改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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31話 立花響が取り戻したもの

 

 

 

 

「シンフォギアアアアアアアアアア!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「響!」

「お姉ちゃんたちカッコイイ!」

 

地下で響達を見守っていた未来たちに歓喜の渦に包まれる。幼女の声に誰もが同意する程だ。

 

「頑張って、響!あたし達もついてるんだから!」

「少しでも立花さんの助けになればいいんですけど」

「私達も一緒に戦うよ、ビッキー!」

 

弓美たちの声にも明るさが戻り未来も静かに頷いた。既に夜は明けた。太陽が響達を照らし出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾル大佐が鞭の底にあるスイッチを何度も押す。しかし、響のシンフォギアが解除されることはなかった。舌打ちをしたゾル大佐はスイッチを押すのを止める。

 

「ショッカーニウムが機能停止したか…忌々しい小娘だ」

 

ゾル大佐が改めて響達に目線を送った。吹き飛ばされた怪人達も立ち上がり響達を見る。

 

「みんなの歌声がくれたギアが私に負けない力を与えてくれる。クリスちゃんや翼さんに、もう一度立ち上がる力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない…命なんだ!」

 

「そんな物で我等ショッカーに勝てると思うな、小娘!」

「幾ら、シンフォギアの姿が少し変わった所で、調子に乗るな!死に損ないめ!」

 

『へっ、弱い怪人程よく吠えるってか!』

 

「!通信?…いやこれは念話か、人間如きが!」

 

突然、クリスの声が頭に響いたゾル大佐は通信かと思ったがクリスは改造人間ではないので通信できる筈がないと考え、念話をしてきたクリスを睨みつける。

 

「調子にのらん事だ」

 

そう言い終えるとゾル大佐はソロモンの杖を持ち何体かのノイズを出した。

 

『次はノイズを使って来たか!』

『それを使うと言う事は、もうお前達の戦力も限界のようだな!』

 

翼の念話にゾル大佐は鼻で笑う。

 

「ノイズの正体も分かってない癖に言ってくれるな」

 

『ノイズの正体?』

 

ゾル大佐の言葉に響達は思わず聞き返す。世界でも未だにノイズの正体など分かってない筈なのにと考える。

 

「聞きたいのなら、教えてやる!ノイズはバラルの呪詛で相互理解出来なくなった人類が同じ人類を殺す為に造られた自立兵器だ!」

 

『人間が人間を!?…埃をかぶった兵器ってその意味!?』

 

「フフフ、その通りだ。笑えるだろ?理解できなくなった瞬間、人類は同じ人類を敵としているのだからな!人間の業とは恐ろしいものよ!」

 

『何でその事をお前達が知っている!?』

 

「そんな事、貴様たちが知る必要はない。そして、見るがいい!ソロモンの杖の力をな!」

 

ゾル大佐がソロモンの杖を上に掲げる薄い緑色の光が伸び、それが上空で幾つもの枝分かれして地上に着弾する。そして、着弾した場所には何十体ものノイズが現れた。街中には数えきれない程のノイズが解き放たれた。

 

「ハハハ…ここまでノイズを出そうが何ともないとは流石、ソロモンの杖よ!これさえあれば世界は我等の物だ!」

 

『こいつ等でアタシ等を相手にする気かよ!?』

 

「勘違いするな!」

 

「「「!?」」」

 

響達が驚く。出現したノイズは響達を無視するように移動を開始したのだ。

 

「どういう事だよ?」

「…そうか!翼さん、クリスちゃん、二人はノイズを!私はゾル大佐を相手にします!」

 

ノイズの行動に疑問に思うクリスだが、響の言葉に二人共響の方を見る。

 

「何か分かったのか?立花」

「ゾル大佐の狙いは私達がノイズを相手にしてる間に逃げるか、地下の皆を捕らえるのが目的です。かと言ってノイズを放置すれば人のいる場所を襲いだします。私がゾル大佐の相手をしてる間にノイズの殲滅を」

「そう言う事か、セコイ手を使いやがって!」

 

説明を聞いたクリスが散らばるノイズに向かう。それを見送った翼は改めて響に向き合う。

 

「それじゃ、私も行ってくる。死ぬなよ」

「待ってください、翼さん。…あの時はすみませんでした」

「あの時?」

「私、翼さんに……」

 

響の表情から翼は響が暴走状態で暴れた事を謝罪してる事に気付く。それも見て笑みを浮かべる。

 

「もう終わった事だ。立花は私の呼びかけに答えてくれた、自分から戻って来たんだ。それだけで十分だ」

「翼さん…」

「ショッカーを倒して平和を取り戻すぞ」

「はい!」

 

翼もノイズの方に向かうのを見届け、響は地上に降りる。地上ではゾル大佐が面白くなさそうな顔をしていた。

 

「貴様一人で何が出来る?」

「ギーゴー」「ヴァヴァー」「シュシュシュシュ」

 

「お前達を…倒せる!」

 

ゾル大佐を真っ直ぐ見つめる響はそう宣言した。その目は力強く輝く程だった。

 

「倒せるものなら倒して見ろ!弾丸スクリューボール!!」

 

アルマジロングが体を丸め響にまた弾丸スクリューボールを放つ。

 

絶対に…離さないこの繋いだ手は

こんなにほら暖(あった)かいんだ ヒトの作る温もりは

 

「歌?」

「今更、歌ったところで!」

 

響の腕のガングニールが開き、その腕で丸まったアルマジロングを殴りつける。同時に開いたガングニールが閉じ、衝撃波がアルマジロングを貫いた。

 

難しい言葉なんて いらないよ

今わかる 共鳴するBrave minds

 

「ば…馬鹿なああああああああああ!!!」

 

全身にヒビが広がり断末魔を上げたアルマジロングが爆発四散する。その煙から響が無傷で現れた。

 

ぐっとぐっとみなぎってく 止めどなく溢れていく

紡ぎ合いたい魂 100万の気持ち…さぁ

 

「全員でかかれぇ!」

 

ゾル大佐の指示に茫然としていた怪人達が一斉に響へと迫る。さそり男の電磁鋏を、ザンブロンゾのウロコの手裏剣を、かまきり男の鎌を躱し、ドクダリアンに掌底を浴びせる。

 

ぶっ飛べこのエナジーよ

 

響の蹴りがかまきり男を蹴り上げ、拳がモグラングを貫き、回し蹴りがトリカブトの脇腹に入る。

 

━━━凄い、胸の奥から歌が溢れて来る!歌ってる…私は今、歌ってるんだ!見ていてお父さん…

 

響は久しぶりに歌えた事に感動を覚えた。ショッカーに奪われていた物を一つ、取り戻したのだ。それと同時に響はショッカーの怪人に同情もしていた。

 

━━━怪人達の多くは私と同じ拉致されて勝手に改造され脳改造までされた被害者だ。これ以上罪を重ねるなら私が!

 

解放全開!イっちゃえHeartのゼンブで

進む事以外 答えなんて あるわけがない

 

「これでもくらえ!!」

 

アマゾニアが指先からミサイルを放つ。ミサイルの爆発で煙が漂う。響の姿が見えない。ザンブロンゾとヒトデンジャーがその煙へと近づく。

 

見つけたんだよ 心の帰る場所

Yes届け!全身全霊この想いよ

 

「!?」

「なにっ!?」

 

煙から飛び出した響はザンブロンゾの腹部に肘鉄を喰らわせた後にアマゾニアにダッシュし勢いに任せ飛び蹴りをする。そして、ジャンプして、さそり男にチョップを喰らわす。

 

響け!胸の鼓動!未来の先へ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立花響の力が想定以上だ。このままでは全滅する」

 

次々と部下の怪人達が敗れていく姿を見て、次の手を考えるゾル大佐。

 

━━━立花響の心臓の確保は失敗したが、他は概ね成功した。無理に小娘どもと戦う必要はない。だが撤退するにも立花響が視線を此方に向けて来る。撤退は容易ではない、怪人達が役に立たん以上俺自ら出るべきか?

 

もういっそ自分が出るべきかと考えたゾル大佐だったが、傍らに白目を向いてるフィーネを見て笑みを浮かべた。

 

「フィーネ、この状況を打開できる方法はあるか?」

「…あり…ます…」

 

そこまでゾル大佐はフィーネには期待してなかった。最悪、フィーネを人質に強行突破も考えていたゾル大佐はほくそ笑み「聞かせろ」と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァ、ヴァヴァー!」

 

響が最後の怪人であるキノコモルグを倒した。まるで、キノコモルグが倒れるのを待つかのように倒された怪人達が爆発していく。響の前には愛用の鞭とデュランダルを持ったゾル大佐が佇んでいる。

 

「ゾル大佐、貴方の部下たちは全て倒した」

 

「見事だ、強化改造を施された怪人達を全滅させるとはな。今からショッカーに戻れ、今の貴様なら幹部になれるぞ」

 

ゾル大佐がショッカーに戻れと言うが響は首を横に振る。

 

「貴方こそ投降して、今までやって来た非道、罪を償う時がきた。頼りのノイズも翼さんとクリスちゃんが全部倒す」

 

響がゾル大佐に投降するよう言うが、それを鼻で笑うゾル大佐。

 

「そんな言葉だけで俺が投降すると思っているから、お前はケツの青いガキなんだ。フィーネ!」

「はい…」

 

「了子さん!?」

 

ゾル大佐が体を動かすと響の視線がフィーネに移る。単純にゾル大佐がフィーネへの視線を隠してた。そして、フィーネはゾル大佐から渡されたソロモンの杖を自分の腹部に刺し貫いた。直後にフィーネの肉体から幾つもの小さい手がソロモンの杖に伸び掴んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?何だ?」

 

響の分もノイズを撃破し続けていた翼がノイズ達に違和感を感じていた。その瞬間、ノイズ達は細く変形して響たちの下に飛んでいく。それはクリスも一緒だった。

 

「!?立花!」

 

何かが起こった。そう直観した翼が急いで戻る。そして、クリスも、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響は信じられない物を見た。ノイズ達が次々とフィーネとゾル大佐に付着し、大きくなっていく。街中に解き離れた物だけでなくソロモンの杖から更に光が放たれ其処からもノイズがゾル大佐たちに付着する。

 

「立花!」

「何があったんだよ、おい!…って!」

 

異変を感じた翼とクリスが響と合流し何があったのか聞こうとしたが、響の目の前の光景に言葉を失った。

 

「了子さんとゾル大佐がノイズに取り込まれて…」

「…いや、どっちかと言えばノイズが取り込まれている」

 

響の言葉にクリスが反論する。翼も黙っているがクリスの言葉の方に納得する。そうこうしてる内にノイズを全て取り込んだ物は巨大化し、赤い巨大な物になり先端からレーザーが放たれる。

 

「「「!?」」」

 

レーザーの光衝撃波に耐えた響達が見たのは、レーザーによって燃え盛る街だった。

 

「街が!」

「なんて威力だ!」

 

「フッハハハハハハハハ、素晴らしい…素晴らしいぞ!この威力!」

 

ゾル大佐の声が聞こえ、三人が振り返る。其処には赤い巨大な物の内部にゾル大佐が鎮座しその足元には、

 

「フィーネ!」

「了子さん!」

「櫻井女史!」

 

フィーネがまるで磔にされたような格好で居り意識がない事が伺える。体の所々にノイズの体が纏わりついている。

 

「これが完全聖遺物の本当の力か!これならば世界を焼き尽くし我等の理想も叶うわ!」

 

「ゾル大佐、了子さんに何をした!」

「まさか、生体ユニット!?」

 

翼の言葉にゾル大佐は更に笑う。

 

「当たりだ、風鳴翼!フィーネは今、このデカブツを動かす生体ユニットとして俺が有効活用している。こんな風にな!」

 

先端を響達に向けて巨大なビームを放つ。間一髪避ける響達。クリスが反撃にレーザーを打ち込むが、

 

「閉じろ」

「…はい」

 

ゾル大佐の居る場所に黄色いシャッターが閉じる。直後にクリスのレーザーが掻き消えてしまった。そして、ゾル大佐は反撃として、クリスと同じようなレーザーを放つ。辛うじて避け切るクリスだがその額には汗が流れる。その後、翼の一撃や響が一撃を入れるが傷ついてもほんの数秒で回復してしまう。

 

「くだらん真似を、聖遺物の欠片と完全聖遺物。どちらが力が上かなど赤子でも分かるぞ」

 

ゾル大佐にしてみればただの嫌味でしかなかった。最早、シンフォギア装者に打つ手はない。このまま世界を焼き尽くし、その世界をショッカーが支配する気でいた。しかし、ゾル大佐の言葉を聞いた翼とクリスが互いに顔を見て頷いた後、響に視線を送る。一瞬困惑する響だったが二人が何かをすると悟った。

 

「よくは分かりませんけど…やってみます!」

「なら、私と雪音で露を払う!」

「頼りにしてるぜ!」

 

「何をするのか知らんが死ね!!」

 

翼とクリスは無数に飛んでくるレーザーを掻い潜りゾル大佐たちへと近づく。ゾル大佐も近づけまいとするが、翼が力を溜め剣を巨大化させ、その剣で蒼ノ一閃を放つ。爆発して煙が出るがゾル大佐を倒せる程ではなく穴を開けた程度だ。しかし、クリスには穴を開けるだけで十分だった。穴が閉じ切る前にクリスが内部に突入する。

 

「ちっ、考えたな!外から破壊出来ないのなら内部から破壊すればいいと!?狙いはフィーネか!?」

 

ゾル大佐はクリスが入って来た時点で、磔になっているフィーネの前に出てクリスに奪われない様に動く。クリスも一瞬、フィーネを助けたそうにしたが、即座に周りをレーザーで撃つ。

 

━━━狙いはフィーネではない!?ならばこの小娘の狙いはなんだ。ええい、煙で見えん!

 

「開け…ます…」

「!?ま…」

 

煙で見えない事を感じ取ったフィーネがゾル大佐が制止する間もなくシャッターを開ける。そして、シャッターの外には剣を振り上げ待ち構えていた翼が。

 

「ハアアアアアア!」

 

「これが狙いか!?」

 

翼の斬撃からフィーネを守るゾル大佐。爆炎の中、翼の一撃を防ぎきったゾル大佐だったが、デュランダルを握っていた手に衝撃が走り思わず手放してしまった。

 

「一体、何が!?」

 

「チョッセイ!」

 

ゾル大佐の視線の先には拳銃タイプのアームドギアでデュランダルを撃つクリスの姿があった。あの爆炎の中、ゾル大佐の手を撃ってデュランダルを弾いたのはクリスだった。

 

「狙いはフィーネではなくデュランダルだと!?」

 

ゾル大佐が視線をデュランダルに向けると丁度、響が握った所だった。しかし、響がデュランダル取った途端、目が赤くなり体が黒くなりかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を見ていた未来は地上に出ると言い出した。

 

「無茶よ!」

「響は帰って来るって約束したんです。だから、私は響が帰ってこれるように道標になりたいんです。響に守られてばかりの私じゃない。守れるよう強くなるって決めたんです」

 

あおいが止めようとしたが、未来の力強い決意を聞いた皆が黙り込む。

 

「未来…」

「ヒナ…」

「小日向さん…」

「分かった、なら…」

 

未来の言葉に弦十郎も腹を決めたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、大丈夫かよ!?」

「しっかりするんだ、立花!」

 

響の様子に翼とクリスも近寄り励ます。その様子を見ていたゾル大佐はまだ勝機があると睨んだが、シェルターの入り口が破壊され、何人もの人が出てきた。弦十郎と未来たちだ。

 

「正念場だ!踏ん張りどころだ!」

 

弦十郎の声に響が視線を向ける。

 

「強く自分を意識してください!」

「昨日までの自分を!」

「これからなりたい自分を!」

 

━━━み…みんな…

 

「その力に屈するな立花。お前の覚悟を私に見せてくれ!」

「みんな、お前に賭けるんだ!その期待に応えて貰うぜ」

 

翼とクリスの励まし、

 

「頑張って、立花さん!」

「ショッカーなんかに負けないで!」

「ヒナから聞いたけど私達ビッキーと友達になりたいんだ!この戦いが終わったら遊びに行こうよ!」

 

創世達の声援が響に届く。

 

 

 

 

「ムシケラどもが鬱陶しいぞ!!」

 

その応援を邪魔に思ったゾル大佐が弦十郎たちにレーザーを放つ。直撃はしなかったがその場に居た全員が爆発に巻き込まれ倒れてしまう。何とか全員、擦り傷で済んだがゾル大佐は狙いをそのままにしていた。

 

「!?」

 

「丁度いい、立花響の絶望の為に死ね!」

 

ゾル大佐は倒れた弦十郎たちに更にレーザーを撃とうとする。

 

「ひび…き…」

 

倒れた未来が響の名を呟く。その声をとても弱弱しかった。

 

━━━!未来!そうだ、私が倒さなきゃ!この衝動に塗りつぶされるものか!!

 

瞬間、響の体の黒が取り除かれ光り輝き出す。その光はデュランダルの刀身を遥かに伸ばしゾル大佐もそれに気付いた。

 

「何だこの輝きは!?これが完全聖遺物の力なのか!?」

 

「響き合う皆の歌声がくれた…シンフォギアだーーーーーー!!!」

 

響がデュランダルを一気に振り下ろす。デュランダルはゾル大佐の居る赤い巨大な物体を切った。直後に赤い巨大な物体の崩壊が起こる。

 

「何が起こっている!?」

 

「完全聖遺物…同士の…対消滅…」

 

「対消滅だと!?何とかしろ、フィーネ!お前なら出来るだろう!」

 

「不可…能…」

 

赤い巨大な物体は爆発を繰り返し大爆発を起こした。この爆発はゾル大佐の野望は失敗を意味していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは終わった。全てのノイズも倒しシェルターに避難していた人々も地上へと戻る。街や道路はボロボロになってしまったが復興が直ぐに始まる。

決戦の場となったリディアン音楽院の方でも弦十郎や未来たちが擦り傷だらけの中、佇む。そこへ響がフィーネを支えて戻って来た。

あの戦いの後に響はフィーネとゾル大佐を探していたのだ。結果、倒れたフィーネしか見つからなかった。

 

「お前…如何して…私を…」

「…助けたかったからです」

 

フィーネの質問に響は答えた。その様子に翼もクリスも呆れたような表情をするが、クリスはどこか嬉しそうでもあった。そして、響は瓦礫の一つにフィーネを座らせる。

 

「…お人好しが…過ぎるぞ」

「昔、みんなにも言われてました。親友からも変わった娘だって…」

 

一息つく、フィーネ。その表情は疲れているように見える。

 

「もう終わりにしましょうよ、了子さん」

「…私はフィーネだ」

「それでも了子さんは了子さんです。きっと私達、分かり合えます。…少なくともショッカーよりは」

 

その言葉を聞いたフィーネはゆっくりと立ち上がり歩き出す。

 

「…ノイズを作ったのは先史文明期の人間。統一言語を失った我々は、手を繋ぐよりも相手を殺す事を選んでしまった」

「ノイズが…」

「ゾル大佐が言っていた事は本当だったのか?」

 

弦十郎たちは疑問に思う。先史文明の巫女であったフィーネが知っているのは分かる。しかし、悪の組織…ショッカーのゾル大佐が何故、その事実を知っていたのか?

 

「ゾル大佐が何故知っていたかは知らん。だが殺し合いを望んだ人間が分かり合えるものか」

「人が…ノイズを…」

 

フィーネの独白に一同はしんみりとする。

 

 

 

 

「フフフ…その通りだ!終焉の巫女よ!」

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

そんな中、聞き覚えのある声が辺りに響く。皆が瓦礫の方に目を向けとゾル大佐が響達を見下ろしていた。

 

「ゾル大佐!?」

「まだ生きて居やがったのか!」

 

翼とクリスの言葉にゾル大佐が一瞬だけ弦十郎たちに視線を送った後、フィーネを見る

 

「所詮人間などその程度の価値しかない。我々ショッカーが管理しなければ人類は互いに殺し合い滅ぶ」

 

「そんな事ない!人は言葉よりも深く繋がれる。私達はそれを知っている!」

 

「ほざけ!言葉が通じないどころか心の通じ合っている筈の親子や兄弟でも殺し合うのが人間だ!人類は愚かなまま進化せずこの星を食い潰す!そうなる前に人類はショッカーが支配すべきなのだ!」

 

「それでも…それでも私達は…」

 

ゾル大佐に反論しようとする響だが、翼とクリスが響の前に立つ。

 

「もう止めろ、立花。あの男にお前の言葉は届かない」

「いい加減アイツの顔も見飽きた!アタシ達が引導を渡してやるよ」

 

クリスの言葉にゾル大佐は高笑いを出す。

 

「フッハハハハハハハハ、それは此方のセリフだ。一つ良い事を教えてやる!立花響、貴様が変身できるように俺もまた変身出来る!」

 

「!?」

「なにッ!?」

「やはりゾル大佐も改造人間か!?」

 

「俺の本当の姿を今、見せてやる!!」

 

ゾル大佐の言葉に全員が驚愕する。果たしてゾル大佐の正体とは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

=NGシーン=

 

「…一つ良い事を教えてやる!立花響、貴様が変身できるように俺もまた変身出来る!」

 

「え?シンフォギアに?」

 

「そっちではない!」

 

 

 




ゾル大佐、原作のフィーネでもやらなかった悪行をやる。

次回。ゾル大佐との最終決戦。

NGシーンは突然書きたくなった。反省はしていない。
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