改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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シンフォギアXDのギャラルホルン編をやっていたら仮面ライダーSPIRITSとのクロス物を考えました。とあるシーンがSPIRITSのシーンと似てる感じがしていけるかと。

フィーネ「私達は『BADAN』神に愛されし者」

その場合、石屋がヤマアラシロイドに。一番似合いそう…


73話 曇りし太陽と忍び寄る悪

 

 

 

━━━…何してるんだろ、私

 

とある部屋、一人の灰色のパーカーを着た少女が頭を抱え自分の行動に疑問を持つ。その少女の視線の先には部屋にあるソファーの上で寝ている少女…響が映る。

 

━━━もう人助けなんてしないつもりだったのに…それにしても重かったなこの子

 

浜辺に打ち上げられていた顔の似た少女。放置する事も出来ず寮に連れ帰りソファーに寝かせた直後に自己嫌悪に陥っている。とある理由により、もう他人を拒否するようになった少女だが自分と同じ姿同じ顔の少女を見て放置も出来ず自分の住んでる寮まで運んだのだ。その際、少女の重さに舌打ちしつつ奥の手を使い運んだ。

まぁ、それはそれとして自分より体重が重い事に優越感もあるが今の少女には関係ない。

 

「取り合えず目を覚まさせたら何者か聞かないと。どうして私と同じ姿同じ顔とか」

 

自分に姉妹がいたという話は聞いた事ないと考える少女。寝てる響の正体が気になる少女は起こそうと響に触れようとした時。

 

ウ~~~~~~~~~

          ~~~~~~~~~~

                    ~~~~~~~~~~~

 

「ノイズ!?」

 

突然の警報に手を引っ込める少女。ノイズの現れた警報に少女は響を放置して部屋を出る。

残ったのは未だに意識の戻らない響だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街の繁華街。日が暮れたが時間的にはまだ一般人が行き来しててもおかしくない。しかし、街中にいるのは人間ではなく人間には見えないカラフルな古代兵器。ノイズだ。

警報も鳴り一般人の殆どが逃げていたが何人かの人影が走りノイズに接近する。

 

「ハアーーーー!!」

 

掛け声と共に一筋の光がノイズを貫通する。灰となり消滅するノイズの傍らには青いシンフォギアを纏った女性、風鳴翼がアームドギアの剣を構える。翼の存在に気付いた別のノイズが襲い掛かろうと接近するが何発もの銃撃の音と共に穴だらけになり灰となって消滅する。

 

「大丈夫か?」

 

ガトリング砲を抱えていた雪音クリスがボーガンタイプに戻し翼に駆け寄る。

 

「済まない助かった」

 

礼を言う翼だったが、何処か不自然である。翼の反応がまるで今日初めて会った人物に対する言葉遣いのようにも見える。その時、翼たちの背後に誰かが近づく。

 

「こっちの掃除は終わったわ。そっちは?」

 

現れたのはマリアだった。現在、翼とクリスとマリアが現れたノイズに対処している。

 

「こっちもだいたい終わった」

「こっちもだが、さっき本部より2ブロック先の老人介護施設の避難が遅れてる情報がはいった」

 

翼の言葉に少し考えるクリスとマリア。先に口を開いたのはクリスだった。

 

「じーちゃんばーちゃんに急げって言っても無理か」

「ようするに此処でノイズを全滅させればいいんでしょ」

 

クリスとマリアが視線を向けた先には未だに多くのノイズが此方に迫ってきている。

 

「済まないが頼めるか?」

「水臭い事を言わない。それに…」

「こんなの日常茶飯事だしな!」

 

クリスは腰のギアから複数のミサイルを出し此方に迫るノイズを次々と灰にする。それが合図かのようにマリアも籠手部分から剣を取り出しノイズを攻撃する。

 

「…日常茶飯事?」

 

クリスの言葉に引っ掛かりを憶えながらも今はノイズの殲滅を優先する翼。三人の攻撃にノイズ達は次々と蹴散らされ最後の一体も倒される。

 

「特に危なげもなく終わったわね」

「付け焼き刃とはいえ、アタシたちと先輩のコンビネーションでもいけるな…」

「先輩?」

「…こっちの話だ、忘れてくれ」

 

クリスの先輩発言に首を掲げる翼。その反応にクリスは忘れてくれと言う。

しこりは残るが翼は改めてマリアとクリスを見つめ視線を合わす。

 

「今回は助かった、私一人では突破されていた可能性が高い。特異災害対策機動部二課を代表して礼を言う」

「礼には及ばないわ」

「そうそう」

 

何処か他人行儀で話す翼だがマリアもクリスも気にしない。

マリアの言葉に相槌をするクリス。そんな二人を見てちょっとだけ笑顔になる翼。

その時、翼の通信機に通信が入る。

 

「はい翼です。…なんですって!」

「何か問題?」

 

通信を聞いた翼の声が荒ぶる事にマリアが聞く。良く見れば表情も切羽詰まってる。

 

「件の介護施設付近に新たなノイズが現れた」

「はあっ!まだ来る奴が居るのかよ!!」

「急ぎましょッ!!」

 

翼の言葉にクリスが文句を言い、マリアが急いで向かうよう提案する。口には出さないがマリアの提案に頷く翼。三人は急いで2ブロック先の介護施設へと急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、介護施設ではノイズが闊歩し人間を炭化させようと行動している。

何人もの介護士が老人を避難させていた為、施設に残っている老人は少なかったが全員が逃げれた訳ではない。現に今一人の介護士が老人の肩を担いでノイズから距離を取ろうとしている。乱暴なやりかただが四の五の言ってられないのも現実だった。

 

「お婆ちゃん、もう直ぐですからッ!!」

「わ…わたしの事は置いて逃げなさいッ!」

「そんな事言わないでください」

 

老人を励ます介護士だが状況は良くない。先に逃げたワンボックスカーには運べるだけの老人を詰め込み安全な場所へと退避して今動かせる車もない。同僚たちも老人たちを介助しつつこの場を離れ残っているのは介護士の自分とお婆ちゃん一人だ。

後は自分達の避難さえ終われば老人たちを全員逃がせたが現実はそう甘くない。まるで自分達が介護施設から出て来るのを待っていたかのように出現したノイズ。

後ろや左右には何体ものノイズが自分達を狙って来る。

 

その時、介護士の前に地面からノイズが現れ囲まれてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処からじゃ届かないっ!!」

「ちっ、ならアタシがこの距離で当ててやる!」

 

その様子は、介護施設に急いでいた翼やクリスも目撃する。今からアームドギアを展開しノイズに斬りかかろうにも距離があり過ぎる。ならばと自身のアームドギアをスナイパーライフルにしたクリスが介護士の邪魔になっているノイズを排除しようとスコープを見た。

 

「!…待ってっ!」

 

何かに気付いたマリアがストップをかける。クリスが「どうした?」と聞こうとした瞬間、何体ものノイズが宙を舞った。

それを見て表情を硬くする翼。

 

通常兵器では相手をするのが不可能に近いノイズがまた一体、打撃を受け灰となっていく。ノイズを攻撃した人物は次のノイズに取り掛かる。

 

「あいつは…」

 

その人物を見て言葉も出ないクリス。その者はオレンジ色のシンフォギアを纏い拳や蹴りでノイズを倒してく。

 

「立花、響…」

 

マリアが良く知っている人物の名を口にする。時には敵対し最後には共に共通の敵を倒した少女。立花響と同じ顔をした少女がシンフォギアを纏いノイズを殲滅している。

尤も、マリアの記憶よりも目つきが鋭く薄黄色のマフラーをして口元を隠していたが。

 

「また、あいつか…」

「またってどういう事だ?仲間じゃないのか?」

「詮索は後にしなさいっ!私達も加勢しましょう!」

 

翼の呟きに反応したクリスが意味を聞こうとするがまだまだ数のいるノイズの殲滅を優先したマリアが中断させる。それに「おうっ」と返事をして駆けだすクリスに表情を固めている翼もそれに続く。

 

 

 

 

 

 

翼やマリア、クリスと響の活躍によりノイズが凄い勢いで灰となり消滅している。

そして最後のノイズが灰になる姿を見つめる響。

 

「いいタイミングで来てくれたな」

「…!」

 

犠牲を出さず無事にノイズを殲滅した事でクリスなりに労おうと近づくが、それに対して響は敵を見るような目をしてクリスを睨みつける。

 

「?なに怖い顔してるんだよ」

 

この時になってクリスが響の様子がおかしい事に気付く。彼女の知る響ならこうして声をかければマシンガントークをしつつ自分の事を話して友達になろうとする筈だ。

しかし、目の前の響には敵意しか感じない。

 

「何処か怪我でもしたか?」

 

響らしくない反応に更に近づき響の体に触れようとした瞬間、響の手が振り払うようにクリスの手を払う。

 

「痛ッ!…なにすんだよッ!」

 

その事で思わず抗議の声を上げるクリス。あの人畜無害を絵にしたような響が自分の手を払った事が信じられなかったのだ。

クリスの様子を一瞥だけして響はさっさとその場を離れる。

クリスもマリアもそれを見届けるしかなかった。

 

「…無視して行ったわね」

「何なんだよ、アイツらしくねえじゃねえか!」

 

自分の知ってる響とは間反対の行動をする響にクリスは悔しそうに言う。それと同時に昔の自分にも似てると思うクリス。

様子を見ていた翼が口を開く。

 

「彼女を知っているのか?」

「ああ…知ってるといや知ってる。こっちで知り合いって訳でもねえけど」

「こっち?」

「それにしても、あいつどうしたんだ?アタシの知ってる方は虫の居所が悪くても、あんな反応しない奴なのにな」

「そうなのか?私が出会った頃には既にああだったが」

「そうなの?まるで別人ね」

 

三人が響の事で話し合う。翼はまるで二人が前々から響の事を知っているようすに深く聞こうとするが一部をはぐらかす。その時、翼の通信機から呼び出し音がして翼がとる。

 

「すまないが、我々の本部まで同行してもらえるだろうか。自己紹介が遅れたな、私は風鳴翼。特異災害対策機動部二課の所属だ」

 

通信にはクリスとマリアを本部に連れて来る命令だった。二人に自己紹介する翼だが帰って来た反応は、

 

「よく知ってるわ。私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ」

「アタシは雪音クリス。こっちじゃまだ二課なんだな」

 

自分の事や特異災害対策機動部二課の事も知っている事に驚く翼。二人の所属を怪しむが詳しい事は本部で話すと言い三人が本部に向かおうとした。

 

「…殺気!」

「はぁ!?急に何を!!」

 

突然、翼がクリスを押し倒す。突然の事で驚きつつも顔を赤くするクリスだが、直後に自分達の居た場所に何かが通り過ぎると共に自分達の横にあった車が爆発炎上する。

 

「攻撃!?何処から!」

「あのビルの上だ!」

「まだノイズが残ってたのか!」

 

マリアが何処からの攻撃に焦り翼は即座にビルの屋上から攻撃された事に気付く。そして、押し倒されたクリスは翼が退くと過ぎるアームドギアを構えてビルの屋上を見る。

しかし、彼女たちの目に入ったのは、

 

「ギュアーッ!偵察に来て見ればシンフォギア装者が三匹も居るとはな!戦闘後なら都合がいい、今度こそ地獄に送ってやる!!」

 

水色の体をした虫のような赤い触覚を生やし両目には巨大な昆虫の複眼、両腕の脇の下からは薄い黄色の模様が書かれている翼をし腰には銀色のベルトをした怪物が翼やクリスを見下ろしている。

 

「何だありゃ!?ノイズじゃねえぞッ!!」

「…翼、この世界にはあんな生物も居るのかしら?」

「馬鹿な事を言うなッ!私もあんな化け物は初めて見る!…ん?この世界?」

 

怪物…ドクガンダーを見た面々は驚愕の声を出す。

マリアの言葉に引っ掛かりを感じる翼。何度となく戦った筈の怪人の筈がまるで始めてみたように反応する三人。それに気づかないドクガンダーは言葉を続ける。

 

「我らの邪魔をする特異災害対策機動部二課め!今度こそ殺してやるぞぉ!!特にそこの二匹はな!」

 

そう言ってドクガンダーはクリスとマリアに指さしする。

 

「アタシか!?」

「私も?」

 

「我らを裏切った雪音クリス及びマリア・カデンツァヴナ・イヴ!裏切りの代償として死ねぇ!!」

 

突然の名指しに茫然とするクリスとマリア。翼の視線が冷たくなるがドクガンダーは構わず両指をクリスたちに向けてミサイルを放つ。

 

「ミサイル!?」

「嘘でしょ!?」

 

クリスもマリアも翼も慌てて退避するとさっきまで居た地面に幾つものミサイルが命中して爆発する。

 

「裏切りと言っていたぞ!お前達の知り合いじゃないのか!?」

「あんな化け物に知り合いなんて居ねえぇ!!」

「口論してる場合じゃないわよ!!」

 

一旦躱した翼は同じく躱したクリスに掴みかかり知り合いじゃないのかと聞くがクリスも知らないの一点張りだった。そこにドクガンダーの追撃に気付いたマリアが口論を止めさせ左手の籠手から短剣を取り出し蛇腹状にして迫るミサイルを切り落とす。

着られたミサイルは次々と爆発して爆風と爆煙が辺りを包む。

 

「ゲホゲホッ!…威力だけならアタシの小型ミサイルを超えてるぞ」

「でもこれでハッキリしたわ。アレはやっぱりノイズなんかじゃない」

「…まあ、言葉を喋る時点でノイズではなさそうだが」

 

煙が治まると三人は無傷でビルの屋上にいるドクガンダーを睨みつける。ノイズではない謎の敵、どう対処するか決めあぐねる。

 

「イーッ!」

 

「!?」

「なんだ!?」

 

三人がまた驚く。煙が晴れると何時の間にか骨のマークが入った全身黒タイツと黒いマスクをした男たちが槍や剣を持ち取り囲んでいる。ドクガンダーの部下のショッカー戦闘員だ。

 

「…ねえ、翼。この人達って特異災害対策機動部二課の黒服?」

「公務員がこんな恰好するか!内の職員は黒いスーツを着ている!」

 

一瞬、この黒タイツが特異災害対策機動部二課の格好のなのかと思い聞くマリアに即訂正する翼。忘れられそうになるが特異災害対策機動部二課は政府の機関だ。黒服とはいえこんな全身タイツを着て仕事をする訳が無い。

翼もクリスもノイズではない未知の敵に戸惑ってるようにも見える。

 

「これだけの戦闘員を相手にお前達は耐えられるか?大人しくあの世に逝けぇ!」

 

「…お前達が知り合いか知り合いじゃなかろうが、これだけの殺気だ。蹴散らすしかない!」

「そのようね」

「…蛇にもこんな連中いなかったぞ」

 

翼とマリアがお互いに背を向け剣を取り、クリスもアームドギアを展開して戦闘員に向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物の屋上をジャンプして移動する少女は背後からの爆発音に立ち止まり後方を見る。

視界にはさっきまで自分がノイズを倒していた付近で煙が上がっている。

 

「戦闘?…私には関係ない…」

 

脳裏に自分に親しげに話しかけたクリスの姿が思い浮かぶが頭を振る。

サイレンも鳴っていない以上ノイズはもう居ない。ノイズが居ないのなら自分が戦う必要はないと考える少女は移動を再開して自分そっくりの響が居る寮へと戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼とクリス、マリアは戦闘員と戦う。しかし、その戦闘はどうにもクリスたちも不慣れな動きだった。

翼は剣の柄やアームドギアの胸の部分で戦闘員を殴打し、マリアも似たような動きで戦闘員と戦い、クリスに至ってはワザと外しつつ弾丸を撃つ。

相手はノイズではなく人間だと思い戦っているのだ。

それをビルの屋上から見るドクガンダーは違和感を感じている。

 

━━━妙だな、あの小娘ども戦闘員に手加減しているのか?先日まで殺し合い、戦闘員だろうと小娘にしては容赦なく殺していた筈だが、…奇妙と言えばこの街もそうだ。死神博士の流れ星作戦によってこの街も打撃を受けた筈だが…

 

翼やクリスの注意しつつドクガンダーは街の様子を見る。

街は流れ星作戦が起こったとは思えない程の喧騒としている。ここより離れた場所には人間達も相も変らぬ日常を送ってるようだ。

 

 

 

 

 

 

そもそも、何故ドクガンダーが街に偵察に出ていたのか?それは約一時間前に遡る

 

「アジトの様子はまだ分からんのか!?」

「か、各所の浸水は治まりました!しかし、一部の故障によりアジトの機能が50%まで低下!」

「各支部との連絡が途絶えています!…本部とも通信が途絶!」

 

アジト内に居る地獄大使は各所の戦闘員に指示を出す。

響との戦闘により謎の光に包まれたかと思いや浮上した筈のアジトが海の中に戻り各所から浸水の報告が入る。それに対応してる間にアジトの状態を調べさせれば戦闘の余波なのかアジトの機能は半分にまで下がっている。

状況がどうなってるのか確かめる為に各支部との連絡を試みたがその悉くが音信を途絶えている。

 

「…馬鹿な、支部は日本だけでなく世界中にあるのだぞ!それらが一斉に途絶えるなどありえん!通信機の故障の可能性がある。直ぐに調べろ!」

「イーッ!」

 

地獄大使の命令に技術持ちの戦闘員が直ぐに通信機を調べる。その間、地獄大使は椅子に座り何が起こったのか考える。

 

━━━光が治まったと思えば海の中だと?立花響の仕業か?兎に角、作戦は失敗した!スーパー破壊光線砲の一撃は東京に届かんかったか。あそこは無理してでも怪人達を出して立花響を抹殺するべきだったか?首領になんとお詫びすれば…本部との通信を急がなければ…

 

作戦を立て直しを考えてる地獄大使は先ずは首領に報告せねばと考える。それと同時にスーパー破壊光線砲の状態を見なければならない。状態次第では第2射を撃つのも辞さない。

その時、丁度スーパー破壊光線砲の整備をしていた戦闘員が戻って来る。

 

「地獄大使、スーパー破壊光線砲の収容完了しました」

「よし、状態はどうなっている?」

「シャフトの一部に歪みが発生、更に動力部にも異常が起きてます。再発射には時間がかかるかと」

 

肝心のスーパー破壊光線砲も問題が山積みだった。響との戦闘で無茶をし砲身のシャフトが歪み、動力部にも損傷が起こり一部が破棄レベル。最後は海水に浸かった為、それようの整備もしなければならない。

要するに短時間での発射は不可能だ。

 

「ちっ、スーパー破壊光線砲が使えなければ日本を焦土に出来んぞ。日本政府の動きは如何だ!?」

 

言うなれば、スーパー破壊光線砲は地獄大使の切り札だ。それが使えないとなると世界征服のプランを変えねばならない。だが、その前に政府の動きを警戒する地獄大使。立花響がどうなったか分からないが、まだ装者は翼とクリスがいる。それらが出て来るなら怪人軍団を使い、自身も前線指揮するつもりだった。

 

「…それがなんの反応もありません」

 

しかし、帰って来た報告は地獄大使にとっても肩透かしだった。生き残ったアジトのカメラが東京の様子を見ているが警官隊や自衛隊の船が一隻も居ない。

 

「如何言う事だ?」

 

東京湾のあまりの静けさに不審な物を感じる地獄大使。日本政府に潜ませていたネズミも悉くが逮捕されたり自首したりして、最早パイプがなく政府の行動が分かりづらくなったが日本政府が中途半端にショッカーを放置するとも考えられない。

兎に角、情報が不足していた。

 

「…本部との連絡はまだ取れんのか!?」

「駄目です!どのチャンネルも応答ありません!故障ではない筈なのですが…」

 

通信機を担当していた戦闘員は未だに通信機のチェックを行った後、本部への連絡をしていたが呼び出し音どころか何の反応もない事を報告する。

 

━━━まさか、本部が陥落した?…あえりえん!本部の場所は幹部級の者にしか知らされていない。それこそ、あの人間(ウェル博士)が触っていたコンピュータ内部には存在しない

 

「仕方ない、ワシは一旦本部へ戻る。怪人達には街へ偵察に出せ」

「イーッ!」

 

通信が繋がらない以上、自身が本部へ赴き首領への報告に行く事を決めた地獄大使。また、街中の警察や自衛隊の動きを掴むために何人かの怪人を偵察に出す事を決める。

 

 

 

 

そして、偵察に出た怪人達。ドクガンダーもその一人でありノイズとの戦闘を終えた翼やクリスを発見した。

 

「このっ」

 

クリスがボーガンのアームドギアを戦闘員に撃つ。しかし、それは戦闘員に当てる為でなく手に持っている剣や槍を狙ってだ。クリスの狙いは正確で放った矢は狙い通り戦闘員の持つ武器を弾く。

翼もマリアも同じように戦闘員の武器を狙った。翼の剣が戦闘員の鎗を切り裂きマリアの短剣が蛇腹状に動き何人もの戦闘員の武器を弾く。

 

「イーッ!」

 

「「「!?」」」

 

武器を失えば戦闘が治まり逃げていくと考えて居た翼たちだが戦闘員は武器を失おうと素手でクリス達に襲かかる。

 

「ちくしょう、どうなってんだ!?」

「気を付けて!この男達、素手での戦闘にも長けてる!」

「…止むを得ん!」

 

戦闘員の集団近接戦闘に苦戦した翼はアームドギアでの剣の柄や鞘を使い思い一撃を入れる。先程とは違い力を籠め気絶する程の威力だ。マリアやクリスも翼の行動に倣いマリアは蛇腹状の短剣と格闘、クリスは腕や足を撃ち抜き戦意を削ごうとした。

 

「何だと!?」

「嘘だろ、オイ!」

 

しかし、翼たちが見たのは倒れた戦闘員が即座に立ち上がり、手足を撃ち抜かれた戦闘員も何事もないように迫って来る。明らかに普通に人間ではない反応に翼どころかクリスやマリアも冷や汗を流す。

 

「馬鹿め、戦闘員とはいえ改造人間の端くれにそんな攻撃が通用するかぁ!!随分と腑抜けになったな、特異災害対策機動部二課が!!」

 

その様子を嘲笑い言い放つドクガンダー。何度となく戦った筈の装者たちの驚く姿が痛快だった。

ノイズとは全く違う敵に苦戦を強いられる翼たち。これが彼女達にとって初めて遭遇した怪人と戦闘員だった。

 

 

 

 

 




全然忍んでない悪(笑。
しつこいようですが、ショッカーにとって翼以外の装者は全員裏切者扱いです。未来も含めて。

怪人を知らないクリスとマリアが初めての戦い。

時系列が分かりにくいですが、このクリスとマリアは世界蛇を倒した設定です。

ほぼ初対面の怪物に「死ね」やら「裏切者」と言われたクリスとマリアの気持ちはいかに…
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