改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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12話 特異災害対策機動部二課VSショッカー 後編

 

 

 

遠くで爆発音が聞こえ黒いタイツ姿の男たちがたまに横切る。体調も落ち着いたし響には「此処に隠れてて」と言われたけど音のしてる方に行ってみようと思う。危険なのは分かってるつもりだけど私にも何か出来るかも知れない。それに、響に何があったのか分かるかも知れない。あの怪物たちと響がどう関係してるのか私は知りたい。

 

「…響!」

 

何か嫌な予感がする。もしかして、響がまた遠くに行くような予感が。

私の足は爆発音のする場所まで駆けて居た。

 

 

 

 

 

 

 

「完全聖遺物の小娘ごときが!」

 

「クソっ、蛾の癖に早え!」

 

ネフシュタンの鎧の娘はドクガンダーとの戦闘に入るが指からのロケット弾に苦戦を強いられる。

少女も負けじとネフシュタンの鎧の鞭を使うが自由に飛び回るドクガンダーにかすりもしない。

 

「空中戦は素人のようだな!小娘!」

 

無数のロケット弾がドクガンダーから発射される。

ネフシュタンの鎧の鞭で捌くが幾つかのロケット弾が命中する。

 

「うわあああ!!」

 

「小手先で対処仕切れる程、ショッカーは甘くはない!」

 

 

 

 

 

 

 

「その首貰った!」

 

クラゲダールの再生の終えた触手が響へと迫る。それを、ギリギリで回避する響。

動きが明らかに良くなってる事に驚くクラゲダール。しかし、

 

「俺の存在を忘れてもらっちゃ困るな!」

 

地面から地獄サンダーの腕が響の足を掴む。動きが止められた響はクラゲダールの触手の一撃を受ける。

触手で殴られた響は地面へと倒れる。其処へ、

 

「うわあああ!!」

「え!?」

 

ドクガンダーのロケット弾に叩き落されたネフシュタンの鎧の娘が響の前に落下する。

響はネフシュタンの鎧が所々ひび割れが起こってる事に気付く。

 

「ふっははは、完全聖遺物の小娘。恐るるに足らず!」

 

笑い声を上げながら降りて来るドクガンダー。更に、此方に来るクラゲダールに地獄サンダー。

そして、未だに無数の戦闘員が響達の退路を断つ。

 

━━━このままじゃ…こうなったら一か八か!

 

響がネフシュタンの鎧の娘の前に立つ。即ち怪人達の前に立ち塞がる。

 

「ハアアアアアアアアアアア!」

 

響が両手を自分の前にして集中する。そして、両掌の間からオレンジ色に輝く光が生み出る。その姿に驚きつつ警戒する怪人達だったが、その光が爆発し響は地面へと倒れる。

 

「何だ今のは?」

「ただの虚仮威し(こけおどし)か!?」

 

その様子に怪人達が嘲笑う。地面に倒れた響が何とか立ち上がるが、

 

「やっぱり私じゃダメなのかな…」

 

風鳴翼の言う通り本気でアームドギアを使おうとした。しかし、アームドギアはそれに答えてくれなかった。アームドギアならきっと、あの怪人達も倒せる筈と考える響。

 

「…お前、歌わずにアームドギアを使おうとしてんのかよ!?」

「え?」

 

ネフシュタンの鎧の娘が響に呆れながら呟く。どうやら少しだけ気絶していたようだ。

 

「只でさえ、短期間でアームドギアを手にしようとしてる癖に何で歌わねえんだよ!」

「…あははは…私歌えないんだ…」

「歌えないって…!」

 

「二人仲良くあの世へ逝けぇぇ!!!」

 

ドクガンダーが両手のロケット弾をネフシュタンの鎧の娘と響に撃ちまくる。無数のロケット弾が命中し爆発して辺りには煙が漂い視界が悪くなる。

 

「撃ちすぎだぞ、ドクガンダー!」

「心臓は残ってるんだろうな!?」

 

視界が悪い中、響達の死体を確認しようと近づくクラゲダールと地獄サンダー。だがあるのは壁の様な物が立ち塞がった。

 

「壁?」

「立花響は何処行った!?」

 

怪人達の前に壁の様な物が立つ。最初は砕けた岩が層にでもだろうと考えたがそれにしては奇麗過ぎる。っと其処に、

 

「剣だ」

 

「「!?」」

 

響ともネフシュタンの鎧の娘でもない声にクラゲダールと地獄サンダーは壁らしきものの上を見る。

そこには、

 

「風鳴翼!?貴様、まだ入院していたのではなかったのか!」

 

「もう何も、失うものかと決めたのだ」

 

「おのれ、くたばり損ないが!!」

 

壁の正体は翼が出した巨大な剣であり、風鳴翼は突き刺した巨大な剣の上で仁王立ちしていた。

 

「翼さん!」

「あいつ…アタシまで…」

 

剣が盾となり響もネフシュタンの鎧の娘も無事だった。翼が視線を響に向ける。

 

「立花、私も十全じゃない。それに本部とも連絡がつかない、急いでこいつ等を片付ける必要がある。だから怪人の一体は任せてくれ」

「翼さん…はい!」

 

「舐めるなぁぁぁ!!」

 

攻撃を防がれたドクガンダーが翼に向けロケット弾を放つ。翼は一旦、響達の方に着地し出した剣でロケット弾を受け止めるが、

 

「…長くは持たんか」

 

翼の目に剣がひび割れていくのが分かった。そう長くは持たない。

更に、周囲には無数の戦闘員が三人に近寄っていた。戦闘員は強くはないがこれだけの数は厄介と言えた。

 

「おい、アタシの話を聞け」

「え?」「なに?」

 

何か思いついたのかネフシュタンの鎧の娘が二人に語りだす。

 

 

 

 

ドクガンダーのロケット弾に翼の出した巨大な剣が壊れ崩れる。

崩れた剣の煙でまた見えないが、其処に人影が現れる。シルエットからネフシュタンの鎧の娘だ。

 

「覚悟でも決めたか?」

 

ノコノコ一人姿を現したネフシュタンの鎧の娘。大方二人を逃がすための囮だろうと考え地獄サンダーは戦闘員たちに大きめの包囲網をつくらせる。

しかし、ネフシュタンの鎧の娘は不敵に笑う。

 

「吹っ飛べ!アーマーパージだ!」

 

次の瞬間、ネフシュタンの鎧の娘は自身のネフシュタンの鎧をパージし無数の破片にする。

破片となった鎧は周囲の戦闘員を貫きさらに怪人にも襲い掛かる。

 

「なんだと!?」

 

ネフシュタンの鎧の破片が次々と戦闘員を貫き怪人達が連れてきていた戦闘員が全滅した。

響と翼は事前に聞いていて身を低くしてネフシュタンの鎧の破片をやり過ごした。

 

「凄い、あれだけ居た戦闘員が壊滅した」

「凄いよ、あの娘」

「あの娘じゃねえ!アタシの名は雪音クリスだ!」

 

響と翼の言葉にテンションが上がったのか少女は自分の名を言う。響がボソっと「クリスちゃん」と呟く。

その言葉に少し顔を赤くするクリス。

 

Killter Ichaival tron

 

「う…歌だと!?」

 

怪人達はクリスが突然歌った事に驚く。

 

「この歌って…」

 

クリス突然歌った事に響達も驚く。そして、歌うクリスの周りにエネルギーが渦巻く。

 

「クリスちゃんも…」

 

「あの小娘も装者だというのか!?」

 

「見せてやるよ、怪人ども。イチイバルの力を!」

 

クリスの姿が赤い色の多いシンフォギアを纏ったの姿となった。

 

「ついでに教えてやるよ怪人ども、アタシは歌が大っ嫌いなんだ!そんなアタシに歌わせやがって!!」

「歌が」

「嫌い?」

 

「ほざけぇ!貴様が勝手に歌ってるだけだろうが!!」

 

クリスに向けドクガンダーが再びロケット弾を撃ち込む。

 

疑問…? 愚問! 衝動インスパイア

6感フルで感じてみな

 

クリスが両手にボウガンを取り出し変形させる。ボウガンが一瞬でガトリング砲に代わる。

 

『BILLION MAIDEN』

 

両腕のガトリング砲から銃弾が雨あられと撃ちまくる。銃弾はドクガンダーのロケット弾に命中し次々と撃ち落とす。

 

絶ッ! Understand? コンマ3秒も

背を向けたらDie

 

「この俺と撃ち合うだと!?」

 

ドクガンダーはただ驚愕するしかなかった。

 

 

 

 

「連れてきていた戦闘員は全滅した!しかし、貴様を拉致すればまだおつりは来る!」

 

「御託はいい、来い。怪人!」

 

風鳴翼が地獄サンダーとの戦闘に入る。

翼の剣劇に素手で対応する地獄サンダー。偶に地面に潜って蟻地獄を作り翼を地中に引きずり込もうとするが翼も近くの木を切り倒し足場にする。

 

 

 

 

 

「は~…」

 

響が構えて精神を集中する。もう一度アームドギアを使うためだ。

 

━━━エネルギーは感じる。でもそれがアームドギアにならないなら、それをぶつけるだけだ!お願い、私に答えてガングニール!

 

響の右腕のギアが蒸気を上げ開く。

 

「いい加減死んで貰うぞ!立花響!」

 

クラゲダールが触手で再び響を拘束しようとする。しかし、響はクラゲダールの触手を掴む。

 

「掴んだだと!?それなら電撃を喰らえ!!」

 

クラゲダールの電撃が響を襲う。ダメージはくるが響はクラゲダールの触手を思いっきり引っ張る。

 

「な!?」

 

━━━雷を握りつぶすように!!

 

響の腰の部分がスラスターとなり火を噴く、一気にクラゲダールに接近する。予想外の動きにクラゲダールも対応が出来ない。

 

━━━最速で最短で真っ直ぐに一直線に拳を叩きつける!!

 

響の拳がクラゲダールの胴体に入る。そして、拳はクラゲダールの体を貫く。

 

「ば…馬鹿な!?」

 

真っ二つとなったクラゲダールはそのまま爆発し、響は無事着地する。

 

「わ…私にもできた…」

 

響、クラゲダールの撃破に成功。

 

 

 

 

 

 

 

 

傷ごとエグれば忘れられるってコトだろ?

イイ子ちゃんな正義なんて剥がしてやろうか?

 

「こ…こんなバカな!?この俺が押されてると言うのか!?」

 

ドクガンダーの声に焦りが伺える。赤いシンフォギア装者…雪音クリスの攻撃が一層激しくなったのだ。

 

「アタシのとっておき持ってきな!」

 

クリスの腰の部分のアーマーが開きミサイルポッドが出て、全てのミサイルがドクガンダーへと発射される。

 

『CUT IN CUT OUT』

 

「な、何だこの物量は!?」

 

HaHa!! さあIt's show time 火山のよう殺伐Rain

さあお前等の全部 全部 全部 全部 全部

 

ガトリング砲を未だ撃ち続け更には大量のミサイルにドクガンダーの対応が追い付かない。遂にはドクガンダーのロケット弾が撃ち漏らしたガトリングの弾やミサイルがドクガンダーに命中する。

 

「ぬおおおおおおおおお!!」

 

ドクガンダーは防御して耐える。耐え切れば反撃のチャンスがあると睨んだ。しかし、

 

「本命はこっちだ。バ~カ」

 

クリスの声にドクガンダーが視線を戻す。其処には大型ミサイルに乗ったクリスが此方に迫っていた。

 

否定してやる そう…否定してやる

 

「これがシンフォギアの能力だと!?」

 

回避も間に合わずドクガンダーはクリスの大型ミサイルが直撃し大爆発を起こした。辺りに破片が散る中クリスは平然と着地する。

 

「ハア、ハア、ハア…ショッカー、アタシはお前たちの存在総てを否定してやる」

 

雪音クリス、ドクガンダーを倒す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?クラゲダールもドクガンダーも殺られただと!?」

 

地獄サンダーは予想外といった声を出す。それだけクラゲダールもドクガンダーも弱くはない。寧ろ対シンフォギア用に強化改造手術までされていた。

 

「後はお前だけだ、地獄サンダー!」

 

翼が地獄サンダーに剣を向けて言い放つ。それに一瞬怯むが、

 

「俺はショッカーの改造人間、地獄サンダーだ!貴様なんぞに!」

 

地獄サンダーが一気に迫るが翼も一気に動き、二人の体が交差する。

翼が自分の剣を納めると共に地獄サンダーが膝をついた。

 

「貴様…明らかに…絶唱を使った時より動きが…良くなっている。…あの時…手を抜いていたのか?」

 

「…私は常に全力で戦っている。一つ言えるのはシンフォギアは装者の心象で強さも変わる。それだけだ」

 

「そんな…欠陥品に…」

 

そう呟き地獄サンダーが爆発する。それを憐れむような目で見る翼。

 

翼、地獄サンダーを撃破。

 

響、翼、クリスの三人は無事、怪人達を撃破した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「イーヒッヒッヒッヒッヒ!!」

 

響達が怪人達を撃破したころ、特異災害対策機動部二課本部でも戦いは佳境に入っていた。

弦十郎とピラザウルスが互いに拳を交える。弦十郎とピラザウルスの血が辺りに散らばり心の弱い職員は気絶する者も居た。

そして、互いの拳が同時に相手の顔を捕らえ打ち込む。

 

「ク、クロスカウンター!?」

「…どっちも動かないぞ?」

 

弦十郎とピラザウルス。まるで時間が切り取られたかのように二人は動かない。一分…十分…実際はもっと短いが特異災害対策機動部の職員にはそう感じていた。

先に倒れたのは弦十郎だった。

 

「指令!?」

「指令が負けた!?」

 

職員たちの悲痛な叫ぶが飛び交う。あの指令が…映画を見ただけで強くなれる人類なのか怪しい指令が負けた事が信じられない。

 

「…俺は…勝った…勝ったぞ…」

 

ピラザウルスが勝利宣言を上げようとするがガッツポーズを途中まで掲げ力尽き倒れる。その直後に爆発が起こる。その様子に職員たちは茫然とし残った戦闘員は逃げて行った。

 

「あ、相打ち?」

「いや、俺が勝っただけだ」

 

先に倒れた弦十郎が立ち上がる。顔中血まみれで、ピラザウルスのパンチの影響か膝にきていたが。

特異災害対策機動部二課本部の戦いも終わった。

何人か殺されたが囚われていた職員を解放し本部コンピューターに何か仕掛けられてないか調べる事に集中し翼への連絡が遅れた。

 

弦十郎は本部の移転を考える。ショッカーにこの場所がばれてる以上、何処かに遷した方が良いだろうと考思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翼さん、私やりました!アームドギアが使えたんです!これで私も…!?」

 

翼の下に響が駆け足で寄っていく。初めてアームドギアを使えて嬉しかったのだ。

しかし、響の目に翼がクリスに向け剣を向けてる光景が映る。

 

「翼さん!?どうして!?」

「忘れたのか?立花。この娘…雪音クリスはネフシュタンの鎧を奪っていた事を」

「それは…」

 

翼の言葉に響は口ごもる。響としては助けてもらった恩もあるがネフシュタンの鎧も無視出来ない事は理解している。

 

「ハア、此処で決着を付けてやろうか?」

 

クリスの方も手に持つガトリング砲を翼に向ける。響を攫うにしろ逃げるにしろ翼の存在は無視できない。

二人が睨み合う中、響の耳が妙な音が聞こえる。何かが飛び落下するような音。響が上を見ると飛行型のノイズがクリスに向かって釘の様に細くなり落ちていくところだった。

 

「!?危ない!!」

「は!?」

 

咄嗟に響はクリスを押し出す。落下するノイズに響は肩から背中までの傷を負う。

 

「ノイズ!」

 

翼が落下するノイズを切り捨てる。

 

「お、おい!お前、何やってるんだよ!?」

 

倒れる響を抱き抱えるクリス。

 

「ごめん…クリスちゃんに当たりそうだったから…遂…」

「ば、馬鹿にしてるのか!余計なお節か…え?」

 

響を心配そうにしていたクリスだったが響の傷口を見て固まる。響の体の中の機械が目に入って言葉を失った。その直後に抱き抱えていた響の体を押し退けて翼が抱きとめる。

 

「おい、一体何を!?」

 

「…ざけんなよ…」

 

「…クリスちゃん?」

 

助けてもらって響をぞんざいに扱い怒る翼。突然の事で茫然とするしかない響。

 

「ふざけんなよ!お前もショッカーの怪人だったのかよ!?」

 

そう叫ぶとクリスは響にガトリング砲を向ける。響の中の機械を見てクリスは響が改造人間である事を始めて知った。

 

「…クリスちゃん」

「待て!立花は違う!立花は」

 

「違うならその体の中の機械は何だ!?今の医学でも、そんなもの入れられない事くらいアタシだって知ってる!!そんな事が出来るのはショッカーくらいだ!」

 

「待つんだ!立花「響?」はって、え?」

 

翼が別の人間の声に反応した。声のした方を見ると小日向未来が響の傷口を目撃した。

 

「…未来…」

「だ…誰だ!?」

「響、その体どうしたの!?あなたは本当に響なの!?」

 

傷を負った響に未来が詰め寄る。響が傷を負ったのは心配だが中から機械が出て急速に回復する姿に目の前の響が本当に響なのか分からなくなった。

 

「未来…私は…」

 

「おい、危ないから近づくな!此奴はショッカーの改造人間だ!!」

「ショ、ショッカー?改造人間?」

 

クリスが近づく未来を静止させる。ショッカーの改造人間なら何をするか分からないからだ。

 

『…とんだ茶番ね』

 

場が混沌としてきた頃に一人の女性の声が聞こえた。全員が声のした方を見る。

海の見えるスポットの手すりに凭れかかる女性が居た。金髪の全身黒の服をした女性だ。

 

「フィーネ」

 

「フィーネ?終わりの名を持つ者…」

 

『クリス、あなたにはほとほとガッカリよ。命じた事も出来ずショッカーの怪人と戦うなんてね。本当に失望したわ』

 

その言葉にクリスは響をチラッと見た後、フィーネに口答えする。

 

「あんな奴が居なくても私一人で戦争の火種を消してやる!ショッカーも纏めてぶっ飛ばせば、あんたの言うように人は呪いから解放されてバラバラだった世界は一つになるんだろ!!」

 

「世界を一つに?」

 

クリスの言葉に未来が反応する。最も、この中で一番状況が分からないが。

その言葉を聞いてフィーネは溜息を漏らす。

 

『もうあなたに用はないわ』

 

フィーネがクリスに興味を無くした方に言い放つ。愕然とするクリスだが、フィーネは構わず手を光らし散らばったネフシュタンの鎧を回収する。その後、翼にノイズを数体相手にさせてる間に海の方へ飛び込む。

 

「待てよ、フィーネ!!」

 

後を追う形でクリスも移動してしまう。その場には響と翼、未来が残った。

 

 

 

 

「…未来…私は…」

 

傷が完全に回復した響は未来になんと説明すべきか迷った。一応傍には翼も居たが翼自体なんと言えばいいか分からない。

 

━━━不味いよ、このままじゃ未来を完全に巻き込んじゃう。どうすれば…

 

「…ねえ」

「!」

 

最初に口を開いたのは未来だった。

 

「あなたは本当に響なの?」

「?」

 

言葉の意味が今一理解できない響。しかし、次の言葉で理解が追い付く。

 

「私の知ってる響はもっと優しくて話し合いを大事にする娘なの。あなたみたいな乱暴者じゃないわ」

 

「!?」

 

ショックだった。大好きな親友が自分を偽物扱いしたことに。だが、それと同時に響にある案が浮かぶ。

 

「そんな言い方は!」

「良いんですよ、翼さん」

 

あんまりな言い方に翼も訂正させようとしたが響が止めた。

 

「あ~あ、どうして分かっちゃたんだろ。せっかく()()()()()()()()()()

 

その言葉に驚愕する翼。目つきが鋭くなる未来。

 

「やっぱりあなたは偽物なの!?じゃあ本物の響は何処!?」

 

「本物?そんなのもう何処にも居ないよ。もう死んじゃったんだから」

「お、おい立花!?」

 

「!?…嘘。返してよ、返してよ!私の太陽を!」

 

「死んじゃったらもう帰って来ないよ。それにしても残念だったな…本物の代わりに私が未来の親友になる筈だったのに…」

 

次の瞬間、辺りに乾いた音が響く。未来が響にビンタをしたのだ。

痛かったのか、未来が涙目で手を押さえる。

 

「最低! もう二度と私に話しかけないで!化け物!!

 

そう言い残して未来は走っていった。目から涙を流して。

茫然と見送る響に翼が怒鳴るように言う。

 

「立花!何故あんな事を言った!あれでは…」

「…しょうがないじゃないですか。未来の性格上、私に何があったか知ったらもっと深入りして完全にショッカーに狙われてしまう。今ならまだ間に合うと思うんです。それにしても、私から未来に話しかけた事なんて一度も無いのにな…でも、これで未来と離れられると思うとせいせいしますよ」

「…なら、何でお前は泣いてるんだ」

「な、泣いてなんて…」

 

響が自分の顔を触る。そこで涙が溢れ出てる事に気付いた。

 

「あれ?…私…なんで…」

「…私の胸を貸してやる」

 

戸惑う響に翼は抱きしめそう言った。最初は混乱する響だが直に鳴き声に代わる。

 

「未来…未来!嫌だよ!このままお別れなんて嫌だよ!また一緒に過ごしたいよ!!未来!!」

 

泣き叫ぶ響を撫でながら翼は改めてショッカーを倒す事を誓う。




フィーネはクリスに響に対して同情心を持たないよう改造人間とは話してません。
クリスはネフシュタンの鎧よりイチイバルの方が強そうだと思います。

誤解が誤解を呼んで響にとって最悪な事態に。
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