改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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熱い…一気に熱くなってきた…っと思ったら涼しくなった、そしてまた熱くなった。安定しないな。


XD軸の響たちが来るのでキャラ分けとして響は再び「ヒビキ」翼も「ツバサ」にします。クリスは…どうしましょう?
元からカタカナでひらがなにすると、それはそれでややっこしいような…いっその事、苗字呼び?

ともかく、ゲルショッカー編スタート。


戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED ゲルショッカー出現
129話 新たな悪の組織!? その名はゲルショッカー


 

 

 

 

とある政府施設。

 

「○○博士、今日の取り調べは終了です。お疲れ様でした」

「ふぅ~」

 

政府施設のとある部屋、数人の人間が居りその内の一人が伸びをする。

彼はとある研究の博士でありショッカーに拉致され強制的に従わされていた一人だ。

響たちの活躍により、アジトを制圧した際、助け出され軽い事情聴取をされていた。

 

「お疲れ様です、博士。あと少しで元の研究所に戻れますよ」

「やれやれ、ショッカーの所為で世界が大変な時に…早いとこ研究に戻って復興に役立てたいですね」

 

政府の職員の一人がそう話しかけ博士も肩を鳴らしながらも答える。

この博士もまた、ショッカーに脅迫され無理矢理協力者に仕立て上げられていた。政府もそれを分かってるのか博士が協力的に質問に答えていく。

 

世間でも博士が無理矢理従えさせられていたという情報も流れ博士の身内に危険が及んでいない。

そして、軽い尋問が終り博士は政府の用意した実質へと戻る。

 

もし博士が積極的にショッカーに協力していたのなら冷たい独房に送られるが、協力的、復興にも協力を申し込んでる事から博士の扱いはよく、博士様に用意された部屋はホテル並みの機能がある。

 

 

 

 

 

「さて、今日のレポートを書いて寝るとするか…停電か?」

 

博士は部屋内に置かれてるノートパソコンを開き起動しようとした。

しかし、ノートパソコンの電源を入れると共に部屋内の電灯が点滅を繰り返す。とある事情により、日本は愚か世界中でも停電は珍しくもない。

最初は接触不良か発電機に問題でも出たのかと怪しむが、

 

「キィィィィィィッ!裏切り者には死をッ!」

 

部屋内には自分一人しかい居ない筈なのに不気味な声を聞いて博士は急ぎ出入り口の扉に移動する。

しかし、押そうが引こうが扉はビクともせず、背後からの殺気に後ろを振り返る。棘だらけの頭部に口元の鋭い牙を目撃して博士の意識は消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

=ギャラルホルン世界=

 

その頃、平行世界に存在するS・O・N・G本部にはモニターを睨みつける源十郎とヒビキを始めとしたシンフォギア装者たちが居り、源十郎の横にはユリウスも居た。

本部のモニターには地球の上に横を向いた鷲のマーク…ショッカーのシンボルが映っている。

 

「ユリウス殿の協力でショッカーの居る世界が特定できた。我々の目的は現地のショッカーと敵対してる勢力に協力してショッカーを撃退する事だ」

 

源十郎の声を聞いて拳を握りしめるヒビキ。

本来、源十郎のこの声明はS・O・N・Gとしても異例だ。並行世界に肩入れをし過ぎればバランスが崩れ取り返しのつかない事になりかねないと考えているS・O・N・G。

しかし、今回はショッカーの方から手を出し多くの職員が殺されたのだ。また同じような事が起こらない保証は何処にも無い。

 

報復とは言わないが、これ以上ショッカーを野放しに出来ないのも事実。源十郎たちは並行世界に居ると思われる特異災害対策機動二課の協力が決定した。

 

そして、その声を聞いて気合を入れるクリスに闘志を燃やす調と切歌。

 

「ヒビキさんの姿を利用した…」

「アイツ等を絶対許さないデース!」

 

仲間である立花響の姿で相方を傷つけた事を二人は許していない。響に対するトラウマは解消されたが二人の怒りは弱まっては居ない。

 

「尚、当然だがこの世界の防衛もある以上、行くメンバーを選出する。尚、ユリウス殿も後ほど合流する予定だ」

 

シンフォギア装者の全員が全員並行世界に行く訳ではない。

この世界の防衛がある以上、半分のシンフォギア装者しか行かすことは出来ない。それだけこの世界は並行世界の影響を受けやすい。

別の平行世界で共闘したことある装者に頼めば代わりにこの世界を守れるかも知れないが、並行世界には並行世界の事情もある以上、あまりそう言う事は頼めない。

 

必然的にS・O・N・Gの人員を分ける必要がある。

話し合いの結果、ショッカーの居る世界に行くのは、立花ヒビキ、風鳴翼、雪音クリスの三人に決まった。

調と切歌が悔しそうな表情をし、未来が心配そうにヒビキとクリスを見る。

 

「ヒビキ、気を付けて…」

「うんっ!」

 

未来の心配そうな声もヒビキは軽快に答える。

そして、ヒビキとツバサ、クリスはギャラルホルンの安置してる場所に行き平行世界へと行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虹色の穴のような物を通ったヒビキたち。

次の瞬間には見慣れた林がある公園付近に立っていた。

 

「着いたっ!…寒い…」

 

元気よく平行世界に着いたとはしゃぐヒビキだが次の瞬間身震いする。

シンフォギア越しでも分かる寒さを感じたからだ。

 

「なんだ、今は冬か?」

「…天気が悪いな、雪でも降りそうだ」

「その天気の所為で月の様子も分かりませんね」

 

ヒビキと同じく寒さを感じたクリスが冬の発言をし天候を見たツバサが天気が崩れると言う。そして、天気の所為で月すら見えないと呟くヒビキ。

ヒビキたちS・O・N・Gは並行世界に着いた場合、月の様子を見て「ルナ・アタック」が起きたのか判断材料の一つにしていた。

 

周囲の木も寒さの所為か一部が枯れ倒木もしている。

 

━━━妙だな、幾ら人気のない公園とはいえ荒れ過ぎでは?

 

地面を踏みしめたツバサが違和感を感じる。

この公園自体、平行世界で何度も行き来している場所と同じ筈だが、異様に荒れている事に気付く。

不思議に思ったツバサだが、今は取り敢えずこの場を移動する事にする。

一般人に見られても困るのでシンフォギアの姿からS・O・N・Gの服装に戻った三人。

 

「…シンフォギアの方があったかいねぇ…」

「S・O・N・Gの制服も寒暖には強いんだがな…」

「何でもいいから、此処から移動しようぜ」

 

シンフォギアから制服に戻った事でシンフォギアのバリアフィールドも消え寒さをダイレクトに感じるヒビキが愚痴る。

宥めるツバサに移動を提案するクリス。

結局、三人はその場を移動し、森林公園の出口まで向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

「ん?如何した、あおい」

 

特異災害対策機動二課本部の指令室でオペレター席に座りコンソールを操作していた友里あおいが違和感を感じ手を止め声を出す。

丁度、指令室にいた源十郎がそれに反応した。

 

「いえ、森林公園の奥の方で一瞬ですがシンフォギアの反応が…。ガングニール、天羽々斬、イチイバルの三タイプの反応です」

「なんだと?」

 

友里あおいの報告に源十郎も首を傾げる。

ガングニールだけの反応なら、またショッカーが立花響のクローンであるショッカー響で何かしようとしたと思うが、翼の天羽々斬にクリスのイチイバルまで反応したと言うのだ。

反応の正体がショッカーなら残りの二つは何処で手に入れたのか考える源十郎。

 

「…取り敢えず翼たちを呼ぶんだ、何か動きがあれば直ぐに動けるように」

「響ちゃんが病み上がりですが…」

「響くんが一番気にするだろうからな」

 

源十郎のその言葉にあおいは通信機で響たちに連絡をいれる。

その間に源十郎はモニターを見つめ物思いに耽る。

 

━━━ここのところ大人しかったショッカーがとうとう動き出したのか?狙いは一体…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友里あおいが響たちに通信を入れた頃、近くの街を一望できる丘には三人の少女が街を見下ろす。

 

「「「!?」」」

 

そして、街の様子を見て息を呑む。

 

「…ひ、酷い」

「何てことだ…」

「街がボロボロじゃねえか、戦争でも起きたのか?」

 

 彼女たちの目に映ったのは、あっちこっちの建物が崩れ嘗てツバサも歌ったと思しきコンサート会場も瓦礫の山になり無事な建物が一つも見えない程の惨状だった。下手をすれば廃墟地帯の建物の方が原形が残ってる程だ。

 更に言えば、道路や建物、或いは遠くの山といった場所にも場所に幾つもの大小様々なクレーターもある。ヒビキたちとて、幾つもの並行世界を行き来している。その中には綺麗な街もあればやたら荒れた街もあった。だいたいの原因はノイズや野良と化した錬金術師が暴れる事が原因だが、それでも彼女たちに目に映る街は特に酷かった。

 

暫く呆然と街を見ていたヒビキたち。一部、重機が瓦礫を片付け復興の兆しは見えてはいた。

 

「! ねえ、アソコに煙が!」

「人がいるかもしれん、行こう!」

 

ヒビキが空に飛ぶ煙を見つけ、ツバサが其処に行こうと言う。三人は煙の下に急いだ。

 

 

 

 

 

 

ガヤガヤガヤガヤ…

 

 数分もせずに煙の下に着いたヒビキたち。

ツバサの言う通り、何人もの人間が集まっていた。場所は公園というより広場に近く、段ボールやシートなどで作った簡易テントがあり、近くではトラックから荷物を幾つも下している。

 

寒さの所為か、広場に居る人たちの服装は厚着だった。若干、ボロいのが気になったツバサ。

 

「あの…街が酷い事になってるんですが…」

「何かあったのか?」

 

取り敢えず、ヒビキとクリスが近場のドラム缶で物を燃やして暖をとっている男女の集団に話をする。

突然の事でお互いの顔を見合わせた男女はゆっくりと口を開く。

 

「何があったって…」

「アンタたちニュースも見てないの?」

 

男女の呆れた声に苦笑いをするヒビキ。クリスは若干不満そうだが次の言葉にツバサも含め言葉を失う。

 

「…っと言うか隕石が落ちて来た時、何処に居たの?」

 

「…はあ、隕石!?」

「隕石が落ちて来たんですか!?」

 

隕石という言葉に驚くヒビキとクリス。

 彼女たちとて過去に月の欠片や月そのものが落ちかけた事があるが欠片は自分たち、月はフロンティア事変の時にナスターシャ教授が命を賭けて阻止した。

それなのにこの世界では隕石が地球に降り注いだ事に驚愕する。

 

尤も、そんなヒビキたちの反応に男女の一般人たちはヒビキたちを怪しみ警戒しだす。

隕石が落ちたのは日本だけではない、世界中に降り注ぎ甚大な被害をもたらしたのだ。

重度の引きこもりですら知っている大事件を知らないヒビキたちを怪しむには十分と言えた。

 

「…なんなのコイツ等」

「もしかしてショッカーの一員か?」

 

ヒビキとクリスのあまりの怪しさにコソコソと話し出す。

そこでやっと自分たちが怪しまれてる事に気付いたヒビキがアワアワと慌てだしクリスもこれには苦笑い。

 

「失礼っ!我々はこれで!!」

 

すると、別の場所で情報収集をしていたツバサがヒビキとクリスの腕を掴み引っ張る。

突然の事で更に焦るヒビキとツバサの意図に気付いたクリス。

状況が今一分かってないヒビキを他所に若者たちの暖をとっていた場所から離れる。

 

「おい、あれって風鳴翼じゃ…」

「うそぉ、翼さんがあんなダッサイ服なんて着ないわよ」

「そうそう、ただのソックリさんよ」

 

一部の若者が翼の存在に気付くが、皆が皆ソックリな赤の他人だと言う。

そんな声を背に三人は少し広場の角で立ち止まる。

 

「…この服、ダサいんだろうか」

「気にすんなよ、アタシ等の制服だろ」

「まあ、皆ほぼ同じですけどね」

 

自分たちの服装がダサいと言われ軽く傷つくツバサにヒビキとクリスがフォローする。

ダサくないと言えばウソになるが、S・O・N・Gの制服は機能性を見れば十分だろう。それに、それぞれの首元には最低限のオシャレ感を出そうとしたのか首元には色の違う薄いマフラーのような物をしている。

 

「…コホン、お前たちが一般人と話してる間に私の方も情報収集していた。これを見ろ」

「…雑誌?」

「随分とボロボロだな…」

 

軽く咳をして気を取り直したツバサは一冊の本を見せる。

それは何処にでもあるような週刊誌だった。何度も読まれたのか思いのほかヨレヨレだったが。

 

「一見古そうに見えるが、この雑誌は一週間前に販売されてた物だ。このページを見てくれ!」

「「…!?」」

 

そう言ってツバサに渡された週刊誌のページに目を通すヒビキとクリス。

直後に怪しんでいた視線は一気に力がこもる。

 

「‘ショッカーによる隕石攻撃!世界中に被害が!‘ 隕石はショッカーが降らせてた!?」

「こっちは‘マリアによるショッカーの暴露、会場での悲劇はショッカーが元凶だった!‘だってよ」

 

週刊誌の情報だが、ショッカーの事を知ったヒビキたち。

週刊誌故の情報だった為、何処まで信用できるかは不明だが情報が少しでも欲しいヒビキたちにとってはありがたいと言える。

尤も、何度も読まれた所為か所々字が滲んで読み難くなってはいた。

 

「…肝心なとこが滲んでて読めねえ!水でも零したのか!?」

「クリスちゃん、落ち着いて」

 

一部のページが読めない事に腹を立てるクリスを宥めるヒビキ。

借りてきたは良いが、処分の方も頼まれていたツバサも二人の様子を見つつ自身の顎を触れ考える。

 

━━━この世界は間違いなくショッカーの存在する世界だ。となれば隕石も間違いなくショッカーの仕業だろう。しかし、引っかかるのは「マリアがショッカーを暴露した」事だ。この世界のマリアはショッカーの存在を知っていたのか?それに会場の悲劇とは…

 

ツバサの脳裏にはマリアとショッカーの繋がりが今一分からない。

FISと組んでた可能性もあるし、逆にFISと敵対していたかも知れない。

結局は、この世界のマリアか特異災害対策機動二課の司令官に聞いてみない事には結論も出ないと考えるツバサ。

 

その時、週刊誌で右往左往していたヒビキとクリスが視線を林のほうに向けて居る事に気付くツバサ。

気になったツバサが口を開く。

 

「如何したんだ?二人とも」

「…いや」

「何か良い匂いしません?」

「良い匂い?」

 

ヒビキに言われ鼻に意識を集中する。

その時、ツバサも香ばしい匂いに気付く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「腹減った~」

「はいはい、並んで並んで!」

「おばちゃん、こっちにもくれぇ!」

「アンタさっき食べたでしょ!」

 

匂いに釣られ匂いの下に行ってみたヒビキたち。

匂いの下を辿った先には何人もの人間が屋台のような物に群れている現場だ。

 

「炊き出しだな」

「街がああだからな、政府が支援物資を出して調理でもしたんだろ」

 

匂いの下の正体は炊き出しの匂いだった。

隕石が降り注ぎ、店は愚か家すら失った人々が居り、政府は備蓄米や備蓄している食料を解放した。

そのお蔭で食料を求めて暴動は無いが、復興まで時間が掛かったのが皮肉と言える。

 

グゥゥゥゥ…

 

「ん?」

「何だ?」

 

炊き出しの様子を見ていたツバサとクリスの耳に変な音が聞こえる。

血の底に響くような、遠くで雷が鳴ったような音にも似てると思い、ふとヒビキの方を見ると顔を赤くして腹部を押さえていた。

 

「…おい」

「…立花」

「…あははは…小腹が空いた…かな…」

 

音の正体がヒビキの腹の虫だと分かったツバサは頭を押さえクリスはジト目でヒビキを見る。

ヒビキらしいと言えばそれまでだが、炊き出しにまで腹の虫の音を出すのは呆れる。

 

「だって、お昼ちょっとしか食べてないんですよ」

「だからって、此処で腹の音を鳴らすなよ」

「はあ…仕方ない、炊き出しを貰ってこい」

 

呆れたツバサが、ヒビキに炊き出しを貰いに行けと言う。

本来なら並行世界の炊き出しなど貰うべきではない。

平行世界の自分たちが貰えば、本来別の人に行く筈の食料を横取りしてしまう。しかし、ヒビキが空腹状態でポテンシャルを発揮できないのも問題だ。

ギャラルホルンで元の世界に戻って飯食ってまた来るのも手間と言える。

情けないが、ツバサは此処の炊き出しを利用する事にする。

 

「おばちゃん、豚玉一つ!」

「あいよ!」

 

結局、ヒビキは列に並び炊き出しでご飯を頼んだ。

炊き出しはお好み焼きで香ばしい匂いにヒビキの花がクンクンとなる。

 

「…あれ?響ちゃんじゃないかい!」

「え?…ふらわーのおばちゃん!?」

 

ヒビキの反応にお好みを焼いてた中年女性がヒビキの存在に気付き声を掛ける。

ヒビキもお好み焼きばかりに注目していたが声を掛けられ、お好み焼きを焼いて声を掛けたのが自分たちの世界でもよく言っていた「ふらわー」のおばちゃんだという事に気付く。

 

「おばちゃんが炊き出ししてるの?」

「そうなんだよ、あの隕石だろ。アタシの店も直撃して木っ端みじんだよ。店は無くても腕を鈍らせたくないからね、政府の支援物資で得意料理を出してるんだよ」

 

ふらわーのおばちゃんを始め、飲食業を営んでる人間は軒並み炊き出しに協力している。

暇なのと広告もあるが、こんな時だからこそ協力を申し出た者も多い。

それを聞いたクリスは「へ~」と感心しツバサも黙って頷く。

 

その後、完成した豚玉をヒビキが受け取り美味しそうに食べだす。

その姿に驚くおばちゃんだが同時に安堵もする。

 

「なんだ、ちゃんと食べれるじゃない」

「? 如何いう意味ですか?」

 

ヒビキが美味しそうに食べる姿に思わず独り言を呟くおばちゃん。

それに反応するツバサ。

まるで、おばちゃんが珍しい物を見た反応が気になったからだ。

 

「いやね、ヒビキちゃんよくお友達と来るんだけど食べるのは何時もお友達だけでヒビキちゃん自体食べたのを見た覚えがないんだよ。ダイエットでもしてるのか心配だったんだけど…」

「立花が!?」

 

おばちゃんの発言が信じられないツバサ。

ツバサの記憶でも立花響はよく食べる少女で好きなものは『ご飯&ご飯』と答える食いしん坊だ。

平行異世界とは言え、そんな立花響がダイエットしてるとは到底思えなかった。

 

━━━立花が食べない? 並行世界の立花は体に金属が入っていたそうだが…その所為か? 立花も女である以上、ダイエットに目覚めた? …ダメだ、情報が足りない

 

ツバサは何故、この世界のヒビキがふらわーのお好み焼きを食べなかったのか考えるが情報不足である事で思考を停止する。

女である以上、ダイエットの可能性があるがヒビキがダイエットする光景を想像できないツバサ。

 

一方、お好み焼きを食べているヒビキの方は、

 

「ん~~~♪ やっぱりおばちゃんの豚玉美味しい~~♪」

「お前な…」

 

おばちゃんから貰ったお好み焼きを頬張りご満悦なヒビキ。

その姿を見て、若干呆れているクリス。

そのクリスに気付いたのかヒビキはお好み焼きの乗る皿を見せる。

 

「クリスちゃんも食べる?」

「…今はいらね…。 …?」

 

ヒビキの誘いに少し考え断るクリス。

直後にまたお好み焼きを頬張りだすヒビキに溜息をつくが、直後に視線のような物を感じて振り向く。

其処には、小学生低学年と思しき子供がヒビキの方をガン見している。

洗濯されていないのか汚れた服で指を口に咥えてヒビキをガン見する。

クリスに続いてヒビキも子供の存在に気付き、口の中の物を飲み込んで皿の上に残ったお好み焼きを見る。

暫くの葛藤の後に、ヒビキは子供に近づき皿を前に出す。

 

「残り物だけど…いる?」

「! 良いのお姉ちゃん!!」

 

ヒビキの言葉に嬉しそうにする子供。

早速、ヒビキから残ったお好み焼きを貰おうとするが、

 

「コラ、それはお姉ちゃんのでしょ!それに今パパが列に並んでるからもう直ぐ食べれるのよ!」

 

子供がヒビキから皿を受け取ろうとした瞬間、奥の方から女性が走ってきて子供の頭を撫でる。

恐らくは子供の母親だろうと考えるヒビキとクリス。

すると、女性はヒビキの方に向け頭を下げた。

 

「どうもすいません、この子ったら…」

「いえいえ、そんな!」

 

食べ物を分けようとしたヒビキにお礼を言いつつ謝罪もする。

そんな姿にヒビキも慌てつつ何度も頭を下げる。

そして、女性が子供の手を引こうとしたが

 

「お腹空いた!お姉ちゃんがくれるって言ったもん!!」

「我がまま言わないの!」

 

遂に我慢の限界にきたのか子供が愚図りだし、そんな子供に女性が一括する。

突然始まった親子げんかにヒビキもクリスも呆然とする。

その後、子供が泣き出すが、

 

「我がままばかり言っている魔の国から怖い悪魔がきて坊やを浚うよ」

「…うぇ~ん、あくま怖い!!」

 

 母親の言葉が聞いたのか泣きはしたが、その後は母親の言う事を聞く。

 その後、ヒビキとクリスに再度お辞儀をした親子は遠くから来る男性と合流し人ごみに消えて行った。

 子供に手を振っていたヒビキはクリスに視線を向ける

 

「ねえ、クリスちゃん」

「ん?どうした」

「子供のお母さんが言った言葉…」

()()()()()だろ、子供の躾の定番だ。()()()()()()()()()()()し珍しくないだろ」

「…うん」

 

ヒビキの問いに軽く答えるクリス。

直後に「先輩と合流しようぜ」と言われヒビキは急いで皿に残っていたお好み焼きを口に放り込んで飲み込んだ。

 

それでも、ヒビキは何か引っかかりを憶えていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チラッとですけど戦闘員らしき影が見えたような…」

 

 ツバサと合流したヒビキとクリス。しかし、合流して早々、ヒビキが林の方で戦闘員らしき影を見つけたとツバサに言う。

 

 ヒビキは戦闘員とは戦ってはいないがクリスやマリアが持ち帰った映像の戦闘員の姿を憶えており林の奥で戦闘員の姿が見えた気がしたのだ。

 尤も、クリスは気付いては居ないがショッカーが何か行動を起こそうとしてるなら話の中に戦闘員が居てもおかしくないとも考える。

 

 そして、ヒビキたちは林の方に入り本当に戦闘員がいるのか確認しに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分程、林の中を歩くヒビキたち。

間もなく、林の切れ目から少しだけ開けた場所に出る。

 

「うわっ!?」

「!? これは…」

「ど…如何いう事だよ…」

 

そこである物を見たヒビキたちだがヒビキは思わず自身の手で口を塞ぎ、ツバサは驚愕しクリスは唖然とする。

三人の視界の先には戦闘員が居る…いや、居たと言った方が正解だろう。

しかし、戦闘員は木に吊るされていたりナイフで刺され絶命してる戦闘員たちだ。

 

「何だよ、この数は…」

「10や20は居ますよ」

「死臭がする、全員殺されてる」

 

ツバサが軽く戦闘員たちを調べるが全員死んでいる事を確認する。

 

「マフィアの見せしめかよ…戦闘員は死ねば消滅するんじゃないのか?」

「分からん…検死すれば何か分かるかも知れないが…兎に角、警察に連絡するべきか…」

「ツバサさん、クリスちゃん、此処に洞窟があるよ!」

 

ツバサが警察に通報しようとした時、周辺を探索していたヒビキが二人を呼ぶ。

ヒビキの下に行くと、洞窟がポッカリと開いている。

 

「こんな所に洞窟かよ…怪しさ大爆発だな」

「…見ろ、洞窟の前に幾つもの足跡だ。それも最近の物のようだぞ」

「洞窟の近くに戦闘員の死体…行ってみます?」

 

 洞窟の中に手掛かりがあるかと中に入る事を提案するヒビキ。

ツバサは首を縦に振るが、クリスは今一の反応だ。以前、洞窟の中でショッカーの罠に引っかかり捕まった。それ故に警戒していた。

 

しかし、ツバサとヒビキの説得でクリスも渋々洞窟の中に入る事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

洞窟の中は薄暗く、何処からか水滴が落ちる音が聞こえる。

そんな中、ヒビキを戦闘に洞窟の奥に向かう三人。その内に、自然の岩だらけの通路が人が整地したような通路になる。

 

「おい、あの時と同じじゃねえか!」

「雪音、『虎穴に入らずんば虎子を得ず』と言う諺を知っているか?」

「…虎に食い殺されたら終わりだろ」

 

漫才みたいなやり取りにヒビキは苦笑いを浮かべつつ歩みを進めていく。

そして、一つの部屋に辿り着く。

その部屋は外から明かりが漏れてるのか、薄っすらとだが周りを見渡せる。

 

「何だ、こりゃ?」

 

其処でクリスが台の上にある白いシーツを見つける。

シーツが膨らんでいる以上、シーツの下に何かがあると思われた。

クリスの反応にヒビキとツバサが台に近づき、クリスがシーツを握る。

そして、シーツを引っ張った。

 

「「「!?」」」

 

シーツから出てきた物にヒビキたちは絶句した。

赤いシャツと赤いスーツを着た、顎の先端に髭。そしてライオンの鬣にも見える赤茶の髪の人物。

三人にとって、人物は見慣れた存在だった。

 

「師匠!?」

「指令!?」

「オッサンッ!?」

 

三人がそれぞれ台の上に横たわる人物の事を言う。その人物とは風鳴源十郎だった。

尤も、彼女たち知る風鳴源十郎ではなくこの世界の風鳴源十郎だろうとも考える。尚、源十郎は眼を開けたまま微動だにしない。

 

「如何して、此処に師匠が!」

「まさか、ショッカーに連れ去られたのか!?」

「兎に角、助け起こすぞ!」

 

何故、こんな場所に風鳴源十郎が横たわてるのか分からない三人。

それでも、源十郎を安全な場所に運ぼうと触れようとした瞬間

 

ギイッイィィィー!!

 

突然の不気味な鳴き声に触れようとした手は止まり三人が別方向を見て警戒する。

 

「…! 天井に!!」

 

その時、ヒビキは上から降って来た埃に気付き上を見ると声を荒げツバサとクリスに知らせる。

二人もヒビキの指刺した天井を見ると、天井に張り付く人影を見つけた。

そして、人影は天井から落下しヒビキたちの前に降りる。其処でヒビキたちは初めてその人影の正体を知る。

 

体の左側には棘が生え反対方向は紫色をし左腕にはカニのようなハサミを持ち両脇の下には赤い皮膜を持ち頭部には野球のヘルメットの様に片耳を出し口からは何本もの鋭い牙が生えた怪物。

 

「よく来たな、特異災害のシンフォギア装者!思ったより早いがまあいい、此処が貴様らの死に場所だ!!ギイッイィィィー!!」

 

「怪人!?」

 

Balwisyall nescell gungnir tron

Imyuteus amenohabakiri tron

Killter Ichaival tron

 

人影の正体が分かったヒビキたちは急ぎ聖詠を唄いシンフォギアを纏う。

しかし、ヒビキたちがシンフォギアを纏うと同時に四方八方から何かが飛び出す。

 

「ショッカー戦闘員!?…?」

「…なんだ、こいつ等」

「ショッカー戦闘員じゃないのか?」

 

飛び出してきたのが黒タイツと黒マスクの戦闘員かと思った三人だが、目の前に現れたのは青いタイツに青いマスク。胸元には大きな蝙蝠のようなデザインの黄色に目元にも赤い蝙蝠のような模様。

そして、腹部には鷲に絡まる蛇のマーク。

 

クリスは今まで戦って来たショッカー戦闘員ではないと感じた。

 

「ギィーーーーッ!!」

 

ヒビキたちの戸惑いも無視し、青タイツが一斉にヒビキたちへと迫る。

ショッカー戦闘員かどうかは分からないヒビキだが、その行動で敵と判断して迎撃に出る。

 

ヒビキの拳が、ツバサの剣が、クリスの弾丸が青いタイツの男たちに命中する。

しかし

 

「ギィーッ!」

 

「なっ!?」

「強いっ!?」

 

ツバサとヒビキはショッカー戦闘員? との戦闘は初めてだがクリスやマリアが持ち帰ったデータで戦闘員や怪人との戦闘の訓練を何度もやってきた。最初は人に近い事で苦戦する事が多かったが今では十分倒せる技量がある。

しかし、そんなヒビキたちの攻撃をまともに食らった筈のショッカー戦闘員? は即座に立ち上がり反撃をする。

 

「クッソッ!」

 

ショッカー戦闘員と戦い慣れたクリスすら苦戦を強いられていた。

尤も、力量の差はあったのか時間が掛かったが一体二体とショッカー戦闘員? を倒せては居た。

 

「抵抗は止めろっ!」

 

「「「!?」」」

 

何とかショッカー戦闘員? との戦いを進めていたヒビキたちの耳に声が聞こえ振り向くとヒビキたちは絶句する。

目の前には左腕のハサミで横たわる源十郎の首に手をかけてる怪人の姿が。

勿論、目の前の風鳴源十郎は自分たちの世界の源十郎ではない。

だからと言ってヒビキたちに見捨てると言う選択肢はない。

 

ヒビキはどうすれば良いのか分からずオロオロしてるが、クリスとツバサはお互いに視線を合わせ怪人の隙を伺おうとする。

しかし、その行動が読まれたのか怪人の声はさっきより強くなった。

 

「聞こえなかったか!?俺は抵抗を止めろと言った、早くシンフォギアを解きギアを捨てろ!風鳴源十郎の首を切り落とすぞ!!」

 

奥歯を食いしばり三人はショッカー戦闘員? との戦いを止めシンフォギアを解いた。

そして、ネックレスと化したギアを床に落とす。

 

「…言う通りにしたぞ!」

「早く師匠を解放して!」

 

ツバサたちが苦々し気に言う。直後に、戦闘員がヒビキたちに手錠で拘束する。

しかし、拘束されたとはいえヒビキもツバサも諦めてはいない。ショッカーが約束を守るとも思っていないが、調子に乗らせれば逆転の目が出てくる可能性があると判断した。

それに、風鳴源十郎がここに居る以上、この世界の特異災害対策機動二課…に準ずる組織が救助に来る可能性もある。

 

 

 

 

「師匠? 誰の事だ、よく見てみろ!」

 

「何を言って…!?」

 

しかし、目の前の怪人はヒビキたちの言葉も何のそのに台の上に寝ている源十郎を見ろと言う。

怪人の言葉を理解出来なかったツバサが疑問を口に出そうとするが、口を閉ざす。

何処からともなく白い煙が源十郎の姿を包んだかと思えば、煙が消えると台の上に寝ている人物が源十郎の姿では無かった。

 

「だ…誰?」

「幻覚!?」

 

ヒビキとツバサが呟く。

その人物の服装は黒が主体のようで右側の胸元には幾つもの勲章が付けられ、頭部には鷲と鷲に絡みつく蛇の紋章。

その人物はヒビキやツバサどころかクリスすら見たことない男だ。

その男は台から起き上がりヒビキたちの方に振り向く。

 

「ゲルショッカー日本支部編成の為に、遥々アフリカ砂漠から来たブラック将軍と憶えておけ!」

 

「ゲル…ショッカー?」

「ショッカーじゃないのか!?」

 

男の…ブラック将軍の口からショッカーではなくゲルショッカーという言葉が漏れツバサもクリスも混乱する。

クリスとマリアが持ち帰ったデータでショッカーという組織の名は大量にあるが、ゲルショッカーとは一度も呼ばれていない。

 

「馬鹿め、首領は既にショッカーを放棄した! そして、我らアフリカのゲルダムと統合しゲルダムショッカーが誕生したのだ!」

 

「首領がショッカーを放棄!?」

「アフリカのゲルダムだあ!?」

「統合?」

 

「ガニコウモル、喋り過ぎだ」

 

ブラック将軍の横に控えていた怪人がヒビキたちを馬鹿にするように言い放つ。

その情報はまだ、この世界のヒビキたちが知りえない情報だった。

 

首領は地獄大使が行方不明になった瞬間、ショッカーを見切り組織を放棄しアフリカ砂漠で訓練し活動していたゲルダムと合流。組織を統合した。

二つの組織が合わさりゲルショッカーの誕生でもある。

 

「それじゃあ、表のショッカー戦闘員は!」

 

「新しい組織に奴等の居場所はない!要らなくなれば処分されて当たり前だ!」

 

「なんて奴等だ…」

 

 怪人…ガニコウモルの宣言にヒビキたちは愚かショッカーと戦い慣れたクリスすらドン引きする。

 幾ら組織が新しくなったとて、旧組織の構成員…即ち元部下を何の躊躇いもなく切り捨てたのだ。

 並行世界の敵と多く戦って来たヒビキたちもこれには絶句せざるおえない。

 

「フフフ…丁度いい、ゲルショッカーの結成式がもう間もなく行われる。その結成式で貴様たちの首を落として結成式の指揮上げにしてやる」

 

ヒビキたちの反応を無視し、ブラック将軍は冷たく言い放つ。

ゲルショッカーの結成式でヒビキたちを処刑する気だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




平行世界で死神博士の流れ星作戦を知っているのはグレ響ぐらいです。
そのグレ響も半分しか信じてません。

林の方の戦闘員の死体も、仮面ライダーの原作通りです。
そして偶々、キャンプに来ていた若い女性グループが発見して悲鳴を上げ少年仮面ライダー隊に発見されました。
…秘密ってなんだろう?

スリーリーの都合上、猿島で行われた結成式が本土でやる事に。
そして、早速巻き込まれる並行世界のヒビキたち。
尚、原作の様に源十郎たちにショッカーの放棄は話してません。そして、ゲルショッカーは原作通り旧ショッカーのメンバーを殺害。

伏線を分かりやすくはると読者に作者のやりたいことが筒抜けになりそう。

ゲルショッカー編では、響に更なる悲劇が。
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