改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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新 仮面ライダーSPIRITSの新刊読みました。

いや~、色々言いたい事あるけど…ロンリー仮面ライダー編って何?
新シリーズじゃないよね?エピローグ的な話だよね?
JUDO以上のラスボスとか出てこないよね?


147話 助け×後悔×ごめんなさい

特異災害対策機動部二課本部。

 

本部にあるウェル博士の居るラボでは何人もの職員が慌ただしく動いている。

その職員たちは源十郎がウェル博士につけた部下たちだったが、その部下たちに命令を下してるのは一人の少女だった。

 

「…従来の抗生物質は意味が無し…。第7の棚からこの薬品をとって来て、…アナタはこの薬品とこの薬品をこの割合で混ぜて…切ちゃん、この欄にかいてある薬品の仕様を指令に伝えて」

 

「「「はいっ!」」分かったデース」

 

少女の言葉にウェル博士の部下たちは快く返事をし切歌も返事をしラボを出る。

そう、この少女こそ調でありウェル博士の部下を顎で使っているのだ。

 

「…僕が命令してる時より張り切ってるのが引っかかりますが…そちらの進展は?」

「…最初のペストのワクチン開発に目途が立った、もうワクチンの量産体制に入る。 …そっちは?」

「ある新しい抗生物質が強力なペストへの有効打になりそうで、今は簡易的な臨床試験の真っ最中です」

 

アナザー調とウェル博士はそれぞれ二種類のペストの対策を進めていた・

調の方は、ワクチンの開発に成功し量産体制に入らせ、ウェル博士はより強力だったペストに有効な抗生物質を見つけ、特異災害内で出た感染者に使い簡易的な臨床している。

これが成功すれば、ゲルショッカーの用意したペストを完全に無効化出来る筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風鳴翼に雪音クリスだと!? 馬鹿な、まだ奴等はペスト菌で弱ってる筈だ!」

「待て、1号。他にもシンフォギア装者やもう一人の立花響が居る以上、奴等は並行世界の装者のようだ。 どうやら、ブラック将軍の予想より早く来たようだ」

 

響を助けに現れたツバサとクリスを見て声を荒げるネズコンドル1号。

しかし、ネズコンドル2号が即座に並行世界のシンフォギア装者だと見抜き冷静になるよう言う。

 

一方、並行世界のヒビキたちと再び会った響の方は、

 

「もう大丈夫だよ、もう一人の私」

「…その声…向こうの世界の私?」

「声って…目がやられたのか」

「…遅かったか!」

 

響の声を聞いたツバサと並行世界のクリスは、この世界の立花響の眼が見えない事に気付くと、目の前の二体のネズコンドルを睨みつける。

それと同時に、アナザー翼たちもネズコンドルに対し臨戦態勢をとる。

 

「そっちの響の目が見えないなら早期に決着をつけるべきだろ」

「分かった、イグナイトを使用して怪人を倒す」

 

子供マリアの進言にツバサとクリスも頷き、胸元のギアを取り出した。

尤も、それを見逃すほどネズコンドルもマヌケではない。

 

「イグナイトを使うつもりか!」

「させるかぁ!!」

 

ネズコンドル2号が合図するかのように腕を振るうと、物陰から次々と人影が現れる。

ツバサたちは、ゲルショッカーの戦闘員かと思ったが違う。

 

「おい、コイツ等…」

「…ゲルショッカーの怪人め」

 

影の正体に気付いたクリスが動揺し、ツバサがネズコンドルを睨みつける。

その正体は、ネズコンドルがペストを感染させた人間たちだった。

 

「チュイィィィイイイイイイイーーーーーーーッ!! どうだ、イグナイトを使えば感染しただけの人間にまで被害が出るぞ!」

「大人しく、お前たちもペスト人間になれ!!」

 

ゲルショッカーは、並行世界のヒビキたちのイグナイトの力を厄介に思っていた。

そこでゲルショッカーは、どうすれば並行世界の立花響たちがイグナイトを使えなくなるか考えた。

その結果の一つが、ゲルショッカー始めショッカーの得意とする関係ない人間を巻き込む手だ。

政府機関である特異災害対策機動部二課が国民を見捨てる訳にはいかず、響たちも善性の高い人間だ。可能な限り被害者を減らそうと動くだろう。

それこそが、シンフォギア装者の弱点でもある。

 

幾ら、ネズコンドルのペストに罹ってるとはいえ民間人が周りに居ればヒビキたちは威力の高いイグナイトを使えない。

それこそが、ネズコンドルの狙いだった。

 

「ああ、もう! うっとおしい!!」

「駄目だよ、ツバサ! この人たち操られてるんだから」

「…とは言っても、これじゃあイグナイトもアマルガムも使えねえぞ!」

「それが怪人たちの目的か!「その通り!」…!?」

 

ネズコンドルのペストに感染した人々を何とか気絶させつつ戦う一同だが、感染させた人間の中にネズコンドルも紛れ込み、ツバサたちを攻撃する。

この戦いに、ツバサとクリスは愚か並行世界のシンフォギア装者たちも苦しめる。

 

一方、目の見えなくなった響を守りつつヒビキがネズコンドルの言うペスト人間から守る様に戦う。

 

「えーと…ごめんなさい!」

 

ヒビキが謝りながら老人の感染者を殴って気絶させる。

既に、地面にはヒビキが気絶させた感染者だらけである。

ヒビキとしては、ペストに感染した人間たちは強くもなく戦い慣れてるノイズと比べても楽勝だが、代わりに精神的な疲労で疲れている。

それでも、目の見えないこの世界の響を守ろうと躍起になっている。

 

「どうして…」

「えっ?」

 

その最中にずっと沈黙していた響の口が開きヒビキが「えっ?」と振り返る。

その間にも、感染した爺さんに当て身をして気絶させてるのは見事と言えた。

 

「どうして…私を助けたの?」

「………」

「私…アナタに酷い事を…」

「…助けたいから…助けた!」

「!?」

 

会話の最中も襲い来る感染者を殴り倒すヒビキの答えは簡素であった。

しかし、その答えに響はハッとヒビキの顔を見る。

 

「ほら…私って人助けが…趣味な部分があるから…困ってる人は放置なんて…出来ない…から…。それはアナタも一種だよね」

「………」

 

ヒビキも平行世界に渡ったクリスとマリアの報告を聞き、源十郎に渡されたデータを見てこの世界の響は自分と同じ感性だと思っていた。

ちょっと暗いが、少し話さば仲良くなれる。ヒビキはそう思っていた。

この世界だけじゃない、クリスとマリアが派遣された前の世界の立花響とも友達になれるとも。

 

「…ごめんね、この世界のお父さんやアナタの事をちゃんと考えてなかった。 あの映像を見るまで…ごめんなさい!」

 

それ故にヒビキは並行世界の自分も同じような環境だと思い込んでしまった。

その事にヒビキは響に頭を下げ謝罪するが、感染者が襲い来る為中途半端になってしまう。

しかし、それだけでも響には十分だった。

 

「あのメモリーチップの映像見たんだ。 もう良いよ…私もカッとなっただけだし…」

「もう一人の私…! 危ない、後ろ!」

 

「ごちゃごちゃ話してる暇があるなら、死ねええッ!!」

 

二人の響が話してる最中、感染者に紛れていたネズコンドル2号が先に目の見えない響を始末しようと攻撃してきた。

助けに行こうとしたヒビキだが、大勢の感染者の前で離れるに離れられない。

そのまま、ネズコンドル2号のツメが響を切り裂くかと思われた時。

見えない筈の響の蹴りがネズコンドル2号に命中する。

 

「チュイィィィイイイイイイイーーーーーーーッ⁉」

 

「えっ!!」

 

これにはヒビキどころか反撃されたネズコンドル2号すら驚く。

予想外の反撃に、ネズコンドル2号が感染者たちをクッションにしつつ態勢を立て直す。

 

「立花響ッ!! 貴様の目は見えん筈だぞ、何故俺に蹴りを当てられた!」

 

「ネズコンドル、お前は細菌を過信し過ぎたようね!!」

 

ネズコンドルたちに傷つけられた響の網膜は既に回復している。

しかし、ネズコンドルの仕込んだ細菌により響の視力は格段に落ち、ネズコンドルの姿も並行世界の自分の姿も完璧には見えていない。それどころか、響の視力は時間と共に弱まっている。

だからこそ響は、ネズコンドルにハッタリをして見せたのだ。

自分たちに注意を惹き付け、ネズコンドル同士が合流しないよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これなら如何だっ!? シンフォギア装者ども!!」

 

「危ねえ、先輩!」

 

ネズコンドル1号が感染者の一人、老婆の体を掴むとツバサたちの下へ勢いよく投げ捨てる。

その動きに気付いたクリスの声にツバサも咄嗟に避けようとしたが、下手に避ければ投げられた老婆の身が危ういと思いなおし受け止める事にした。

老婆をなんとか受け止めたツバサだが、瞬間首筋に痛みを感じる。

老婆がツバサに嚙みついたのだ。

 

「おい、先輩!」

「済まない、雪音」

 

噛みついた老婆を気絶させるとツバサが噛まれた事を心配したクリスが近寄る。

だが、直後にツバサの顔から紫の斑点が浮き上がり口内から牙が延びて来る。

 

「そんなっ!?」

「嘘だろ!?」

 

これには、他の感染者を気絶させていた並行世界のシンフォギア装者たちも驚く。

そして、それが彼女たちの最大の隙となる。

 

「あっ!?」「姉さん!」

「キャッ!?」「クリス!」

 

子供マリアとアナザークリスが感染者の牙にかかる。

直ぐに、大人セレナとアナザー翼が噛み付いた感染者を引き剥がすが、時すでに遅し子供マリアとアナザークリスの顔に紫の斑点が浮き出てくる。

 

「チュイィィィイイイイイイイーーーーーーー‼ どうだシンフォギア装者ども、仲間がペストに罹った感想は!?」

 

「テメェー、よくもクリスを!」

「姉さんを元に戻しなさい!」

 

「慌てる必要はない! お前たちも、直ぐにペスト人間の仲間にしてやる!チュイィィィイイイイイイイーーーーーーーッ‼」

 

ネズコンドルが勝ち誇ったような声を上げる。

並行世界のシンフォギア装者の乱入は予想外だったが、纏めて片付ければいいと考え甘い小娘の性格を利用した。

人のいいシンフォギア装者なら助けられそうな人間なら助けるだろうとネズコンドルは感染した子供の首根っこを掴むと感染してない並行世界のクリスや大人セレナに再び向け投げつける。

 

「クッ…」

「また!?」

 

ネズコンドルの行動にアナザー翼や大人セレナが奥歯を噛みしめる。

別段避けてもいい、しかし避ければ子供がそのまま投げつけられたまま誰かに当たるか地面に転がる。

その結果、感染者が怪我をしようが死のうがネズコンドルとしては知った事ではない。

しかし、シンフォギア装者は別だ。並行世界出身とは言えみすみす見捨てるかとは言わない。

協力していく以上、助けれそうなら助けるのが彼女たちだ。

 

だが、その結果はネズコンドル1号も予想してない物だった。

 

「させるか…」

 

「なにぃ!?」

 

老婆を受け止め時に感染したツバサが子供を抱きとめたのだ。

ツバサだけではない、続くネズコンドルの投げる感染者を受け止めたのは子供マリアやアナザークリス。

尤も、ネズコンドルのペストに感染して息も絶え絶えだったが。

 

「無茶をするなよ先輩っ!!」

「姉さんも無茶しないで!」

「クリス、お前…」

 

「…案ずるな、雪音。…既にこの身は感染している」

「…悔しいけど…もう、私達じゃ…ネズコンドルを…倒すのは不可能…に近い」

「…倒れるまでの間…感染者は…私達が…相手をする…」

 

ネズコンドルのペストに感染たツバサたち、体もだるく頭も朦朧としているが仲間を守ろうとネズコンドルの投げるペスト人間の盾になるツバサたち。

ツバサたちの決断はある意味正しい。

全員がペストに感染するより、無事なシンフォギア装者がネズコンドルと戦い倒せば助かる可能性が一気に上がる。

そして、その思いは並行世界のクリスたちにも伝わり、感染者をツバサたちに任せアームドギアを握りネズコンドルに迫る。

 

「シンフォギア装者の精神力はどうなっている! ええい、所詮死にぞこない共だ!」

 

ネズコンドルの怒号が辺りに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

何故 どうして? 広い世界の中で

運命は この場所に 私を導いたの?

 

「代わる代わる歌いフォニックゲインを高めているだと!? 同じ声でよくやる!」

 

一つの歌が辺りに聞こえネズコンドル2号の怒号が響く。

一見、一人が歌っているようだが響たちが交互に、そして時には共に歌いネズコンドル2号と戦う。

ネズコンドルの掌に付いている巨大な鋭利な爪で響たちを攻撃する。

 

繋ぐ手と手 戸惑う私のため

受け取った優しさ きっと忘れない

 

しかし、ネズコンドルの爪は響たちが避けたり腕のガントレットで防がれ響たちへのダメージが与えられない。

更に、響たちの速さと連携の所為で、感染者を盾にする暇すらない。

 

「私、右から来る! 今度は上から! 後ろに避けて!」

 

「おのれぇ!」

 

その場しのぎの笑顔で 傍観してるより

本当の気持ちで 向かい合う自分でいたいよ

 

それから、ヒビキの誘導も有効に働き響が完全にネズコンドルの爪を避ける。

それに対して、ネズコンドルが片方の響を攻撃してると、もう片方の響の妨害が入り、着実にネズコンドルへのダメージとなっていく。

響の拳にヒビキの膝蹴りがネズコンドルに直撃する。

 

きっと どこまでも行ける 見えない 未来へも飛べる

この気持ちと 君の気持ち 重なればきっと

 

そして、響たちの攻撃を受け続けたネズコンドルは、

 

「ええい、こうなれば空からの攻撃でお前たちを嬲り殺しにしてやる!」

 

そう言うと、両腕を広げ脇の下から翼を出し空を飛ぼうとジャンプする。

このまま、空を飛び響たちを翻弄し隙を見てヒビキにも細菌をうつして苦しめようと企む。

尤も、その行動は響たちに読まれていた。

 

We are one 一緒にいるから

Hold your hand 心はいつでも

 

「もう一人の私、ネズコンドルが空に逃げる!」

「なら!」

 

二人の響が片腕のガントレットのギアを引っ張るとネズコンドルと同じくジャンプして腰のブースターにも火を入れる。

目標は当然。

 

「チュイィィィイイイイイイイーーーーーーー⁉」

 

先に飛び立っていたネズコンドルだ。

 

今を生き抜く為に 私たちは 出会ったのかもしれない

私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ

 

響たちの予想外の行動、空なら自分の方が上だという慢心、響が既に細菌によって苦しんでるという油断。

全てがネズコンドルの行動を遅くしていた。

そして、二人の拳がネズコンドルの胴体に減り込むとギアも一気に戻り衝撃がネズコンドルを襲い、その際に口元の鋼鉄製の嘴にヒビが入り砕け1号と同じ口になる。

 

微笑みをSing out with us

 

「チュチュイィィィイイイイイイイーーーーーーー‼」

 

断末魔を上げ空から落とされたネズコンドルは、そのまま地面へと叩きつけられ爆発四散する。

ネズコンドル2号は響たちに倒された。

 

 

 

 

 

「チュイィィィイイイイイイイーーーーーーー⁉ 2号が敗れただと!」

 

ネズコンドル2号が響たちに倒され爆発した事は、直ぐにネズコンドル1号も知る。

この時、ネズコンドルの脳内に「撤退」の文字が浮かび上がる。

 

━━━しかし、撤退したとて此処まで順調だった作戦が失敗した以上、ゲルショッカーに俺の帰る場所など…

 

相方が敗れ、作戦も失敗しオメオメと帰るのを躊躇するネズコンドル1号。

ゲルショッカーは、ショッカーの時より厳しく撤退などすればブラック将軍か首領直々に処刑される可能性がある。それがネズコンドルの撤退を選ぶ事が出来ない理由だ。

そして、その思考がネズコンドル1号の最大の過ちであった。

 

「余所見してんじゃねえッ!!!」

 

「し…しまったッ!」

 

ネズコンドルを守る様に配置されていた感染者を搔い潜りアナザー翼がアームドギアの双刃刀を振り回し、そのままネズコンドル1号の肩に食い込ませる。

注意力が散漫になっていたネズコンドルが直ぐに行動しようとするが、アナザー翼がそれより早く力を入れネズコンドル1号の肩が切り裂かれ片腕が宙を舞う。

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

「オレのクリスの仇だ! 後は任せるぜ」

「あいよ」

 

腕を切り落とされたネズコンドルが悲鳴を上げ切断された箇所を触る。

その様子にアナザー翼が満足したのか引くと、次は奏が自身の持つアームドギアの槍をネズコンドル1号に投げた。

投げられた槍は一瞬にして巨大化しネズコンドル1号に迫る。

更にダメ押しとして投げた奏も槍の柄の先端に蹴り込み加速させる。

 

「翼の戦い方で地獄に戻れぇ、怪人野郎ッ!!!」

 

SPEAR∞ORBIT

 

「チュイ…」

 

アナザー翼が食らわせたダメージにより、反応が遅れたネズコンドル1号がなすすべなく奏の槍に押しつぶされた。

その際に爆発も起こしネズコンドル1号と2号は完全に消え去った。

響たちの勝利が決まり、アナザー翼と奏がハイタッチなどして喜ぶが、その喜びも長くは続かない。

 

 

 

 

 

「「「ハア…ハア…ハア…」」」

「おい、クリス! しっかりしろよ!」

「先輩…しっかりしろよ、先輩!」

「姉さん!」

 

ペストを操り感染させた二体のネズコンドルを倒したが、感染した一般人どころか並行世界の翼たちも元気になるどころか病状が進んでいる。

念のためにと地面に寝傍っていたツバサたちの意識もアッサリと立ち消え昏睡に近い状態になっている。

並行世界のクリスにアナザー翼や大人セレナが呼びかけるが目を開けることが出来ず浅い呼吸を繰り返す。

 

そして、

 

「しっかり! しっかりしてよ、もう一人の私!」

「見えない…何も見えない…」

 

ネズコンドルを倒して緊張の糸が切れたのか、響のふら付いていた体が力なく地面に倒れ込みそうになってヒビキが支え必死に呼びかける。

元々、ネズコンドルへの怒りと気合で戦えていた響だ。元凶であるネズコンドルを倒したが、ネズコンドルに感染させられた最近はどうしようもなく響を蝕み視覚を奪い体の機能も低下し続ける。

大した医療知識もないヒビキだが、響の状態はよくない事は分かる。

だからこそ、必死に呼びかけているのだ。

 

「ヒビキ、そっちはどうだ!?」

「奏さん! もう一人の私が大変なんです!」

 

ネズコンドルを倒した後で周囲を見回っていた天羽奏がヒビキと合流し状態を聞く。

しかし、ヒビキからは朗報とはとても言えない言葉であった。

 

「元凶を倒しても病気だけが残るタイプだったか、本部に連絡を入れよう」

「はい」

 

響も並行世界の翼たちもこのまま野晒しにする訳にはいかず、当然ネズコンドルが操っていた一般市民の感染者も運ぶためにも本部に連絡して救急車などを寄こしてもらおうとする。

しかし、本部へ幾ら連絡を入れても聞こえるのは話し中の音位だった。

 

「一部、通信が出来ないって聞いてるけど…」

「まさか、ゲルショッカーが!」

 

奏の脳裏にゲルショッカーの別同部隊がガラ空きになった特異災害対策機動部二課本部に何か仕掛けたのではと思い声を出す。

同時にヒビキたちもカッと目を見開きつつ、あり得ると考える。

その時、だった。

 

「ゲルショッカーが如何したって?」

「まさか、まだ奴等が動いてるのか!?」

 

「「!?」」

 

後ろから聞いた声がし、ヒビキと奏が振り向いた。

其処には、シンフォギアを纏った翼とクリスがスーツケースを持って立っている。

ふと、ヒビキが横を向くと倒れているツバサに呼びかける並行世界のクリスの姿が。

 

「え…ええと、もしかしてこの世界の翼さんにクリスちゃん?」

「お前ら、ネズコンドルのペストで苦しんでたんじゃ…」

 

「恥ずかしながら、怪人の不意打ちを受けてなあ…」

「…あのメガネとちびっ子博士がワクチンの開発に成功したんだよ、アタシ等で臨床したから早く来れたんだよ」

 

奏の言葉に恥ずかしそうに答える翼と複雑そうに言うクリス。

ウェル博士とアナザー調の協力でネズコンドルのペストへのワクチンの開発が完了し現在、様々な機関への連絡で奏の通信が繋がらなかっただけだった。

この世界の翼とクリスが臨床して効果が出たので、ワクチンを量産して此処に来たのだ。

 

「良かった…良かったよ、もう一人の私~~!!」

「う…うん…」

 

翼たちが持ってきたワクチンは直ぐに響たちに投与され、症状が劇的に軽減していき紫の斑点や口元の牙が元に戻っていく。

そして、起き上がるとヒビキたちからの歓声が上がり、この事件は幕を下ろした。

 

その後、翼たちが持ってきたワクチンと同じものが量産され暴れる感染者に次々と投与され元に戻る人々の様子に源十郎たちもホッと胸をなでおろした。

 

 

 

 

 

 

辛くも、ゲルショッカーの作戦を阻止する事に成功した並行世界の響たち。

しかし、ゲルショッカーの次なる作戦の為により強力な怪人を造っている。

響たちは並行世界のシンフォギア装者たちの協力を得てゲルショッカーの目的を阻止出来るのだろうか?

 

 

 

 

 

 




原作の仮面ライダーの本郷猛も、見えない(薄っすら見える)状態だったからね。
響も同じ感じです。

ワクチンの完成が早いと思いますが、原作の仮面ライダーも大概早かったので。
きっと、城北大学の助けもあったんでしょう。


それでは、次回予告でも。

ゲルショッカー首領「ブラック将軍、次はペット作戦でカナリコブラの能力を使いシンフォギア装者たちを頭を狂わせるのだ! そして、ネコヤモリの能力も使い確実に立花響を殺せ。
ゆけゲルダムよ、シンフォギア装者を抹殺し東京を手に入れろ『ペット作戦始動! シンフォギア装者を地獄におとせ!』でまた会おう」


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