改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

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響同士での会話が書いてる作者もややこしいのでXDでもやっていた並行世界の響の名をカタカナに変更。


75話 邪悪な組織

 

 

 

「一体これは如何言う事だ!?」

 

とある山中、本部に向かっていた地獄大使が思わず叫ぶ様に言う。

目の前には洞穴があるがそれだけであり何もなかった。

 

「今、戻りました地獄大使!」

「…それで結果は?」

 

周辺を探索させていた戦闘員たちが戻り地獄大使が質問する。

この時、地獄大使は嫌な予感を感じており戦闘員の口が開くのを待っていた。

 

「…残念ですが、何処もかしこも木や岩ばかりで…」

「怪人の待機場所や戦闘員製造工場も消えていました」

 

そして予想通りの戦闘員の報告に地獄大使は落胆する。

 

━━━どういう事だ!?100歩譲って制圧されたや放棄されたのなら分かる。しかし、放置どころかアジトや本部のあった形跡すら残っていない。放棄するにしても形跡すら残さず出来るか?爆弾を使った形跡すらないぞ!!

 

地獄大使の目の前にはただの洞窟がある。本来その場所こそショッカーの本部があり首領や親衛隊の戦闘員も常駐してる筈だった。

しかし、地獄大使の目には岩石や木しかなく人工物があったようにも見えない。人の手が明らかに入っていなかった。

 

「本部は何処に消えた!首領や工場は!一体何処に消えた!」

「じ、自分に言われても分かりません!!お…お助けを!」

 

地獄大使が戦闘員の首を握り締め宙に浮かす。戦闘員が必死に知らないと言い命乞いをする。

暫くそうしていた地獄大使だったが徐に戦闘員を解放して洞穴から出る。

 

「何がどうなっている!?首領は今はいずこに…!」

 

考えすぎて頭が痛くなった地獄大使は天を見上げる。今日は丁度雲一つなく月が奇麗に見えた。そう()()()()()()()

 

「アジトに戻るぞ!急げ!」

「「「イーッ!!」」」

 

ある物を見た地獄大使は連れて来た戦闘員を引き連れ東京湾にあるアジトにとんぼ返りする。突然の事に戦闘員が戸惑う中、地獄大使一人は何か考えて居るような顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、都内某所。学園が生徒の為に用意している寮。

その一室では異様な光景が広がっている。生活感が皆無に近く部屋では外からの日差しが差し込む二人の人物の影が見える。

 

一人は険しい表情で何かを睨みつける少女。その視線の先にはもう一人の少女が居た。

だが二人の様子はおかしかった。二人の顔はあまりにも似ていて他人どころか近しい人間すら双子と間違うほど似ていた。

しかし彼女達は決して双子などではない。その証拠なのか、片方の少女がもう片方の少女の胸倉を掴み壁に押し付け随分と乱暴に扱う。

 

「言えッ!お前達の次の目的は何だ!?」

「…目的なんて無い。…放して…」

 

少女の問いにその少女はそう答える。

少女…響の問いに響に似た少女は「知らない」の一点張りで問答が出来てるようにも見えない。

その態度に響の脳裏にも徐々にだが違和感を感じていた。

 

━━━おかしい、この子以外の気配が未だにしない。何時もなら戦闘員や怪人が私を襲ってくる筈なのに…

 

響の知るショッカーならば戦闘員が目の前の少女…ショッカー響の援護、またはショッカー響諸共自分を殺しに来ると読んでいた響だったが待てども気配は少女しかせず警戒してる響の周りには誰も現れない。

 

━━━捨て駒?私がこの子に夢中になってる間に何か仕掛けている?或いは私を殺す為にこの子に強力な爆弾でも仕掛けている?でもそれなら私が気を失ってる間に仕掛けてる筈…

 

どうにも腑に落ちない響は、だんだん少女を敵と思えなくなり少しづつだが壁に押し付けていた体を床へと下ろす。その間にも警戒はしていたが、やはり怪人どころか戦闘員の一人も現れない。

 

「…ん?」

 

丁度、床に下した響は偶然にも少女の首元に触れ違和感を感じた。

 

━━━柔らかい!?

 

「え!?ちょっとなに!!」

 

少女の首が予想よりも柔らかい事に気付くと自分に似た少女の首や顔、足や手に触れ更には服を引っぺがして腹部や胸の辺りも触れる。

 

「ちょやめ!!アンタ、そっちの趣味!?」

「ごめん!ちょっとだけ我慢して!」

 

少女のあらぬ誤解を受けつつも響は少女の体を弄るのを止めない。細心の注意をして響が少女の体を握る潰さないよう慎重に触る。

 

━━━柔らかい、体の中に機械が埋め込まれてる感じがしない!それに胸の傷以外どこにも手術をした痕が無い。胸の傷?私と同じ場所に同じような傷?…この子はもしかして…

 

 

響は確かめたかった、腹部や胸部に埋め込まれている骨とは違う感触を。しかしいくら調べようと響の両手は少女の体から骨以上の硬いものなど発見できなかった。

腹部や胸、背中を見た響の脳裏に一つの確信が生まれる。

 

「もしかしなくても…アナタ、人間?」

「…それ以外に何に見える!!」

 

響の問いに少女は怒りの顔をして言う。その目つきは完全に変態を見る目をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい…」

 

響が自分に似た少女に向けて土下座をして謝る。

いくら同性とは言え、響の行動はやり過ぎた。ほぼ赤の他人に服を脱がされ体中を弄られたのだ、警察を呼ばれてもおかしくはない。

 

「まったく、なんなのアンタ!いきなり壁に押し付けて服を脱がして体中を触って!常識無さ過ぎじゃない!」

「…おっしゃる通りです…」

 

それから暫く少女の文句が続く。やれ「変態」だの「助けるんじゃなかった」のと口から飛び出す罵詈雑言。響はただ黙ってそれを聞き続けた、だって自分が悪いと思ってるから。

そうして、暫く少女の文句が続くと疲れたのか肩から息をしている。

 

「それで?アンタは誰?」

「あ、名乗ってなかった?私の名前は立花響16歳、誕生日は9月13日で血液型はO型。身長は155㎝体重は…聞かないで…」

「…誰がそこまで言えって言った?」

 

聞いていない事まで言う響に少女は呆れて言う。体重は何となくわかる。

それでも少女にとって響の自己紹介は聞き捨てならなかった。

 

「顔だけでなく名前や年齢まで同じ…。アンタ本当に何者?」

「何者と言われても…って、名前も同じ?」

 

少女の問いに響は言い淀んだ直後に少女の「名前も同じ」と言う言葉に驚く。

 

「私も立花響。よろしくね、偽物さん」

「え?偽物!?」

 

自分を同じ立花響だと言う少女に響は目を見開いて驚く。少女の堂々とした態度からも嘘をついてるようには見えない。

 

━━━同じ顔で同姓同名なのかな?立花の姓とか珍しく無いって未来も言っていた気がするし…

 

「…その態度だと私の名を騙ってる訳でもなさそうね。偶に居るのあの事件の生き残りのフリをして政府からお金を騙し盗ろうとする馬鹿が」

「そ…そんなことしないよ!!」

 

響の否定にも目の前の少女…ヒビキは「どうだか?」と言った態度をする。その態度に少しムッとする響。

でも助けられた事実は変わらないのもそうだった。

 

「改めて助けてくれてありがとう」

「お礼はいいよ、それよりアンタ海岸付近で並み被ってたけど何かあったの?」

「ええ~と、何と言うか…」

 

ヒビキの質問に響は如何答えようか迷う。一応、ショッカーのアジトの制圧作戦は機密扱いで外部に漏らさぬよう弦十郎にも釘を刺されている。それだけショッカーの動きを警戒していた。

 

それ故に、響はショッカーのアジトの制圧をボカシて戦っていたことをヒビキに説明する。

マリアの暴露以来、ショッカーの名は全国どころか全世界に広がってるのでこれで十分だと考えて居た。

 

「ハァッ!?…ショッカー?…怪人?何それ?」

「…え!?」

 

だからこそヒビキの反応は予想外だった。

マリアに暴露されてからのショッカーの名などニュースに連日報道され雑誌でも特集が組まれるほどの過熱ぶりを知る響からすればヒビキの言葉は信じられないものだった。

 

「何?作り話?」

「作り話なんかじゃないよ!マリアさんがテレビで暴露して追い詰められた死神博士が隕石を…」

 

響が必死に説明する。秘密結社ショッカーの存在や人間を改造して怪人軍団を作り世界征服しようと暗躍し自分達、特異災害対策機動部二課がそれを阻止してる事を。

機密扱いになっている部分はなるべく伏せているが響は隠し事が下手な方で知らずに喋ってもいた。

 

「ルナアタックにフロンティア?そもそもマリアって誰?隕石が落ちて大パニック?悪いけど聞いた事ない」

「そんな筈は…」

 

それでもヒビキの発言に響は思わず頭を抱えてしまう。試しに部屋に備え付けられていたテレビを点けてニュース番組を一通り見たがショッカーどころか世界中に降り注いだ隕石のニュースすら無かった。

 

「…どういう事…もしかして…」

 

響は狐につままれた気がして茫然とする。まるで自分だけがショッカーと戦っていた気がして孤独感が襲ってくる。さっきから特異災害対策機動部二課に居る師匠である風鳴弦十郎に連絡を取ろうとしているが通信も出来ない。

その事が余計響を不安にかきたてる。

その時に響は自分そっくりのこの子の胸の傷を思い出す。自分と同じような顔に傷…しかし確信はなかった。

 

「これで決まり…ショッカーなんて組織はアンタの妄想。…付き合い切れないからもう出て行って…」

「………」

 

ヒビキの口から出ていくように言われた。

冷たいようだが、流石にこれ以上の関わりはヒビキとしてもゴメンである。

しかし、響が茫然とする姿に溜息を漏らす。

 

━━━…まるで捨てられた犬みたい。私も昔はこんな表情とかしたのかな?

 

ヒビキとて、元からこの性格だった訳ではない。

あの悲劇から生き延びたが待っていたのは生存者へのバッシングと迫害がヒビキたち家族を襲った。

誰もがヒビキを加害者のように言い、自宅に石を投げられ父も仕事で差別を受け病んでしまい家族はボロボロになって、大事だった親友の未来も親の都合とはいえ引っ越しヒビキは本当に独りになってしまった。それからだヒビキが極力、人と関わるのを止めたのは。

 

━━━どうせ、この子も私がツヴァイウイングの悲劇の生き残りだって知れば…やっぱり私は独りでいい。独りなら私に期待する事も絶望する事もない

 

ヴ~~~~~~~~~

          ~~~~~~~~~~

 

「!警戒警報!?」

「ノイズ!!アンタは私が戻るまでに出て言ってよ!」

「え!?」

 

ヒビキが心の中で決心を改めていた時に警報が鳴り響く。響は久しぶりに聞く警報に驚き、ヒビキはノイズと言って部屋を出る。その際に響に部屋を出ていくよう警告して。

尤も警告された響はキョトンとしていたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来てもらって早々悪いわね!」

「…私達も慣れてるから気にしないで!」

 

ノイズが現れたポイントには既に翼と並行世界から来ていたマリアとクリスがノイズを倒している。

自分達の世界での指令である弦十郎に報告を終えた二人はまたこの世界へと来たのだが、来て早々にタイピングよくノイズが出現して現場で翼と合流した。

二人が来た事で負担の減った翼の活躍もありノイズは次々と駆逐されていく。

そんな中、クリスは別の事を考えて居た。

元の世界での響が呟いた発言が気になっていたのだ。

 

 

 

『改造人間?お前なにか知ってるのか』

『…分からない…でも夢で見たり聞いたの。横を向いた巨大な鳥が地球を踏みつけてるようなマークが彼らの象徴みたい。…正直、今まで戦った人達よりドス黒い何かを感じる』

『お前がそんな風に言うなんて珍しいな』

 

この響の発言はクリスにとっても意外なものだった。

響は元々争いごとが苦手で人と競う事すら避ける事がある。そんな甘い響がここまでの事を言うのだ。

 

『クリスちゃん…マリアさん、気を付けて。下手すればコイツ等は世界蛇より危険かもしれない…』

 

 

 

「人がいいアイツがああまで言うんだ。アタシも気を付けないとな」

 

響の言葉を思い出し身を引き締めるクリス。クリスの知る限り響は話し合いを大事にする娘で嘗て敵対していた自分やフィーネにマリアたちの説得もしたのだ。

そんな響が気を付けてと言った以上、クリスもそれなりの行動をするつもりだった。

 

「オラオラ、ノイズ如きがアタシに勝てると思うな!!」

「随分と張り切っているな…」

「この世界に来る前に少しあったのよ」

 

クリスの大暴れに翼は圧巻として見て、マリアはクリスの戦い方に半ば呆れている。

そんな、クリスの活躍もあり百以上いた筈のノイズも僅かな時間で片手で数える程になっていた。

 

「よし、あと少し!」

「やはり数が多いと楽でいい」

「ウチの翼に聞かせたい台詞ね」

 

普段一人で戦っている翼が思わず本音を呟き、それを聞いたマリアが苦笑いをする。その間にもクリスが残ったノイズに標準を向けようとした。

 

 

 

 

「キーリー!」

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

突然不気味な声が聞こえると共に電撃のような物がノイズ達に襲い掛かりノイズたちはアッサリと消し炭となる。

茫然とする翼とクリス達だったが、またもや不気味な声が聞こえて来た。

 

「ドクガンダーの言う通りシンフォギア装者が三匹か、他の奴等は居ないようだが。まあいい、俺が始末してやる!!」

 

「新手!?」

「…ビルの上だ!」

「またかよ!」

 

翼が声の主を見つけ指の差したビルの屋上を見る。クリスたちにとって既視感ある気がしたがビルの屋上で自分達を見下ろしてる者を見つける。

それもまた人の様には見えず体には黄色いまだら模様のような物があり頭には二本の触覚が生え、その触覚の間から電気らしきものがバチバチと流れ左手には鋏を持つ口から鋭い顎を出した虫のような顔をした怪物。

 

「あの蛾野郎じゃねえ!?」

 

「俺の名はカミキリキッド!地獄に行っても忘れんことだな!!」

 

怪物…カミキリキッドが名乗ると共に自分達の周りに何かが飛び降りる。戦闘員たちだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハアッ!」

 

翼たちの居る繁華街から少し離れた路地裏。ヒビキがノイズを拳で倒し灰となる。

ヒビキは路地裏で数体のノイズに気付き、先ず此処を片付けていた。

そして、今の攻撃で路地裏に居たノイズは全滅する。

 

「…向こうにもノイズが…」

 

ノイズに対する憎しみがあるヒビキは繁華街に居るノイズも倒そうと移動しようとするが、

 

「イーッ!」「イーッ!」

 

「?何…アンタたち…」

 

突然、黒タイツの覆面男…ショッカー戦闘員に囲まれるヒビキ。どの戦闘員も剣やナイフを持ちヒビキを睨みつけている。

最初は強引なナンパの類かと思ったが男達からは言い知れない気迫の様な物を感じ響の背中に冷や汗が流れる。

この時、ヒビキが感じていたのは殺気だった。

 

「退いて!私はノイズに用がある」

 

「ミミーン!そんな事知るか、我々が用があるのは貴様の方だ!立花響!!」

 

何かが背後に落ちる音と共に不気味な声がして振り向くヒビキ。其処には口の先が尖り両方の目が飛び出してるような化け物が居る。

明らかに人間でない風貌に響が息を飲んだ。

 

「ノイズじゃない!?」

 

「このセミミンガ様を忘れたか?此処で会ったが百年目、今度こそ地獄に送ってくれる!」

 

鎌状になっている左腕を振り上げると共にヒビキの周囲を囲っていた戦闘員が襲い掛かる。

 

 

 

 

 




別の場所で戦うヒビキとクリス達が同時に襲われる話。

響がこの世界の立花響の体を調べる為に服を引ん剝きました。下手すれば警察ものです。
本編響は原作の一年半前に拉致され改造人間にされた為に原作に比べて背は若干小さ目です。今後も成長する事はないです。

ヒビキの事をなんとなく似てる子だと思ってましたが胸の傷を見て響の疑問は大きくなってます。

そして、この世界の響にもショッカーの魔の手が。尚、怪人達は未だにこの世界が並行世界だと気付いていません。
「天気がやたらいいな」や「復興早くね?」と疑問には思ってます。
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