改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

72 / 172
NHKの仮面ライダーを楽しみにしていたんですが放送はBSPだった。…おのれNHK。
YouTubeで流してくれないものか。

YouTubeと言えば、現在仮面ライダーリバイスを9話まで公式が流してます。11月8日には終わってしまうので見たい人は早めに見たほうがいいかも。


66話 マリアの過去

 

 

 

━━━マリア・カデンツァヴナ・イヴは、シンフォギアを二つ持っていたと言うのか!?

 

ガングニールのシンフォギアを立花響に譲渡して丸腰だと思っていた死神博士が驚愕する。映し出された映像にはマリアが聖詠を歌い光がマリアを照らす。

 

━━━まさか、別のガングニールも持っていたと言うのか!?しかし、聖詠が違う気がするが…ええい、分からん!!

 

「怪人ども、今直ぐマリアを殺せ!」

 

マリアの未知の力を恐れた死神博士が怪人たちに抹殺命令を下す。その命令に取り囲んでいた怪人達が一斉に襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

死神博士の命に無数の醜悪な怪人がマリアへと飛び掛かるが誰一人、マリアへと到達は出来なかった。幾つもの弾丸がコブラ男へと降り注ぎ青い斬撃がヤモゲラスを両断する。

 

「オラオラ、死にたい奴は掛かってこい!」

「…マリアがシンフォギアを纏うと聞いて…死神博士は何を恐れている?」

 

クリスが両腕からガトリング砲を出して小型ミサイルも展開し、翼も斬撃を飛ばして怪人達を牽制する。急に怪人達が血相を変えてマリアを襲いだした事に違和感を感じる翼。

最初は、十分怪人の迎撃をしていたクリスと翼だが、やはりゴースターに捕まった時の消耗が残っており次第に怪人達の牽制も厳しくなる。

 

「今だ、弾丸スクリューボール!!」

 

「あっ!?」

「しまった!」

 

翼とクリスの消耗にチャンスと見たアルマジロングが体を丸めて弾丸スクリューボールで二人の攻撃を掻い潜りマリアへと接近、このまま弾丸スクリューボールでマリアを抹殺する気でいた。

 

「逃げろ、マリア!」

 

「この距離では避けられんだろ、死ねぇーーーー!!」

 

シンフォギアを纏う前にアルマジロングの弾丸スクリューボールを受ければ並の人間は助かる事はない。その事を知っている翼がマリアに逃げろと訴える。しかし、翼も内心分かっている。この距離から逃げようともアルマジロングの弾丸スクリューボールのスピードからは逃げられない。

 

 

 

 

 

 

「…ありがとう、風鳴翼。でもその必要はないわ!」

 

だが、次の瞬間には光ってる影から長細いジグザグ移動する鞭のようなものがアルマジロングの弾丸スクリューボールを弾き飛ばす。

 

「なにッ!?」

 

予想だにしない攻撃に体を丸めていたアルマジロングは弾丸スクリューボール状態を解き人型へと戻る。丁度、マリアも光ってる状態からシンフォギアを纏う姿へとなる。

 

「ガングニールではない!?貴様、そのシンフォギアは何だ!?」

 

マリアの姿を見て驚愕するアルマジロング。他の怪人たちは愚か翼とクリスも内心驚いていた。マリアの姿はガングニールの時の黒を主体ににした姿ではなく、全体的に白銀のように白く首元と胸から腹部にかけての黒しかなく太腿やヘソの辺りには薄い水色をし、左腕には肩当てと籠手の様な物がついていた。

 

 

 

 

 

「ガングニールではない別のシンフォギア!?マリア・カデンツァヴナ・イヴは、別のシンフォギアの適性があったのか!?」

 

マリアがガングニールではない別のギアを纏う事に驚く死神博士。死神博士は何時の間にか装者の適性のあるギアは一つが限界だと思い込んでいた。

 

「装者が適合できるギアは複数あるのか」

 

映像には複数の怪人に左腕の籠手から出した短剣を蛇腹剣にし、次々と襲い掛かる怪人を薙ぎ倒す。これに翼とクリスも援護し怪人を押し返す事に成功する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴースター、私が相手だ!」

 

「ちっ、邪魔をしおって!こうなれば貴様から先にマグマで焼き尽くしてやる!」

 

切歌と追いかけっこしていたゴースターは、徐々に切歌を追い詰めていく。元々体力の違いもあるが、改造人間であるゴースターは切歌を遥かに超える体力とスタミナがある。反面、切歌はまだ体の出来上がってない子供だ。どちらが有利かなど赤子でもわかる。

ヒット&ウェイでゴースターを翻弄した切歌に直ぐに限界が訪れあわやと言う時に響がゴースターにタックルして切歌は難を逃れる。そして、そのまま響はゴースターとの戦闘に入る。

 

「はああああああ!!」

 

響の拳がゴースターに命中する。それと同時に拳のジャッキも一気に閉じて衝撃がゴースターに襲い掛かる。

 

「アーブルッ!そんな攻撃で俺を倒せると思うな!!」

 

しかし、響の一撃を受けたゴースターは少しだけ後ずさるだけで全くの無傷だった。

 

━━━硬い!?翼さんやクリスちゃんが苦労した訳だ!

 

響が改めてゴースターの強度に驚愕する。嘗てのトカゲロン以上の耐久力だ。

 

━━━でも、今の私なら倒せる!その為にも!

 

響が己の両腕に付いているギアを力いっぱい引っ張る。響は今までの戦闘の経験でガングニールの力は腕のバンカーのようなパーツが圧縮されて、それが力になる事を知っている。だから、響は可能な限り引っ張り肩の方まで上がる。

 

「何をする気か知らんが死ねぇぇーーー!!」

 

響の行動を不審に思いつつもゴースターは、響に向けて火炎弾を放つ。今度の響はそれを避けなかった。

ゴースターの火炎弾は響に直撃する。火炎とマグマが響を襲う。

 

「ざまあみろ!何が俺を相手にするだ、お前は灰になって燃え尽き「まだだー!!」ろ…!?」

 

ゴースターは信じられない物を見た。響が火炎弾で燃えてるにも関わらず腰のブースターで加速しゴースターに接近してるのだ。

 

「馬鹿な!?幾ら改造人間でも俺の火炎弾をまともに浴びたんだぞ!!」

 

「知った事かあーーーー!!」

 

驚愕するゴースターを他所に響は拳を構えたままブースターを更に加速させとうとうゴースターに接近、その胴体に両手で同時にパンチする。更には両腕の肩まで上げたギアが一気に押し出されゴースターは、響の両腕から凄まじいエネルギーをまともに喰らう。

 

「死神博士に再改造されたとはいえこれ程とは!だが、忘れるな立花響!お前は俺達と同じ同類だということを!人並みの生活など…ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

最後に響に呪いの言葉をぶつけたゴースターだが目や口から火を噴くと同時に体中にヒビが広がり爆発する。爆炎や衝撃がその場の響に襲うが体の火をゴースターの爆風で消えただけである。

 

「…化け物」

 

響は一言口にして自分の手を見る。ゴースターの火炎弾により焼けた肌やガングニールのギアが再生していく。その速度は再改造前のよりも早かった。

 

━━━…私、本当に人間じゃなくなったんだな…

 

響としても分かってるつもりだった。死神博士に改造されショッカーを逃げ出して特異災害対策機動部二課に保護され体を調べられて怪人やノイズと戦い、未来を助け出した時は掌も再生して戦い続けてゾル大佐を倒した。その後、ショッカーに捕まり死神博士に再改造されても、響は自分に出来る事をして来た。

それでも、マグマをまともに受けてほぼ無傷は響にとってもショックだったのだ。

 

━━━ゴースターの言う通り、私は、もう化け物かも知れない。…でも

「今は、あなた達を倒すことを優先する!」

 

体に付いた冷えたマグマを取り払い、響が背後を振り向く。セミミンガとカメストーンが響に迫っていたのだ。響と怪人達の死闘はまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴースターから逃れた切歌は、調と無事合流に成功する。だが、同時に怪人達が切歌と調に迫る。

 

「先ずはこいつ等を先に始末してやる!」

「立花響に比べればこいつ等の力など雑魚も同然だ!」

 

そう言って、ムカデラスとサボテグロンが調と切歌を見て嘲笑う。しかし、何時までも笑ってはいられない。マリアが新たなシンフォギアを使い、強豪怪人であるゴースターが立花響に敗れた。とっとと二人を始末して味方と合流する気でいるのだ。

 

「切ちゃん」

「私達も舐められたものデース」

 

互いの手を握り合う調と切歌が怪人達を睨みつけ、切歌はイガリマを握り調は頭部ユニットの大きな丸鋸を展開する。

 

「何を悪足掻きしている!?」

「雑魚は雑魚らしく死ねぇぇ!!」

 

調と切歌の行動を悪足掻きと断じて二人を殺そうとサボテグロンはサボテン棒を、ムカデラスは肩付近の足先を取り外して手裏剣のように投げる。しかし、攻撃が命中する事無くサボテン棒はイガリマに弾かれムカデラスの手裏剣は丸鋸に弾かれる。

 

「「!?」」

 

「私達も見くびられたものデス」

「確かに、私達は立花響と比べれば弱い…」

 

そう言って、二人は手をつないだまま動き出す。まるで二人で踊るような動きに怪人達が翻弄され攻撃の殆どが外れる。

 

「私達は半人前。それでも…」

「一人では弱くても!」

「切ちゃんと」

「調と」

「「一緒なら一人前」デス!!」

 

調の大型の丸鋸がムカデラスを切り刻み、切歌の大鎌がサボテン棒で防御するサボテグロンを両断して撃破する。二人の踊るような攻撃は更に続き他の怪人たちも次々と撃破していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿な!マリア・カデンツァヴナ・イヴだけでなくあんな小娘どもに怪人どもが撃破されてるだと!?」

 

フロンティア内部のジェネレーター付近で高みの見物をしていた死神博士が信じられない様に言う。

予定では、風鳴翼たちを抹殺し立花響を連れ戻すのに十分な戦力の筈だった。いくら、マリアたちが加わり反撃しようと、シンフォギアの能力も経験も翼たちに比べれば低いマリアなど敵ではない筈だった。

 

「不味い…このままでは全滅だ」

 

見れば、立花響がセミミンガとカメストーンを撃破し、マリアの方は翼とクリスの援護でサイギャングとアルマジロングが撃破されている。全滅するまでそんなにかかりそうにない。

 

「これでは、フロンティアの放棄も視野にいれねばならん。…認めるものか!!」

 

ショッカーは、フロンティアの占領に大兵力を使ってしまった。各国に潜り込んでいた工作員に洗脳した兵士を動かした大作戦なのだ。失敗したでは済まない。

切り札はまだある。…あるが、失敗の許されない死神博士は何か無いかとフロンティアのシステムを調べ、良い物を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

響達はマリアたちと合流し、凄まじい速さで怪人達を倒していく。セミミンガとカメストーンを倒した響はナマズギラーと毒トカゲ男も殴り倒し、調と切歌の踊るような動きで怪人達を翻弄してアリガバリとザンブロンゾを倒して、マリアも翼たちと共同でトリカブトやベアーコンガーを倒していく。

 

「止めろ!なんとしても奴等の息の根を止めるんだ!!」

 

ゴースターもトドギラーも敗れ残ったザンジオーが隊長として生き残った怪人に命令を下す。元より逃げ帰る事は許されない。

しかし、残った怪人達も勢いのある響達を止められなかった。響に調と切歌にマリアに次々と倒され残った怪人はザンジオー一人となる。

 

「残ったのはお前一人だな、ザンジオー!」

「謝ったって許さないデース!」

 

マリアや翼、響と切歌といった装者が完全にザンジオーを囲んでいる。完全に形勢逆転されてしまった。

 

「ほざけっ!ただでは死なん、ショッカーの恐ろしさを味合わせてやる!」

 

しかし、この程度でザンジオーが弱音を吐くことはない。ショッカーの為ならば命など惜しくもないと思わされてるのだ。

 

「待って、みんな」

 

一触即発の空気の中、待ったをかけた人物がいた。マリアだ。

 

「マリア?」

「どうしたんデスか?マリア」

「…ソイツに聞きたい事があるの」

 

調と切歌の言葉にマリアがそう返してマリアはザンジオー睨みつつ一歩前へ出る。

 

「なんの用だ、裏切者め」

 

「一つ聞きたい。6年前にFISの施設を襲撃したのはお前か?」

 

「6年前?」

「…!それって!?」

 

翼やクリスに響が6年前と聞いて顔を見合わせ、調と切歌は何かを思い出したようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6年前、私はFISの施設に居て其処で完全聖遺物の実験を妹と見学していたわ。完全聖遺物、ネフィリムの実験が終わればマリアと妹のセレナのシンフォギアの起動実験が行われる筈だった

 

「起動したネフィリムの出力は安定してるとは言えません。ネフィリムの実験はここまでにした方が…」

「…議会を説得するのに時間と金もかかったんだ。このまま実験中止など認められるものか!?」

 

昔、体も健康だったマムが上司…所長にそう言ってたけど、彼らも簡単には諦められなかった。この研究をする為に莫大なお金と時間が掛かり、ここで中止すればまた同じような実験が何時出来るか分からなかったからだ

 

「しかし、このままでは十中八九ネフィリムが暴走を起こすのは明白です!そうなれば、この施設どころか職員にも被害が」

「…やむを得んか」

 

それでも、マムの説得で署長もネフィリムの起動実験を中止するようだ、元より下手にやって責任問題にしたくなかったのかも知れない。このままネフィリムも元の状態に戻される筈だった

その直後に、轟音と地響きが施設を襲った。非常灯がつき警報が鳴り響く中、各所から火の手が上がると共に人の悲鳴が聞こえだした

 

「何事です!ネフィリムが暴走したのですか!?」

「…違います!襲撃です、NブロックにSブロック…正面玄関からも武装勢力に襲撃されてます!!」

「なんですって!?」

 

突然の事にマムは実験中のネフィリムが暴走したのかと疑うが帰って来た答えはマムの予想を外した。仮にも合衆国の施設でのテロリストの襲撃に研究者たちも慌てだす。この施設には警備員が何人もいたが悉くが殺されたらしい

監視カメラの映像には非常灯の中、銃を乱射する警備員を殺害する顔をペイントした黒タイツの人間と異形の化け物のような怪物が映る。私もセレナも茫然とする中、マムと所長、そして私達の耳には凶報しか入らない

 

「第四ゲートを突破!警備員が全滅!!」

「レセプターチルドレンの居る区画で火の手が!消火システムが作動しません!!」

「敵の一団が此方に接近!隔壁を降ろします。…駄目です、隔壁が破壊されました!!」

 

「一体…何が…」

「全職員の避難を!マリア、セレナ、私達も避難します!」

 

突然の事に茫然とする所長と全職員に避難を促すマムは私とセレナの手を取った。この施設を放棄するのかは、分からなかったけど避難するのは賛成だった

 

でも…

 

「●●●■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーー!!」

 

襲撃により中途半端に停止していたネフィリムが突如咆哮を上げ、施設に体当たりし始める。何人かの職員がネフィリムを止めようとするが、

 

「駄目です!ネフィリムが停止しません!」

「それどころか、施設からエネルギーを奪って成長しています!」

 

ネフィリムは完全に暴走していた

暴れるネフィリムと謎の襲撃者の所為で指令室はパニックになっていた。せめてネフィリムだけでも止めないと…

 

「姉さん、マム、私…歌うよ」

「!?セレナ!」

「待ちなさい、セレナ!歌うとは…まさか!?」

 

混乱した指令室でセレナの歌う発言。間違いなくセレナは絶唱を歌う気だった

 

「私の絶唱でネフィリムを起動する前に戻せるかも知れないの」

「無茶よ!仮にしれでネフィリムを止められても襲撃者も居るんだよ!」

 

そう。仮にセレナの絶唱でネフィリムを止められても黒ずくめの襲撃者が問題だった。彼らの目的が分からない以上、下手に動くのは…

 

「それでも、暴走したネフィリムを外に出すよりはマシ。姉さんもいるし、FISの人達もいる。最悪、ネフィリムを戻した後、この施設から脱出すればいい。だから、何とかなる!」

「セレナ…」

「ギアの力は私が望んだ物じゃないけど、この力で皆を守りたいの」

 

非常灯と警報が鳴る中、セレナは明るく言うが、私の目はセレナが震えている事に気付いた。セレナも怖いのだ、適合値を上げるLiNKERもまだ完成していない。後天的適合者である私やセレナが絶唱を歌えばただでは済まない

 

「…覚悟は固いようですね、セレナ」

「マム…」

 

セレナと私のやり取りを見守っていたマムが私達に話しかける。他の職員もどうにかネフィリムや襲撃者の動きを止めようとするけど上手くいってないようだ。その時、この指令室の外のネフィリムの実験をしているラボの入り口が爆破され、何人もの人影が入り込む

 

「奴等、もう此処まで!?」

 

所長の声に私達は、ガラス越しで襲撃者の姿を見る。監視カメラでも映っていた顔をペイントした黒ずくめの男達だ。ん?奥からもう一人来た。非常灯の所為で分かりにくいがあの化け物だ

 

「これが、FISの完全聖遺物か。有難く我々が貰う事にしよう。やれ!」

 

その化け物が隊長各だったようで顔にペイントをしていた黒ずくめ兵士達に命令をしたわ。ネフィリムもその男達の存在に気付いて目標を変えたわ

黒ずくめの男たちが縄の様な物を出してネフィリムに投げたり背負っている火炎放射で攻撃するけどネフィリムには大して効かず逆に縄を掴まれ振り回されたわ。その振り回された黒ずくめの男は別の男達に次々と薙ぎ払われて最後には指令室の窓ガラスに投げられてガラスが砕けると共に何人もの科学者が割れたガラスで負傷する

 

「ちっ、思いのほかやる!変われ俺がやる!」

 

部下たちの体たらくに隊長各の化け物がそう言ってネフィリムに飛び掛かる。黒ずくめの男達に比べ化け物は強く、ネフィリムも苦戦していたわ。遠い上に非常灯で見え難いが化け物の繰り出すパンチやキックでネフィリムを仰け反らせ口から吐く火炎にネフィリムも悲鳴のような咆哮を上げる

 

「今なら!」

「セレナ!」

「待ちなさい、マリア!」

 

ネフィリムと化け物の戦いにチャンスを見出したセレナは、私から離れて行く。思わずセレナの名を呼んで私も付いて行こうとしたがマムに止められた

セレナは、指令室の割れたガラスから飛び出してシンフォギアを纏いネフィリムと化け物の前に立った

 

「なんだ?邪魔をするのなら貴様も死ねぇ!!」

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

 

セレナの絶唱が辺りに響く。私の居た指令室にも澄んだ歌声が聞こえマムたちが何か作業をしている

 

「こんな所で歌うだと?恐怖で頭でもおかしくなったのか!?」

 

絶唱を知らないのか化け物は、セレナの歌を馬鹿にして嘲笑う。知っていれば死に物狂いで止める筈だ。…その声を聞いていた私もとても悲しかった

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl

 

「もういいか?ならば死ねぇ!」

 

絶唱を歌い終わったセレナは最後まで笑っていた。そして、セレナが両手を広げると共に光と衝撃波が私達を襲った

 

「何だ、このエネルギーは!?ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

最後に化け物の声が聞こえて来たけど私にはどうでも良かった。直ぐに立ち上がった私は直ぐにセレナの下に走っる。頭では解ってるけど心が納得しない

 

現場には、もうネフィリムも化け物も居なくなっていた。遠目から見た限り黒ずくめの男達も隊長各の化け物が倒された事で逃げたようだ。今は、それより!

 

絶唱の影響で施設の一部が崩落する中、セレナは直ぐ見つかった。絶唱を歌った場所から動かずに祖母がよく歌ってくれていたリンゴの唄を口ずさんでいる

 

「…セレナ!」

「……よかった」

 

セレナが振り向いた時、私は思わず息を飲んだ。目や口からの流血、セレナの時間は長くないと私は直感した

 

「誰か!誰かセレナを助けて!!」

 

それでも、まだ病院や医務室に運べば助かるかも知れない!その望みに私は指令室に向かって叫んだ。でも、

 

「急いで救援を呼べぇ!!」

「駄目だ!外との連絡がつかない!」

「医務室が完全に潰されてる!なるべく姿勢を低くして避難するんだ!!」

 

指令室では既にパニックに陥っていた。当然だ、襲撃にセレナの絶唱であらゆる機器にダメージが入り、各所から火の手が上がっている。換気システムで一酸化炭素中毒にならず有毒ガスも吸わずにすんでいるが、何時までもこの場にはいられない

 

「お願い助けて!私の妹なの!!」

 

それでも、妹を助けたかった私は必死に助けを呼んだ。でも、殆どの職員は負傷してそんな余裕はない。中には足を引きずってる者も居て誰も助ける余裕なんかない

 

「待ってて、セレナ!」

「危ない、マリア!!」

 

助けを期待出来なくなった私は、もう自分で助けに行こうとした時、地響きと共にマムが私を押し倒した。直後に私やセレナに無数の瓦礫が振る。マムが庇ってくれて私は平気だったけど、

 

「セレナーーー!!!」

 

振って来た瓦礫はセレナを圧し潰すには十分だった。無数の瓦礫がセレナに降り注ぐ中、私はセレナを名を叫んで意識を手放してしまう

そして、意識を取り戻した後には、セレナの形見であるギア、アガートラームだけが残った

 

 

 

 

 

「…マリアにそんな過去が…」

「…セレナが突然いなくなったのはそれが原因デスか…」

 

マリアの話を聞いていた翼の呟きと切歌の声にマリアは静かに頷き、ザンジオーを睨みつける。

 

「当時は薄暗くてよく見えなかったけど、火を吐いた時に薄っすらと姿が見えた。ザンジオー、6年前に施設を襲ったのはお前か!?」

 

マリアとしても、ハッキリとザンジオー本人とは言えない。薄暗く遠目でしか見ておらず、何より6年間の記憶だ。マリアとしてもセレナが死んだ事を思い出したくもないがこの際、ハッキリとさせたかった。セレナの死にショッカーが関わってるのか。何より今にして思えば黒ずくめの男達は戦闘員と酷似している。

 

「…フフフッ、あの時の小娘の片割れがお前だったか」

 

そして、ザンジオーの返事はマリアの予想通りだった。

 

「その言葉、やっぱりお前だったのね。セレナの絶唱から逃げられたの?」

 

「死んださ、一度な。あの小娘の所為で俺は組織での評価がガタ落ちだ!」

 

事実、ザンジオーはセレナの絶唱のエネルギーで消滅し絶命した。しかし、ショッカーはザンジオーを再生させて再び使役していたのだ。

尤も、小娘であるシンフォギアに敗れた事でエリート怪人と呼ばれた評価はガタ落ちとなり一時は大幹部候補と呼ばれていたが一般怪人扱いとなった。

 

「お前の評判なんかどうだっていい!何故お前達は施設を襲った!」

 

マリアの声に怒りが混じる。当然だ、ザンジオーたちが襲撃しなければネフィリムは暴走せずセレナが死ぬことはなかったかも知れないのだ。

 

「知りたいか?知りたいならば教えてやる!俺達の目的は三つあったのさ!」

 

マリアの憤怒をよそにザンジオーの口からは楽しそうに語る。評価がガタ落ちとなったが肉親を亡くしたマリアの様子が実に面白く口も軽くなった。

 

「三つだと」

「それはなんだ?」

 

「一つは、FISの保有し実験してるという完全聖遺物の奪取。二つ目はフィーネの確保。そして、三つめは…レセプターチルドレンの抹殺だ!」

 

「!レセプターチルドレンを!?」

「なんでさ!?」

 

一つ目と二つ目の目的は翼たちにも予想がついていた。しかし、三つめは予想外であり思わずクリスが「なんでさ!?」と言う。

 

「レセプターチルドレンは、フィーネの受け皿だという情報は知っているだろう。その受け皿が減れば必然的にフィーネの居場所が絞れるというものだ!」

 

「「「!?」」」

 

ショッカーの長年の目的はフィーネの確保にある。しかし、フィーネは頭脳も技術も高く簡単には捕まらず下手に殺せば何時何処で復活するのかも不明だった。だからこそ、フィーネの受け皿というレセプターチルドレンを排除して少しでも絞り込みをするつもりであった。

事実、アリアの居た施設に居たレセプターチルドレンは、マリアを除き全滅しており別のFISの施設に居た調と切歌は助かった。

 

「…それだけの目的で…」

 

「全てはショッカーがフィーネを確保が目的だ!邪魔をするのならば貴様らは死ね!「死ぬのはお前だ」…!?」

 

マリアに向かって毒づくザンジオーだが、横からの声に一瞬黙る。翼が一気に近づき剣で切ったのだ。

切られたザンジオーはそのまま倒れて爆発する。

 

「すまんな、マリア。本来ならお前が決着をつけたかっただろうが」

「…いいのよ、これでスッキリしたわ…」

 

翼の謝罪にマリアはそう答えるだけだった。

ザンジオーの燃える様子を黙って見ていたマリアの目から一筋の涙が流れる。

 

 

 

 




ザンジオー「実は俺は三人目だった」

と言う訳でマリアが言っていた怪人はザンジオーでした。
原作は、FISでの事故でしたがこの世界ではショッカーの襲撃によりネフィリムが暴走しました。襲撃された事により職員たちもセレナを罵る暇はありませんでした。

カ・ディンギル跡地で戦ったザンジオーは再生怪人です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。