改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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まだ、買って4年しか経ってないパソコンが強制終了した。
寿命が近いんだろうか?

暫く更新が無ければこれが原因です。


158話 不穏な影

 

 

 

 

 特異災害対策機動部二課本部。

 度重なるゲルショッカーとの戦いに響たちどころか、政府職員にも多大な被害を与えつい先日には本部である潜水艦にも多大なダメージを受けドッグ入りしている。

 もう直ぐ、潜水艦の修理も完了する寸前だが、本部の司令部にて源十郎が誰かと会っている。

 

 その人物は白い制服のような物を着た若い男で片方の髪を下ろした顎に少しだけ髭のある男だった。

 

「初めまして、「スクルド」のユリウスと言います」

「響くん達から聞いています、風鳴源十郎と言います」

 

 源十郎と男……ユリウスと名乗った男が握手を交わす。

「スクルド」とは、嘗て響たちと共に世界蛇と戦った組織の名で、ユリウスと言う男は其処のエージェントでもあった。

 何故、その組織がこの世界に来たのかと言うと、「ゲルショッカーが世界蛇に匹敵するのか?」「その場合、世界蛇のようになる前にこの世界の特異災害対策機動部二課と協力し対処する」ことが主な目的と言える。

 

 ユリウスとしても、ゲルショッカーの残虐性やその科学力には注意するレベルであり、放置する事も難しい。

 そうして、ユリウスと源十郎が対ゲルショッカーについて話してると司令部の扉が開き、響と翼、クリスが入ってくる。

 

「あ、ユリウスさん! 久しぶり」

「ああ、元気そうだね」

 

 響がユリウスに挨拶をした。その反応からして彼女たちは並行世界の響たちなのだろうと考える源十郎。

 そして、三人は源十郎の前に来ると口を開く。

 

「おっさん、ちょっと良いか?」

「ユリウス殿との話がまだだが、どうした?」

「はい……その……」

 

 源十郎の質問に答えたのは響だが、彼女にしては珍しくモジモジとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これより、ウツボガメスの殺人スモッグ実験を行う」

 

 所変わり、とあるゲルショッカーのアジトにてブラック将軍の命令が聞こえる。

 直後、可動式の床に取り付けられた蓋が開くと、救いを求める人が何人もいる。

 この者達もまた、ゲルショッカーに拉致され利用価値の無くなった者たちだった。

 

「助けてくれぇ!!」

「ここから出してくれ!」

「家に帰してくれ!!」

 

 穴に居る人間たちが助けを請うが穴の底から見えたのは希望ではなく、尖った口の魚のような顔だった。

 ウツボガメス、ゲルショッカーの改造人間であり、次に響たちの刺客予定の改造人間だ。

 尤も、いくら助けを求められようがウツボガメスにとってはどうでもいい。

 

「よし、ウツボガメスよ殺人スモッグを吐け!」

「ブアァァァァァァァァァァ──────―ッ!!」

 

 ブラック将軍の命令にウツボガメスは口から赤いガスを吐きだす。

 赤いガスは人間たちが飛び込められてる檻の中に充満し、煙を吸った人間たちは苦しそうに倒れていく。

 やがて、檻の中に動く者が居なくなり煙を止める。

 

 実験は成功。

 そう確信したブラック将軍だったが、予想だにしない光景が目に入る。

 ガスが止まり換気された直後、一人一人と目を開け助かった事を喜び合う。

 結果は、一人も死なず全員が起き上がったのだ。

 

「……どうなっている、ウツボガメスよ! 予定通りなら貴様の殺人スモッグで奴等は骨になっている筈だ!」

 

 予定通りの性能を見せなかった事でブラック将軍はウツボガメスに文句を言う。

 

「これではシンフォギア装者たちを骸骨にする計画が破綻する!」

「……そうは言うがブラック将軍、俺の殺人スモッグの原料となるヘドロがない!」

「なに? 我々の用意したヘドロは如何した!?」

 

 ウツボガメスの言葉に、ブラック将軍は奥の方を見る。

 其処には、ゲルショッカー科学陣が様々な薬品を使い大きめの水槽でヘドロを造っているところだった。

 

「……足りん、俺の殺人スモッグの性能を上げたくば、70年代の田子の浦の尤も汚れ切ったヘドロを寄こせ!!」

「ふん、70年前のヘドロか」

 

 ウツボガメスの欲しがるヘドロ。

 それはまだ、日本が環境規制などする前の工場から垂れ流された池や川のヘドロだった。

 しかし、それは環境規制された2040年代の日本で手に入れるには不可能と言える物だ。

 それは、ブラック将軍としても分かってはいる。

 

「ふむ……お前はゲルショッカーが保存していた、当時の田子の浦の3000PPNで生まれ育ったウツボとウミガメの改造人間。

 普通ならば、そんなヘドロは手に入らん」

「手に入らんではないぞ、ブラック将軍!」

「慌てるなウツボガメス、既に手は打ってある」

 

 ブラック将軍がそう言った瞬間、ドアが開きゲルショッカー戦闘員が何かを持ってくる。

 それは、何処にでもあるドラム缶だったがゲルショッカー戦闘員が床に置いた音で中が満たされてる事に気付く。

 

「ブラック将軍、これは何だ!?」

「黙って飲んで見ろ」

 

 ウツボガメスがドラム缶の事を聞こうとするが、ブラック将軍は中身を飲めと言う。

 半信半疑であったが、ブラック将軍の命令だ。ウツボガメスは中身が満ちている重いドラム缶を軽々と持ち上げ蓋に付いた穴から中身の液体を飲む。

 

「……! これは!」

「どうだ? ウツボガメス、気に入ったか?」

「これは、田子の浦のヘドロ……いや、それ以上の極上のヘドロだ! これなら、俺の殺人スモッグの性能も発揮出来る!」

「フフフ、それは中国のとある工業地帯の沼のヘドロだ。 あの国は環境など気にしないから楽に手に入った」

 

 中身の正体に気付いたウツボガメスは喜び勇んで中のヘドロを飲み干していく。

 元々、公害資料の少ないゲルショッカーでは、ウツボガメスの望むヘドロを一から作るなど不可能に近い。

 しかし、無いのなら持ってくるのがゲルショッカー。

 ブラック将軍が目を付けたのは中国大陸だった。

 

 中国は未だに独裁しており自然環境を気にもしない。

 更には、死神博士の流れ星作戦の被害により一刻も早い復興を目指し工場もフル稼働させている。

 ブラック将軍の読み通り、手に入れたヘドロは70年代のヘドロを大きく上回る汚染度だった。

 

 これで、ウツボガメスの本領も発揮できる。

 

「ウツボガメス、もう一度殺人スモッグを吐け!」

「ブアァァァァァァァァァァ──────―ッ!!」

 

 ブラック将軍がウツボガメスにもう一度殺人スモッグを吐くよう命令する。

 改めて捕まった人間に殺人スモッグを吐くウツボガメス。

 次は、吐くガスが黒くなり今度こそ捕まっていた人間たちが骨になる。

 

 その結果に満足そうなブラック将軍。

 早速、響たちシンフォギア装者たちの抹殺の為に動こうとするが。

 

「ギーッ! 諜報隊より報告、最後のピースが揃ったっそうです!」

「!?」

 

 その時、一人のゲルショッカー戦闘員が慌てて入って来てブラック将軍に報告する。

 同時にゲルショッカー戦闘員が持っていた紙をブラック将軍が受け取り目を通す。

 如何やら紙は報告書のようだった。

 

 暫く、報告書を呼んでいたブラック将軍だったが目をカッと見開き、読み終えた報告書を握りつぶす。

 その表情は、ニヤケつつも奥歯を噛んでも居る複雑な表情をしていたと戦闘員は後に語る。

 

「……作戦を変更する、ナメクジキノコに伝えろ『作戦を早期に開始せよ!』と」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「向こうの響くんの家族が殺されただと!?」

 

 男……源十郎の声が司令部に響く。

 此処は、並行世界のS・O・N・Gの司令部であり、並行世界の響たちは報告の為、またもや一時的に戻りゲルショッカーやブラック将軍の行動を報告してたのだ。

 

 実は、響たちがユリウスと話していた向こう側の源十郎に言った内容がこの事だった。

 短い日にちで何度かゲルショッカーの襲撃に対処した事の報告の為に戻ったのだ。

 

 一応、自分たちの留守の間は他の並行世界の装者が居るが、アナザー調とアナザー切歌もゲルショッカーのデータを一旦分析する為戻ってはいる。

 

「くっ、響くんの家族を狙うとは!」

「……以前、響ちゃんのお父さんが狙われた事はあったけど……」

 

 以前に響の父親が殺された記録は見たが、残った家族まで殺された事を知る源十郎は拳を握り振るわせる。

 あまりにも残虐で悪辣なゲルショッカーへの怒りが源十郎に沸き上がる。

 

「……それで、こっちの世界の響くんは?」

 

 取り敢えず、怒りを抑え冷静さを取り戻した源十郎は記録上、共に帰った響の姿が無い事に気付く翼たちに聞く。

 

「ああ……」

「アイツなら……なあ」

 

 翼とクリスが互いに視線を合わせ源十郎に響の居場所を報告する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、当のこの世界の響はと言うと。

 

「どうしたんだ、響。こっちに来るなりいきなり俺の背中に顔をうずめて?」

「……暫く、お父さんの背中に居させて」

 

 今現在、母とは別居している響の父こと、立花洸のアパート似て響は父親である洸の背中にしがみ付いていた。

 響の行動に洸は珍しいという反応をし背中の響の頭を撫で何かあったんだろうと察する。

 

 この世界の響は、ゲルショッカーの居る世界の響の肉親を殺された事で自信にも言い知れない不安を抱えていた。

 ホームシックとは少し違うが家族の顔を見たくなり報告も兼ねて自分の世界に戻った後、翼に無理を言ってこのアパートに来たのだ。

 

 恐らくは、向こうの響がもう触れられない温もりを感じて響はゲルショッカーとの戦いに気合を入れていく。

 

「まったく、響は何時まで経っても甘えん坊だな」

「……そんな事ないもん」

 

 父の意地悪な言葉に頬を膨らませる響。

 

 その後、存分に父との時間を過ごした響は実家へと戻り、母と祖母にも同じような行動をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は、戻りS・O・N・G本部の司令部。

 現在、司令部のモニターにはゲルショッカーの行った作戦の紀要などが映像と共に流れている。

 

「向こうに行った早々、ゲルショッカーのペスト菌による作戦の最中か」

「向こうの翼さんやクリスさんがペストに罹ったんですね」

「ペストで操られた人達は脅威だったな」

「……今更だけど、ペストってそんな病気だったか?」

 

「本部に二体の怪人が侵入して、本部を操作して海溝に沈めるだと!?」

「海溝の水圧に圧し潰されれば響ちゃん達もひとたまりも無いわね」

「……アタシはオッサンなら生還しそうだと思うけど」

「ふむ。……おじさまだからな」

「何故だ!?」

 

「そして、次は響くんを襲撃してきた後にゲルショッカーのアジトに陽動か」

「放置できない以上、罠だろうと行くしかないですね」

「それに、怪人イソギンジャガーの正体は響ちゃんと同じ……」

「……あのライブの被害者です」

 

「その後は、向こうの風鳴訃堂に特訓されるか」

「向こうでも相変わらず護国の鬼でした」

「……あの爺さんだけはどの世界でも変わんねえと思うわ」

 

「最後に、響くんの偽物を使って響くんの家族を拉致、殺害か」

「……酷いですね」

「ブラック将軍の言葉が正しければ偽物も騙された可能性があり……」

「……結局、ブラック将軍の掌の上で踊らされた気分だ」

 

 ゲルショッカーの作戦を幾つも見て、源十郎は自身の不甲斐なさを実感する。

 ペストを細菌兵器にし、本部に侵入して纏めて葬ろうとし失敗した後も響たちを始末する為にアジトを完成させ誘導し一網打尽を狙う。

 それも失敗すれば、響の親類を浚い殺害現場を目撃させる。

 

 何処までも冷酷で残虐な組織であるゲルショッカーの動きに源十郎も青筋を立てる程だ。

 報告の終えた翼たちは響が戻り次第、また向こうの世界に行くため響が戻りまでS・O・N・Gの部屋で待機する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界は変わり、アナザー調以外の並行世界のシンフォギア装者たちが集まる特異災害の本部にて。

 並行世界のシンフォギア装者たちは現在、特異災害の本部が用意した部屋で各々休んでいる。

 そして、司令部にてオペレター席で作業していた友里あおいが一段落したのか背筋を伸ばした。

 

「ん~~~~……終わった。 次は……」

「あれ? もう休憩時間ですよ」

「え? もうそんな時間?」

 

 続けて作業に入ろうとした友里あおいだが、同業で隣の席の藤尭朔也に休憩時間を教えられる。

 ここのところ、ゲルショッカーの所為で気の休まる暇も無かった所為か急激に眠気が襲って来る友里あおい。

 思わず、欠伸をすると指令の源十郎にも聞かれたようだ。

 

「お疲れか? 仮眠室で眠った方がいいぞ」

「……はい、そうします」

 

 源十郎の好意と眠気に負けた友里あおいが了承し席を立つ。

 寝るにしろ特異災害の制服で寝る訳にもいかないので、友里あおいは着替える為職員用の女性更衣室へ入る。

 そこで、友里あおいは制服を脱いでパジャマに着替えようとした時だ。

 

「? 電灯は前に交換したのに……」

 

 更衣室の電気が何度も点滅し、あおいは不思議がる。

 直後、友里あおいの背後に人影が移動するが、明らかに人間の物ではない。

 更に

ムヒョオオオオォォォォォ……

 

「!?」

 

 不気味な声が聞こえ、友里あおいが背後を見るが何もない。

 気の所為かと思った直後、上から気配を感じた友里あおいが上を見る。

 

「なっ!?」

 

 友里あおいの眼に映ったのは、更衣室の簡素な天井と天井に張り付く赤と黄色の体に片腕が虫の触手のように伸びた脚の様な手と虎の様にシマの模様が入った体。

 顔の半分が虫に近く片目はネコ科特有の物で口からは虫のような顎の牙を生やした怪物がいる。

 

「ムヒョオオオオォォォォォッ!! 友里あおいよ、たった今からムカデタイガーのシモベになるのだ!」」

 

 そして、怪物は友里あおいの目の前に降りる。

 普通なら悲鳴を上げ気絶の一つもするものだが、友里あおいもオペレーターとは言え響たちと共にショッカーと戦て来た。

 即座にその辺にある物を投げ下着姿のまま更衣室の扉を開け助けを呼ぼうとする。

 

「! 開かない! ……頭が……」

 

 しかし、入る時と違い更衣室の扉はビクともせずそうしてる間にも友里あおい自身も不調に気付く。

 まるで、思考が何かに塗り替わるように目の力も無くなっていき……やがては。

 

「…………」

 

「さあ、友里あおい。 これでお前もゲルショッカーの仲間入りだ」

 

「はい、ムカデタイガー様」

 

 先程までの抵抗が嘘のように友里あおいの口から「ムカデタイガーさま」と言う言葉が出て来る。

 その姿に怪人……ムカデタイガーは満足そうにしていると扉の下の僅かな隙間から何かが入ってくる。

 一見スライムのように見えるそれはある程度入ると白い煙が包み込み、其処からナメクジキノコが現れる。

 

「……何の用だ、ナメクジキノコ」

「ブラック将軍からの言伝だ、「計画を早めろ」との事だ」

「何? 一人ずつ俺の催眠音波で操りつつ、殺人スモッグで諸共ではないのか!? ……まあいい、乗っ取る計画が早まっただけだ、早速この女に役立ってもらう」

 

 ブラック将軍の計画の変更に一瞬慌てるムカデタイガーだったが、直ぐに切り替え呆然と立ち尽くす友里あおいを見て一計を案じる。

 

 

 その一時間後。

 特異災害対策機動部二課本部の食堂にて源十郎と藤尭朔也に友里あおいが座っていると食堂の扉から翼とクリス、そしてアナザー調とアナザー切歌以外の並行世界のシンフォギア装者たちが入って来た。

 

「何だよ、オッサン。話って?」

「もしやゲルショッカーの情報が入ったんですか?」

「此処、妙に暑くない?」

「空調が不調なんだろ」

 

 入って早々、口々に喋る一同。

 響と未来だけが居ない事で翼とクリスが不思議がるが用意された席に着く。

 すると、友里あおいがそれぞれの目の前に飲み物を置く。

 

 ただ何時もと違い、「暖かい物ど~ぞ」などと言った言葉が無い事に引っ掛かりを覚える翼。

 

「……お前たち集めた理由だが……」

 

 その後、源十郎が話し出しゲルショッカーの情報や特異災害対策機動部二課や政治家たちの事を話す。

 しかし、そのどれもがハッキリしないと言うべきか微妙に翼たちを煙を撒いているような言動にイラついていく。

 その間に翼たちは友里あおいの用意した飲み物を飲んで気を紛らわせたりするが、クリスがとうとう耐えられなくなった。

 

「おっさん! いい加減本題に……あれ?」

「雪音! ! 体が……」

 

 椅子から立ち上がり文句を言おうとしたクリスだったが、突然体が痺れる感じがし膝をつくと翼が声を出すが体勢が崩れ机に突っ伏してしまう。

 翼が視線を動かすと奏や子供マリアたちも自分たちと同じような事になっている。

 そして、視線を源十郎に向けると何時もの源十郎とは程遠い邪悪な笑みを浮かべている。

 

「し……指令……アナタが……」

 

 その表情に気付いたのだろうセレナが源十郎を信じられないという表情で見る。

 そして、源十郎はゆっくり立ち上がり体の自由が効かないシンフォギア装者たちを見下ろす。

 

「確かに俺は指令だ、ただし特異災害対策機動部二課の指令ではない。

()()()()()()()()()()()の指令だ」

 

「なっ!?」

「それって……」

 

 

 

 

 

 

「特異災害はお前たちシンフォギア装者ごとゲルショッカーの物になるのだ、ムヒョオオオオォォォォォッ!!!」

 

 突如、不気味な声と共に天井から何か降ってくる。

 ゲルショッカーのムカデタイガーだ。

 そして気付く、既に源十郎たちがゲルショッカーに操られ自分たちも罠に嵌められた事を。

 

「立花……」

「未来……」

 

 翼とクリスが仲間の名を呼び意識が途絶える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その数時間後。

 既に日も暮れ、安定しない天候も雨が降り出す。

 そんな中、誰かが地面を蹴り水たまりを揺らす。

 雨の中、走ってるのはシンフォギアを纏った響だった。

 しかし、如何言う訳か響の体には無数の傷が出来ていた。

 

「ハア……どうして……どうしてみんなが……!」

 

 走りながら呟く響だったが目の前に赤く光る矢が突き刺さり走る方向を変える。

 

 ━━━まただ、まるで誘導されている? ……! 

 

()()()()()()()()()()()した響は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 何度か反撃を試みたが敵の姿を見た途端、()()()()()()()退()()()()()()()()()

 

 やがて響の前に大地が途切れ、雨の所為で荒れ狂う海が響の進行を阻害する。

 退路が断たれた事で響は海を向いていた方向から逆の方に視線を送る。

 

 丁度、響を取り囲むように翼やクリスがシンフォギアを纏った状態で響を睨んでいる。

 更には、

 

「……奏さんやマリアさんたちまで……」

 

 其処には並行世界のシンフォギア装者たちまでアームドギアを握り響を睨みつけている。

 

「翼さん達が私を裏切るなんてありえない……なら!」

 

「ムヒョオオオオォォォォォッ! 仲間のシンフォギア装者どもに追い詰められた気分はどうだ!? 立花響!!」

 

 翼たちが自分の意識でこっちを攻撃してる訳でない事を見抜く響。

 直後、野太い声が響くと同時に翼たちの背後から何者かが現れる。

 

 それは数人の黒服とゲルショッカー戦闘員、更に

 

「やっぱりお前たちの仕業か、ゲルショッカーの改造人間!」

 

「俺の名はムカデタイガー! 見ての通り、特機部二は俺様たちが丸ごと頂いた! 今離れている並行世界の立花響たちも間もなく俺様たちの物になる! 

 お前は独りで死ねぇ、立花響!」

 

 響の前に現れたムカデタイガー。

 やはり、ゲルショッカー仕業だと確信した響だが、翼たちが自分を攻撃したのはゲルショッカーに操られての事だと知り、少しホッとする響。

 

「翼さんたちを返せ、ムカデタイガー!」

 

「ムヒョオオオオォォォォォッ! 悔しいか? 立花響! 特異災害対策機動部二課はそっくりそのままゲルショッカー軍団になる!」

 

 響の声にムカデタイガーはそう返す。

 元より言葉でゲルショッカーの説得など出来るとも思ってない響は拳を構え腰のブースターで一気にムカデタイガーに近づく。

 

 ━━━翼さんを元に戻すなら……術者のムカデタイガーを倒す! 

 

 恐らくは翼たちを洗脳したのはムカデタイガーの可能性が高い。

 仮に違ってもゲルショッカーの戦力を減らすのは自分たちにとっても良い事だと判断した響。

 そのまま、ムカデタイガーに拳を繰り出そうとした響。 だが

 

「ムカデパンチ!」

 

「!?」

 

 響の拳はムカデタイガーの左腕の拳によって砕けそのまま響の胴体に打ちこまれた。

 ムカデタイガーの拳は響の腕のガントレットを砕き凄まじい衝撃が響を襲う。

 口から血を吐いた響はムカデタイガーの拳の威力で吹き飛び荒れ狂う海に消える。

 

「見たか!? これがムカデタイガーの力だ! 手応えからして致命傷を与えただろうが……死体の確認は出来んか」

 

 響を倒したムカデタイガー。

 碌に灯りも無い荒れる海に沈んだと思しき響の安否を確認できないが自分の力に自信のあるムカデタイガーは戦闘員と洗脳した翼たちを連れその場を離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと響はムカデタイガーに敗れ海に消えた。

並行世界の響たちはこのゲルショッカーの動きをまだ知らない。

果たして響は……世界はどうなる! 

 

 

 

 




仮面ライダーのウツボガメスの殺人スモッグの実験台になった6人はその後、どうなったんだろうか?

源十郎たちがスクルドと接触しました。
女性更衣室の天井に張り付くムカデタイガーが変態に見えますが、原作でも少女の部屋の天井に張り付いていたんだよな、コイツ。

ムカデタイガーとナメクジキノコに侵入されてる特異災害対策機動部二課本部ですが、原作も少年ライダー隊の本部に気付いてるからな、ゲルショッカー。

和解したかと思えば、洗脳され敵になる翼とクリス、他シンフォギア装者。
響「……どうして?」
ブラック将軍「仮面ライダーの原作通りだからな」

今回、特異災害の本部がゲルショッカーに占領されました。
はい、ムカデタイガー回のオマージュです。
その所為で、並行世界の響たちとアナザー調と切歌以外、全て敵になりました。

果たして、響たちは特異災害を取り戻せるか?
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