改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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またの名を、ウェル博士がやりたい放題編。


142話 ウェル博士の楽しい英雄教室

 

 

 

 

「……いきなり大所帯で何事かと思えば、そう言う事か」

 

そう言うと、源十郎はウェル博士に渡されたというメモリーチップを取りいろんな角度で見る。

 

ウェル博士と話した後、響たちはS・O・N・Gの本部がある自分たちの世界に戻ると司令官である風鳴源十郎に報告する。

十人以上のシンフォギア装者の大所帯が並行世界から戻って何事かと思った源十郎は翼の報告で納得する。その際、この世界の響と向こうの響とのやり取りも説明した。

更に、この世界のマリアたちまで集まり指令室は賑やかになる。

 

「それにしても、向こうのウェル博士も無茶をする」

「それだけ向こうも余裕がないのかも…」

 

半ば、ウェル博士に強制されたとはいえ向こうの世界の戦闘記録を渡した事にかなり無茶してると言う源十郎。

向こうの響や指令であるもう一人の源十郎に許可を得たのか?

ウェル博士の事だから独断の可能性が高く、そのウェル博士も焦ってるのではと言うマリア。

 

「あの人らしい」

「…でもショッカーとどう戦ったのか気になるデース」

 

調がウェル博士らしいと納得する傍ら、中のデータが気になる切歌が見たいという反応をする。

少し考えた源十郎はある提案をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S・O・N・G本部のとある一室。

大きめのソファーを用意され何人ものシンフォギア装者たちが座り、傍らには源十郎が立っている。

彼らの前には大きめのモニターが用意され、白衣を着たエルフナインと何人かの職員が設置していた。

 

「準備が終りました」

 

機械の設置をしていた職員がそう源十郎に報告すると共に部屋を後にする。

この場には源十郎やエルフナイン、緒川を除けばシンフォギア装者しかいない。

向こうの世界の響の最低限のプライベートを守る為にこの人数なのだ。

 

「もう直ぐだね、響…」

「…うん」

 

其処には当然、この世界の未来も居り響の隣に座っている。

未来としても、平行世界の響に何があったのか知りたいのだ。

 

そして、モニターの電源が入ると共にウェル博士から持たされたメモリーチップを接続し映像を映す。

最初は、青い画面が映るが直ぐに映像が切り替わった。

 

パッパッパ~パパパパパパパパパ~

 

「え?」

「ん?」

「映画か?」

 

再生される映像から軽快な音楽が響き、源十郎を始めとした響たちは目が点となる。

更には、映像も映るが、

 

「何だろこれ?」

「自由の女神?」

「…女神じゃねえ、あの博士だ!」

 

右腕に松明を持ち左腕で本を抱えた像の様の物が映り有名な自由の女神かと言う翼だったが、顔がウェル博士になっている事に気付いたアナザー翼。

 

「自由のウェル博士?」

「アイツの頭は常に自由だろ」

 

思わず呟いた響のネームにクリスが突っ込みを入れる。

殆どの、装者が呆れた、或いは唖然とした目で映像を見る中、

 

「…昔のアメリカ映画のマネか?」

 

源十郎だけが、これがパロディーだという事に気付く。

その後も、ライオンの様に吠えるウェル博士やウェル博士と書かれた巨大な文字がサーチライトで映す演出された映像も出てくる。

 

「…どれも、アメリカ映画のオープニングに出てくる演出だな」

「やりたい放題ねえ」

 

映画好きな源十郎は、そのどれもが映画会社の演出である事を見抜き、子供マリアがウェル博士の演出に文句を言う。

その内に、映像は白いタキシードを着て軽快な音楽で踊るウェル博士が映り、更に周りにも白いタキシードを着て踊るウェル博士が大量に出てくる。

 

「うわ、キモ!」

「これ全部、CGよ」

「無駄にすげえな…」

 

下手すれば、何十人もの踊るウェル博士が映る地獄絵図にセレナすら「うわあ…」という表情をする。

流石の響たちもこれには絶句していた頃、映像が切り替わった。

 

「お、やっとか?」

「…ウェル博士の映像だけど…」

 

アナザー翼が始まったかと反応するがアナザークリスが違うという反応をする。

 

『いや…英雄って本当に良い言葉ですね』

 

「…次はなんだよ?」

「ウェル博士が付け髭で喋るだけ?」

 

次の映像が付け髭を付けたウェル博士が英雄について延々とトリビア的な事を語っているだけだった。

響たちには意味不明だったが、

 

「…もしかして、映画が始まる前に語る昔の映画評論家のマネか?」

 

唯一、映画好きな源十郎だけはウェル博士がやっている事に気付いた。

まあ、気付いたからと言って「如何だ?」と言われても困るが。

その後も、画面に映るウェル博士は永遠と英雄について語り続ける。

 

 

 

 

 

 

~10分経過~

 

『そう…つまり英雄とは…』

 

「「「「「………」」」」」

 

 

 

 

 

 

~20分経過~

 

『…それが英雄、何故なら…」

 

「「「「「……イラ」」」」」

 

 

 

 

 

~30分経過~

 

『だからこそ、人々には僕のような英雄が必要で…』

 

「…なんでコイツの英雄論を聞かなきゃいけねんだよ!」

「中身があるようで全くない」

「…脳が腐りそう」

「もう早送りして重要な部分だけ見ましょう…」

 

永遠と続く、ウェル博士の英雄論を聞き続けたクリスが怒声を上げ子供マリアやアナザー調が文句を言う。

もう、映像を早送りして重要な部分だけ見ようと提案する大人セレナ。

正直、源十郎すらウェル博士の英雄論に飽きていたので、エルフナインに映像を飛ばすよう言うが、

 

「えっと…無理です」

「無理?」

 

しかし、操作していたエルフナインは早送りは無理だと言う。

源十郎が何故と聞こうとするより早くエルフナインが口を開く。

 

「メモリー自体操作されてて早送りできません。一時停止や戻すことは出来るようですけど…」

 

エルフナインもウェル博士の英雄論には飽き飽きしていたので、源十郎に言われる前に映像を早回ししようと操作していたが、如何いう訳か映像はそのまま流される。

恐らくは、ウェル博士自体がメモリーチップに細工し、早送りだけ出来ない様にしていたのだ。

ご丁寧に、電源を消せばまた最初から見なければならないオマケ付きだ。

 

「つまり、俺たちはずっとこれを見なければならんのか…」

「アイツ無駄に技術があるな!」

『あ、早送りしようと無駄ですから』

「なんで、コッチの行動予想してるんだよ!」

 

源十郎が絶望したような口調で話し、ウェル博士の用意周到さを嘆くように言う奏。

丁度その時、画面に映るウェル博士が「早送りさせねえから」と伝え呆れるクリス。

映像を切る訳にも行かず、皆が一様に、この映像を見続けなければならないのかと絶望し掛けた時、

 

「ああ…俺が見ておくから君たちは休憩しておくといい」

「ぼ…僕も残るです」

 

源十郎が嫌そうに響たちに休憩を言い渡し、自分はメモリーチップの映像を見続ける事を言う。

一瞬喜ぶ響たちだが、直ぐに申し訳なさそうに源十郎に頭を下げる。

 

「それじゃ師匠とエルフナインちゃん、よろしく」

「その…申し訳ない指令にエルフナイン」

「骨は拾ってやるからな」

 

響、翼、クリスと順番に言うとそれぞれが一旦外に出る。

源十郎たちが目的のシーンにいくまでトイレや休憩、軽く食事に行くのだ。

響たちを見送った源十郎とエルフナインは溜息をすると映像に視線を戻す。

映像には、未だに付け髭を付けたウェル博士が、自身の英雄論を語っている。

 

それから、一時間近くが過ぎ響たちは源十郎から呼び出され再び部屋に集まった。

 

「…ああ…来たか…」

「お、お疲れ様です、師匠…」

 

部屋に戻って来た響たちが見たのは、先程より頬が痩せ目が血走ってる源十郎の姿が映る。

よっぽどウェル博士の英雄論が堪えたのだろうと思う響たち。

 

「いや、俺はまだマシだ…エルフナインくんの方が…」

 

源十郎がそう言ってエルフナインの座っていた場所に視線を送ると響たちも釣られて視線を向けた。

 

「称えよ、英雄!称えよ、英雄!!称えよ、我らの英雄に!」

 

片手を上げガンギマった目で口からひたすら英雄を称えるエルフナイン。

響たちの目から見ても明らかに正気とは思えない。

 

「エルフナインちゃん!?」

「明らかに洗脳されてるじゃねえか!!」

 

予想外な事を叫び目から光沢が消えているエルフナインの様子に響たちは焦り、響が頬を叩いたり水を飲まされたりした。

 

「はっ、僕は一体何を!?チフォージュ・シャトーと合体したウェル博士とキャロルたちは!?」

「おい、英雄どころか魔王的な動きをしてるじゃないか!」

 

響たちのお蔭で現実に戻ったエルフナイン。

その後、セレナがいれたコーヒーを飲みやっと落ち着いた。

 

「すみませんでした。僕とした事がウェル博士の英雄論を聞いて暴走していたなんて…」

 

エルフナインが申し訳なさそうに謝罪する。

源十郎と共に残ったエルフナインは一時間以上のウェル博士の英雄論を聞き続け暴走と共に妄想のような夢を見たのだ。

取り敢えずは正気に戻ったエルフナインにホッとする響たち。

源十郎も軽い休憩と水分補給で何とか持ち直し、響たちと共にソファーに座る。

 

良い所で切られたのか、映像は一時停止て止まっている。

全員が室内に戻ったのを確認したエルフナインが映像を再開する。

 

『…僕の話はこれで終わりです。さよなら、さよなら、さよなら』

「それにしても最後まで徹底してるな…」

「え、コレも何かのマネ?」

 

付け髭を付けたウェル博士の挨拶に元ネタを知る源十郎はウェル博士に唸り声を出す。

しかし、元ネタを知らない響たちには相変わらずチンプンカンプンだった。

 

 

 

 

 

そうしてると、次はウェル博士が黒板の前にいる映像が流れた。

 

『三年E組!』

『『『…ウェル先生…』』』

 

画面のウェルが大声で言うと、別の場所から声が聞こえた。

響たちはその声に聞き覚え…というかよく聞く声に何となく察した。

それと同時に、画面が引き三人の声の主が見えた。

 

「おおっ!アレは私たちデース!」

「…向こうの世界のマリアたちだね」

「あの服装懐かしいわね…」

 

その声の持ち主たちは予想通り、並行世界…向こうの世界のマリアたちだった。

ご丁寧に拘束具のまま椅子に座って、冷たい視線でウェル博士を見ていた。

 

「…それにしてもあの机と椅子…」

「リディアンに入る前の中学を思い出すね」

 

響と未来が会話する。

それも仕方ない、画面に映るマリアたちは学校の椅子に座り前には学校の机の様な物が映っている。

それにウェル博士も黒板の前で立ち、一見教師にも見える。

 

『おや、元気がありませんね皆さん。やはりここは「教えてウェル博士」の方が…」

『それで?わざわざ私たちをこの場に移動させて何をする気?』

『今回は、平行世界のシンフォギア装者の為にもショッカーに関する情報の予習といったとこです』

 

ぶつくさ何か言っていたウェル博士だが、マリアの質問でウェル博士が堂々とショッカーの事を言う。

それを聞いた響たちはそれなりにウェル博士を見直した。

 

「ショッカーに関する情報か」

「そう言えば、私たちもそこまでショッカーの事を知らないのよね」

「どうでもいいんじゃないの?組織は既にゲルショッカーになってるし…」

 

恐らく、特異災害や向こうの響がショッカーと戦う前に解説でも入れたのだろうと納得する一同。

 

響とマリアがショッカーの情報に食い付くが、既にショッカーは放棄され新たにゲルショッカーになっている事で子供マリアは無駄ではないかと言う。

子供マリアの言う事も一理ある。ショッカーは既に滅んでいるのはガニコウモルも言っており滅んだ組織よりも、現行の組織であり強敵のゲルショッカーの情報の方が価値があると思ったのだ。

 

「いや、首領自体は変わってない以上、ショッカーを知る事でゲルショッカーの行動が分かるかも知れん。それにこれを撮ったのは恐らくゲルショッカーが出現する前だろう」

 

しかし、それに待ったをかけたのは源十郎だった。

源十郎はトップである首領がそのままである以上、ショッカーの情報は役に立つかもと判断した。

その言葉に、子供マリアも納得し映像の続きを見る。

 

『ショッカーを振り返るのは良いけど、平行世界?』

『また、博士が変な事を言い始めたデス』

『黙らっしゃい!平行世界は存在するんです!あの脳筋どもと同じこと言わない。それではショッカーについてです』

 

そう言うと、映像のウェル博士は黒板に「ショッカーについて」と日本語で書く。

 

『ショッカーとは何者か?分かる人いますか?』

『はいっ!デス』

『暁切歌くん』

『悪の組織デス!』

『はい、単純バカ!』

 

「え、悪の組織じゃないの!?」

「違うデスか!?」

「コイツ等………」

「でも間違っていない筈よ、地獄大使が通信してきた時の言葉は未だに記憶に残ってるわ」

 

映像で、向こうの世界の切歌の答えにダメ出しするウェル博士。

同時に、響と切歌が反応しクリスが溜息を漏らしマリアも反応する。

 

『では次、月読調くん』

『えっと…世界的犯罪組織の秘密結社?』

『はい、正解です』

 

「世界…」

「世界征服が目的なんでしょ、世界的でもおかしくはないわよ」

 

響たちは、改めて世界征服を狙うショッカーに恐ろしさを抱き画面に映し出される世界地図に幾つもの点が付き、それがショッカーのアジトだと言う。向こうのショッカーの規模の大きさを思い知る響たち。

地図には幾つかの小国が点の色に塗りつぶされ、其処の国がショッカーに占領された国だと言う。

 

『ショッカーの起源は、第二次世界大戦時のナチスまで遡れると言われショッカーの人間に動植物の能力の付与もナチスが開発研究していた物だと言われています』

 

「なんと、ナチスが!」

「あの組織が関わっていた?」

「でも、100年以上前の組織だよね!?」

 

ナチスと言う言葉を聞いて驚く源十郎。

しかし、第二次大戦時と言えば100年は前である組織だと言う響。

そんな組織が、あそこまで強い怪人の礎になった事が納得し辛い。

 

『ショッカーの目的は、全人類を改造人間にして意のままに操る。或いは邪魔する人間をも皆殺しにして世界を手にする事…』

『要は世界征服ね』

 

「全ての人間を改造人間に!?」

「随分と壮大ね」

「そこまでして世界が欲しいのか?」

 

ウェル博士の語るショッカーの世界征服計画に響たちも改めてその恐ろしさを知る。

特に、以前の平行世界で地獄大使と戦ったクリスとマリア、奏はショッカーの本気度を知っている。

 

その後、首領と日本語で書かれた文字の下に三枚の写真を載せ、更にその下に怪人やら戦闘員といった文字も書くウェル博士。

 

『ショッカーの命令系統は至極単純と言えます。首領が命令を下し、幹部クラスの怪人が戦闘員たちを動かし遂行するのが基本です。そして、三人の大幹部は首領から出た命令を作戦を取り仕切る役目の様ですね』

 

ウェル博士がそう言い終えると画面は黒板に貼られた写真をアップで映す。

別の写真か映像から切り取ったとの若干荒いがそれでも十分な程誰か分かる。

 

「あ、地獄大使!」

「データで見たけど、随分と悪そうね」

「残りの二枚に映っている奴も大幹部かしら?」

 

写真の一枚が、自分たちの知る大幹部地獄大使だと気付く響たち。

その他には、アイパッチをした軍人風の男と黒いマントのような物を着た老人が映し出される。

 

「この人たちも大幹部?」

「たぶんな」

 

ある程度は、向こうの特異災害対策機動部二課から聞いている響たちだが、着いて早々ゲルショッカーと戦う事でショッカーの詳細な情報を知る事が無かった。

それ故に、このウェル博士の映像は響たちには新鮮とも言えた。

そう響たちが話してると映像のウェル博士とマリアたちが喋り出す。

 

『地獄大使と死神博士、後の一人は私たちも会った事が無いわね』

『まあ、そうでしょうね。この男は僕たちが日本に来る前に特異災害のシンフォギア装者が倒しましたから。

まあ、それでも知っておいても損は無いでしょう。先ず一人目の大幹部、地獄大使。』

 

ウェル博士がそう言うと映像は地獄大使の写る写真をアップする。

 

『ショッカーの最後の大幹部ね』

『変な被り物デース』

『油断してはいけませんよ、この姿は自身が改造人間であると誇示している証拠でもあります。

本名は不明、東南アジアで活動していた大幹部であり、先の大幹部が敗れた事で首領が日本に呼び寄せた大幹部の一人です。

主に現場での指揮能力や強化された戦闘員を引き連れています。そして二人目』

 

次に映し出されたのは、真ん中に貼られた写真に写る黒いマントを来た不気味な老人だ。

荒い写真と画面越しの筈の映像の筈が、老人の姿を見て自然と冷や汗を流す響たち。

 

「なんなの? …不気味な感じがする」

「うん…何と言うか迫力があるね」

 

『こうして見ても不気味な存在ね』

『怖いデス…』

 

『一見老人にも見えますが、彼もまたショッカーの大幹部の一人。

死神博士と呼ばれ、生体改造の第一人者と言える存在です。別名、「怪人作りの名人」とも言われ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「おい!」

「何ですって!?」

 

ウェル博士の死神博士の説明で驚愕な事実を聞く平行世界の装者たち。

響の横に座る未来も口元を押さえ思わず響を見る。

響は、拳を握り奥歯を噛みしめつつ映像を見続ける。

 

「やっぱり…」

「…チッ!」

 

反面、マリアは「やっぱり」と呟きクリスは思わず舌打ちをした。

改造手術、文字通り人間を改造して怪人にしショッカーの戦力にする。

それは分かったが、マリアもクリスも引っかかるのはS・O・N・Gの本部を襲撃した響は何者かという疑問だけだ。

 

『そして、最後の一人が僕らの知るショッカーの最後の大幹部、ゾル大佐です。

主に、中近東で活動しており特異災害対策機動部二課を殲滅する為に首領に呼び出され日本に配属されたそうです。

特異災害が最初に戦い倒した大幹部であり、大幹部で唯一本名が分かっている男でもあります』

 

『本名?』

『そう言えば、地獄大使も死神博士も本名を言ってない?』

『まさに秘密結社デス!』

 

『ゾル大佐の本名はバカラシン・イイノデビッチ・ゾル、第二次大戦時ドイツ国防軍の大佐でナチスにも所属していたと言われる危険な男です。

噂では、アウシュビッツのガス管理人とも言われていたそうな』

 

「ナチス所属!?」

「とんでもない大物だな」

「100年以上前の人間だろ!?」

「…もしや、ナチスにも錬金術師が?」

 

ゾル大佐の正体を聞いた響たちが口々に驚きの声を上げる。

昔の人間がそのままの姿など、錬金術とかでは珍しくも無いが、ゾル大佐の所属が所属だ。

それに、改造人間になれば年をとっても問題ないのかも知れない。

 

『ナチス…』

『未だに欧州連合のトラウマ…』

 

画面のマリアたちもナチスと聞いて額から汗が流れる。

第二次大戦の悪名高いナチスの人間がショッカーに入っているのだ。

その時、画面から軽快な音楽と共にウェル博士の顔がアップで映し出される。

 

『それでは、本日のコーナーは此処まで!次は特異災害の過去のショッカーとの死闘を僕と愉快な脳筋どもと一緒に見ていきましょう』

 

ウェル博士がそう言い終えると、画面は引いていきウェル博士とマリアたちが映し出されブラックアウトする。

響たちは、そこで一旦映像を停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…情報量多いな」

「とは言え、ゲルショッカーのブラック将軍の情報はさすがに無いわね」

「だが、これでだいぶショッカーの事を知れた。ゲルショッカーの対処の仕方も分かるかも知れん」

 

ウェル博士から渡されたメモリーチップの映像を途中で止めて一旦息をつく一同。

予想はしていたが、ウェル博士のメモリーチップ内の情報は多岐に渡り一気に聞き終えるには余りにも情報が多すぎ聞いてるだけでも疲労が出てくる。

 

「響、大丈夫?」

「う、うん」

 

特にラスト付近の情報を聞いた響は軽く返事をするがその表情は焦りのような物が見える。

 

━━━さっきウェル博士が言っていた、向こうの世界の私に改造手術って…あの時の夢って…

 

響は、クリスとマリアが並行世界に行ってる間の見た悪夢を思い出す。

翼やクリス、師匠である源十郎に存在を拒否され未来の指摘で金属の腕や体、怪物たちが自分を取り囲み不気味な男が言ったセリフ。

全ては、危険な目にあった向こうの響が見た悪夢かと考えていたが。

 

そんな、響の様子にマリアとクリスは声を掛ける事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 




ゾル大佐の戦闘の記録を書く前にショッカーの解説をしていたらウェル博士が暴れた。
原作やXDのウェル博士を見る限り、こういう事を嬉々としてやりそう。
言うなればウェル博士版、しくじ〇教室のイメージ。

並行世界に響たちは、地獄大使以外にも死神博士及びゾル大佐の事を知りました。
既に倒されている以上、脅威にはならないかと。

次回、いよいよショッカーとの死闘の情報が。
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