改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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Amazonが何時の間にか代引き出来なくなってた…ショック~

そしてクソ暑いっ! 大してない集中力が…


130話 ゲルダム

 

 

 

「! ガングニール、天羽々斬、イチイバルの反応が再び!場所は森林公園の北側です!」

「よし、翼たちを行かせろ!」

 

 特異災害対策機動二課本部のオペレーター席に座る友里あおいが再びガングニールの反応を見つけ司令官である源十郎に報告。

 報告を聞いた源十郎は待機させていた翼とクリス、響に出撃命令を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、公園の北側では子供の遊具だったのか建物の一部だったのか、簡素な階段と梯子が付けられた建物がある。

 何年も放置されていたのか、階段も梯子も錆びが多く建物自体何時朽ちても可笑しくない程老朽化している。

 

普段、人が居ないこの場所に蠢く十数人の影があった。

 青いタイツに青いマスク。黄色いブーツに黄色い手袋、鷲に絡みつく蛇が彫られた奇妙なベルトをした人間が整列し、その視線の先には建造物の二階に発つ軍服の男がいる。ブラック将軍だ。

 

「痛てぇなあ!」

「…敵とは言えもう少し丁寧に扱ってほしいものだ」

 

「五月蝿いっ!黙って従え!」

 

そして、建物の下…丁度ブラック将軍の足元にツバサとクリスが後ろに手錠を掛けられ整列してる青タイツ…ゲルショッカー戦闘員が見張りで付いてくる。

 何度の背中を棒で殴られるクリスが痛いと叫ぶ。

 その扱いにツバサが文句を言うが、ゲルショッカー戦闘員は構うことなくツバサたちを定位置に付け座らせる。

 

ツバサやクリスの遅れてヒビキもゲルショッカー戦闘員に引っ張られ二人の下に連れてこられる。

 

「ツバサさ~ん、クリスちゃ~ん…」

「どうした、立花…」

「たく…うわっ!?」

 

ヒビキの呼びかけに振り向く二人だが、ヒビキの姿を見て絶句するツバサと普通に驚くクリス。

二人がこんな反応するのも仕方がない。

ツバサとクリスは後ろ手に手錠だけですんでいるが、ヒビキは手錠だけでなく嘗てマリアたちが着させられた拘束具だ。

それも一枚だけではないヒビキの体の膨れを見る限り数枚の拘束具を着させられ両脚には鎖付きの鉄球まで付けられている。

宛ら、今のヒビキの体系は関取並みになっている。

 

ヒビキが遅れていたのはこれらを付けられていたからだ。そんな状態でツバサたちに追いつくヒビキもヒビキだったが…

 

「熱いよ…何で私だけ…」

「…異様に警戒されてるな、お前…」

 

珍しく泣き言を言うヒビキにクリスは呆れながらも言う。

その様子を見ていたツバサもゲルショッカーが自分たち以上にヒビキを警戒してる事に気付く。

 

━━━ゲルショッカーは異様に立花を警戒している? 確かに立花は強いが私や雪音以上に警戒するものか?そう言えば奴等は私たちの事を特異災害だと…

 

ツバサが一人考えてる内にヒビキとクリスが会話をする。

ゲルショッカー戦闘員が止めなかったのは小声で喋ってるのもあるが、全ての戦闘員は上を見ていた。

建造物の三階部分、其処に長い棒を取り付け旗のような物が上がる。

そして、旗が天辺に達し風が吹いて鷲に絡みつく蛇の旗が風で靡く。

 それが合図かのようにブラック将軍が前に居る戦闘員たちを見下ろし、ゲルショッカー戦闘員たちがが腕をクロスさせ一斉に「ギィー!!」と言う。これにはヒビキやツバサも驚きの表情をする、逆に前の世界で何度もショッカー戦闘員を蹴散らしたクリスは睨みつけるだけだ。

 直後にブラック将軍の横に居たガニコウモルが口を開く。

 

「これより、ゲルショッカー日本支部の結成式を執り行う!」

「ショッカーは新たにゲルダムの力を加え…ゲルショッカーとなる。ゲルショッカーは必ず地球を支配する!!

その目的の為には、殺人暴動破壊などのあらん限りの悪を実行するのだ!!」

「「「「「ギィーーーーーッ!!!!」」」」」

 

 ブラック将軍の演説に戦闘員たちは再び腕をクロスさせ「ギィー」と言う。

傍から見ていたヒビキたちもこれには嫌な汗を流す。

 

「糞みてえな演説をしやがって…」

「酷い…」

「…今まで私たちの相手は、上部だろうが理想を語る奴が多かった。…だが奴等は違う、目的の為に手段を選ばないだけじゃない…手段そのものが目的だ!奴等ははぐれ錬金術師以下だ!」

 

ブラック将軍の演説にクリスもヒビキも顔を顰め、ツバサもゲルショッカーの目的にヘドがでる態度だ。

S・O・N・Gはギャラルホルンが異世界に繋がってから、ヒビキたちは様々な敵と戦って来た。

その多くは曲がりなりにも自分なりに世界を良くしようとしたり、失った物を取り戻すなどの目的があった。

 

しかし、目の前のゲルショッカーのブラック将軍の演説にはそんなものはない。殺し、奪い、踏みにじる、それこそが彼等(ゲルショッカー)の目的であり、逆立ちしたとて自分たちとは分かり合えない者共だ。

 

「くっそ…あの時にオッサンが偽物だって分かってれば…」

「過ぎた事を言っても仕方ない」

「! …二人とも、もう大丈夫みたいです」

 

落ち込むクリスに声を掛け慰めの言葉を言うツバサ。洞窟の中で寝そべっている源十郎が偽物だったのを見抜けなかったのはツバサもだ。

そんな二人のやり取りを見ていたヒビキだが、ふと空を見て二人に言う。尚、ヒビキの顔は赤くなり額から汗がドンドン流れていた。

 

「それで結成式の締めとして捕らえた小娘どもの首を「ブ、ブラック将軍!!」斬りお…どうした?」

 

今まさに、ヒビキたちの処刑を命じようとしたブラック将軍だが、ゲルショッカーの旗を上げていた戦闘員が下に降りてブラック将軍に報告をする。

話を切られたブラック将軍が不機嫌そうに言うと、上空に向け指を刺す戦闘員。

 

「な、何かがこっちに向かってきます!」

「なに?」

 

戦闘員の報告にブラック将軍がジッと空を見上げる。

目を凝らしていると、此方に接近する細長い物を確認する、ブラック将軍。

 

「ミサイル? ふん、特異災害め、シンフォギア装者諸共、我らを吹き飛ばそうと…待てぇ」

 

ブラック将軍は、自分たちに迫る物がミサイルだと気付き特異災害がヒビキたちを助ける為、或いは諸共消し飛ばすと思い口にするが直ぐに違和感を覚える。

 

━━━特異災害が簡単に小娘どもを見捨てるとも思えん。援護にしては周りで警戒させてる戦闘員どもからの報告はない、それにあのミサイルは我らの頭上を通る高さだ…あの形状は!?

 

完全にミサイルが目視できる距離まで迫った時、ミサイルの真ん中がパカッと開くと三つの影が飛び出した。

ミサイルはそのまま明後日の方向に飛んでいくが、飛び出した影が戦闘員たちの前に落ちる。

その正体にゲルショッカー戦闘員は愚かブラック将軍すら目を見開いて呆然とする。

 

「? 何時もの戦闘員じゃない?」

「だが腹部には奴等の象徴があるベルトをしている、油断するな」

「…っと言うかどういう状況だ、これ?」

 

 響たちも響たちで降りて来て混乱している。

本部のセンサーがガングニールだけでなく天羽々斬やイチイバルの反応が出たという事で、ショッカーが響だけに飽き足らず翼やクリスのクローンも製造し実験している可能性があると踏んでいたが、実際に見てみると確かに響だけでなく翼とクリスのソックリさんがいた。

尤も、後ろ手に手錠を掛けられヒビキに至っては厚着の上拘束だ、響たちには訳が分からない。

 

「立花響だけでなく風鳴翼に雪音クリスも二人いるだと!? 前組織(ショッカー)が立花響だけでなく風鳴翼や雪音クリスのクローンを造ったという報告なぞない。…まさか」

 

 いきなり現れた二人目の響たちの姿に驚き思考するブラック将軍。

そこでブラック将軍は一つの可能性を思い出す。

 

「貴様ら、並行世界の装者だなぁ!?」

 

洞窟の内部で拘束したヒビキたちの方も見て激昂するブラック将軍。

思えば、ヒビキたちの服装も制服のように見えるが特異災害の物ではない上に現場に出る政府役人の服装に近い。

ついでに言えば、態々ミサイルで来た響たちがこの世界の響たちである可能性が高いと踏んだ。

 

「ハアッ!やっと気づいたか!」

「幹部クラスとはいえ大した事は無いな、ブラック将軍!」

 

自分たちの正体にやっと気づいたブラック将軍にクリスとツバサが勝ち誇った表情でそう言いのける。

ヒビキの身体検査をすれば直ぐに気付いただろうが、結成式までの予定時間に間に合わないと考え碌に調べなかったのがブラック将軍の失敗だ。

 

己の失態とツバサたちの発言に青筋を浮かべるブラック将軍。

 

「ええいっ!今直ぐ小娘どもを殺せ!!この世界のシンフォギア装者との接触を絶てぇ!!」

 

 ツバサたちに図星をつかれたのもあるが、地獄大使の残したメモリーチップで並行世界のシンフォギア装者の厄介さも知っていたブラック将軍は、ヒビキたちを拘束していた戦闘員たちに指示を出す。

 下手に、シンフォギア装者どうし結託されては面倒だと考えてだ。

命令を聞いた戦闘員はナイフを取り出しツバサたちの首に刃を立てる。

 

「グッ…」

「おいっ!」

「止めてぇ!」

 

首筋に小さな痛みを感じるツバサにクリスとヒビキが制止の声を出す。

だが当然、戦闘員がヒビキたちの言う事なぞ聞く訳がない。戦闘員が持ってるナイフに力を入れツバサも思わず目を瞑る。

 

「させないっ!」

 

「ギィー!?」

 

ツバサの耳に聞き慣れた声と共に打撃音が聞こえると共に首への圧迫感が消える。

ゆっくりと目を開けると、シンフォギアを纏った響の姿が。

 

「…立花?」

「…えっと…並行世界のツバサさん…初めまして?」

 

響は、戦闘員がツバサたちを殺そうとしてる事に気付くと、翼とクリスに戦闘員たちの相手を任せ腰のブースターを使い戦闘員たちの群れを突破しツバサの首にナイフを当てていた戦闘員を殴り飛ばして救出。

そして、面と向かい自己紹介するが、響の言葉は歯切れが悪い。

 

響の脳内にはもう一人の自分ともう一人の風鳴翼がいた世界を思い出していたからだ。

もし、自分と顔見知りのあの世界の翼なら「初めまして」と言うのも失礼になるのでは? と心配でもあった。

 

「私とは初めてだな、スマンが手錠を外してくれないか?」

「は、はいィ!」

 

ツバサの返答に響は直ぐに返事をし、ツバサとクリスの手錠を引き千切る。

ツバサたちとしては、倒れた戦闘員から鍵を取り出して使用すると思っていたので少し唖然とする。

手錠が千切られ二人が解放されると響はヒビキのほうに向かう。

 

「ア…ツイ…」

「うわ…」

 

流石のヒビキも何枚もの拘束服で身動きがし難い上に熱も溜まっている。その所為でヒビキは寒い中熱中症になりかけていた。

そんなヒビキの姿を見て「うわ…」と言いつつ、ヒビキが着ている拘束服を一枚一枚引き千切り遂にはヒビキの手錠も壊す。

 

「ありがとう…ハア、涼しい…!」

「えっ!?」

 

 解放されたヒビキは冷たい風を受けて礼を言う。

だが、次の瞬間にはヒビキに腕を引っ張られバランスを崩した響はヒビキに覆いかぶさるような格好をする。

 突然の事に驚く響だが、何かが通り過ぎる感じがして後ろを振りかえる。

其処には、響が殴り飛ばしたゲルショッカー戦闘員がナイフを握っている姿だ。

 

ヒビキは、響を背後からナイフで刺そうとしていた戦闘員に気付き咄嗟に腕を掴み引っ張ったのだ。

見れば、解放されたツバサとクリスも戦闘員に襲われ応戦している。

 

「ギィーッ!」

 

「強いっ!?」

「黒タイツの戦闘員より強いぞ!」

 

尤も、シンフォギアを纏っておらず生身で対応してる為、苦戦を強いられているが。

 

 

 

そして、それはこの世界の翼とクリスも同様だった。

 

クリスのアームドギアのボーガンの矢が戦闘員たちを襲うが、何本突き刺さろうがクリスへの接近を何度もする。

翼もアームドギアの剣が戦闘員なナイフと何度も火花を上がている。

 

「な、何なんだっ!こいつ等!」

「明らかに黒タイツの頃より手強くなっている!」

 

過去に戦って来た筈の翼やクリスすら苦戦している。

それを見ていた響は改めて自分が殴り飛ばした筈の戦闘員を見る。

 

そして響も

 

「ギィーッ!!」

 

「早い!?」

 

殴ろ飛ばした戦闘員のナイフをガードして何度目かの拳を放つが当たる寸前に戦闘員は拳を避ける。

反撃のナイフを腕のシンフォギアで防ぐ響だが、以前戦ったショッカー戦闘員よりも断然強く耐久力もある。

 

 

 

「この世界のワタシも苦戦してる…ツバサさんもクリスちゃんも…ギアさえあれば…!」

 

響から解放されたヒビキは、響が戦闘員に苦戦する姿を見て自分の不甲斐なさに憤る。

こうなればツバサやクリス同様ヒビキもシンフォギアを纏わず戦闘員と戦おうかと思った時だった。

視界の端に何か光る物を見つけた響が視線を向くると、赤い宝石のような物が見えた。

 

━━━ギア!? 戦闘員に没収されていたのに! でもチャンスだ!!

 

ヒビキが見たのは、洞窟の時に奪われたシンフォギアのギアだった。

 何故、其処に落ちてるのか? ヒビキは知らないが此処にギアが落ちてるのはツバサを殺そうとしていた戦闘員こそ、ヒビキたちのギアを没収していた戦闘員だったのだ。

響が殴った時の衝撃で落としており、ヒビキが気付くまで誰にも見つけていなかった。

 

「ツバサさん!クリスちゃん!」

 

 自分が戦闘員にマークされてないと見るや、ヒビキは駆け出しギアを確保しツバサとクリスに残りの二つのギアを投げる。

 

「あっ!?」

「どうし…これは!?」

 

突然の事だったが、ヒビキの声に気付き何か投げられたことに気付くと二人とも受け取る事が出来た。

受け取った二人の視線がヒビキへと向かい同時に頷く。

 

Balwisyall nescell gungnir tron

Imyuteus amenohabakiri tron

Killter Ichaival tron

 

「なっ!? 聖詠だと!?」

 

ギアを握った三人が同時に聖詠を唄う。

 その事に気付いたブラック将軍がゲルショッカー戦闘員の指揮を止め、唄う三人の方に目を向ける。

 其処には、聖詠を唄い終えシンフォギアを纏った並行世界のヒビキたちがいる。

 

「くっ、此処に来て三匹もシンフォギア装者が増えただと!?不味い!」

 

ヒビキたちがギアでシンフォギアを纏ったのを見て歯軋りするブラック将軍。

今は戦闘員たちでも響たちを押してるが、バランスが崩れればアッという間に瓦解する程度だ。

 

その後、ぶらっく将軍の予想通りシンフォギア装者が三人も増えた事で響たちが形勢逆転、次々と倒れていく戦闘員たち。

 

「ギィーッ!?」

 

「確かに強いが…」

「怪人たちと戦って来た…」

「私たちの敵じゃないっ!」

 

響とヒビキが連携して文字通り千切っては投げ、二倍の火力となったクリスたちの弾丸や小型ミサイルの厚い弾幕で掃討し、互いの死角をカバーした二人の翼の斬撃で次々と戦闘員が駆逐される。

 

「くっ、こうなれば行けーっ!ガニコウモル。貴様の力を見せてやれっ!!」

「キイエェ―!!」

 

 ブラック将軍の命を受けたガニコウモルは即座にジャンプし飛行機の様に空へと飛ぶ。

 そしてある程度の高さまで来ると体を一気に降下させる。

その降下する先には…

 

 

 

 

 

幾つものミサイルが着弾し爆発する。その爆発に吹き飛ばされる戦闘員たち。

クリス達のミサイルの爆風をガードして受ける戦闘員たちに剣を持った二人の翼と二人の響が拳を叩き込む。

誰が提案したわけでもないのに見事な連携に戦闘員の数は減っている。

 

「大分数の減って来たぞっ!」

「このまま全滅させ…何の音だ?」

 

平行異世界のヒビキたちを解放した事でゲルショッカーの戦闘員たちとの戦力差が逆転し協力して倒していくクリスたち。

このまま戦闘員を全滅させブラック将軍の捕縛も目指していたツバサの耳に奇妙な音が聞こえた。

空を切り裂くような、まるでジェット機が空を通過するような音。

音の出所を見た瞬間、ツバサは目をカッとし額から汗が流れた。

 

「雪音っ!敵が…」

 

 

 

 

「「えっ!?」」

 

突然、自分の名字を叫ぶツバサの声に戦闘員に向け銃弾をばら撒いていた二人のクリスが同時に反応する。

一応、戦闘員たちにはガトリング砲になったアームドギアの向けたまま首だけツバサの方に振り向く。

 

 

 

瞬間、突風がクリスに吹いたかと思われた時、二人のクリスも吹き飛ばされ持っていたガトリング砲もバラバラになる。

クリスは二人とも叫ぶ間もなく、口から血を吐いた。

 

そして、クリス達から少し離れた場所に生えていた大木の幹が抉れ音を立てて倒れた。

その音で、響たちもクリスが吹き飛ばされた事を二人同時に知る。

 

「「クリスちゃんっ!!」」

 

響たちの口からクリスの名が出る。

掴んでいた戦闘員を手放して急いで倒れてるクリスの下へ行く。

肩を起こして助け起こしたクリスは二人とも血を吐く。

 

「…アタシら…一体…」

「…先輩の声を…聞いた…直後に…飛んでもね衝撃が…」

 

クリスが憶えているのは、ツバサの声と暴力的な風の衝撃だった。

飛行機が飛ぶような轟音が聞こえたと思えば、切り裂かれるような激痛が体に奔っり自分たちの体が吹き飛ばされていた。

 

「イタタタ…」

「クリスちゃん、無理しない方が…」

「この位何てことないさ…」

 

響がクリスを止めようとするが、クリスは無理矢理笑顔を作って立ち上がるが少しフラつく。

体からは痛みの信号が響き、正直寝て居たい位の痛みだった。

 

 

キイエェ―ーーーーーッ‼

 

 

響たちがクリス達を助け起こしつつ、響の背後に剣を向け戦闘員を警戒する翼たち。

その時、自分たちの背後から不気味な声が響く。

皆が一斉に視線を向けると抉れ倒れた巨木の残った根の上に何かが立っている。

 

「忌々しいシンフォギア装者め、これ以上好きにはさせん!キイエェ―ッ!!」

 

左腕が緑色のハサミを持ち、口からは鋭い牙が何本も生えた怪人…ガニコウモルが高らかに鳴き声を上げる。

 

「ショッカーの新たな怪人か!?」

「…違う」

「「「?」」」

 

始めてみる翼の声にヒビキが小さく否定する。

その反応に、この世界の響たちの頭の上に「?」が浮かぶ。戦闘員の恰好が何時もと違うが怪人はショッカーが作り上げたように見える。

 

「奴等は…」

 

「知りたければ教えてやる、この世の名残にな!ショッカーは既に地上から消え去った!」

 

クリスが説明しようとした瞬間、クリスの言葉を遮りガニコウモルが説明しだす。

話を遮られたクリスはジト目でガニコウモルを睨みつけるが、特に気にしないガニコウモル。

 

「地上から消え去ったって!」

「如何いう事だ!?」

 

「首領は、既にショッカーを見限り組織を放棄したのだ!そして、密かにアフリカ砂漠で猛訓練をしていたゲルダムがショッカーに加わり再編成された!」

 

「再編成!?」

「…その再編成された組織の名は!?」

 

「既にそいつ等に教えてるが、敢えて俺が教えてやる。その名はゲルショッカー!」

 

 ガニコウモルの口からゲルショッカーの名が飛び出す。

 既に聞いてたヒビキたちもそうだが、初めて聞く響たちもガニコウモルの言う事がハッタリではないと感じた。

 

「ハアっ!…何がゲルショッカーだ、名前を変えれば強くなる訳じゃねえ!」

 

一瞬の沈黙の後にこの世界のクリスがそう堰を切る。

その姿に響や翼、そして並行世界のヒビキたちも口の端が上がった。

 

「では試してみるか?このゲルショッカーの合成怪人、ガニコウモルがなっ!!キイエェ―ーーーーーッ‼」

 

そう宣言するとガニコウモルがジャンプをして響たちに飛び掛かる。

響たちの方も黙ってやられる気はなく、直ぐにアームドギアを手にガニコウモルを迎撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲルダムだとっ!?」

 

 指令室では珍しく響たちとの通信が妨害されずに流れ、源十郎たちは並行世界のヒビキたちを知る。

 しかし、源十郎が一番反応したのは、ガニコウモルが言う「ゲルダム」だった。

 

「し…知ってるんですか?指令…」

 

 予想外の源十郎の反応に友里あおいが恐る恐る聞く。

 口には出さないが藤尭朔也も源十郎の反応が気になってるようだ。

 

「…聞いたことがある、欧州が暗黒大陸と呼ばれるようにアフリカ大陸も同様に暗黒大陸と言われている事は知っているな。調べたところ、アフリカで事件が起こる裏には必ずゲルダムという組織が関わってるそうだ」

 

 現在の欧州はとある事情で暗黒大陸と言われているが、アフリカ大陸もまた暗黒大陸と呼ばれている。

 

「…あくまでも噂でしかないが疫病や穏健派首脳陣の暗殺っといったアフリカの事件には必ず「ゲルダム」という名前が残っている。嘗てのアフリカ某国の虐殺事件にも絡んでると言う話だ。それこそ、裏の世界のショッカー並みにきな臭い話だが」

 

 源十郎はショッカーの存在を知って以降、裏の世界の色々な話を集めていた。

 それこそ、子供の作り話から都市伝説まで。

 ゲルダムもその過程で知っていたのだ。

 

「ショッカーとゲルダムが結託するとは…一筋縄ではいかんかもしれん。気を付けろよ、翼!」

 

 源十郎の目には翼たちがガニコウモルと戦う姿が映るモニターを見守る。

 ショッカーが消滅し、新たにゲルショッカーが現れた以上、今までの様にはいかないかもと考える。

 

 

 

 

 

 

 




ゲルダム「70年、暇でした」

ゲルダムってショッカーと併合する前に何してたんだろうか?
ガニコウモル曰く、アフリカ砂漠で猛訓練したとかいってるけど…。
wikiでもゲルダムは密教集団なんて書かれてたし…でも戦闘員や怪人の性能テストとかしてると思うし、アフリカでも動いてたという設定で。
でも、ゲルダムを造ったのも首領らしいしな…。

ギアって見た目で判断できたっけ? 装者なら出来るか…

早速、ゲルショッカー戦闘員に苦戦する響たち。設定だと地獄大使登場後の骨戦闘員の三倍の強さらしいですね。苦戦もします。
劇中だと途中で仮面ライダーどころか滝にも負けるけど。

次回、ガニコウモル戦。
PS版のゲームだとえらい強いんですよね。そしてカッコいい。

でも、書いてて思ったけど、消え去ったのに再編成?
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