改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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これにてG編終了。

活動報告にG編以降の予定を載せているので良ければ見て言って下さい。


71話 この世界には歌がある

 

 

 

薄暗い広い場所。何十人もの人間がひしめき合いながらも身を寄せ合う。

子供も青年も中年も年寄りも関係なく不安に押しつぶされようとしている。周囲からは断続的な衝撃音と揺れが起き、その度に誰かの悲鳴が木霊する。

 

「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」

「この世の終わりだ、人類は今日滅びるんだ!」

 

周囲の人間もお経を唱え者や終末論を口にする者など、皆不安で仕方がない。此処はシェルターで彼らは突然の隕石の落下により最寄りのシェルターに避難していた。

そしてその中には創世達もおり、此処に身を寄せていた。

 

「ヒィ!?」

 

隕石が落下し轟音が聞こえた事により弓美が両手で耳を抑える。既にこの行動は何度も繰り返している。

 

「また落ちましたね」

「今回ばかりはビッキーたちでも駄目かも知れないね…」

 

詩織の言葉に創世は元気なく返す。いきなりの隕石群の落下によりこれは自然現象ではないと気付いた創世は直ぐにショッカーの仕業だと推測する。

これだけの大破壊、自分達の家族が無事か心配で仕方ない。

 

「響…助けてよ、響!翼さんでもクリスでもいいから!」

 

耳を抑える弓美が響達に助けを求める。その様子を見て詩織も創世も響達の無事を祈る。

 

「私達、守られてばかりだね…」

「もどかしいですね」

 

自分達の無力さに嫌気がさす創世たち。少しでも響たちの助けをしたいが、如何にもできない事がもどかしい。

 

「…静かになりましたね」

 

そして、何時の間にか断続的に続いてた落下音も衝撃も来ない事に気付く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「地球に迫っていた月の破片の隕石群が停止!」

「離れていた隕石も月の輪へと戻っていきます!」

 

響がネフィリム・イカデビルを殴り飛ばして共にバビロニアの宝物庫に入り、翼やクリスたちもこれに続いて突入してゲートが閉じる。

特異災害対策機動部二課仮設本部でもイカデビルがバビロニアの宝物庫に消えた事で隕石群の停止を確認。これ以上の隕石の落下がない事でホッとする司令部。

その中には、響の事を心配する未来が居る。

 

「ウェル博士!響は…皆は無事ですよね!?死神博士を倒して無事に帰って来ますよね!?」

「……」

 

未来の言葉にウェル博士は即答出来なかった。死神博士の変身体、イカデビルは入手した資料のカタログスペックを見ても相当高い上にネフィリムの力をも取り込んだ。数に勝りエクスドライブのシンフォギア装者でも厳しいと言わざる追えない。

 

「ウェル博士!」

「…気休めにもなりませんが…僕達に出来るのは祈る事だけでしょうね」

 

弱気なウェル博士の態度に未来も察したのか、目を瞑って手を握りひたすら祈る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアアアアッ!」

 

響が腕のギアを引っ張り目の前の大型ノイズに拳を振るう。翼も大型化した脚部の件でノイズを切り裂き、クリスは格納庫のような物を背負い弾丸やレーザーなどで一気にノイズの群れを殲滅する。

 

そして、マリアを救う為に調がパーツから作り出したロボットの様な物でマリアを捕らえる触手を巨大な丸鋸で切ろうとして、護衛には切歌がノイズや触手を打ち払う。

 

「調、まだデスか!?」

「あと少しで…!」

 

シュルシャガナのギアで作った大きな丸鋸でマリアに絡まる触手の切断をしていた調だったが、ある違和感を感じて切断を中断し搭乗していたオートマタから飛び出す。

 

「調、どうしたデスか?」

「何か気持ち悪い物を感じて…見て」

 

そう言って、調は先程までイカデビルの触手を切断していた丸鋸を見せる。一見、普通の丸鋸にも見えたが切歌も気付く。その丸鋸に付着した金色の粘膜らしき物が徐々に広がっている。まるで、増殖するアメーバにも見えた。

 

「気持ち悪い!」

 

調がその丸鋸を切り離すと同時に切歌のイガリマが切り裂く。アメーバらしき物体は切り裂かれた丸鋸と共に消失する。

 

「うあぁ!」

「マリア!?」

 

その時、触手に捕まっているマリアの口から悲鳴が出る。イカデビルが触手の力を強めたのかと思いマリアに近づく二人。

 

「来ては駄目!」

「「!?」」

 

マリアの声を出すが、それよりも一瞬早くマリアを捕らえていた触手が枝分かれするように分裂して調と切歌の体に巻き付く。抵抗しようとする調と切歌だが、咄嗟に丸鋸が出せず、切歌に至っては触手を弾いていたイガリマを逆に弾かれてしまう。

 

「調ちゃん、切歌ちゃん!?」

 

ノイズを蹴散らしていた響も直ぐに二人がマリアと共に捕らわれた事を知る。そして、響の言葉で翼とクリスにも伝わった。

 

「マヌケがぁ!こうもアッサリ引っ掛かるとはな!」

 

「死神博士!」

 

マリアだけでなく調と切歌も捕らえたイカデビルの声に響が反応する。

 

「何をしようと無駄だという事がまだ分からんか!?ネフィリムを取り込んだ俺様の力はお前達のエクスドライブの力を上回る。お前達が俺様に勝てる可能性は0だ!」

 

「だとしてもっ!!」

「お前の好き勝手にさせるかよ!」

 

イカデビルが更に響達へと触手を出し、響達はこれを迎撃。途中、ノイズの邪魔も入るが翼とクリスが響の援護をする。

 

「それとも俺様を倒して英雄にでもなるつもりか!?人間どもがお前達に感謝するか?」

 

「舐めて貰っては困る!」

「英雄願望なんて、あの眼鏡で十分だ!」

「私は…私達は英雄になりたい訳じゃない。私達はただ、世界を守りたいだけだ!!」

 

響の宣言に首を縦に振る翼とクリス。ショッカーが世界を狙うのなら自分達が戦い倒すだけだ。

 

「ぬかせぇぇぇ!!!」

 

イカデビルの体から棘のような物が生え、一斉にミサイルのように火を噴き響達へと迫る。それはネフィリムと戦った時に出した生体ミサイルと同じだった。

翼もクリスも響も辺りを飛び回りミサイルを回避する。ノイズや黄金で出来た人工物に当たりミサイルは次々と爆発する。ならばとイカデビルは幾つもの火球を作り響達に放つ。しかし、これもまた避けられる。

 

「ちっ、ドブネズミどもが!!ならこれならどうだ!?」

 

ミサイルも火球も当たらないと見たイカデビルはマリア達を捕らえている触手を見せる。

 

「「「うわああああああああ!!」」」

 

捕らえられていたマリアたちが悲鳴を上げる。よく見れば三人の体を縛っている触手から白や緑、ピンクの靄のようなものが流れイカデビルへと流れている。

 

「マリア!?」

「調ちゃん!切歌ちゃん!」

「何だよ、アレ!まさか、エネルギー食ってるのか!?」

 

「その通りだ!ネフィリムはあらゆるエネルギーを取り込む。どうやらネフィリムは小娘たちの事を気に入ったようだな!」

 

そう言うと、マリアたちを捕らえる触手の根元が移動する。腕から胴体、ショッカーベルトの上部分まで移動すると其処で止まる。直後、イカデビルの腹部からネフィリムの顔が出てきて触手が口の中へと納まる。それは、カ・ディンギル跡地で戦ったネフィリムの頭部だった。

そして、マリアたちが囚われてる触手がゆっくりと引っ張られてる。このままではマリアたちがネフィリムの口の中へと入ってしまう。

 

「何をする気だ!死神博士!」

 

「知れたこと、裏切者どもの処刑も兼ねて聖遺物…シンフォギアごとネフィリムに喰わせる!果たしてお前達如きが止められるか?」

 

イカデビルの言葉に背筋を寒くする翼たち。マリアを捕らえた触手はゆっくりとイカデビルの胴体に作られたネフィリムの口へと戻っていく。このままでは本当にマリア達が食べられてしまう。

それをゲーム感覚でやるイカデビルに三人は鋭い視線を飛ばす。

 

「外道がッ!」

 

最早なりふり構ってられない。響も翼もクリスもノイズを無視して全力でイカデビルを攻撃する。

翼の斬撃やアームドギアを巨大化させた剣もクリスのレーザーやミサイル。響の拳がイカデビルの顔面を殴り抜ける。

 

「気が済んだか?」

 

「なにっ!?」

「うわああああああ!!??」

 

しかし、翼とクリスの攻撃は胴体のネフィリムの口へと入り無効にして、響もイカデビルに近づく過ぎた事で体からオレンジ色に光るシンフォギアのエネルギーを吸われた。

自分達の攻撃がネフィリムに食べられた事に驚愕する翼とクリス。響も力を吸い取られながらも何とか距離を取り翼たちの近くへと来た。

 

「言った筈だ、ネフィリムはあらゆるエネルギーを喰らう。それはお前たちのシンフォギアとて例外ではない。さあ、俺様に喰われて死ねぇ!!」

 

「…迂闊に攻撃すれば…」

「アタシ等の攻撃が食われるのかよ!」

「攻撃できないってこと?」

 

イカデビルの言葉に絶望する響達。嘘か本当かは分からないが戦闘は進む。

 

 

 

 

 

それからは一方的なイカデビルの攻撃だった。火球や生体ミサイル、触手で翼やクリスそして響を一方的に攻撃する。マリア達を気にする翼達だがノイズの攻勢も無視できずにいる。

 

「ちくしょう…これじゃ嬲り殺しだ。…ん?」

 

襲い掛かるノイズを迎撃しつつイカデビルの攻撃を避けたクリスの目にイカデビルのある様子を捉えた。近くに寄って来たノイズを触手が捕らえて捕食し、バビロニアの宝物庫内にある放電している浮かんだ球体も喰らっていた。

 

「ちっ、ネフィリムめ…予想を超える暴食ぶりだ」

 

━━━死神博士の奴、完全にネフィリムをコントロール出来ていない!?それにアイツが火球やミサイルを出してるのも…

 

イカデビルの呟きが聞こえたクリスにある考えが浮かぶ。

 

━━━ネフィリムが幾らでもあらゆるエネルギーを吸収できてもクソ爺が制御できるのには限界があるのか?…ん、あれは…

 

その時、クリスは視界の端である物を見つけた。それはイカデビルと共にバビロニアの宝物庫に吸い込まれたフロンティアだった。

 

「そういやクソ爺と一緒に吸われてたか。…待てよ、あそこには…!」

 

クリスの脳内にあるアイデアが浮かぶ。正直、博打覚悟になるがクリスの予想が正しければイカデビルへの逆転の目になる。

 

「二人共、此処は任せた!直ぐに戻る。…アタシに考えがある!」

「雪音!?」

「クリスちゃん!?」

 

翼と響が止める間も無く、クリスは背負っていた火薬庫のようなギアを弾丸にしてイカデビルへと攻撃する。その攻撃の殆どがイカデビルの胴体にあるネフィリムの口へと入った。

 

「フッハハハハ!逃げ出したか!!まぁいい、雪音クリスは貴様らを片付けた後にゆっくりと料理してしてやる!」

 

クリスが自分から離れて行く事に逃げ出したと考えたイカデビルは勝利を確信した。後は裏切者と特異災害対策機動部二課の装者である風鳴翼を始末した後に雪音クリスも殺せば、最早ショッカーの邪魔者は存在しなくなると考え響や翼へと攻撃を集中させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、戦線から離れたクリスはバビロニアの宝物庫の空間に浮かぶフロンティアへと降下し内部に入る。

 

「アタシの記憶が確かなら、此処には()()が運ばれていた筈だ」

 

ショッカーに潜入してフロンティアの中を少しだけ歩いた程度だが、クリスの記憶には戦闘員や兵士たちがある物を運んでいた事を憶えていた。幾つのか通路を通り、邪魔な瓦礫はイチイバルの弾丸で吹き飛ばし通路の奥に行く。

 

「…またか」

 

道中、思わずクリスが口にした。クリスの目に銃を握った兵士の死体が数人浮かんでいた。銃は撃った後があり兵士同士で戦ったのか戦闘員と戦ったのかは不明だが戦闘の痕がハッキリと残っている。

兵士の物であろうドックタグが目の前で流れてきて掴むクリス。

 

「悪いな、本当ならあんた達も地上に返した方が良いんだろうけど…今そんな余裕無いんだ」

 

申し訳なさそうに言うクリスは最後に兵士達を一瞥して更に奥に進む。そして、一際大きな空洞に着くとクリスは目つきを鋭くした。

 

「あったぞ。これだけあればあのクソ爺も…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ諦めんか、しつこい小娘どもだ!!」

 

イカデビルが鬱陶しそうに言う。マリアたちは捕まり雪音クリスは逃げ出し残ったのは翼と響だけ。身体的にも疲労が強くなる筈だが未だにイカデビルの攻撃を避け諦めてもいなかった。

 

「ええぃ!既に雪音クリスも逃げ出して後はお前達だけだぞ!いい加減諦めて楽になるがいい!!」

 

「クリスちゃんは「戻る」って言った!」

「後輩がそう言ったんだ、先輩である私が信じて待つだけだ!」

 

イカデビルが執拗にクリスが逃げたと言って響と翼の戦意を挫こうとするが、二人はクリスが戻るのを信じている。何か閃き、それがイカデビル打倒に繋がると信じていた。

そして、それが面白くないイカデビル。ショッカーを裏切った立花響とショッカーの邪魔者である特異災害対策機動部二課の装者、風鳴翼を何としても絶望に突き落としたかったが二人は決して諦めなかった。

 

「待たせたなっ!!」

 

「!?」

 

「来たか!」

「クリスちゃん!」

 

如何にして響と翼を絶望に突き落とせるか考えて居たイカデビルの耳に少女の声が聞こえる。

まさかと思いつつ視線を向けた先には大型ミサイルを展開し終えたクリスが立っていた。

 

「雪音クリスッ!?貴様、逃げたのではなかったのか!?」

 

「誰が何時「逃げた」って言った!?喰らいやがれぇぇぇぇ!!!」

 

クリスが一斉に大型ミサイルを撃ち込む。ミサイルは真っ直ぐイカデビルの方へと向かってくるがイカデビルは微動だにしない。

 

「愚か者が!不意打ちで打ち込むつもりだったのか知らんが大声で位置を知らせるとはな!ネフィリムを取り込んだ俺様には無駄だという事を教えてやる!!」

 

イカデビルはクリスの攻撃が無駄だと思わせる為、敢えて無防備に立ち腹部のネフィリムをクリスのミサイルの方向を向ける。案の定、クリスのミサイルはネフィリムの口へと入り咀嚼される。

 

「ああ、クリスちゃんの攻撃が!」

「やはりあのネフィリムを何とかしない限り死神博士は倒せないのか?」

 

クリスのミサイルが咀嚼されるのを見て顔を歪める響と翼。クリスも黙っているが額から汗が流れた。

 

「フフフ…無駄だと言った筈だ!ネフィリムはあらゆるエネルギーを…!」

 

余裕を見せていたイカデビルだったが、背中辺りから爆発を起こす。

 

「イカデビルが…」

「爆発した!?」

 

イカデビルの突如の爆発に驚く響と翼。対照的にクリスが唇の端を吊り上げ笑みを浮かべた。

しかし、イカデビルはその事を気にしている余裕は無い。

 

「このエネルギー量、シンフォギアではない!シンフォギアに此処までエネルギーはない、このミサイルは……・雪音クリス!貴様!」

 

「気付いたようだなクソ爺!」

 

今まで余裕の声だったイカデビルから焦りの声が響く。反対にクリスはしてやったりという表情をしていた。

 

「雪音!」

「クリスちゃん、今のミサイルは?」

「ショッカーがフロンティアに持ち込んでいた、核ミサイルだ」

「!?」

 

クリスの回答に驚き息を飲む響と翼。クリスはショッカーがフロンティアに核ミサイルを持ち込んでいた事を思い出しそれを利用した。あらゆるエネルギーを吸収出来るのなら当然核爆発も吸収できるだろうと考えたが正直博打も良いところであった。

失敗すれば核爆発で響以外は全滅していただろう。

 

「…無茶をするな…雪音…」

「悪いな先輩、言ってる暇が無かったのと言ったら反対されると思ったからな」

 

呆れたように言う翼にクリスは乾いた笑いをして返答する。下手をすれば自分たち諸共、核の爆発に飲み込まれたかも知れないのだ。正直、クリスも核ミサイルを使うのには躊躇いがあったが今はイカデビルを倒す事を優先させた。

 

「でも、核ミサイルを食べてどうして死神博士の体が爆発したの?」

「…簡単に言えば今のクソ爺の体はパンパンの風船だったんだ」

「風船?…そうか!死神博士はエネルギーを取り込み過ぎたのか!?」

 

クリスは、どうにもイカデビルの火球や生体ミサイルを出すのを怪しんでいた。確かに、翼や響、クリスを攻撃するのには飛び道具は最適と言えたが、偶に装者の居ない明後日の方向にも火球や生体ミサイルを撃っていた。

その攻撃は大体ノイズに当たっていたから邪魔なノイズを片付けてるのかとも思ったが、イカデビル曰くショッカーは既にバビロニアの宝物庫を掌握していてノイズにも命令を出せる。それなら手足のように動かせるノイズを攻撃するのはおかしいと感じたクリスは発想を変えた。

 

━━━クソ爺は、アタシ達を攻撃する為に火球やミサイルを出してる訳じゃない?エネルギーを消費する為に出してる!?

 

クリスの考えはただの憶測にしか過ぎない。それでもエネルギーを取り込んだネフィリムにイカデビルの反応。試してみる価値があると判断してクリスは実行に移したのだ。

そして、賭けはクルスの勝ちだった。

 

「クソ爺!いくらお前でもネフィリムの喰らったエネルギーを管理するのは無茶だったようだな!」

 

「おのれ…おのれ…貴様だけは確実に殺してやるぞ!雪音クリス!!」

 

イカデビルの反応は翼と響達も納得する程の鬼気迫っていた。それはクリスの仮説が正しかった事でもある。

 

「誰がアレだけだって言った?まだまだ大量にあるんだよ!」

 

激昂するイカデビルにクリスは口の端を浮かべらえせ更に大型ミサイルを展開する。

 

「貴様!まさか、その全てが!?」

 

「全弾持って行きやがれぇ!!」

 

クリスの展開したミサイルが全て自分達が持ち込んだ核ミサイルだと気付いたイカデビル。そこまでスピードはないが避けようとするが、

 

「!?体の自由が効かん!?」

 

自信の体の動きがおかしい事に気付いたイカデビル。ふと腹部のネフィリムを見ると涎を垂らしながらクリスの放ったミサイル群を見て口を開く。

その様子にイカデビルは全てを悟った。

 

「や…止めろ!ネフィリム、それ以上エネルギーを取り込んでは制御が追い付かん!止めろ…止めろと言っている!!」

 

今までイカデビルは取り込んだネフィリムを制御し翼や響達を圧倒していた。この調子ならばシンフォギア装者の殲滅も楽だと考えたイカデビルは敢えて響達の恐怖心を煽る為に腹部にネフィリムの顔を浮かび上がらせマリア達を食わせようとしたがそれが裏目に出た。

核のエネルギーを気に入ったのか、単に高エネルギーが好物なのかネフィリムはイカデビルの操作を受け付けずクリスの放ったミサイル群を注目し口を開けた。

そして、全てのミサイルは誘導されてるかの如くネフィリムの口へと入り咀嚼する。

 

「ま…不味い!これだけのエネルギーを操作が!……しまった、誘導装置が!!」

 

イカデビルの体から次々と爆発が起こる。その中でも、イカデビルの頭部からの火花が上がり爆発と共にイカデビルの口から「誘導装置」という言葉が出た。

 

「何だ!?」

「死神博士の口から誘導装置って言葉が」

「誘導装置?もしかして隕石誘導装置か!?」

 

クリスの読み通りイカデビルはネフィリムが喰らったエネルギーを操作に手間取り優先的にエネルギーを送っていた隕石誘導装置にエネルギーが一気に流れ込みオーバーフローを起こして爆発。これでは、もうイカデビルは隕石の誘導を行なえない。

更には、

 

「触手が緩んだ?今よ、二人共!」

 

イカデビルがネフィリムを制御しようと集中しマリア達が囚われた触手も止まり力が抜ける。それを見逃さなかったマリアが調と切歌に声をかけイカデビルの触手から逃れる事に成功した。

マリアの闘争にイカデビルも気付いたが今はそれどころではない。途中までネフィリムの制御に成功していたが暴食を甘く見ていた結果でもある。

 

「マリア…」

「マリアさん!」

 

触手を脱出したマリアは調と切歌を連れて翼たちに合流する。

 

「隕石誘導装置が破壊された以上、もう死神博士は隕石を落とせない」

「見て、死神博士の体が!」

 

調の声にマリアも響もイカデビルを見る。イカデビルの体は小さな爆発を繰り返し白と黒が主だった体に赤い色が広がりだしマグマを思わせる光も出てきた。

 

「…凄まじいエネルギーだ」

「ここが宝物庫で良かった。宇宙だったら地球へのダメージが計り知れない」

「あれではもう死神博士もネフィリムの操作など不可能だろ。脱出しよう」

 

エネルギーを取り込み過ぎて自己崩壊するイカデビルをしり目に響達はバビロニアの宝物庫からの脱出を図る。

 

「でも、脱出するってどうやって…」

「忘れたのか?鍵はアンタが持ってるじゃねえか」

「鍵?」

 

どうやって脱出するのか聞いたマリアにクリスがそう返す。そして、マリアの視線は触手に捕まっても手放さなかったソロモンの杖に向かう。

 

「外から開くなら、中から開ける事も出来る筈だ」

「……セレナァァッ!!」

 

翼の言葉に頷くマリアは、今は亡き妹の名を呼びソロモンの杖を起動させ薄緑色の光を出す。ソロモンの杖から出た光がバビロニアの宝物庫の空間に当たると別の場所が映る。そこは丁度、海岸の様で砂浜が見えた。

 

「よっしゃー!」

「脱出デス!」

「イカデビルが爆発する前に!」

 

クリスが喜びの声を上げ調と切歌がマリアと一緒に空間の裂け目へと急ぐ。翼も足に付けていた大きな刃を切り離し響もそれに続く。

このまま、皆で脱出出来るかと思えたがそれよりも早く大きな物体が響達の横をすり抜ける。

 

「逃がさん…逃がさんぞ!お前達だけは!!」

 

「死神博士っ!?」

「あれだけ爆発してまだ邪魔をするデスか!」

 

その正体はイカデビルだった。巨体をいかしたイカデビルは、響達の道を塞ぎ脱出の通せんぼを行なう。

 

「退け、死神博士!もうお前に構ってる余裕はない!」

 

「聞けぇ、シンフォギア装者ども!もう直ぐ俺は死ぬぅ!だが、ただでは死なん!お前達も道連れにしてやる!お前達さえ死ねば残った地獄大使が必ず世界を支配する!!」

 

幾つもの核ミサイルを喰らったネフィリムのエネルギーは完全に死神博士の想定外だった。最早、制御も困難で何時爆発するかも分からない。

ならば最低限の使命を果たす為、死を覚悟した死神博士は地獄大使に全てを任せる為にもこの場で響達を始末する気でいた。

巨体の為か、死を覚悟した所為か、翼とクリスも今まで以上の気迫がイカデビルから漂って来てる気がする。

 

「ゾル大佐と同じこと言いやがってッ!!」

「なんて、気迫!」

「これじゃ逃げられない。…なら!」

「手を繋ぐとしましょうか」

 

誰の提案かその場に居た六人の装者たちは次々と手を繋いでいく。その際、マリアは持っていた剣を宙へと投げる。切歌と調が、翼とクリスが調とマリアが次々と手を繋いでいく。

 

「ほらよ…」

「アナタも早く」

「え…と…」

 

クリスとマリアに急かされる響。マリアとクリスが手を差し出すが響は躊躇してしまう。

 

「あの時、カ・ディンギルでの戦闘前を思い出せ!」

「…怖いのなら手に力を入れずそのままでいなさい。握るのは私達がやるから」

「……はいっ!」

 

クリスとマリアの説得に頷く響。クリスとマリアと手を繋いだ響はマリアと繋いでる手をゆっくりと動かす。

 

「「最速でっ!最短でっ!真っ直ぐにっ!!」」

 

二人の声に反応したのかマリアの投げた剣が光り粒子へと変化する。そして、その粒子はマリア達に降り注ぐと装者たちはスウッとその場から浮き上がる。

 

「何をする気か知らんが…死ねっ!!」

 

イカデビルから大量の触手が放たれ更には周りに居たノイズ達も一斉に響達へと殺到する。先程よりも多いと言えたがマリアたちは真っ直ぐイカデビルへと接近する。

その際、響とマリアの腕や足、胸の部分のギアが外れ、それらが変形合体し大きな金色の腕と銀色の腕になる。そして二つの腕は装者たちを包み込むように合わさり回転してイカデビルへと迫る。

 

「何だ?何をする気だ!小娘ども!」

 

「私達は!」

「一直線に!」

「「行くだけだあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

響達はただ真っ直ぐ進む。イカデビルもノイズも弾き一直線に、そしてそのまま回転する金と銀の腕はイカデビルへと到達。それでも止まらずイカデビルのショッカーベルトを削る。

 

「な…何故だ!?なぜ半世紀も生きていない小娘どもに敗れるっ!?俺の計画に抜かりは無かった筈っ!?俺は…俺はショッカーの大幹部、死神博士だぞ!!」

 

フロンティアを手に入れ世界を征服する。途中まで成功していた筈だった。特異災害対策機動部二課やFISなどショッカーの力の前には無力だった筈だった。

しかし、蓋を開けて見れば特異災害対策機動部二課に連戦連敗。幾つかの目的は果たしたが怪人の悉くが戦死し大幹部の一人であったゾル大佐も敗れた。

そのデータにより怪人達もより強化した筈が結果は……

 

「まだ分かんねえのか!」

 

装者の一人の声にイカデビルが現実へと戻る、声の主はクリスだった。そして他の装者も喋り出す。

 

「死神博士、お前は確かに天才だっただろう」

「でも、アナタは一人で私達も戦った」

「それが敗因」

「私達を倒すには足りなかったデース!」

「私達は一人じゃないっ!!!」

 

「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!!!」

 

更に回転を強めた響達は等々イカデビルのショッカーベルトを破壊し体を貫通させる。

 

Vi†aliza†ion

 

イカデビルの体を貫通した響達はそのままバビロニアの宝物庫に出来た空間の穴から外に出て砂浜へと落ちる。その際、マリアが持っていたソロモンの杖が手から離れて浜辺に突き刺さる。

 

「杖が…直ぐにゲートを閉じなければイカデビルの爆発が…」

 

ソロモン杖でゲートを閉じなければイカデビルの爆発で地球がどうなるか分かった物ではない。何よりも今のイカデビルは10発以上の核エネルギーも追加している。

ソロモンの杖を取ろうにもマリアたちは既にクタクタであった。

 

「誰か…ソロモンの杖を…」

「そうしたいのは山々デース」

 

調も切歌も既に動けないでいる。イカデビルを倒す為に体力の殆どを使ってしまったのだ。翼もクリスも意識はあるが動き回れる程でもない。

 

「なら…私が…」

 

マリアや翼より体力が少しだけある響が立ちあがってソロモンの杖の方に向かうが体力の消費は響も同じだ。歩みが遅く恐らくイカデビルが爆発する方が早いだろう。

 

「避けろっ!立花ッ!!」

「え?」

 

突如、翼の声に驚き振り向いた響だったが直後に体に何かが巻き付く。それは、マリアが捕まった時にも見たイカデビルの触手だった。

 

「逃がさん…貴様だけは…決して…逃がしはしない」

 

「死神博士!!」

 

見れば、ゲート向こうから一本の触手が伸びイカデビルの顔が此方を覗いている。そして、触手は響の体を引っ張る。この時、全員が気付いた、イカデビルは立花響だけでも葬ろうとしてる事を。

 

「しつこいぞ、クソ爺…!」

「何とか彼女を助けないと…」

 

倒れている装者が何とかしようとするがエネルギーを使い果たし立ち上がる事も出来ない。このままでは響だけイカデビルの爆発に巻き込まれてしまう。

 

「!…どうやら私達が動く必要はなさそうだな…」

「なに言って…ってそうだな」

 

文句を言おうとしたクリスだが翼の視線の先を見て同意する。響がピンチなのに何を言ってるのかと思ったマリアも翼とクリスの視線の先を見る。其処には先に不時着していたボコボコになって浜に打ち上げられていた特異災害対策機動部二課仮設本部の潜水艦と砂埃を上げ此方に接近してくる影が、

 

「なに…アレ…」

「我々の心強い味方だ」

「アイツの師匠だよ」

 

翼とクリスの返答に頭の上に?が浮かぶが、その人物…風鳴弦十郎は徐々に自分達へと近づき、浜辺に突き刺さっていたソロモンの杖を片手で引き抜く。

 

「響くんに手を出すなああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

男の野太い声と共に持っていたソロモンの杖をバビロニアの宝物庫の穴へと槍投げのように投げ、ソロモンの杖は回転しながら凄まじい速度で飛び、響を捕らえていた触手を引き千切りイカデビルに目に刺さる。

それが引き金となったか、空間が閉じると共にイカデビルの体から強烈な光りと熱波が出て周囲に居たノイズが跡形もなく消えていく。

 

バビロニアの宝物庫のゲートが消えた直後に空が一瞬だけ真っ暗になった後、元の薄暗い空へと戻った。

暫く、警戒する翼達だったが数分が過ぎるとそれぞれが顔を見合わせる。

 

 

 

長かったフロンティア争奪戦は終了したのだ。響達が死神博士を倒した事で。

 

 

 

 

 

 

 

 

少しだけ時間が過ぎ、日本政府のヘリや洗脳されていた軍のヘリが特異災害対策機動部二課の潜水艦へと来る。あの後、倒れた弦十郎は再び医務室に戻され浜辺に居た響達には松葉杖移動した未来が話しかける。

 

「死神博士を倒せたの?」

「うん、なんとか…」

「とんでもねえ被害が出ちまったようだがな」

 

未来の言葉に響が頷きクリスが視線を海から陸地に移す。山には幾つもの小さなクレーターが出来、街の方でも赤い光と共にサイレンが鳴りっぱなしである。出来れば自分達も救助活動などしたかった響達だがイカデビルとの激戦での疲労と連絡で生き残ってる救助者の大部分は救助完了の報告を聞いてこの場にいた。

 

「太陽が見えないデース」

「この時間帯なら奇麗な夕日が見える筈なんだが…雲にしてはおかしい色だな」

「あれは、隕石の影響で出来た塵の集合体ですよ」

 

時刻はまだ夕方の時間だが薄暗く太陽も見えない事に不審に思う切歌と翼の聞き覚えのある声が聞こえ振り向く。

 

「…ドクター」

「お疲れ様です、皆さん」

 

ウェル博士が響たちの下に近づく。その表情は疲れてるようだが、どこかスッキリしてるようにも見える。

 

「死神博士の流れ星作戦の所為で多数の隕石が地球に落とされた影響ですよ。数日は太陽を見る事は出来ないかも知れませんね」

「…ウェル博士、流れ星作戦の犠牲者は?」

「少なくとも現時点で数千万人が殺されたそうです、恐らくもっと増えるかと。それに数年は異常気象に注意した方が良いですね。ですが、悪い情報ばかりではありません。月の軌道が元に戻り完全に月の落下は防げるそうです」

「月が!」

「マムのお蔭よ!それでドクター、マムは!?」

 

月の落下を完全に防いだ報告を聞いて喜ぶマリアと切歌に調。ウェル博士にマムがどうなったか聞くマリアだったがウェル博士は目を伏せ静かに首を横に振る。

 

「残念ですがナスターシャ教授との連絡は完全に途絶えました。…恐らく…」

「…そう」

 

ウェル博士の報告を聞いてもマリアは慌てる様子は無かった。何となくそんな気はしていた。宇宙に放り出されても自分達の事を気遣い叱咤激励するマムにマリアはまだただただ感謝しかなかった。

 

「ありがとう、お母さん」

 

その後、響は借りていたガングニールのネックレスをマリアに返そうとするが、それをマリアが拒否する。暫く見つめ合った後に響は持っていたガングニールのネックレスを握る。

そして、マリアはゆっくりと空を見上げる。

 

「月の遺跡を再起動させてしまった…」

「バラルの呪詛か」

「人類の相互理解がとうのいたのかよ」

「それだけではありませんよ。世界は流れ星作戦の影響で傷つき、ショッカーの存在も表沙汰になった。恐らくはこれから時代が荒れるでしょうね」

 

バラルの呪詛にショッカー。人類の相互理解もそうだが、半ば伝説の存在だった秘密結社ショッカーが表に引きずり出されたことでショッカーがどう行動するか分からない。

下手をすれば、以前に了子が言っていた掌サイズの核を使い自爆テロを行うかも知れない。何より、死神博士の流れ星作戦により世界はボロボロにされてしまった。完全に復興するには最低でも年単位は必要だ。

 

「…平気、へっちゃら…」

 

その場に居た者全てが明るい未来を想像するのも厳しい中、一人が呟く。その声に皆の視線が集まったのは響だった。

 

「…だったらいいんですけどね。でも多分大丈夫だと思います、ショッカーの改造人間を作っていた中心人物の死神博士を倒したし、残りの大幹部は地獄大使と首領だけです。それにこの世界には歌があるんですよ!」

「響」

 

響の言葉にそれぞれ互いの顔を見て微笑む一同。

 

「歌デスか」

「何時か未来に人と人が繋がれる。今日を生きるあなた達で何とかしなさい、亡霊には何もできない。私が言うのもアレだけど悪党どもに負けるな」

「調ちゃん、それって…」

「確かに伝えたよ」

 

調の言葉に一瞬キョトンとなる響だが何か察したのか静かに頷いた。そして、最後にマリアが響に話しかける。

 

「立花響、色々あったが君に会えて良かった。また会おう」

「マリアさん…はい!」

 

その後、緒川に連れられてマリア、切歌と調、ウェル博士がヘリへと連れられ翼たちと別れる事になった。

こうして後に「ショッカー事変」と呼ばれる騒動は一旦幕を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日後、世界は未だに混迷の中に居たが日本のリディアン音楽院は逸早く開校し少数だが生徒も居る。未来もその一人だった。

 

「ふぅ~、寒ッ!」

 

季節外れのマフラーに手袋。吐く息が白くなっている。時期的には夏服に代わる頃であったが、空を覆い隠す塵が太陽光を遮断して世界全体が文字通り冷え込んでいた。

だが幸いにも気象庁の予想では一週間も過ぎれば塵も落ち着き太陽も見える様になるだろうと言っていた事でそこまで落胆はしない未来。医者の言葉ではあと少しで松葉杖も手放せ普通に歩けると診断された未来の足は校門を潜る。

そして、二人の人物を見つけた。

 

「翼さん、クリス」

「ああ、小日向か。丁度いい、聞いてくれ雪音がアレ以来私の事を先輩と呼んでくれないんだ」

「おい、未来を巻き込むのかよ!」

 

翼とクリスの口喧嘩に未来は乾いた笑いを受けつつふと空を見上げる。未だに塵が空を覆い隠しているが少しずつ太陽の光が見えてきた気がした。

 

「ん?どうした小日向」

「ああ、響が今どうしてるか気になって」

「アイツか…」

 

この場には小日向未来、風鳴翼、雪音クリスしかおらず立花響の姿が何処にも居ない。彼女は現在、

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それで、どうしてアナタが此処に居るのかしら?立花響」

「そんなの私が知りたいよ!!」

 

ジト目で見てくるマリアに響はそう返事をする事しか出来なかった。

 

響は現在、マリア達と同じ独房に入れられていた。マリアたちと別れた後、報告の為に仮設本部の潜水艦に入って指令室で説明した後に響は拘束されあれよあれよとマリアたちの居る牢獄に収監された。その際に翼とクリスが抗議するがショッカーが響の体に何か仕掛けてないかの調査と響のデータを取る為だ、現状響の体を見れるのはウェル博士だけだと言われ渋々矛を収める。

服装もマリアと同じ拘束具だが響だけは両腕が固定されている。

 

「ああ、彼女はショッカーに再改造されましたからね。僕が何度か見て安全だと判明するまでは拘束しとく気のようですよ」

 

同じ独房に入れられていたウェル博士がマリアの質問に答える。尚、彼だけは拘束具ではなくいつも通りの科学者の服だったので切歌と調が白い視線を送っている。序でに言えば男女という事で寝る時も別の部屋へと連れてかれるが。

 

「そんなのあんまりだ!私も学園に行きたいよ、未来ッ~~~~~~~~!!!!!」

 

響の絶叫が独房に木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

=???=

 

「この愚か物がッ!!」

 

薄暗い大きな部屋、そんな部屋に点滅する光の先には地獄大使が膝をつき頭を垂れている。そして、光りを発してるのはショッカーのエンブレムである鷲のレリーフからだ。

 

「死神博士を死なせたばかりかフロンティアを手に入れる事も出来ず、あまつさえショッカー存在を暴露されるとはな!!」

 

ショッカーにとって死神博士の死は確かに痛くはあったが、それ以上にダメージがあったのは世間に存在がバラされた事だ。ウェル博士が裏切った以上、恐らくもう間もなく日本にある幾つものアジトに警察や公安が踏み込んでくる。怪人で迎撃しようにもフロンティアの戦いで大部分が消耗して今は戦力の立て直しをしなければならない。しかし、そんな時間はないだろうと首領も予測する。

 

尤も、怒鳴られた地獄大使もそれは寝耳に水であったが、

 

「かくなる上は、以前に凍結したスーパー破壊光線砲を起動させ日本を焦土に致します。世界は未だに死神博士の流れ星作戦により立ち上がれません。日本さえ消してしまえばまだ立て直せます」

 

 

 

 

 

 

響達の活躍により死神博士は倒れた。しかし、ショッカーは新たなる作戦を実行に移す。立花響は地獄大使の野望を止められるのか?戦え立花響、ショッカーが壊滅するその時まで。

 

 

 

 

 

G編 完

 

 

 

 




G編 完 

原作では「フロンティア事変」と言われてますがこの世界では「ショッカー事変」となってます。死神博士が働き過ぎたんや。

仮面ライダーの流れ星の威力を見る限りそこまで威力はなさそうでしたが数が数だったので死傷者は軽く数億人はいくかと。

因みに死神博士が腹部にネフィリムの顔を作らなかったり地獄大使に協力を要請していたら負けていたのは響たちの方です。
力を吸収する敵には王道な戦いでした。

そして、未来の代わりに槍投げをしたのは片手になった弦十郎でした。未来は松葉杖で原作みたいに走れないからね。暫くは松葉杖を手放せないでしょう。

そして、即再開するマリアと響。現状、響の体を見れるのはウェル博士しか居ないから当然かと。


新しい章に入る前に、また絶唱しないシンフォギアやCMネタ、マリアが演説していた時の掲示板とかやりたいですね。それからシンフォギアGの公式ページにある「フロンティア事変、その顛末」を弄って「ショッカー事変、その顛末」とかもやりたいですね。
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