改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

取り敢えず、今年中にゲルショッカー編が終るといいけど……

修行回です。


第137話 風鳴訃堂の完璧防人教室

 

 

 

 

「皆の者、集まれぇ!!風鳴訃堂の防人教室が始まるぞ!!」

 

「は?」

 「え?」

   「ん?」

 

「儂のよう立派な護国の化身になれるよう一層励むがよい!」

 

「何だ、この机?」

「この椅子って学校のやつじゃないの!?」

「なんかどっかで見たシチュエーションのような…」

 

 

キラキラ 神の国 輝く国の様に~♪

 

 

「ちょっと待てっ!」

「アンタが歌うんかい!?」

「…っと言うか、これチルノの奴じゃねえか!」

 

 

カットします✂

 

 

 

「…ああ、気持ちえがった。これにて防人としての座学を終える」

 

「座学?」

「座学って何だっけ?」

「終始、爺さんが歌ってただけじゃ…」

「服装が何時の間にか着物に戻ってる」

 

汗をかいた風鳴訃堂が持っていたマイクを置いて座学が終った事を告げる。

終始、風鳴訃堂の歌を聞かされていた翼達は目の前で気持ちよく歌われ複雑な心境だ。

戦場(いくさば)では、自分たちが歌う事が多いが、まさか風鳴訃堂が歌うとは予想だにしてなかった。

 

「親父、ふざけるのも大概にしろ。0時までそう時間がないんだぞ」

「そうは言うが愚息よ、儂も偶には歌いたい。最終シリーズのXVでも歌う機会が無かったしな」

「…親父…正直それはCMネタにまわした方が良いと思うが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「果敢無き哉、次は儂が直々にお前たちの体に防人の力を叩き込んでやる。覚悟のある者からかかってくるがいい!」

 

場所は移り、風鳴本家にある道場内部。壁には「国防」や「防人」に「打倒鬼畜米英」と書かれた掛け軸が吊るされ、その中心部に竹刀を持った風鳴訃堂が仁王立ちしていた。

対する響たちも、服装が胴着になり自分たちの手には木刀が握られている。

 

「親父、その竹刀で木刀の俺たちと稽古するのか?」

「そうだが? これより弱い武器となるとハタキの棒くらいしかないぞ」

 

源十郎の質問に風鳴訃堂がアッサリ言いのける。

源十郎としては、竹刀で木刀の相手は無茶ではと言いたかったが、風鳴訃堂からすれば未熟な響たちの木刀など怖くもなんともない。

寧ろ、もっとハンデをつけても良いと考えても居る。

 

「はっ、吐いた唾飲み込むんじゃねえぞ!クソ爺ぃ!」

 

風鳴訃堂の挑発にも似た言動に反応したのは、アナザー翼だった。

木刀を片手に、響たちの陰から飛び出し風鳴訃堂の喉元に突きをかます。

アナザー翼の行動は素早く、普通なら突き出された木刀がそのまま喉元に到達するかと思えた。

 

「思いっきりは良し、しかし甘いっ!」

「痛っ!?」

 

風鳴訃堂が竹刀を振りアッサリ、アナザー翼の木刀を弾くと共に一気に回り込みアナザー翼の尻に一閃をいれる。

アナザー翼が叫ぶと同時に床に突っ伏し自身の尻を押さえる。

その姿に騒然となるヒビキたち。

 

「どうした? かかってこぬなら、儂自ら行くとしよう」

「ぜ…全員構えろ!!」

 

アナザー翼をアッサリ処理した風鳴訃堂が響たちの方を向くと同時に竹刀を構え、訃堂の本気を感じた翼が全員に木刀を構えろと言う。

直後、次々と自身の尻に痛みが走る一同。

 

「イッタッッ!!」

「尻が…」

「ヒ~ンッ!昔お母さんにお尻を叩かれた事を思い出したよ!」

 

「やれやれ…未熟者どもめ」

 

ヒビキたちが持っていた木刀を手放し、臀部の痛みに悶える姿を呆れた表情で見る風鳴訃堂。

ショッカーの怪人と戦い勝って来た少女たちの姿がコレかと残念にも思う。

 

「お…親父…やりすぎじゃ…」

「痛くなければ覚えん、何より時間も無いからな。立てぃ、次はシンフォギアを纏う事を許可しよう」

 

「…あの…痛くてそれどころじゃ…」

「…少しは加減しろ」

 

源十郎が「やりすぎ」ではと言うが、今夜0時にゲルショッカーの怪人が襲って来る以上、これ以上の手加減も出来ない上に時間も無い。風鳴訃堂としては、それこそ精神集中の座禅や滝行をさせたい位だ。

しかし、時間は待ってくれない。それ故に、ゲルショッカーの怪人とも戦えるよう自身が彼女たちに敵として相手をしている。

 

そして、風鳴訃堂は響たちにシンフォギアを纏えと言うが臀部の痛みにヒビキたちが暫く待って欲しいと言う。

結局、ヒビキたちの痛みが引くまで数分掛かった。

 

その後、ヒビキたちがシンフォギアを纏い再び風鳴訃堂のしごきを受ける。

 

「どうした!? 翼以外基礎すら出来ておらんぞ!」

「連携はまあまあだが、三人以上となると無駄な動きが多いわ!」

 

シンフォギアを纏った響たちはなすすべなく、風鳴訃堂の竹刀を尻で受ける。

尻・尻・頭・尻・尻・頭の順で、竹刀でしばかれる響たち。

 

「痛…い…翼さん、私のお尻…割れてませんか?」

「落ち着け立花、尻は最初から割れている」

 

訃堂の竹刀で何度も尻をしばかれたヒビキが尻を押さえつつツバサに素っ頓狂な事を聞く。

冷静になるよう言うツバサだが、自身の尻にも鈍痛が走る。

 

歴戦の経験のあるヒビキがこの反応だ。

それだけ個人としての力も経験も風鳴訃堂が上回っている。

それでも全員が全員心が折れたかと言えば違う。

 

「ああ、もう爺さん!アタシも本気で行くぞ!」

「アタシもだ!」

 

クリスと並行世界のクリスが腰部のミサイルポッドを開き、一斉に風鳴訃堂に撃ち込む。

生身の人間にこんな攻撃をするのが初めてなクリスと、嘗ての特訓で少しだけそういう経験のある並行世界のクリス。

 

二人のクリスの小型ミサイル、即ち何時もの倍の数のミサイルが自身に迫るが訃堂は慌てず竹刀を構える。

 

「……活ッ!!」

 

風鳴訃堂が気合と共に竹刀を一振り。

直後、自身に迫っていたクリスの小型ミサイルが力なく落ち爆発すらしない。

 

「げぇっ!」

「…おっさんで分かってたけど、その親父もとことん化け物だな」

 

平行世界のクリスは嘗ての訓練で源十郎一人に六人のシンフォギア装者がボコボコにされた事を思い出す。その父親である訃堂が普通な訳がない。

そして、クリスのミサイルを無力化した風鳴訃堂が自分たちの方に突っ込んでくる光景を見て意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

「ふぅ~…一旦休憩にしてやる。少し休ませてやろう」

 

風鳴訃堂が息を漏らしヒビキたちの休憩の時間を与える。

別段、風鳴訃堂がつかれたからではない。寧ろ、この息は溜息にも近かった。

100を優に超える風鳴訃堂に対して十代の少女ばかりのシンフォギア装者たち。

普通なら、老人一人に複数の若者という構図だが、風鳴訃堂の目の前には尻が倍以上に腫れ頭には幾つものコブが出来た翼たちが床の上で伸びている。

今の彼女たちに風鳴訃堂に返事をする余裕もない。

 

「全く…揃いも揃って不甲斐ない」

「…そうは言いますが、やはりやり過ぎでは?」

 

訃堂はヒビキたちが自分に一傷か疲れさせることすら出来なかった事に「不甲斐ない」と呟く。

そんな、訃堂を窘めるのはヒビキたち以上に頭にコブが出来た源十郎だった。

 

「愚息め、貴様が甘やかしすぎなのが問題だ。翼以外基礎もなっとらん! …それに貴様自身も鍛錬も怠ってるな、片腕を失ってからの構えがおかしくなっているぞ」

「…その事についてなんですが…」

 

風鳴訃堂は、響たちと同列に源十郎も相手をしている。

その折に源十郎の構え、反応速度、反射神経の全てが劣っている事に気付いている。

フロンティアの戦いで片腕を失った事とショッカー及びゲルショッカーの政府対応で鍛錬をする時間も取れなかったのだろうと考えるが、そこで甘やかす風鳴訃堂ではない。

 

風鳴は防人の一族。片腕や片足を失っても日本の為に戦ったご先祖もいる以上、源十郎だけを特別扱いする訳にはいかないのもある。

しかし、源十郎もその事を分かってるのか風鳴訃堂に何か言おうとした時だった。

 

「ちわ~三河屋で~す。日本家屋に入るにはこう言えば正解でしたっけ?」

 

風鳴本家の玄関が開き誰かが入って来た。

丁度、廊下を歩いていた風鳴訃堂と源十郎が視線を向けるとウェル博士が長細いジュラルミンケースを持って玄関にいた。

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ウェル博士! 頼んでいたアレが遂に完成したんだな」

「アナタの無茶な要求になんとか…まったく、他の仕事もあるのに僕を荷物持ちにするなんてね…」

 

玄関から入ったウェル博士は、客間に通されテーブルの上に細長いジュラルミンケースを置いて源十郎をジト目で睨む。

そんなウェル博士の反応を知ってか知らずか、子供のようにはしゃぐ源十郎。

その様子を見てウェル博士を睨むように見る風鳴訃堂。軽くカオスと言える。

 

「東夷の科学者か、報告で聞いているが此処に何しに来た?」

「東夷? よくは分かりませんが僕が来たのはこの脳筋が頼んでいた仕事が一段落したからですよ」

 

風鳴訃堂の質問に軽く答えたウェル博士はそう言うと細長いジュラルミンケースを開ける。

かなり厳重のようで数字式のパスワードを一致させ開けると細長い棒のような物が入っている。

しかし、棒の先は平べったくなって五本の突起物がついている。

 

「これは、腕か?」

「ええ、その脳筋に頼まれた義手ですよ」

 

何故、ウェル博士が源十郎に義手を持っていたのか?

それは、ショッカーとフロンティア争奪戦終了時まで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

『…それで? 人をこんな所まで呼びつけて何のようですか?』

 

ウェル博士が溜息交じりでそう言う。

医務室内にはベッドで横たわる源十郎と、それを見下ろすウェル博士の二人しかいない。

もう直ぐ、マリアたちと共に拘束される事が決定してるウェル博士だったが源十郎の呼び出しで本部の潜水艦内にある医務室に足を運んだのだ。

 

『来てくれたか、ウェル博士。折り入って頼みがある』

『頼みですか?』

 

ウェル博士の反応も何のそのと、源十郎はウェル博士に頼みがあると言う。

嫌な予感のしたウェル博士は聞くだけ聞いてみようと耳を傾ける。

脳筋とはいえ、下手すれば自分たちの上司になる可能性が高いのもある。

 

『俺に…新しい腕を作ってくれ!』

『………?』

 

源十郎の頼みを聞いてウェル博士の頭には「❓」が浮かぶ。

 

『…2040年代の今なら精巧な義手が作れますよ? 何なら再生医療でも欠損した腕や足の再生だって出来る筈ですが…』

 

今は時代も進み、2040年を超えている。

その分、技術も上がり見た目も精巧な義手を作れる上に欠損した肉体の一部も生やせる再生医療もある。

だからこそ、源十郎がウェル博士に「腕を作ってくれ」と言われたのが疑問だった。

勿論、源十郎にも理由はある。

 

『見た目だけの腕では駄目なんだ、再生医療の方も元の体より弱いと聞く。それではショッカーと戦う事なんて出来ん!』

『…僕としてはまだ戦うつもりなのが驚きなんですが…もうシンフォギア装者たちに任せてアナタは指示に徹すれば?』

 

ウェル博士としては源十郎は十分戦ったと言える。

響たちを助け翼と共に突然出現した秘密結社ショッカーと戦いクリスと共に大幹部を倒している。

あまりいい気分ではないが、ウェル博士としても源十郎は英雄と言える。

 

『…響くんたちはまだ子供だ、これがノイズだけならまだ納得も出来る。しかし、ショッカーは駄目だ!奴等は常に此方の隙を伺い響くんたちを抹殺しようとしている、一人の大人として座してるだけなど…』

 

源十郎は悔しかった。

腕っぷしもあり恵まれた体型で護国病の父親を無視すれば悪くない人生を送って来た。

しかし、シンフォギアの登場でノイズを相手に出来るのは翼達しか居なく、自分ではパンチを打ち込んだところで炭化して死ぬのが関の山だ。

まだ成人してない翼たちに戦わせるのは源十郎としては反対でもあったが、ノイズの相手では他に手が無い。

 

そんな折に自分でも倒せる邪悪な組織ショッカーが現れたのだ。

大人としての責任感、翼たちに頼るしかなかった自分たちへの鬱憤も込めて源十郎はショッカーの怪人と戦って来た。

 

『ゾル大佐に続き死神博士の二人も大幹部を失ったショッカーだ、恐らくこれまで以上の攻勢で襲って来る可能性が高い。響くんたちだけでなく俺も現場に居たいんだ』

『…アナタ、自分が司令官って分かってます?』

 

源十郎の言葉に呆れつつも何処か安堵するウェル博士。

これが、ただ指令室の席に座って厭味ったらしく指示だけする薄ら禿げならウェル博士としても部下に等なりたくもない。

それに比べれば源十郎の方がまだ好感が持てる。

 

『はぁ~一部ショッカーの技術の流用になりますよ』

 

ウェル博士は源十郎の依頼を受ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っと言う事があったんですよ」

 

事のあらましを説明するウェル博士。

風鳴訃堂は黙って聞いた後に、ジュラルミンケースに入れられた義手を掴んで己の目前にかざす。

それなりの重さに関節部などを見て子供のオモチャにも見えると思う風鳴訃堂。

 

「…こんなおもちゃの様な腕で大丈夫か?」

「それでも苦労したんですよ、その脳みそ筋肉の力に耐えられる強度を探したり神経の接続に関する論文を探して参考にしたり…麻酔なしの神経を取り出すのも一苦労なんですから」

 

ウェル博士が愚痴を吐く。お陰で、ウェル博士の徹夜の日数も上がった。

源十郎の力に耐える程の強度と動きについていける度の柔軟性、ショッカーの技術を転用しなければ到底叶わないスペック。

その為にも、源十郎も神経接続の為の無茶はしていたが。

 

取り敢えず、話も終わった事で源十郎は来てる服を脱ぎ右肩を露出させる。

本来ある筈の右腕を失った肩には、代わりとばかりに金属が取り付けられている。

ウェル博士が風鳴訃堂から返してもらった腕の接続部分をその金属に近付ける。

 

「良いですか? 神経の接続に入りますよ」

「…やってくれ」

 

ウェル博士の言葉を聞いて一旦深く息をする源十郎。

体を鍛え修羅場を幾つも経験した源十郎も神経に直接の衝撃は慣れてはいない。

そして、ウェル博士は義手を一気につけ神経を接続する。

 

「グゥッ!?」

 

久しぶりに右肩に激痛が走った事で源十郎の口から声が漏れる。

同時に、新しい腕の感覚に嬉しさもあった。

 

「…愚息よ、大丈夫なのか?」

 

流石に護国の鬼である風鳴訃堂も源十郎の様子が気になった。

 

「だ…大丈夫…です…例えて言うなた…肘を思いっきり…固い物にぶつけた時の…数十倍の衝撃です…」

「何故具体的に言った?想像できる分、儂も貰い事故だぞ」

 

腕を取り付け数分、痛みが治まったのか慣れたのか源十郎は新しく取り付けられた腕の見て指を動かす。

義手の指は何の負荷も無く一本一本折り畳めグーパーの動きもスムーズだった。

源十郎に新しい腕がもたらされた。

 

「どうせ貴方の事です、無茶な使い方をして壊す事でしょうから、その義手は複数用意してあります」

「そうか、ありがとうウェル博士。これでまた響くんたちの手助けが出来る」

「…こっちとしては少しは自重して欲しいんですが…」

 

その後、ウェル博士の愚痴と義手の説明に源十郎は苦笑いしつつ聞く。

そんな客間のふすまが開くと風鳴訃堂が出て来た。

後は、愚息と博士に任せようと思ったからだ。

 

「やれやれ、最近の横文字は分からん。それに休憩時間が思ったより長くなったよう「あの、お爺さん!」だ…ん?」

 

部屋を出て、そろそろ翼達に鍛錬(しごき)を再開させようかと考えていた風鳴訃堂の耳に誰かの声が聞こえた。

声のした方に首を向けると立花響が其処にいた。

一瞬自分を呼びに来たのかとも思った風鳴訃堂だが、響の様子から違うようだ。

 

「儂に用か?」

「あの…あの時はありがとうございました!」

 

自分に何か用かと聞こうとした時、響はお辞儀をして「ありがとう」と言う。

その様子に風鳴訃堂の脳裏にあの雨の日の出来事が蘇る。

 

それはただの偶然だった、雨の日に散歩に行き大木を殴り倒した響を偶然見つけた。

最初は、護国の駒や翼への刺激になると思い利用する為に鍛えてやった小娘。それが響だった。

後の報告で怪人の名は「トカゲロン」と聞いた。

 

「あの時のお爺さんの特訓でトカゲ…ショッカーの怪人を倒せました!」

「わざわざ礼を言いに来たのか? …もう分かっていよう、儂は貴様たちの司令官である風鳴源十郎の関係者であり、お前を利用したに過ぎん」

 

響を鍛えたのは別段親切心や気まぐれとかではない。響を始めとしたシンフォギア装者が強くなればショッカーを排除でき護国の役に立つと言う算段があった。

護国の為なら、血のつながった息子や翼、あるいは自分自身すら利用するのが風鳴訃堂と言う男。

だからこそ、響が礼を言う必要はないと考えた。

 

「…それでもです、皆を守る力を鍛えてくれて無事に今まで戦って来て私も無事に此処に居るのも事実です!」

「! …ふん、そうか」

 

その後、二三話した後に響は皆の居る道場へと戻る。

その後ろ姿を見送る風鳴訃堂。

 

「若いな…昔の自分を思い出す…」

 

風鳴訃堂は思わず独り言を呟いた。

そして響を見て思い出す、まだ国粋主義や風鳴の防人になる前の若造だった風鳴訃堂(自分)を。

 

まだ純粋で大人の世界も知らないケツの青かった頃を。

その頃は、日本どころか一部地域しか知らず世界が広いと思っていた頃を、しかし、風鳴の防人の使命に同志と共に外国から日本を守る為に国粋主義に傾き敗戦し年々減っていく同志たち、もう自分以外誰もいない。

 

「…思えば遠くまで来たものだ…」

 

珍しくも物思いに浸る風鳴訃堂。

別段、風鳴訃堂としては今までの人生に後悔はない。例え、何人もの民間人や家族が犠牲になろうが日本という国自体守れればそれで満足だった。

今更、生き方を変える気など風鳴訃堂にはない。

 

「…嘗ての同志が今の儂を見れば何と言うかな…」

 

もし風鳴訃堂をよく知る者が見れば言うだろう。

その背中は何処か寂しげな老人のようにみえた。と、

 

 

 

 

 

 

 

その後、ウェル博士のレクチャーを終えた源十郎がリハビリとばかりに風鳴訃堂と共に道場に行く。

 

「今回は愚息のリハビリも兼ねて組み手を儂のしごきと共に並行して行う。二手に分かれい………おい、少しはこっちに並ばんか!」

 

「爺さんのしごきは痛てぇんだよ」

「お尻ばっかり狙うし…」

 

源十郎が新しい腕として義手の性能と慣れる為に響たちとの組み手が同時に行われるとして、風鳴訃堂が二手に分かれる様に言うと皆が一斉に源十郎の方に並んだ。

風鳴訃堂に礼を言った響も流石に尻は痛かったようだ。

 

結局、キレた風鳴訃堂が源十郎諸共響たちをしごき倒すことになる。

 

 

 

 

そして、日が暮れ月が上る頃。

 

風鳴本家を方向を向かう奇妙な男がいる。

夜だと黒いコートに黒い帽子をかぶりすれ違った人間はあまりの不気味さに二度見三度見する。

その男はゆっくりとだが風鳴本家に近づいている。

 

 

 

 

 

 

 




冒頭の訃堂の歌は「チルノのパーフェクトさんすう教室」が元です。
「チルノのパーフェクトさんすう教室」の歌の楽局コードを探したのですが見つからず、ググったらJASRACに登録されてないらしく、どう取り扱っていいやら。
フリーの可能性もあるんですが万が一もあるので途中でカット。
偶にはふざけたい。

今回はいわゆる修行回、これでゲルショッカーの怪人とももう少しいい勝負になるかと…え、訃堂にボコられてるだけ? AXZでも源十郎が似たような事してたし大丈夫大丈夫。

源十郎の戦線復帰フラグ。
ウェル博士、働きすぎ問題。もしウェル博士が死んだら全てがエルフナインに行く模様。まだ仲間になってないけど…。

源十郎の新しい腕は完全に「鋼の錬金術師」が元ネタですね。腕自体が何時まで持つやら…

クロスものだと風鳴訃堂はリーンの翼のサコミズ王と気が合うかも。どっちも同志が居なくなってるし。

次回、怪人戦。
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