Gからはどうするか考え中、アマゾンプライム系の動画サイトに入るかブルーレイ機器を買ってブルーレイを揃えるか。
それにしても、フィーネが月の欠片を落とすのがアレとは、
「立花響…出ました」
大きなモニターに立花響の顔が映る。
「立花響は一年半以上前に下校中に行方不明になって捜索願いが出されてます」
「家族の方も、先日にチラシ配り等をして情報提供を呼び掛けてました」
男女の職員の報告に風鳴弦十郎は手を顎に当て考える。
一年半以上前に行方不明、本人曰く拉致されていた。
これは、本格的に話を聞かなければな。
「あったかいもの、どうぞ」
「あ…ありがとうございます」
響が女性にホットココアを貰う。
戦闘員との闘いの後、政府の人間が後処理をし、女の子も無事母親に返される。
自分はどうしようかと考えていた響だが風鳴弦十郎が「お礼もしたいし付いてきてくれ」と言うと同時に拘束され車に押し込められる。
道中、手枷を何度も破壊して職員の人に怒られた。
解せぬ。
着いた場所は私立リディアン音楽院高等科。
大好きな親友が受験すると知り、自分もと思っていたが受験する事すら出来なかった場所。
そして、その地下施設に連れてこられた。
ホットココアに少し、口を付ける響は眉を顰めると、風鳴弦十郎が入って来た。
「やあ、響くん。ようこそ特異災害対策起動部二課に。改めて名乗ろう。俺は此処の責任者の風鳴弦十郎だ」
「オペレーターの藤尭朔也です」
「同じく、友里あおいよ」
傍に控えていた男性とココアをくれた女性が名乗る。
「そして、私が出来る女って評判の桜井了子。響ちゃん、早速だけど服を脱いでくれるかしら?」
初対面の女性に響は「えっ!?」とこぼす。
やたら豊満なボディをしたメガネの女性に突然「脱げ」と言われればしょうがない。
「了子くん、検査なら後でも…」
「歌も無しにシンフォギアが起動したのよ。この子、相当体をイジられてるわ」
了子の言葉に俯く響。
それでも後にしろと説得され了子は渋々引き下がる。
「それで、響くん。あの黒づくめの男たちは何だったんだ?明らかに君を狙っていたが…」
弦十郎の質問に響は直ぐには答えない。
十秒程だろか?何かを考えていた響はようやく口を開く。
「…戦闘員…ショッカーの兵隊です」
「ショッカー?」
「響ちゃん、ショッカーって?」
了子の質問に響は真っ直ぐ目を向ける。
「秘密結社ショッカー。世界征服を企む悪の組織で、……私を改造人間にした連中です」
「改造…人間…」
「世界征服…ねえ…」
━━━やっぱり信じてもらえないよね。今時、世界征服を目指す秘密結社なんて昔のアニメや特撮じゃないんだから
響が笑われる事を覚悟する。
当然だ。もし、自分がこの話を聞いてもフィクションとして真面目に相手をしない。
もしくは、妄想癖があると近寄らないかもしれない。
「ショッカーか、調査部に調べるよう要請するか」
「その方がいいわね。世界征服なんて物騒すぎる」
「!…信じてくれるんですか?」
鼻で笑われるのも覚悟していた響は驚いて聞く。
「ああ、平時なら冗談の一つだと思っただろうが、あの戦闘員という連中を見てな」
黒づくめ……戦闘員が響を襲い風鳴弦十郎が助け、倒れた戦闘員は緑色の泡を出し消滅した。
いたずらにしては手が込んでる上に、戦闘員を殴った手は未だ、その感触を忘れていない。
「あ…ありがとうございます!」
風鳴弦十郎達の言葉に響が泣きそうになる。
「さて、それじゃ早速行動を…」
「その必要はない」
辺りに突然不気味な声が響く。
風鳴弦十郎達が辺りを見回すが姿が見えない。
「誰だ!一体何処に居る!?」
警戒する弦十郎達、誰かが要請したのか銃を持った職員も入ってくる。
「この声…」
響が呟く。
聞き覚えのある声に響は立ち上がる。
「蜘蛛男!」
「上だ!」
職員の一人が天井に張り付く何かを見つける。
その何かは、天井を床に着地する。
それは、二本の角を持ち三つの目の部分に幾つもの複眼を持つ緑色の体に赤の混じった色もある。
「く…蜘蛛?」
「何だ、このデカい蜘蛛は」
「ショッカーを知った者は死んでもらう!」
「ば、化け物だ!」
「馬鹿な!此処は特異災害対策起動部二課の本部だぞ」
直ぐに反応した職員が銃で蜘蛛男を撃つ。
弾は蜘蛛男に命中するが、
「無傷!?」
「だが、ノイズと違って当たるぞ!」
弾を受け続ける蜘蛛男は銃を撃つ職員に何か吐き飛ばす。
「痛えっ!針?」
痛みを感じた職員が手を見ると針状の物が刺さっていた。
抜こうとするが、
「うわああああああああああ!!!」
「溶けてやがる!」
刺さった手から腕、体と溶け出す職員。
そして、あっと言う間に職員は死んだ。
更には、手から糸を出し、職員の体に巻き付け壁に叩きつける。
「特異災害対策起動部二課の本部とはついている。ショッカーの邪魔となる組織は潰しておく。だが、桜井了子!お前には一緒に来てもらうぞ!!」
蜘蛛男の突然の言葉に了子も「私!?」と戸惑う。
「貴様はショッカーの最優先拉致目標の一人だ。桜井理論とやらが完全に手に入れば我らショッカー怪人はより強くなれると聞いている!忌々しいノイズ共も物の数ではない!我々の時代が到来するのだ!!」
言い終えると同時に蜘蛛男は了子に飛び掛かる。
逃げないよう抑えた後、職員を殺して拉致するつもりであった。
驚きつつも冷たい目で見る了子。
「!?」
突然の殺気に蜘蛛男は天井に糸を伸ばし上に行く。
直後に、蜘蛛男の居た場所に衝撃波が走る。
衝撃波が出た先には弦十郎が拳を突き出していた。
「悪いが家の職員を勝手に勧誘しないで貰えるか」
「おのれ、人間ごときが!」
目標を変更した蜘蛛男が弦十郎に迫ろうとする。
だが、それよりも早く弦十郎は床を踏み込み蜘蛛男に迫る。
咄嗟の動きに蜘蛛男も右腕から糸を出し側面へと移動する。
蜘蛛男の背後にあった壁に弦十郎の拳が吸い込まれる様に当たり壁を粉砕する。
「な!?貴様も改造人間か!誰に作られた!?」
「俺は人間だ!」
蜘蛛男の質問にアッサリ答えた弦十郎はまた蜘蛛男に迫ろうとするが、
「させるか!」
蜘蛛男は手から粘着質の高い糸を出し弦十郎の足に絡める。
「何だと!?」
糸は足と床にくっ付き弦十郎の動きを阻害する。
蜘蛛男は更に床に付いた弦十郎の手に糸を出す。
「如何に改造人間と言えど、その糸を外すのは時間が掛かろう。丁度いい、貴様もショッカーに連行してやる!」
高笑いを始める蜘蛛男。
それを見て、自責の念にかられる。響だ。
━━━私の所為だ。あいつは、多分戦闘員が襲ってきた頃から私を狙ってたんだ。ずっとつけられてたんだ。私の所為で此処の人達が死んでしまう。…そんなの許せない。
其処で響は地上に繋がるエレベーターを見る。
「さて、桜井了子とこの改造人間以外は皆殺しに「蜘蛛男」ん?」
蜘蛛男は自分が呼べてる事に気づき視線を向ける。
其処にはエレベーターに乗る立花響の姿が映る。
「私と勝負しろ!お前なんか怖くないもん!」
言い終えると同時に響の乗ったエレベーターは扉が閉まる上へと進む。
蜘蛛男は一瞬、考え込む。
(オレに与えられた任務は立花響の確保或いは抹殺し心臓を持ち帰る事。正直、桜井了子とあの改造人間は惜しいが此処は任務を優先する)
「良いだろう、その挑発乗ってやる!」
エレベーター扉を破壊し響の乗るエレベーターに糸を付け追跡する。
その様子を只、見守る事しか出来ない職員。
「叔父様!敵が侵入したというのは本当ですか!?」
丁度、指令室の扉が開き諸事情で席を外していた風鳴弦十郎の姪、風鳴翼が入る。
中は悲惨の一言だった。
何かが溶けたような跡が幾つもあり血を流し苦しんでる者も居る。
「指令!一体何が!?」
翼の付き添いをしていた青年が弦十郎の傍による。
「俺の事は良い!それより翼、響くんの援護に行ってくれ!」
「…あの娘の…援護…」
弦十郎の言葉に翼は複雑な表情をする。
慌てる中、誰も気づかない。響の渡されたココアが全く減ってない事を…。
「ハア…ハア…」
既に暗い夜。
外に出た響は人を避ける為に近場の林を走っている。
人間にしては早いスピードだが、
「如何した?さっきまでの威勢はどうした!?」
木の枝を伝って追ってきた蜘蛛男は情け容赦無く背後に蹴りを入れる。
「うあああ!?」と短い悲鳴を出す響は蹴りの勢いに倒れてしまう。
丁度、林と広場の間付近で会った。
「さっさと変身したら如何だ?それとも捕まる気にでもなったか?」
「…もう止めてよ…」
「何だと?」
「私達はノイズと違って言葉が通じるんだよ!戦う理由なんてない!」
「…やはり、貴様は臆病者だ!戦いたくないと言うなら大人しくショッカーに戻れ、そうすれば貴様の臆病な性格も脳改造で立派な戦士となる」
「…脳…改造…」
「さあ、大人しく「嫌だ!」!?」
「変身!」
近づこうとした蜘蛛男に響は拒絶し変身する。
「ほう、やっと戦う気に「お願い、帰って!」」
「貴方だって元は人間なんでしょ!?ショッカーに改造されて戦わされてるだけでなんでしょ!?こんな戦い不毛だよ」
「…もういい」
蜘蛛男を説得しようとする響だが、蜘蛛男は一気に響に近づき体を殴りつける。
更に、蹴りを響の顔をに叩き込む。
「何が博士の最高傑作だ!お前の様な出来損ないはサンドバックがお似合いにだ!」
蜘蛛男は手から糸を出すと響の足に絡め、響を砲丸投げの様に回していく。
「貴様は本来、心臓だけを取られ残りは廃棄される筈が何を思ったのか博士はお前を聖遺物怪人第一号として選んだ!だが、貴様は戦闘員にすら負ける弱小怪人!あの基地で戦闘訓練も嫌がり何も学ばなかった臆病者だ!」
蜘蛛男は糸で振り回す響を木に叩きつける。
「ぐはっ!?」
「本来なら貴様の戦闘データでおれ達も強化されノイズを圧倒し世界征服が始まる筈だったが…やはり、博士は人選を間違えたようだな!」
ショッカーのプランでは今頃は既に世界征服を達成してる筈であった。
それが遅れに遅れてしまっていた。
原因はノイズの出現だ。
尤も、ノイズの出現は有史以来から確認されていたが、何十年か前にショッカー基地でノイズが大量に出現し、基地は壊滅的被害を喰らう。
運が悪い事に、その基地は本格的な世界征服の為の人員と物資が集められていた。
戦闘員や科学者はなすすべく炭にされ、1~2体なら戦える怪人も数の暴力の前に散り世界征服は頓挫した。
それからのショッカーはノイズに対する切り札を探していた。
そして、近年桜井了子の提唱する「桜井理論」に注目し、更に特異災害対策起動部が作ったシンフォギアに目を付け拉致のタイミングをはかった。
しかし、装者と呼ばれる二人の女と桜井了子の警備は思いのほか厳しく拉致は不可能と判断され一旦保留。
次に、ショッカーは聖遺物を手に入れようとするが、悉くが失敗。動き出すのが遅く、国が管理するなど手が出しづらかった。
そんな矢先であった。
ツヴァイウイングの惨劇が発生し、ショッカーの協力者のタレコミに立花響の心臓に聖遺物がある情報を掴む。
ショッカーは直ぐに立花響を監視しチャンスを待つ。
直ぐに生存者へのバッシングにより響が孤立するのには時間が掛からなかった。
これが響が狙われた理由である。
「そ…そんな事のために…」
そんな事の為に私は改造人間にされたの?
「貴様が逃げた所為であの完成間近だった基地も破棄せざるえなかった!まぁ、奴隷共の反乱で遅かれ早かれ破棄は決定していたがな」
奴隷!?ならあの人は!?
「私を助けてくれたあの人は…お「死んだ」!?」
「貴様を逃がそうとした、あの男は死んだ。俺が殺した」
嘘だ!
嘘だ!嘘だ!
噓だ!嘘だ!嘘だ!
私を逃がしたら直ぐ逃げるって言ったのに!
やっぱりあの人は嘘つきだ!
「ふん、壊れたか?」
座り込み天を見上げる響に蜘蛛男は手をサッと上げる。
その背後に二人の戦闘員が現れる。
「捕らえろ、基地に連行する。だが、その前に俺は特異災害対策起動部二課の連中を皆殺しにしてくる」
「「イーーーッ」」
ふん、博士の最高傑作も大した事は無い。
あの方にも間違う事があるようだ。さて、さっさと特異災害対策起動部二課の本部に「イーッ!?」!?
戦闘員の悲鳴と共に蜘蛛男の横を吹っ飛ばされる戦闘員。
転がった戦闘員は緑色の泡となって消える。
「何があった!?」
もしや、特異災害対策起動部二課の者が助けにでも来たのかと振り向く蜘蛛男だが、
「な!?」
その光景は蜘蛛男の想像とは違っていた。
「イーっ、イー」
戦闘員が必死に藻掻く。
その首は、響の手が握っている。
一切緩めることなく、寧ろ力を入れ鈍い音と共に戦闘員は動かなくなる。
戦闘員から手を放し蜘蛛男を睨みつける。
その顔は夜とは言え尚一層黒かった。
雰囲気が変わった!?
「貴様、戦闘員にも負ける弱小ではなかったの「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
咆哮を上げる響が蜘蛛男に殴りかかる。
許せない
目の前の蜘蛛男が許せない
「何故奪う!?」
何で好き勝手、他人の命を奪える
拳が何度も蜘蛛男に殴りつける。
「何故殺す!?」
簡単に殺す此奴が許せない
回し蹴りが蜘蛛男に炸裂する。
「舐めるな!」
苦し紛れに私に針を吐き出すが片手で止め握り潰す
手が少し溶ける感覚があるが直に治る
「お前が…オマエ達しょっかーが奪イ続けるのナラ…私が潰ス」
「あ…あ…」
弦十郎に響の援護を頼まれた風鳴翼は声を漏らす。
目の前では一方的な戦いが起こっていた。
蜘蛛男の角を持ち何度も顔面に膝蹴りを食らわせ、倒れれば何度も踏みつけ、腹にも膝蹴りを入れ、遂には腕の一本を千切る。
蜘蛛男は勘違いをしていた。
立花響は心優しく何処までも甘い少女であり、他人と競い合う事が苦手であった。
それは、改造された後でも変わらない。
人間体であった戦闘員にもそれが原因で負けていた。
本来のスペックなら戦闘員は愚か蜘蛛男すら圧倒している。
最早、蜘蛛男に勝てる可能性は無い。
「翼くん、響くんは…!?」
蜘蛛男の糸を外した弦十郎と了子達が戦闘音を頼りに翼と合流する。
同時に、響の戦いに絶句する。
響の戦いはその位、容赦ない。
満身創痍の蜘蛛男はふらつく体で響を見るが、
「これが奪い続けた報いだ!」
響の渾身の右ストレートが蜘蛛男の顔面に叩き込まれる。
蜘蛛男は、その威力のまま倒れたままになる。
「ハア…ハア…」
渾身の力で殴った響は地面に座り込む。
その様子を見た風鳴翼と弦十郎達が響に駆け寄る。
「響くん!大丈夫か、響くん!」
「…あれ、私は…蜘蛛男は」
正気に戻った響は弦十郎達を見て聞く。
「蜘蛛男は君が倒した。終わったんだ!」
弦十郎の言葉に響は笑みを浮かべる。
「終わったん「何も終わってないぞ!」!?」
皆が一斉に声のした方を見る。
最早、何時死んでもおかしくない程の傷を負った蜘蛛男が立っていた。
蜘蛛男が響達に指を指す。
「聞け…確かに俺は負けた…だが、立花響と…貴様ら…特異災害対策起動部二課…の情報は…既にショッカー本部に…伝えている!直に…俺より強力な…怪人軍団が…貴様らを抹殺に来る!…秘密結社ショッカーの恐ろしさを思い知る…がいい!ふは…ふは…ははは…ガはっ!」
蜘蛛男の体が次々と赤い液体となり遂には形を保てず完全に液体化し地面に流れる。
その不気味な姿を唖然として見る弦十郎達。
空には一羽のカラスが旋回し一声鳴くとその場を離れる。
秘密って何だろう?
政府の紐つき機関に正面から喧嘩を売る秘密結社って……。
因みに、怪人とノイズの力関係の設定ですが、1体か2体までのノイズなら怪人が勝利し、5体以上になると怪人はなすすべなく炭にされます。
え?怪人がノイズと戦える理由?…怪人だから?
そして、響が未だに歌ってない事実。
歌わなくても変身出来るから仕方ない。
よろしければ、感想お願いします。