今更ですけど、新しい方の映画、ディケイドのオールライダーやレッツゴー仮面ライダーも一年前から配信していたんですね。……レッツゴーのDVD先日買ったのに……
最後の怪人、ザンジオーが爆散したことでこの場での戦いは終了したと言っていい。翼とクリスが辺りを警戒して見回すが増援は無さそうだった。
「ショッカーの戦力はもう無い…のか?」
怪人どころか戦闘員も出てこない事に翼は訝しげに呟く。ショッカーがフロンティアを手に入れたい以上は、もっと戦力を出すと思っていた。
「…マリア…」
「大丈夫デスか?」
そんな空気の中、調と切歌はマリアへと近づく。セレナは調と切歌にとっても大事な友達だった。そのセレナの死にショッカーが関わっていた以上、マリアの心境が心配だった。
「…平気よ、今はショッカーを…死神博士を倒さないと」
「………」
「…そうですか、それは良かったデス…」
そう言って、マリアは二人に強気な態度を見せる。尤も、マリアとの付き合いが長い二人にはマリアの空元気だという事に気付いている。それでも知らないふりしてマリアの空元気に付き合う二人。
そんな、三人のやり取りを見守る事しか出来ない響とクリスだが、翼たちの通信機に発信音の後に指令の弦十郎の声が響く。
『本部の解析にて高出量のエネルギー地点が判明した。ウェル博士の言葉が正しければ、其処が炉心があるジェネレータールームだ。そして、そのジェネレータールームに死神博士が居る』
『ちょっと待って下さい!その言葉だと僕の言っていたことを信じてなかったような発言じゃないですか!!』
『ウェル博士、言葉の綾です言葉の!』
『何が綾ですか!?そんなんだから日本人は分かりにくいとか言われるんですよ!!』
『そんな事、僕に言われても…』
・
・
・
ギャースカ ギャースカ
・
・
・
『いい加減にしろ、お前ら!!…とにかく装者たちは本部からの情報に従って急行せよ!』
通信の最中にウェル博士の文句と緒川の窘める声が口論となり遂には弦十郎の雷で終息した事で苦笑いの翼たちだが、弦十郎の命令に了解と言って通信を切る。
「行くぞ!この場に槍という、そして剣を携えてるのは私達だけだ!」
「分かってる、イカレたクソ爺に引導を渡してやる!」
翼の言葉にクリスも片手で拳を握って掌に打ち付けて翼に賛同する。声には出さないが響も頷き、死神博士の居る場所に向かう事に反論はない。
そのまま三人で指定された場所に行こうとしたが、
「ちょっと待つデース!」
切歌の待ったに響達が振り向く。其処にはマリアと調、切歌も行く気満々の姿だった。
「私達も行くわ。ショッカーと決着をつけなきゃね」
「マリア…分かった、共に行こう」
マリア達の決意に翼も納得して共に行く事になった。それぞれが顔を見合い少しだけ表情が柔らかくなり移動しようとした。
『その必要はない、其処がお前達の墓場となるのだ!!』
死神博士の声が通信機を介さず響達の耳元に聞こえた。恐らく、フロンティアの技術を使ったのだろう。
「死神博士!」
「観念するデース!」
「お前の自慢の怪人軍団はアタシ等が全部倒したぞ!!」
『確かに怪人達を倒したのは見事と言っておこう。だから、貴様たちには此奴の相手をしてもらおう』
そう言った直後に響達の前の地面が脈動するように動き出す。また、地面から怪人が飛び出すのかと警戒するが、装者たちは信じられない物を見た。
地面がドンドンとせり上がりそれが形となり黒く変色していく。
『見せてやろう!これがフロンティアを吸収し同化したネフィリムの力をな!』
「で…でかい!」
せり上がった土くれは更に大きくなり目の部分が黄色く光り、目の下の頬の部分には赤い三本の盛り上がったスジのような物が見える。そして全長は怪人に比べ十数倍以上の大きさに達し腰には巨大なショッカーベルトが巻かれている。
「うへ~」
「相変わらず自己顕示欲が高けえ…」
『●●▼▲■■■ーーーーー!!』
切歌とクリスが呆れた声を出すが、怪獣と化したネフィリムが雄叫びを上げると共に背中から何かが撃ち出され、まるでミサイルのような軌道を描き響や翼たちに襲い掛かる。
当然、響達も指を咥えて眺めてはいなく直ぐに全員がその場を離れると目標を失ったミサイルは誰も居ない地面へと着弾。爆散する。
「あれが自立型完全聖遺物なのか!?」
「怪人より厄介じゃねえか!?」
翼の驚愕の声と共にクリスもネフィリムの厄介さに舌を巻く。何よりも大きさが違い過ぎる上に大量のミサイルと威力にも驚く。破壊力だけでもショッカー怪人がよく出す指のミサイルより威力が高いように見えた。
更に、ネフィリムは地面に着地した調と切歌に向け火炎を吐き出す。これもまたゴースターが出した火炎弾を超える大きさである。
「デース!?」
「…これは厄介…」
間一髪回避した二人だがどちらも余裕が無い。当然だ、怪人達との戦いからの連戦だ。体力の低い二人には辛くもある。
『いいぞ、ネフィリム!暴食と言われたその力をもっと見せろ!我等、ショッカーの邪魔をする小娘どもを聖遺物ごと喰らい尽くせ!!』
死神博士の命令を聞いたのか、ネフィリムは更なる雄叫びを上げる。それはまさに獲物を狩るハンターのようにも見えた。
「やらせない!!」
響達もただ見てるだけでなく、クリスがガトリング砲と小型ミサイルで攻撃し、翼と響もジャンプしてネフィリムに飛び掛かる。
「ハアッー!」
「このッ!」
翼が剣を大型化して切り付けたり響がネフィリムの胸元に拳を当てる。が、ビクともしない。
「チッ、あの時より硬くなってやがる!!」
クリスの記憶にカ・ディンギル跡地で戦ったネフィリムを思い出す。あれも十分化け物だったが今のネフィリムに比べれば子供だましにしか思えなかった。
そんな事を考えるクリスにネフィリムは口から火炎を吐き出し、腕を鞭上にして翼と響に攻撃する。
辛うじて避けるが連戦もあって翼たちは苦戦する。
「何時までも好き勝手…」
「やらせないデース!」
その時、鞭上に伸ばしたネフィリムの腕に細長い物が絡みその細長い物を手繰り、切歌が断頭台にしたイガリマで腕を切り落とす。そして、シュルシャガナを非常Σ式・禁月輪の状態で高速移動してネフィリムの胴体を切りつける。
切り付けられたネフィリムから濃い緑色をした液体がながれ断末魔を上げる。
「私達がいるのを…」
「忘れて貰っては困るデース」
「調ちゃんに切歌ちゃん!ありがとう、助かったよ!」
響達の攻撃により隙を伺っていた調と切歌が響達のピンチに乗り込んでくる。助けられた響の礼に切歌が「フフーン」と鼻を高くするが、
「切ちゃん…」
「…分かってるデス。此奴は思ったよりも厄介デース」
調の声に切歌が振り返る。そこには調が切り付けた傷どころか、切歌が切り落とした腕すら再生させるネフィリムの姿だった。再生速度は響をも凌駕している。
『フッハハハハ!いいぞ、予想以上の性能だ!これならば、邪魔な装者を片付けた後は、月が落ちるまでコイツを地上で暴れさせるのも面白かろう!!』
死神博士の燥ぐ声が装者達の耳にも届く。クリスや響が奥歯を噛みしめてネフィリムを睨みつける。自分達が倒されたらアレが地上に解き放たれてしまう。それだけは避けねばならない。
「不味いぞ、オイ!」
「早く倒さないと!」
「倒すったって…」
死神博士の言葉に焦りだすクリスと響。何とか倒そうとクリスがガトリング砲とミサイルを出し、響も再び拳で攻撃するが、今度はネフィリムの咆哮で吹き飛ばされる。
「雪音!立花!」
「!…強い!」
「質量でも厄介だってのに」
吹き飛ばされ倒れたクリスと響に駆け寄る翼。今の状態では打つ手がないと考えそうすればいいかと考えて居ると、
「みんな、諦めないで!私達にはまだ歌がある!」
「!…マリア!」
「マリアさん!」
激励の言葉に皆が一斉に振り向くとフロンティアの影響で浮かんでいる大岩にマリアが立って翼たちの方を見ていた。皆には、その目がやけに力強く感じる。
「マリア、何か策でも?」
「…一つだけあるわ。みんな、此処に来て!」
マリアに策があると聞いた翼たちは互いに顔を見合った後にマリアの方へと向かう。それよりも早く調と切歌はマリアの居る場所に到着していた。
「マリア…」
「マリアさん」
「…私だって諦めない。だって、マムが命がけで月の落下を止めようとしてるのだから」
そう言って、マリアは月を見る。響達も釣られて月が昇る空を見つめる。
『何をする気か知らんが、散らばらず集まってくれて助かる。まとめて灰となれぇ!!』
死神博士の指示通り、ネフィリムは今まで以上の火球をマリア達に向け吐き出す。吐き出された火球は真っ直ぐマリア達の方に向かい、マリア達もその火球に気付く。
そして、マリアの居る場所は火球ごと爆発四散する。
『…フッハハハハ、直撃だ。アレでは幾らシンフォギアだろうと一溜まりもあるまい、仮に生き残るとすれば我が最高傑作の立花響くらいだがそれでも無事では済まんだろ。さて、直ぐにネフィリムを地上に送り込むとするか。いや、その前に地獄大使にでも……!』
勝利を確信し悦に浸る死神博士だが、耳に妙な音楽が聞こえて来た。
Seilien coffin airget-lamh tron
『聖詠だと!?まさか!』
死神博士が再びモニターに目を向ける。モニターにはネフィリムの火炎が直撃して煙で舞う中、人影が見える。そして、煙が一気に晴れ其処に居るのは無傷の六人だった。
『馬鹿な!いくら、シンフォギアでもあの攻撃で無傷だと!カ・ディンギル跡地でのネフィリムとは比べ物にならないんだぞ!』
響達が無事な事に驚愕する死神博士。「一体謎?」と思いながら見ているとマリアの体が光ってる事に気付く。
『さっきの聖詠といい…なるほど、一度シンフォギアを解いて再び聖詠を歌い装着時のエネルギーでバリアを張ったのか!?小細工をしおって!』
種が分かればこちらの物と死神博士は、もう一度ネフィリムに火炎を吐かせることにした。
━━━調が居る。切歌が居る。翼たちも、マムにドクター…セレナも居る。みんなが居るのら、これ位の奇跡…
「安いもの!!」
響達は歌う。絶望的な状況でも響達はまだ歌うのだ。
『まだ歌うか!今更、歌なんかでどうにかなると思うなぁぁ!!』
ネフィリムの口から再び火炎が吐き出される。それもさっきよりも大きい。
「セット、ハーモニクス!!」
その時、響がマリアの前に出る。その体はマリアに負けない以上の光が溢れている。
「S2CAを力に変えて!!」
そして、以前に見せた両腕のギアを片腕に集め一つとして拳を握り腕のパーツを変形させる。そして一気に響は火炎を殴りつけると火炎は一気に拡散消滅する。
「!?」
響が周りに仲間が居たとはいえ単身でネフィリムの火炎球を無力化した事に驚く死神博士。
そんな死神博士をよそに歌は続く。
「悪を倒すのに理由なんていらない。共に戦おう」
「?……!…」
翼が調べに抜けて手を差し出す。最初は翼の言葉を理解出来なかった調だがゆっくりと頷き翼との手を握る。
「アタシも助けるつもりが助けられるなんてな。情けねえ」
「それはお互いさまデスよ」
クリスはソロモンの杖とショッカーから助けようとした切歌たちに逆に助けられた事を自分で自虐にしつつ笑みを浮かべ切歌も少しだけ笑みを浮かべて二人の手は握り合う。
「調ちゃん…切歌ちゃん…」
調と切歌が翼とクリスの手を握ったのを見て嬉しくなる響。響も出来れば皆と手を繋ぎたかったが死神博士の再改造により、せっかく弦十郎との特訓で手加減して手を握れるようになったのに、また最初からやり直しである。今は諦めるしかない。
そう思っていた時、響の両掌に暖かく柔らかい物が触れた。
「え?」
響が左右を見ると調と切歌が響の両手に触れて繋いでいる。二人の顔は響に向けた笑顔だった。
「調ちゃん、切歌ちゃん」
「何を黄昏ているデスか?」
「…私はアナタの事を誤解していた。アナタの苦しみを辛さを。…だから見せて。アナタの光を…」
「…うん」
調と切歌の言葉に響はゆっくり頷く。響の脳裏に嘗て翼とクリスで共闘したノイズとの戦いを思い出す。その時も自分が躊躇する中、翼とクリスに手を握られた事を。
━━━繋いだ手だけが紡ぐもの
響と調と切歌の様子を見たマリアの頭の中に言葉が生まれる。彼女達は決して一人ではないのだ。
そこまで歌った時だった。マリア達の体から出る輝きは更に増す。
『絶唱か!だが、無駄な事だ!6匹程度の絶唱では、このネフィリムを倒す事など出来ん!』
死神博士はそう言った瞬間、ネフィリムの赤い筋から幾つもの光線マリア達に降り注ぐ。光線は辛うじてマリア達の絶唱のエネルギーで防げているがマリア達のシンフォギアが悲鳴を上げる。ギアやインナーが裂け始めたのだ。このままではシンフォギアが解けて生身になってしまう。
それでも響達は歌い続ける。
『終わるのはお前達たちだ、あの世でショッカーが世界を征服する姿を見届けるがいい!!』
「そんな事、させない!それに六人だけじゃない、私が束ねるこの歌は…70億の絶唱ぉぉぉぉぉぉ!!!」
響の叫びのような声と共に天空に六本の光の線が交差する。それはまるで紐のように絡み合う。
『馬鹿な、この力は!?』
光りはそれぞれ、オレンジ、青、赤、白、緑、ピンクとなりその光りの中から、響達が出る。その姿は力は歌う前より上がっていた。
『エクスドライブ!?またも奇跡を起こしたと言うのか!?』
響達のシンフォギアがエクスドライブモードになっている事に驚愕する死神博士。小日向未来の時も驚いたが、今回はそれ以上であった。響や翼、クリスだけでなくマリアに調、切歌までもエクスドライブモードになっていたのだ。
「死神博士、アナタには分からないだろうけど。これが響き合う皆の歌声がくれた、シンフォギアだあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
六本の光は集まりやがては一つとなり、まるで矢のごとくネフィリムに突貫し貫く。直後、その場に七色に光る竜巻が宇宙にまで昇る。ほんの僅かではあるが、見る者がいれば、美しいと言える光景でもあった。
ネフィリムが消滅した。
「おのれぇ!おのれぇぇ!!!」
響達のエクスドライブモードにネフィリムは敗北した。モニターには響達がエクスドライブのまま飛んでいる姿が映り、死神博士の口からひたすら呪詛が飛び出る。
━━━何処だ!?何処で形勢が不利となった!こんな筈では無かった、本来ならば特異災害対策機動部二課を殲滅してフロンティアを手に入れ、要塞化した後に洗脳した兵士どもを改造人間にし、更に怪人の製造プラントを作ってフロンティアを怪人製造工場としても機能させる筈が…
「…いや、まだ月がある!」
月さえ落下してしまえば、例えフロンティアを手に入れられなくても逆転の目はある。死神博士がそう考えた時、ノートパソコンを持った戦闘員が急いで死神博士の下へ来る。
「どうした?」
「一大事です。これをご覧ください!」
そう言って、戦闘員が開いたノートパソコンを見せる。と同時に死神博士も気付く。
落下する筈の月が地球から遠ざかり軌道に戻りつつあった。
「…ナスターシャめぇ!!」
どうやったかは、分からなかったが死神博士は直ぐにこれをナスターシャ教授が何かしたのだと感づく。
━━━こんな事ならば、ナスターシャを直接殺しとけば良かった!月の落下が阻止されフロンティアの奪取も失敗したとあっては、首領になんと言えば。これもそれも立花響が、特異災害対策機動部二課に奪還されたのがケチの付きはじめだ。…待て、あの時立花響は何と言っていた?70億?全人類を集めた総数だが、何時の間に人間どもが結託したのだ?…分からん、分からんが…
「ムシケラどもが…こうなれば」
立花響が全人類の力を借りたと推測した死神博士は、ある作戦を実行する為に地獄大使に通信を繋ぐ。
『死神博士か?一体どうなっている!?怪人どもに洗脳させた兵士どもが正気に戻ったぞ!これでは作戦の続行は不可能だ!』
死神博士の耳に通信向こうの地獄大使の文句が入る。
ムカデラスや蜂女といった人間を操れる怪人達が響や翼に撃破された事によって操られていた兵士たちが正気に戻り逃走や反乱などが起こっていた。
鎮圧に乗り出した地獄大使が一部の反乱を潰したが別の場所でも起こっており移動もし辛いフロンティア内部で組織の立て直しを図っている。
「地獄大使、作戦は失敗した。フロンティアを放棄する」
『何だと!?ふざけるな!ここまで来てそれか!?』
死神博士の言葉に地獄大使が罵倒気味に反論する。この作戦はショッカーでも重要視されており、かなりの戦力を注ぎ込んだ。それが失敗したと諦めてしまえばその全てが無駄になる。暫く、ショッカーも動けなくなる可能性が高い。何よりこの作戦は死神博士が主導して行われたのだ。失敗では死神博士の首だけでは足りないと言っていい。
「だから責任をとろう。地獄大使、お前は脱出しろ。私はアレを使い、例の作戦を強行する」
『!…アレに例の作戦だと!?…本気なのだな』
文句を言っていた地獄大使だったが、例の作戦と聞き死神博士の声色で本気だと気付く。それならば、死神博士が脱出しろと言う言葉も納得できる。例の作戦だとこちらも巻き込まれる可能性が高いからだ。
結局、死神博士はそう言った後に通信を切る。
地獄大使は、恐らくフロンティアを浮かせた時に付けた人工重力装置GXの潜水艦に乗って逃げるだろうと判断する。
「見つけたぞ、死神博士!」
「?」
通信を終え行動しようとしていた死神博士の耳に男の声が聞こえジェネレータールームの入り口を守っていた戦闘員が吹き飛んでくる。吹き飛ばされた先には、特異災害対策機動部二課の司令官の風鳴弦十郎にそのエージェントの緒川慎次。そして、弦十郎に背中でおんぶされているウェル博士も居た。
「ふん、貴様らか」
「その様子では、響くんたちがやってくれたようだ」
「あなた達が手にするには世界は大きすぎたようですね」
ウェル博士を降ろした弦十郎は緒川と共に死神博士に近づく。途中、細い橋のような場所を通るが弦十郎達の前に戦闘員が立ち塞がる。
「まだ、こんなに戦闘員が!?」
「死神博士、神妙にしろ!」
「愚か者め、まだ私には切り札があるのだよ」
「!」
戦闘員達に弦十郎と緒川を相手にさせてる隙に死神博士は、再び操作盤に触れようとしたが、緒川が一歩早く拳銃を取り出して発砲する。銃弾は戦闘員の隙間を縫い死神博士の影に当たる。
直後に、死神博士の動きが鈍った。
「ほう…これが影縫いという奴か」
「これでアナタは動けません。大人しく観念して投降して下さい」
戦闘員の相手をしつつ緒川が死神博士に降伏するよう言う。特異災害対策機動部二課としても悪の大幹部だからといって命を奪うのは躊躇いがあるようだ。何より特異災害対策機動部二課としてもウェル博士以外からもショッカーの情報を欲しがったからだ。
「温いな、その銃弾で私の頭を撃ち抜いていれば勝ったかもしれんものを。風鳴翼が何度も使った影縫いなど、とっくに対策できてるわ!」
「そんな!?」
緒川の影縫いが効いている筈だが、死神博士は緒川に見せつけるように腕を動かして見せる。ショッカーの改造人間は風鳴翼の影縫いに何度も苦しめられており、その対策は急務と言えた。そして、遂に先日死神博士は影縫いの対策を構築し初めて使ったのだ。
ぶっつけ本番になったが自身の体で実験は成功。後は生きて帰りこの情報や技術を他の怪人に備えるだけだ。
戦闘員がいる内に再び、死神博士が操作盤に触れようとする。もう緒川でも止める事は出来ず、弦十郎も数いる戦闘員に手古摺っている。このまま、死神博士が操作盤に触れるかと思われた。その時だった、
「?」
ネフィリムと一体になった左手から何かが落ちた。別に何かを持っていた訳でもくっ付いていた訳でもない。何かが落ちた。死神博士の目からの映像にはそれは細長く少し曲がっており爪のようなものが見える。
死神博士が自身の左手を見る。小指が無くなっていた。
「なっ!?」
死神博士が今日何度目かの驚愕するが今までよりも驚きが大きい。小指が無くなっていただけではない、他の指や手事態も炭化してきている。まるでノイズに触れたかのように。
「やっと効いて来たようですね。先生」
心の中で狼狽する死神博士の耳に聞き覚えのある声が聞こえ視線を向ける。
「ウェル、貴様か!」
視線の先には眼鏡を弄るウェル博士が佇んでいる。…足は相変わらず震えていたが、
今回は原作通りネフィリムとの決戦でした。
シンフォギア劇中のネフィリムと大差はありません。せいぜい、ネフィリムに金色のショッカーベルトが巻かれているだけです。
そして、とうとうウェル博士の反撃。