかったんです。アハハ…」

 

翼は静かに響の言葉を聞く、響の言葉はまだ続く。

 

「…切っ掛けは、二年前と一年半前ですね。ライブの時に奏さんに助けられて、その半年後にショッカーに拉致されて…私、人を沢山見捨ててきたんです」

 

「見捨てた?」

「ショッカーには私以外にも大勢の人が拉致されてたんです。私みたいに改造人間にする為や新兵器の実験体、単純に奴隷として…私の目の前で大勢の人が殺されたんです。実験とか私に戦う意志を持たせる為に…でも私はショッカーの思惑通りに動くかって意地になって…その所為で助けれる人まで死なせてしまって」

「それはあなたの所為じゃないわ」

 

「そう言って貰えると嬉しいです。でも私は償いたいんです、これ以上ショッカーに泣かされる人を減らすために、それが今の私が生きている意味だと思うんです」

「…ネガティブな理由ね。それってもしかして自殺衝動なのかも」

「自殺衝動…」

 

「誰かの為に自分を犠牲にする事で古傷の痛みから救われたいという自己断罪の現れなのかも」

「…否定はしません。でも、ショッカーを倒すまでは死ぬ気はありません」

 

響の暗い顔に翼は溜息をつく。そこで、気分転換に病院の屋上に場を移す。

外は快晴で響にとっても気分転換になるだろうと翼が配慮した。

 

「それでもね、自分で考えなきゃ駄目。じゃないとあなたは本当に死ぬか私みたいになるわ」

「…考えても考えても分からないんです。デュランダルに触れて暗闇に飲み込まれショッカーに対する怒りに支配されて鎧の娘ごと消そうとしたんです。私がアームドギアを使えていれば…やっぱり歌えなければアームドギアは使えないんですか?」

「私には分からないわ。シンフォギアは生まれてそんなに時間は経ってないの。でもシンフォギアは装者の心象に大きく左右されるそうよ。あなたが本気でアームドギアを使いたいと願えばもしかして…」

「………」

 

「でも憶えておきなさい。力の使い方を知るという事は、即ち戦士になる事」

「…戦士」

「それだけ、人としての生き方から遠ざかる。あなたにその覚悟はある?」

「覚悟があるかと言われれば微妙です。でも、私にも守りたい物があります!ショッカーに拉致されて改造され日常の大事さを思い知りました。何でもない日常、そんな日常が大事だと…大切にしたいと思うようになりました。でも、思うだけじゃ…」

 

「戦いの中、あなたが思っている事は?」

「ショッカーやノイズに苦しめられてる人が居たら一秒でも早く助けたいです!最速で!最短で!真っ直ぐに!一直線に駆け付けたい!」

「今、あなたの胸の中にある思いを出来るだけしっかりハッキリ思い描きなさい。それが立花響のアームドギアに他ならないわ」

 

翼の言葉に響は拳を握る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「珍しいわね、一人で来るなんて」

「…友達を誘ったんですけど先に用事が入ってて…」

 

小日向未来は、現在お好み焼き屋「ふらわー」でお好み焼きを注文していた。

フラワーの店主である、おばちゃんは大量のキャベツを乗せてお好み焼きを作る。

 

「じゃあ、今日はおばちゃんがその友達の分まで食べるとするかね~」

「食べなくていいから焼いて下さい」

 

未来の言葉におばちゃんは笑う。

しかし、未来はどこか元気が無さそうだった。

 

「お腹空いてるんです。今日はおばちゃんのお好み焼きを食べたくてお昼あんまり食べてないんです」

 

その言葉におばちゃんは未来の顔をチラッと見てお好み焼きを作る。

 

「…お腹空いたまま考え込むとね、嫌な答えばかり浮かんでくるもんだよ」

 

━━━そうかも知れない。何もわからないまま私が勝手に思い込んでるだけかも知れない。響とちゃんと話さなきゃ

 

「ありがとう、おばちゃん」

 

未来がお礼の言葉を言う。その後、おばちゃん特製お好み焼きを食べ店を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それにしても、ショッカーはよくそこまで人間を攫えたわね。警察とかに気付かれそうだけど」

「…以前、怪人達が話してたんですけど人を攫う時には適当に炭をばら撒いておくそうです」

「炭?…!ノイズの所為に出来るのか!?」

 

翼の驚愕の声に響は頷く。

 

「ショッカーは昔からそうやって人を攫ってきたようです。行方不明になってもノイズに殺られたと判断されれば警察も動かないと」

「…そういえば、ノイズの反応が無い地域で炭化された人間が発見されたなんてニュースが流れていたが」

「恐らく、ショッカーの仕業だと」

「ショッカーはノイズまで利用していたのか!?そして、私達はまんまと乗せられていたのか!?」

 

翼が怒りを露にする。自分達が昔からショッカーの掌の上で踊らされていた。

防人としてのプライドがまたもや傷ついた。

 

ぐうううううううう

 

響の耳に翼から妙な音が聞こえた。厳密に言えば翼の腹からだ。

途端、翼の顔を赤くする。

 

「いや…これは…」

「お腹空きましたか?ん~そうだ!お好み焼き屋のふらわーで私買ってきます。お店の場所も聞いてますしお持ち帰り出来るらしいですから」

「ま、待ちなさい立花!」

「友達の話だととても美味しいらしいんです。じゃ行ってきます!」

 

翼の静止も聞かず響は屋上から出て病院を後にする。

目的はふらわーで翼のお好み焼きを買う為だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネフシュタンの鎧の娘の反応あり!」

「此方に近づいてます」

 

特異災害対策機動部二課本部のコンピューターがネフシュタンの鎧の反応を感知する。

尤も、それを聞いていたのは、

 

「小娘がこっちに?何か感づかれたか?まあいい、我々は我々の話をしようではないか。風鳴弦十郎」

 

オペレーター席に座る戦闘員の報告を聞いたゾル大佐は視線を目の前の弦十郎に戻す。

 

「何度言われようとデュランダルは渡さん!了子くんも解放しろ!」

 

はっきりゾル大佐の交渉を断る弦十郎。断られたゾル大佐は笑みを崩さない。

 

「櫻井了子の命が惜しくないのか?」

 

「貴様こそ、了子くんに価値があるから最優先拉致候補にしていたんだろ。それだけの科学者を貴様は殺せるか!?」

 

その言葉を聞いて、ゾル大佐は少し考え口を開く。

 

「ならば、俺が素晴らしい提案をしてやろう」

 

「素晴らしい?」

 

「貴様たちをショッカーに勧誘しよう。そうすればこの場の人間どもの身の安全は保障してやる。どうだ?己の事しか考えない官僚も政治家も関係なく、馬鹿な衆愚どもの機嫌も考えなくていい。ともに人類を支配しようではないか」

 

「話にもならん!」

 

ゾル大佐の提案をはっきり拒絶する弦十郎。

っと、其処へオペレーター席についていた戦闘員がゾル大佐に耳打ちする。

 

「もう此処には用は無さそうだ。だが、最後に貴様に絶望を与えてやる」

 

そう言うと、ゾル大佐は指を鳴らす。

戦闘員が弦十郎以外の起動二課職員を縛り上げ拘束する。

 

「待てぇ!一体何をする気だ!!」

 

「イーヒッヒッヒッヒッヒ!」

 

弦十郎が制止しようとするが、扉からトカゲのような顔をした怪人が入って来た。

更に、怪人の腕には機動二課の職員が引っ張られてた。

 

「ピラザウルス!貴様の力を見せてやれ!」

 

「分かりました」

 

「止めろ!止めてくれ!!」

 

ゾル大佐の命令を受けたピラザウルスが引っ張っていた職員を抱き抱えトサカから白い煙を出す。

少量の煙を吸った職員はピラザウルスから解放されるが苦しみもがき弦十郎の方に行こうとするが、

 

「うわ!?」

「いやああああ!!」

 

職員は倒れアッと言う間に白骨死体となった。

 

「どうかね?ショッカーが開発した毒ガス、死の霧は?」

 

「ゾル大佐!貴様!」

 

弦十郎が激怒するがゾル大佐にはどこ吹く風。

 

「ゲームをしようではないか。貴様とピラザウルスが何方かが死ぬまで戦う。そして、貴様が死ねばこの本部はピラザウルスの死の霧で包まれる。残った職員は全滅だ」

 

「!?」

 

「此処に来る前に何人かは死んだが多くの職員は空き部屋に閉じ込めて居る。そして、この部屋の空調は各部屋に繋げた。だから、此処で死の霧を発生させれば、フフフ」

 

「貴様!人の命を何だと思っている!?」

 

「可笑しな事を聞く、命は所詮命でしかない。そして、全ての人間の命は我らショッカーの物よ」

 

それだけ言って、ゾル大佐は笑いだす。その姿はまさに悪魔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人、学園までの道を歩く未来。

何かを決意したように歩く。

 

「あ、響!」

 

その途中、立花響の背中を見つける。

悪戯心でちょっと脅かしてやろうと近づくが、

 

「え?」

 

「イーッ!」「イーッ!」

 

響の前に黒タイツの男たちと、

 

「立花響!今日こそ死んで貰うぞ!」

 

クラゲのお化けみたいな奴が響の前にいた。

 

「ひ…響?」

「え?」

 

未来の言葉に背中しか見えなかった響が反応する。

振り向いた姿は間違いなく大好きな親友、立花響だった。

 

「未…来…どうして」

 

「ん?目撃者か、死ね!」

 

クラゲのお化けことクラゲダールが未来の存在に気付き、止まっている赤い車に触手を巻き付け躊躇いも無く未来に投げ飛ばす。

 

「え?」

 

投げた車は未来に迫る。




機動二課本部がショッカーに占領される話。
蜘蛛男の時点でショッカーには筒抜けだったんでこの動きを。

これで、本部を潜水艦にする説得力が上がるか。
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