シンフォギアXD消したくないし強制引退か…。
アーモンドアイ………
パソコンはパソコンで勝手にメール機能がバージョンアップしたようでサインアップとかが煩くてメールそのものが見れもしない。
はじまります
筑波山のゲルショッカーのアジトでの戦いに勝利した響たち。
しかし、後味の悪い勝利の味にヒビキたち。それで落ち込みつつも前に進む。
そんな日から一夜たち、響たちだが……
「緒川さん、大丈夫ですか?」
「医者からは、全治三か月だそうだ」
「エージェントの緒川さんが入院だと、諜報部の動きが鈍りそうですね」
特異災害の司令部では、源十郎とオペレーター席の二人がゲルショッカーの怪人に負傷させられた緒川の話をしていた。
幸い、早期に病院に運ばれ治療された事で命は助かったが復帰に時間が掛かる事が懸念されている。
それだけ、緒川の諜報を当てにして証拠でもあり、源十郎は歯噛みする。
「それにしても、あの緒川さんが……」
オペレーターの友里あおいがそう呟くとキーを撃ち込み正面の大型モニターに映像を映し出す。
映像は、並行世界のシンフォギア装者と緒川を蹂躙するゲルショッカーの改造人間 イノカブトンの姿だ。
一斉に並行世界のシンフォギア装者の攻撃を受けようがピンピンとし逆に次々と殴り倒し、体を丸めた「イノカブトンとげ車」に歯が立たない子供マリアたちの姿が映る。
「恐ろしく強いですね」
「……あの突破力、恐らく俺でも無事ではいられんな」
イノカブトンの戦闘映像を見て源十郎も弱音を吐く。
恐らく、自分が正面から止めようとすれば吹っ飛ばされる、或いは回転する棘にバラバラにされると考える。
それだけ、映像越しのイノカブトンの「とげ車」の力は凄まじかった。
「並行世界のマリアくん達は?」
「現在、シミュレーションルームで缶詰です」
「ノイズは今まで戦った怪人での戦闘訓練をしてるようです」
子供マリアたち並行世界のシンフォギア装者たちは、本部に戻ってからシミュレーションルームでノイズや今まで戦った怪人相手にトレーニングをしていた。
しかし、幾ら倒そうがイノカブトンに勝てるビジョンが見えず泥沼化しており響たちも協力している。
司令部のモニターにも奏やセレナがノイズ、戦闘員、ショッカー改造人間と戦っているが顔色があまり良くない事が伺える。
目の前に要る蜘蛛男と毒トカゲ男をアタシの槍が貫き消滅する
その死角から迫っていた戦闘員もアタシの蹴りでぶっ倒す
訓練室でどの位怪人を倒したっけ?
「ハア……ハア……」
ずっと怪人とノイズを相手にしてアタシの息をするのもしんどくなっている
他の連中を見回せば、皆アタシみたいになっているな
「その……少し休憩した方が良くないか? 奏」
息が上がってるアタシに気付いたツバサが休むよう言うが、汗だくの顔を手で拭ってツバサに言ってやった
「まだだ……こんなんじゃ、あのイノシシ野郎を倒せねえ」
「イノシシ……イノカブトンか」
「……映像でも見たけど、そんなに強いのか?」
ツバサに付いて来たクリス(……どっちの世界のだ?)もアタシ等の戦ったイノシシ怪人の実力が気になってるようだ
正直、思い出すと武者震いしちまう
「アタシの槍も賢い方のチビの光線も弾かれて男勝りなツバサの剣も通じない。 アレじゃ響の拳も翼の大剣もクリスの弾幕も効果があるか……」
その言葉を聞いてクリスが身震いした
多分、回転するイノシシに全弾一斉射撃しても止まらず、そのまま轢かれる事を想像したんだろう。 アタシだってそうだしな……
「なら、私も特訓しないと」
「……正直、此処で訓練しても無駄な気がしてきたけど」
暫く、奏とツバサたちの会話を聞いていた響も特訓を改めてしようと決断する。
しかし、奏と同じ時にシミュレーションルームで訓練していた子供マリアが「時間の無駄」だと言い響たちの方に寄る。
その表情は、諦めに似た目をしてる事に気付く。
「そんな、無駄なんて……」
「幾ら、怪人を倒してもイノカブトンを想定しての訓練は無理がある。 回転アタックの動きはどうしてもね……」
確かに、今まで戦った怪人のデータでの戦闘は良い訓練にはなるだろう。
だが、あのイノカブトンに比べればどうしても見劣りしてしまう。
似たような攻撃法でアルマジロングがいるが、突進力が格段に違い「とげ車」の攻略が見えない。
「はっきり言うけど、あの「とげ車」を止めなければ私たちに勝ち目はないわ」
「……彼女たちでも、難しいか」
モニターでシミュレーションルームでのやり取りを見ていた源十郎が呟く。
今まで多くのショッカーゲルショッカーの改造人間と戦って来た源十郎としても記録媒体に残されたイノカブトンの戦闘映像には、奥歯を噛みしめる程だった。
子供マリアたちの気持ちも分かると言える。
━━━それにしても……この動き……
尤も、源十郎としては記録に映るイノカブトンの動きを見て何かが記憶に過る。
以前何処かで見たような気がするがどうにも思い出せない。
「マリアちゃんたちも参ってますね……」
「そ……そうだな」
友里あおいの言葉で思考を打ち止めした源十郎がそう返事をする。
幾ら、訓練をしてもイノカブトンの技を破る手立てが見つからない平行世界のシンフォギア装者たち。
映像では見たが、イノカブトンと戦ってない響たちとの温度差も心配している源十郎たち。
「実に由々しき事態よッ!!」
「「うわあああああっ!!」」
「キャアアアッ!!」
如何した物かと考えていた時、突然背後からの大声に二人のオペレーターは愚か源十郎すら悲鳴を上げた。
背後に視線を向けると見知った老人が腕組をして仁王立ちしている。
その人物こそ……
「お……親父……」
「「風鳴訃堂!? ……さん……」」
風鳴家当主にして、風鳴源十郎の父であり翼の祖父、風鳴訃堂だった。
連絡どころか、突然本部に現れた風鳴訃堂に心底驚く一同。
また説教の一つでもされるのかと身構えるオペレーターの二人と風鳴訃堂に話しかけようとする源十郎。
しかし、源十郎よりも風鳴訃堂が早くに口が開いた。
「果敢無き哉、ワシとの訓練で腕を上げたと思えば一体の怪人に後れを取るか」
「……お、お言葉ですがイノカブトンの実力は相当な物かと」
「それに、響ちゃんたちとは分断されて……」
「平行世界のマリアさんたちも同じ相手に……」
風鳴訃堂の言葉に源十郎たちは響たちの弁護を口にしている。
響たちが不甲斐ないと、国粋主義の風鳴訃堂が思えば面倒な事になると思ったからだ。
そんな三人に風鳴訃堂が気合の一言で黙らせる。
源十郎たち三人は耳を押さえ苦しんでいるが風鳴訃堂はそれを無視し話し続ける。
「幾ら、分断されたとはいえ今後、イノシシ怪人と同等の改造人間が複数現れたら同じことをゲルショッカーに言う気か?
全く、屋敷で鍛えてやったと言うに……やむを得んか。こうなれば……」
「……っという訳で、貴様らをもう一度ワシが鍛えてやろう!!」
「…………色々言いたい事はあるんですが」
「取り敢えず……」
「此処……何処?」
響たちが取り乱すのも無理はない。
現在、自分たちは緑が生い茂るが一部が枯れている山があり、周囲には二重の白い壁に銃を持った監視員。
突然、風鳴訃堂に軍用車両に乗せられ着いた先がこれだった。
「ツバサさん……此処って」
「……間違いないだろう」
一方、平行世界のヒビキたちは何か知っているような口振りだった。
「ほう、お前たちは既に知っているか。 まあ良い、知らぬ者も居ようワシは教えてやる。
此処長野県松代は、大戦末期旧軍が本部移設する造った施設だ、結局終戦までには間に合わんかったが、その後はワシが実権を握り此処を秘密裏に接収。特異災害の前の機関……通称「風鳴機関」として運営されていた」
「風鳴機関?」
「風鳴機関の役割は聖遺物の研究……でしたね」
翼の発言に風鳴訃堂が頷くとゆっくり話を続ける。
「……同盟国のドイツから、ガングニール、イチイバル、ネフシュタンの鎧が送られ元から手元にあった天羽々斬と共に研究されていた。……大戦中の実践には間に合わんだが」
風鳴訃堂は、何処か懐かしそうに言う。
すると、並行世界のクリスが風鳴訃堂に向けて口を開く。
「それで? アタシ等をこの基地に連れて来て如何するってんだ?」
「此処では、基本聖遺物の調査や暗号の解読が主なのでは?」
風鳴訃堂が大層に語る思い出話に平行世界のクリスと翼が何の目的で来たのか聞く。
並行世界の翼たちとしては、自分たちの世界のこの場所の末路を知っているので複雑な気分であったが。
「慌てるでない、此処は何も暗号を解読する為の施設ではない」
そう言うと、風鳴訃堂は守衛に開けるよう指示を出し響たちを連れ風鳴機関へと入っていく。
内部には、所々ガラス張り向こうで研究者らしき人間が何かの作業をしている。
平行世界のヒビキたちは既視感を覚えながらも、始めて来た響たちと子供マリアたちのは、色々と見物する。
その内の一角に足を止めた風鳴訃堂。
釣られて響たちも止まってガラス向こうを見ると、やたら砲身の長い銃に研究者たちが何かしらのデータを取っている。
「現在、此処では対怪人用の武器を造っておる」
「……それは、俺も初耳なんですか……まあ、響くんみたいな未成年の少女たちの負担が減るのは良い事かと……」
風鳴訃堂の発した言葉に初耳だと驚く源十郎、響たちの負担が減るならと納得する。
「でも、普通の銃や飛び道具じゃ怪人には牽制程度の役に立たないんじゃ……」
「アタシのガトリングも直撃してもそこまでのダメージは無さそうだしな……」
ノイズと違い「位相差障壁」の無い怪人には銃器が当たる。
しかし銃器の類は、ショッカー時代からの改造人間には効果が薄く効果もいまいちと言えた。
風鳴訃堂は、その問題を風鳴機関で研究し解決しようと目論んでいた。
尤も、大した成果は無かったが。
「近い内に、英雄狂いの博士を呼ぶつもりだ」
「英雄狂い……」
「アイツか……また忙しくなりそうだな」
風鳴訃堂の「英雄狂い」と言う言葉に響たちの脳裏に徹夜し過ぎて変な高笑いするウェル博士が思い浮かぶ。
たぶん、またこれで徹夜が続くなと心の中で合掌する響たち。
それから、更に施設の奥に移動する風鳴訃堂と響たち。
いい加減何処に向かってるのか聞こうとする翼だったが、ある扉の前に立ち止まる。
「お前たちには、イノカブトンの技を破る為の特別訓練をしてもらう!」
「……イノカブトンの技」
「あの……とげ車を破れるの?」
「その為に必要な物を揃えてやった、感謝してもいいぞ」
奏たちの脳裏に蘇るイノカブトンのとげ車。
攻撃しようが避けようが関係なく邪魔する物を粉砕していく姿に汗を流しつつも武者震いする子供マリアたち。
風鳴訃堂も珍しくにやけた表情で響たちを見る、余程自身があるのだろう。
「あの対策が出来るの?」
「嘘じゃねえだろうな爺!」
「ちょっと、ツバサ」
「ふん、よく吠える小娘よ……これがワシの用意した物だ!」
そう言って、風鳴訃堂が扉をばッと開き、響たちの眼に飛び込んだものは。
「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」
「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」
「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」「ラーメン、食べたら腹筋6回!」………
『………』
「あっ…間違えた」
響たちが目撃したのは腹の出た中年たちが腹筋している姿だった。
それも、意味不明な言葉を言い足を固定し腹の出た中年が真面目に腹筋していた。
風鳴訃堂がただ一言「間違えた」と言い扉を閉じ、妙な声も聞こえなくなる
何だコレは?
「おい、何だ今の!?」
「…あれが私たちに必要なもの?」
「しっかりしろ、立花! お爺様は間違えたと言ったぞ!」
「えぐい光景でしたデス…」
「…ちょっと酸っぱい匂いがした気が」
「すまんすまん、もう少し奥のフロアだった」
「質問に答えろよ、爺っ!!」
汗臭い腹の出た中年の集団の正体を聞こうとするが、風鳴訃堂は特に答えもせず奥の方だと言って足を進めた。
あの集団の正体が引っかかる響たちだが、流石に自分たちで扉を開ける気は無く風鳴訃堂に何度も説明を要求するアナザー翼。
そうして、風鳴訃堂たちはやっと目的の扉へと来た。
シンフォギア装物たちの疑問に一切答えない姿に一蹴回って尊敬すら…たぶん気の所為だと思おう一同。
「それでは…これがワシの用意した物よ、刮目してみよ!」
そう言って風鳴訃堂が扉を開ける。
扉の中は、本部のシミュレーションルームと同じように見えるが広さが段違いと言えた。
しかし、響たちが注目したのはその広い部屋に吊るされた物だった。
「何だ、ありゃ」
「如何見ても吊るされてる鉄球だな」
「昔、解体工事現場で使用されてた、「モンケン・フンドウ」だったな」
シミュレーションルームにあった物。
それは、天井から吊るされた2~3メートル程の大きさの鉄球だった。
それも、一つだけでなく三つはある。
「本来なら、陸自の最新戦車も欲しかったが…大臣どもめ」
「…当たり前です」
「兎に角あれを使いイノカブトンのとげ車を破れ、このまま手をこまねいてるよりは手ごたえががある筈だ」
風鳴訃堂そう言い終えた瞬間、垂れ下がっていた鉄球が動き出し不規則に回転する。
一見、鉄球同士ぶつかりかと思えたが計算されてるのか不規則ながらぶつかることはなく動き続ける。
「イノカブトンのとげ車よりは遅めだが…」
「今までの訓練よりは歯ごたえがありそうね」
正直、無茶苦茶な特訓法に思えるがイノカブトンのとげ車を破るきっかけになるかも知れない。
楓とアナザー翼がやる気を見せると他のシンフォギア装物たちもやる気になる。
そして、皆が聖詠を口ずさんだ時だ。
「待てぃ、シンフォギアを纏うな!」
「「「えっ!?」」」
風鳴訃堂がストップをかけ皆の目が丸くなる。
この後は訓練の為、シンフォギアを纏うのが普通の筈だがと思う響たち。
それは、源十郎も同じ気持ちだったようだ。
「待ってくれ親父、これから訓練なのに何故シンフォギアを…」
「これから訓練なんだろ!?」
「おじい様!!」
源十郎の抗議を皮切りにクリスや翼も抗議する。
それからは、クリスや翼だけでなく他のシンフォギア装物たちも風鳴訃堂に物申す。
「我々はシンフォギア装者ですよ!」「シンフォギアも纏わずに訓練なんて!」「本末転倒では!」「死ね、爺っ!」「親父、ただでさえ未成年の少女を戦わせてそれは…」「シンフォギア装者がシンフォギアを纏わないなんて!」「くたばれ、爺っ!」「…理解不能」「私は兎も角、調たちにはシンフォギアを使わせてほしいデス」「年いっても性欲旺盛な爺っ!」
「ええい、やかましい!どさくさに紛れてワシの悪口を言うでないわ!!!」
シンフォギア装者の響たちの抗議と悪口に怒鳴る風鳴訃堂。
その怒鳴り声で響たちの抗議も消え、一つ咳をする風鳴訃堂は口を開く。
「貴様らは普段からシンフォギアに頼り過ぎだ、それが慢心を生み油断となり敵に足元を掬われる。
今一度、シンフォギア抜きで鍛錬せねばまた負ける。 何度でもな」
以外にも風鳴訃堂の言葉に重みがあり響たちも思わず絶句する。
確かにシンフォギアの性能を当てにしてる部分もあるがノイズにはシンフォギアでないと対処が出来ない。
反面、ショッカーなどが使役する改造人間は現行の兵器も当たるが高威力の武器を日常で持つわけにはいかなく、現行源十郎以外はシンフォギアが頼りではある。
確かに風鳴訃堂の言う通り、シンフォギアに頼ってると言う言葉も間違ってはいないだろう。
「シンフォギア抜き…か」
「まるで最初に先生に鍛えられた時みたいだな」
「…面倒くさい」
全部とは言わないが一部に納得した平行世界のシンフォギア装者がそう言って回転するフンドウを見る。
相も変わらずフンドウは縦横無尽に回転して威圧感がヒビキたちにも伝わる。
「分かったのなら直ぐにでも特訓を開始せよ! ギリギリまで見据えてガードや回避が主な訓練になる、目標は三日以内!」
「…簡単に言いやがって」
「あれ、下手に接触すれば怪我どころか死ぬんじゃねえ?」
「安心せい!風鳴の全てを掛けて負傷しても短期間で治せる!」
風鳴訃堂がそう言い終えた瞬間、別の扉から白衣を着た者とナース服を着た女性が立つ。
手には手術用のゴム手袋をしメスや心臓マッサージ用の機械も持っている。
これには響たちも苦笑い、結局特訓は風鳴訃堂のゴリ押しで始まった。
「うおおおおおっ!」
「雪音、後ろだ!」
「うわあっ!」
「掠った! 今、頭を掠った!」
「痛あああああああああああっ!!!」
「アイツ、まともに鉄球受けたぞ!」
「体感すると、思った以上に早いよ!!」
松代のシミュレーションルームでは、響たちの悲鳴が起こる。
一つの鉄球を避けたと思えば別の鉄球が丁度来て冷や汗をかき、一人が盛大に吹き飛ばされる。
尤も、気絶すれば風鳴訃堂が即座に起こし、怪我や打ち身も控えていた遺書たちが応急処置で治療し復帰させられる。
まさに、響たちにとって地獄の訓練であった。
「ええい、情けない!その程度か!」
遂には、風鳴訃堂が情けないと非難する。
それに青筋が立った奏とアナザー翼たち。
「口だけの奴は簡単でいいな…」
「そんなに言うなら手本でも見せてみろ、クソ爺!!」
「よかろう」
奏とアナザー翼の言葉に口の端を吊り上げた風鳴訃堂。
すると、着物の上半身を脱ぎゆっくりと揺れる鉄球に近づく。
そのまま、鉄球が迫る中風鳴訃堂はカッと目を見開き華麗に鉄球をすり抜けた。
「…は?」「え?」
「…凄い」「分かってはいたが…」「人間じゃねえ…」
響たちが見守る中、風鳴訃堂は迫りくる鉄球を次々と躱し時には鉄球を逸らし自分に当たらぬ軌道を描かせ鉄球同士をぶつけるという荒業すら見せる。
驚きつつも風鳴訃堂の動きに若干引く響たち。
「見本は見せたぞ」
気が済んだのか、アナザー翼たちにドヤ顔してる風鳴訃堂。
源十郎が大人げないと思ったのは内緒だ。
そして、響たちの地獄が続く。
~三日後~
「うう…体中が痛いよ~」
翼さんのお爺さんの特訓がきつかった~~~……ここまでシンドイのは師匠に初めて鍛えて貰った時以来だよ~
特訓の方は、皆も大分避けられるようになったけどお爺さんのマネをしようとして失敗しちゃったな…
怪我しても、お医者さんが居るから直ぐに復帰できるけど…みんな死んだような目をしてたな…
兎に角。今日で特訓も終わりだから早く寝たい…あれ?
「誰か話してるの?」
もう、殆どの皆は用意された部屋に戻って泥のように寝てると思ったのに
そう思って何の気なしにちょっと声のする方に行ってみると…
「もう一人の私?」
其処には、施設に備え付けられてる電話を使っているこの世界の私だった。そう言えば、この施設内は携帯使えなかったっけ…
誰に電話してるんだろう?
「うん…うん…大丈夫だから…うん…分かってるって
お母さん! もしかしてこの世界のお母さん!?
もう一人の私は、お母さんに電話してるんだ! やっぱり寂しいのかな?
でも私は平気だもん……ウソ、偶に会いたくなる時もあるよね
その点で言えば、お父さんとも結構会ってる方かな?
「分かってる、明日家に戻るから…うん…お休みなさい。 …あれ?」
あ…目が合っちゃった…
「………」
「………」
沈黙が辛いデス …切歌ちゃんのマネしてもなあ…
あれから私はもう一人の私と共に横に並んで壁にもたれてる
会話したいけど、もう一人の私とはペスト菌以来あんまり喋ってないからな…喋れないのがこんなにキツイなんて…
「…会話…聞いてたの?」
「…えっ、う…うん」
そうも思ってた時、突然もう一人の私が話しかけてくれた!良かった、やっぱり仲直り出来たんだ!!
ええと…何だったっけ?
「会話の相手って…こっちの世界のお母さん?」
私の質問にもう一人の私が頷いた…平行世界とはいえ同じお母さんだと思うけど…変な感じ
「カ・ディンギルでの戦いの後、何度かお母さんたちの居る家に帰ってるんだ」
「そうなんだ…」
そう言えば、こっちの世界の私はショッカーに拉致されてたんだったね……
ショッカーの居ない私の世界でも未来やお母さんたちが心の支えたっだから…辛かったね
「フロンティアの戦いの後は敢えてないけど、さっき師匠から外出許可も出てその事をお母さんに話したんだ」
「うん、大事な家族に会いに行くのは大切だもんね」
そうだよ! 家族同士は何時も会えるのが理想だもんね!
翼さんやクリスちゃんとはこう言う話、あまりしないから新鮮だな♬
「それでさ、未来がお母さんに並行世界の貴女をの事を話したらしくて…今度一緒に会えないかって?」
「え? 私も?」
並行世界のお母さんに会うのか…ちょっと興味あるな
でも、この世界のお父さんは殺されたって言うし……
「いきなり私が会って大丈夫かな?」
うっかり、私の世界のお父さんの話をしちゃったらどうしよう!
心の準備をしないと! 心の準備を!
「うん、お母さんの方も並行世界の私と話したいんだって」
「…分かった、今度遊びに行くよ! 約束だよ!」
私はそう言って、もう一人の私と約束げんまんした。 …昔の未来とよくやったな…
そうと決まればオシャレとかしといた方がいいかな?
今度、元の世界に戻って未来に相談しよう!
「…もうこんな時間だね」
「うわっ、結構話し込んでた! ゴメン、私もう寝るね!」
「うん…お休み」
そう言って、私は用意された部屋に戻る
この時、私はこの世界のお母さんと会う事で頭がいっぱいだった
この時…もう一人の私との約束が果たされることは無い事を…私は知るよしも無かった
仮面ライダーの特訓と言えばやはり鉄球。
……V3だった気もするけど特訓と言えば。
第4期のAXZでアダムに潰された松代の風鳴機関が登場。
響たちが其処で強制的に特訓…シンフォギア抜きで。
下手すれば仮面ライダーよりキツイ?
そして、響に最大のフラグが…