改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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11話 特異災害対策機動部二課VSショッカー 中編

 

 

 

油断していたつもりはなかった。翼さんへ、ふらわーのお好み焼きを買いに道を走っていたらショッカー戦闘員が現れ襲ってきた。

ノイズも居ない時に来たのは珍しいけど今の私は変身しなくても戦闘員なら倒せる。

だから、シンフォギアも使わないで戦闘員を次々と倒した。最後の一人を倒したと思ったらまた戦闘員が出てきた。それから、

 

「此処が貴様の墓場だ!」

 

デュランダルの時に出てきたクラゲ怪人ことクラゲダールも現れた。

 

「イーッ!」「イーッ!」

「立花響!今日こそ死んで貰うぞ!」

 

怪人は此奴以外居なさそうだ。今の私でも十分…

 

 

           「ひ…響?」

 

            「え?」

 

 

少なくとも今最も私が聞きたくない声に思わず振り向く。

其処には、茫然とする未来が!

 

「未…来…どうして」

 

見られた!未来に見られた!私の頭が理解に追い付かない。でもショッカーの怪人にはそんな事関係なかった。

 

「ん?目撃者か、死ね!」

 

クラゲダールはなんの躊躇いもなく未来に止まっていた車を投げつける。

それを見て、私は直ぐに変身して未来の下に走る。

片手で車を弾き、私は未来を見る。驚いて座り込んだだけで怪我はしてない。そのことに私はホッとした。

 

「響…」

「逃げて、未来!」

 

大好きな親友の言葉にそれしか返せない。それがとても辛い。

 

「庇った?…そうかそうか。ならば、戦闘員どもあの女を殺せ!」

「「「イーッ!!」」」

 

戦闘員がこっちに走って来る!狙いは…未来!?あいつ等、わざと未来を狙っている!やらせない!

 

「やらせるもんか!」

 

「イーッ!?」

 

迫る戦闘員を次々と倒す。お前達なんかに未来に指一本触らせるもんか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響が黒いタイツの男たちを次々と倒している。あの優しい響が、何の躊躇いもなく

 

「あ、あの…大丈夫ですか?」

 

響に倒された黒タイツの男の人に話けてみる。響の身に何が起こったのかわかるかも知れなかったからだ。でも、私は信じられないものを見る

 

「ヒィ!?」

 

倒れた男の人が緑色の泡になって溶けて消えた!?トリックやマジックとかでは無く本当に目の前で消えてしまった。何で人間が溶けて消えるの!?新手のノイズ!?うっ、喉の奥から酸っぱい物が……おばちゃんのお好み焼きを出しかけた

 

「…響…」

 

響、あなたは何と戦ってるの?

 

「…ごめん…こんな事に巻き込んで」

 

響が私に顔を逸らして謝る。違う、聞きたいのはそんな言葉じゃない!

でも響はそれだけ言って私の体を掴んで森の中へ移動した

 

「追えぇぇぇ!!逃がすなぁぁ!!」

 

掛け声と共にクラゲ男と黒タイツの男が私達を追う。正直、響の持ち方が痛かったけどあのまま居れば私は殺されていた。それだけは分かる

暫く森の中を駆けていた響が物陰に私を座らせた

 

「此処に隠れてて、あいつ等は私が引き付ける」

「ま、待って!響」

 

頭の中がパニックになった私は響を呼び止めようとするが、響の姿がアッサリと見えなくなる

遠くの方で「私はこっちだ!」と叫ぶ響の声と「イーッ!」という声が聞こえた

あれは何?響を攫ったっていう人達?全然わからないよ響!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イーヒッヒッヒッヒッヒ!!」

 

「ぐはっ!」

 

ピラザウルスの拳が弦十郎の頬を抉る。少しふらつくが弦十郎もピラザウルスの顔面を殴り返す。弦十郎の拳にピラザウルスもふらつく。弦十郎とピラザウルスの拳が交互に行き交う。

 

「ほう、ピラザウルスの体は無反動砲の直撃すら傷つかぬほど頑丈だと言うに予想以上にやるではないか」

 

その様子を楽しそうに見るゾル大佐。手足を拘束された職員たちは固唾を呑みこむ。

その直後、ピラザウルスが弦十郎の腕を抱え床に倒れる。

 

「!?」

 

弦十郎も予想外の行動に反応できず倒れてしまう。

そして、弦十郎の腕から鈍い音が、

 

「折られた!?」

「指令!?」

「今のってプロレスの腕折り!?」

 

悲鳴も出さず腕を押さえる弦十郎に心配する職員、その内の人のがプロレスと発言した。

 

「よく知ってるではないか。そのピラザウルスの素体となった男はプロレスラーだ。確か名は…草鹿昇…だったか?」

 

「草鹿昇だって!?」

 

ゾル大佐の言葉に一人の職員が反応する。その職員は先ほどプロレス発言をしていた者だった。

 

「誰か知ってるのか?」

 

藤尭朔也がその職員に聞く。

 

「人気レスラーの一人ですよ。家の爺さんが大のプロレス好きで生前よく話してました。でも草鹿昇は70年前にノイズに襲われて亡くなったらしいですけど」

「ノイズに!?それが何でショッカーに!」

「そのノイズ被害は嘘だった?」

 

「貴様、そんな前から…」

 

弦十郎が腕を押さえゾル大佐に睨みつける。だがやはりゾル大佐は意にも介さない。

 

「70年か時が経つのは早いものだ。…おっとそろそろ時間だ」

 

ゾル大佐が立ち上がり戦闘員と共に指令室の出入り口に行く。櫻井了子を連れ。

 

「ま、待てぇ!貴様たちの目的は一体…グっ!」

 

弦十郎が止めようとするが背後からピラザウルスがチョークスリーパーを掛けられる。

 

「立花響から聞いていないのか?我等の目的は唯一つ、世界征服(せかい)だ!我々の目的はそれしかない、後にも先にもな。貴様はそのままピラザウルスと遊んでいろ。俺は櫻井了子をショッカー本部に連れていかねばならん」

「イーヒッヒッヒッヒッヒ!」

 

ゾル大佐達が指令室を後にする。残るはピラザウルスに2~3人の戦闘員と拘束された職員が何人か、そして弦十郎だけだった。

 

「こ…の!」

 

ピラザウルスが与える首への圧力に弦十郎が前に引っ張る。引っ張られたピラザウルスはそのまま前へと転がり弦十郎の首を解放する。

 

「ハア~」

 

首が圧力から解放された弦十郎が息を整える。僅かな時間が流れピラザウルスと弦十郎が同時に動く。

二人の手が絡み合い押しつ押されつつ拮抗する。しかし、ピラザウルスに片腕を折られた弦十郎が押されつつある。

 

「俺は怪人のチャンピオンだ!」

 

「負けてなるものか!!」

 

一人の人間と怪人が激しくぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、女の扱いはもう少し丁寧にやりなさいよ」

 

指令室から出たゾル大佐たちだが、道中了子が戦闘員に対し文句を言う。

戦闘員も文句を言うのが世界的権威ある学者、櫻井了子なので無下に扱い切れない。

 

「それで、私は何処へ連れてかれるのかしら」

 

「…一旦はショッカーのアジトに移動し、其処で精密検査をした後に本部に行く予定だ。お前にはシンフォギアの事で色々やってもらう」

 

「あら、ショッカーはもうシンフォギアシステムを物にしてるじゃない」

 

「あんなもの、お前のオリジナルに比べれば児戯にも等しい。手に入れるならばより完璧な物が必要だ。そして、ゆくゆくはシンフォギア怪人の製造も視野に入れる。あの絶唱のエネルギーはショッカーこそ利用すべきだ」

 

ゾル大佐の言葉を聞いて了子はゴミを見るような目をする。

 

「シンフォギア怪人?響ちゃんはどうなるの?」

 

「立花響は所詮、聖遺物の実験体に過ぎん。オマケに兵器としても未熟、脳改造しても役に立つとは思えん。心臓さえ手に入れば最早要らん」

 

その瞬間、了子は拘束していた戦闘員をぶちのめす。

他の戦闘員が了子を押さえようとするが、了子は手から衝撃波のような物を出し戦闘員を壁に叩きつける。

 

「ほう?」

 

「私も自分が悪者だとは思っていたけど、あんた達には負けそうね」

 

「フフフ…如何した?立花響に同情でもしたか?櫻井了子…いやフィーネ」

 

その言葉に、了子はゾル大佐を睨みつける。

 

「知っていたのね」

 

「我々を舐めて貰っては困るぞ、終焉の巫女。デュランダルの件である程度察しはついていた」

 

「へ~…で、私とやりあう気?」

 

「貴様の頭脳は惜しいが今回は引いておこう。我々の今回の計画は一先ず成功したからな」

 

ゾル大佐が懐から何か取り出す。

 

「データチップ?最初からそれが目的!?」

 

「ショッカーは聖遺物に対する研究が遅れていた。ならば他所から奪ってくればいい、シンプルだろ?出来ればお前も確保しておきたかったが仕方あるまい。また会おう、フィーネ。ふっははははは…」

 

通路の電源が一瞬落ち、次の瞬間にはゾル大佐の姿は何処にもなかった。

 

「…ショッカー…か」

 

了子がボソっと呟く。予想以上に厄介な相手だと認識した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イーッ!」

 

立花響は小日向未来との距離を離した事で、戦闘員と戦い次々と倒していく。

それでも、未だに戦闘員が尽きる事がない。

 

「一体何人居るの!?」

 

響が思わず声を漏らす。今、倒したのも含めもう30人くらい相手をしていた。

 

「隙あり!」

 

「!しまった!?ああああああああああああ!!」

 

一瞬の隙をつかれクラゲダールの触手に右手が捕まった。放そうとしたが触手からの電撃に思うように体が動かない。

 

「俺の電撃を浴びて死ねぇ!!」

 

クラゲダールが電撃を浴びせ続ける。このまま響がやられてしまうかに思われたが、

 

「させるかよ!」

 

聞き覚えのある少女の声と共にネフシュタンの鎧の鞭が振るわれた。

何人かの戦闘員を吹き飛ばしクラゲダールの触手も千切れる。

 

「何だと!?」

 

電撃が止んだ響は声のした方を向く。其処にはあのネフシュタンの鎧の娘が居た。

 

「あ…ありがとう」

 

思わず礼を言う響。その言葉にネフシュタンの鎧の娘が顔を少し赤くする。

 

「た、助けた訳じゃねえ!お前を連れていくのはアタシなんだ!」

 

「お、おのれ!完全聖遺物の小娘がまたも邪魔をするか!?」

 

クラゲダールがネフシュタンの鎧の娘に文句を言う。それに対してネフシュタンの鎧の娘はクラゲダールを睨みつける。

 

「邪魔なのはお前らだ!丁度いい、お前らを倒してからソイツを…!?」

「危ない!?」

 

ネフシュタンの鎧の娘の背中から爆発が起こる。突然の事で受け身も取れなかった少女は真っ逆さまに地上に落ちるが響が直ぐに動いて抱き抱える。

 

「え!?」

 

更には、響の足元に流砂が発生する。直ぐに移動するとその流砂から怪人が出てきた。そして、空からも、蛾が人間並みの大きさの怪人が姿を現す。

 

「ちっ、ドクガンダー!地獄サンダー!何のつもりだ!?」

「苦戦してるから手伝ってやろうとしただけだ」

「右に同じよ。ついでにショッカーに逆らう愚か者も見に来た」

「ほざけ!立花響は俺の獲物だ」

 

空を飛ぶ蛾の怪人と地面から現れた虫型の怪人。クラゲダールが文句を言うが響にとって最悪だった。

 

━━━怪人が三人に増えた!?この娘を守りながら戦うのは…

 

「おい」

「へ?」

 

空から落ちたネフシュタンの鎧の娘の声に視線を落とす。明らかに不機嫌そうな表情をしていた。

そして、強引に響の手から離れる。

 

「お前を連れていくのは後だ。アタシは蛾の方を相手にしてやる!」

「え、協力してくれるの!?」

 

響の言葉に舌打ちをするが否定もせずドクガンダーの下に迫る。

 

「手を出すな地獄サンダー!」

「知った事か、早い者勝ちだ!」

 

口喧嘩をしつつ響へと迫るクラゲダールと地獄サンダー。

クリスとドクガンダー、響とクラゲダール&地獄サンダーの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所にある古き日本家屋

和室の一室にて一人の白髪の長髪の老人が刀を脇に精神を統一している。

 

「……何者だ」

 

一人静かに目を瞑っていた老人が置いていた刀に手を置き薄暗い部屋の一角を睨みつける。

護国の鬼の勘が何者かが要る事を教えていた。

其処から一人の男が現れた。

 

「…久しいな、訃堂。元気そうで安心したぞ」

 

それは、紛れもなく特異災害対策機動部二課本部を襲撃したゾル大佐だった。

ゾル大佐は、本部襲撃後入手したチップを部下に持たせ以前から調査させていた風鳴訃堂の居場所に単身乗り込んだ。

 

「!貴様はゾル!?本当に生きていたのか」

 

「随分と老けたではないか。…100年ぶりと言ったとこか我が友よ」

 

この日、鬼と悪魔が再会を果たした。




未来さん、ゲロインをなんとか回避。

ゾル大佐の目的は二課の聖遺物のデータと櫻井了子の身柄。
ただし、了子がフィーネか確かめる事も目的でした。

そして、特に響と戦ってもいないクリスが味方に。
しょうがないね、ショッカーなんてほおっておけないもんね。
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