改造人間 立花響のシンフォギア   作:一種の信者

95 / 172
少し前にある動画を見て、シンフォギアXDのイベント「決意と愛の旋律」のストーリーを使ったクロス物を思いつきました。

もしも、あの世界のナスターシャ教授の背後にあの上院議員がいたら。



「せこく儲けている柔なインテリだの、セレブだの、草食系だの、
 ノイズだの、シンフォギアだの、防人だの、カストディアンだの、
 わけの分からん奴等を全部ぶん殴ってやるっ!!」

「あの人、ノイズを素手で殴り飛ばしたデス!?」
「…政治家って何かしらね」
「マ…マリア、こっち来た! あの人、ダッシュでこっち来てる!!」


あの上院議員ならマリア達だろうと弦十郎たちも上院議員を舐めんじゃねえキック出来るだろう。…たぶん。
訃堂に「なまくらが」とか言ってほしい。
FISで集められた子供って戦争孤児やストリートチルドレンに誘拐が主だとか言うし元ネタとも合いそう。


86話 地獄大使の野望 東京ドクロ作戦!

 

 

 

クリスとマリアが高速沿いで海蛇男と戦ってる頃、

 

 

 

商店街付近では人を襲う巨大な針が暴れている。

 

ウ~~~~~~~~~~

           ~~~~~~~~~~~~~

 

「誰か助けてくれ!」

「新手のノイズか!?」

 

響の耳には街中で響くサイレンと人々の悲鳴が木霊し他の店舗にも火の手が上がる。

目の前のハリネズラスを警戒しつつ周囲に視線を向けると逃げ惑う人々とそれを追う宙を浮く針が目に入る。

 

商店街は既にパニックに陥っている。

既に響の腕から出たヒビキも口を開けて固まりふらわーのおばちゃんも何が起こっているのか分からない。

 

「ショッカーの改造人間…この騒ぎはお前の仕業か!」

 

「そうだとも、改めて教えてやる。 俺の名はハリネズラス! この街では既に東京ドクロ作戦が開始されているのだ!!」

 

おばちゃんを守りつつ怪人…ハリネズラスとの会話に入る響。そしてハリネズラスはアッサリとこの現状は自分達の仕業だと白状する。

尤も、響の耳には気になる単語が入る。

 

「東京ドクロ作戦? さっきも聞いたけどそれって一体…」

 

「知りたければ教えてやる! 俺の針には人間を一瞬で骨にする殺人ビールスが含まれており俺が操り人間どもに襲わせる。 今はこの街だけだが直に東京中に広がり関東、東日本と広まりやがては日本全体へと広げるのだ! 最も最終的には世界中の人間が殺人ビールスの前に骨となり世界は我々の物となるのだ! 先ずは手始めに東京を骨で埋め尽くしてやるっ!!」

 

ハリネズラスの言葉に響どころか唖然としていたヒビキも正気に戻る。それ程までにハリネズラスの言葉は強烈だった。

このままでは街どころか東京中に針が広がり日本全体に広がってしまう。そう考えた響は即座に行動に移す。

 

「わたし!」

「!?」

 

響は直ぐにおばちゃんをヒビキに引き渡す。突然の事に戸惑うヒビキだが、響の目を見て何をしたいのか気付く。

 

「おばちゃんを安全な場所に、私はハリネズラスを倒す!」

「…うん!」

 

二人で戦うのが理想だが戦えないおばちゃんを避難させるのも重要と言えた。

ハリネズラスの力量が不明故に怪人との戦闘に慣れた響が相手をするのも理解出来た。

 

「簡単に逃がすと思うなぁ!!」

 

しかし、敵もさる者。ハリネズラスが声を荒げると共に四方八方から戦闘員が現れ退路を塞ぐ。

おばちゃんの存在が響達の足を引っ張ると考えたハリネズラス。逃がさず三人纏めて始末するつもりだ。

 

Balwisyall nescell gungnir tron×2

 

響とヒビキが同時に聖詠を口にしてシンフォギアを纏う。

目が点となるおばちゃんを他所に戦闘員が動き出す。

 

「イーッ!」

 

「邪魔はさせない!」

 

ヒビキを守る様に次々と襲い掛かる戦闘員を薙ぎ倒す響。

そして、ほんの隙を付いておばちゃんを抱えて離脱するヒビキ。何人かの戦闘員が追おうとするが響がそれを許さない。

 

「フン、逃したか。 まぁいい、此処が貴様の死に場所だ!」

 

「一般人を巻き込むアンタたちを絶対に許さない!」

 

早々にヒビキを追うのを諦めたハリネズラスは目標を響に変えて戦闘員を一斉に向かわせる。

響も非道な行いを平然と進めるハリネズラスたちに怒りの炎に燃え迎撃に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、おばちゃんの避難を任されたヒビキはおばちゃんを抱えたままビルの屋上からジャンプし別のビルの屋上に着地して、またジャンプと繰り返す。

下の道路には幾つもの白骨死体が転がり宙を飛ぶ針が移動して民家や建物に炎が纏う。

ある意味、ノイズ被害以上混沌となっている。

たまに警察や黒服が取り残された市民を誘導して避難させており何度か手伝うべきかと考えた。

 

「あ…あんた達…」

 

その時、抱えているおばちゃんがヒビキに話しかける。

ヒビキも移動中という事で返事はしなかったがおばちゃんの言葉に耳を傾ける。

 

「あんた達は何に襲われてるんだい? あれは明らかにノイズじゃないよ」

「………」

 

おばちゃんの言葉に答える事が出来ないヒビキ。 秘密結社ショッカーの事を教えれば下手をすればおばちゃんがショッカーに狙われる。

何より、おばちゃんの店が襲われたのは自分達が居た所為かも知れない。嘗ての迫害された記憶が蘇りヒビキの口を閉ざしていた。

尤も、そのヒビキの反応にある程度察する事の出来たおばちゃんもそれ以上の追及はしなかった。

 

そうしてる内に、ヒビキは道路上でアスファルトがせり上がり通路となって何人かの武装した警察官と中へ入る一般人たちが居る事に気付く。

対ノイズ用のシェルターだ。

 

「あそこなら」

 

シェルターに気付いたヒビキはビルの屋上から飛び降り警官たちの前に着地する。

 

「何だ!?」

「待てぇ!」

 

突然の事に着地したヒビキに銃を向ける警官だが、年配の警察官が抑える。

とりあえず撃ってこなかった事でヒビキは見張りの警官たちの方に近づいて行った。

 

「すいません、この人の保護をお願いします」

「…わかりました」

 

抱えていたおばちゃんに視線を向けた警官が快く応じて腰の抜けたおばちゃんの手を引っ張りシェルターに入る。

すると、残っていた上司の警官がヒビキに敬礼する。

 

「その姿…特異災害対策機動部二課の人ですね。 現在、街で暴れているあの針は何でしょうか? 新手のノイズとか?」

「え…? いや、私は…」

 

ヒビキのシンフォギアを見て特異災害対策機動部二課の者だと勘違いされる。

真実を言う訳にもいかず、特異災害対策機動部二課とも違うヒビキは返答に困った。無視してその場を離れるのがいいが、ヒビキの人の好さが邪魔をする。

どう返答するか迷ったヒビキだが、

 

「巡査長! こちらに接近する針を確認!」

「! 迎撃しろ!!」

 

見張りをしていた警官がシェルターに接近する何本もの宙に浮く針を確認し、報告する。

その報告を聞いた巡査長は直ぐに発砲の許可を出し宙に浮く針に撃つ。

 

幸い、宙に浮く針は何発かの拳銃の弾でも迎撃出来るがいかんせん数が多い。

必然的に弾切れを起こす警官が続出した。

 

「巡査長っ! 弾が!!」

「予備の弾は!?」

「既に尽きていて先程補給を要請したばかりです!」

 

部下の言葉に巡査長は絶望する。 弾切れイコール自分達の死だ。

もはやこれまでと覚悟した時、

 

「私が行くっ! あなた達はシェルターに」

 

この場を離れるチャンスと考えたヒビキが針の群れに向かう。 ヒビキは迫る針の横に回ってチョップなどをして叩き落し、数を減らす。

偶に迎撃しきれない針がヒビキを刺そうとするが、上手くシンフォギアに当てて弾き向かって来ていた針を全滅させる。

その光景に驚く警官たちを尻目にヒビキがそのままフェードアウトし響の方へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イーッ!」「イーッ」

 

「このっ! ハアアァァっ!」

 

響が戦闘員の剣を躱してカウンターに顔面に拳をいれる。しかし、直後に別の戦闘員に取り押さえられてしまう。

 

「しまった!」

 

戦闘員にアッサリ捕縛された響だが決して油断していた訳ではない。

響はとある事情により戦闘員への集中力が落ちていたのだ。

 

「よくやった、くらえ!」

 

その原因は丁度、捕縛された響に向けて体に生えた針を投げたハリネズラスだ。

響が戦闘員に手中すれば針を投げつけて集中力を乱し、何時もなら十分蹴散らせる戦闘員に苦戦を強いられていた。

 

「! ヤッアア!!」

 

「イーッ!?」

 

避けるのが間に合わないと判断した響は羽交い絞めにしてた戦闘員を咄嗟に盾にする。盾にされた戦闘員はそのまま針が突き刺さると一声鳴いて倒れ骨になってしまう。

一瞬、口元がが歪み吐き気を押さえた響。

 

「咄嗟に戦闘員を縦にしたか、随分と甘さを捨てたな。 立花響!!」

 

ハリネズラスの声にハッとする響。別段、ハリネズラスは戦闘員を盾にしたことを責めてる訳ではない。

甘っちょろい小娘である立花響が敵を使って攻撃を防いだ非情さを褒めたのだ。尤も、殆どが嫌がらせだが。

 

「それはそれとしてソロソロ死んで貰う!」

 

そう言うとハリネズラスは左手の鋭い爪を響に突き立てようとする。響も針を警戒しつつ爪を避けてハリネズラスの顔に拳をいれる。

 

「アイヤヤヤヤヤヤヤ」

 

「!?」

 

響の拳を食らったハリネズラスだが口から不気味な鳴き声と共にハリネズラスの右手に顔面を掴まれ後ろの壁に叩きつけられる。

衝撃によりヒビが入った事で力の凄まじさが分かる。普通の人間なら一発で頭蓋骨を粉砕されている。

 

「貴様を片付ければ残ったもう一人の立花響と特異災害対策機動部二課の三匹だけよ」

 

「…もう一人の私や翼さん達をやらせるもんかああぁぁぁぁぁッ!!!」

 

ハリネズラスの言葉にそう反論すると響は両腕を使いハリネズラスの手から逃れようとする。

 

「フンッ!!」

 

「!?」

 

だがそれよりも早く、ハリネズラスは右腕をそのままにして駆けだし響の頭を壁に当てながら走り出す。

響の顔は壁との摩擦で熱くなり顔の人工皮膚が捲れ上がり押さえつけられていた壁は響が通った後は罅割れ凹み赤い液体が付着する。

そして、少し行った先でハリネズラスが押さえつけていた壁が粉砕すると同時に先の壁にまで叩きつける。

解放された響だが、壁にぶつかる衝撃により倒れて直ぐには立ち上がれない。

同時に響は顔の半分に強烈な熱を感じて触れると熱く硬い物に触れる。響の顔の半分の人工皮膚が剥がれてしまったのだ。

 

「辛い思いをして戦おうが、此処はお前には関係ない世界だろうに、相変わらず理解出来ん思考だ」

 

「…お前達…何かに…理解…されなくたって…いい。 他人を…喜んで…犠牲に…するショッカー…を野放しに何て…出来ない…」

 

顔の痛みに涙が出そうな響だったが、ハリネズラスの呆れ交じりの言葉に反論する。

その間にも響の顔の人工皮膚は回復し元の顔へと戻る。

 

「…言うではないか、小娘。 そんなに他人が大事ならもう教えたのか? その体の秘密を!」

 

「!?」

 

ハリネズラスの言葉に顔を歪める響。

その言葉の意味は…

 

「その体の中には俺達と同じ物が入ってるのだからな。 もう一人の立花響には教えてやったのか? 自分がもう人間じゃない事に」

 

自分の胸元に手をやる響。

 

元の世界の立花響は改造人間である

世界制覇を企むショッカーにより拉致され有無を言わさず改造された哀れな少女だ。

響が人間だった頃の物は心臓と脳の一部しかない。

 

「あ…あんた達には関係ないッ!!」

 

激高した響が言い返す。その様子に直ぐにピンときたハリネズラスは陽気に口調で言う。

 

「そうか、まだ知らないのか。 教えなくていいのか?」

 

「………」

 

ハリネズラスの言葉に響は答えない。完全におちょくってる事に気付いていたからだ。

響が答える気が無いと判断したハリネズラスは一言「つまらん」と言い針を剣のように振り回し響を攻撃する。

響の拳とハリネズラスの持つ針が交差し火花をあげる。まるでフェンシングの剣のように振るう針を拳でいなして当たらないようにするが、動揺してるのか響の肩に突き刺さる。

 

「グッ!?」

 

痛みを感じると共に「しまった!?」と思いハリネズラスの針を抜くと一旦距離を取る。

瞬間、体に熱の様な物を感じるが数秒もせずに落ち着く。

 

「…ふん、やはり戦闘員とは違い完全な改造人間に殺人ビールスは今一だったようだな」

 

響の様子を見てハリネズラスがそう漏らす。普通の人間なら針が刺されば数秒もせずに殺人ビールスが人体を犯し骨にして絶命させるが人間ではない改造人間には効果が薄いようだ。それでも戦闘員を骨にする事は出来る。

この結果に少しだけホッとする響。

 

━━━私の体に殺人ウイルスは効かない? なら戦いようは幾らでもある!

 

態勢を立て直した響はハリネズラスに突撃する。少し驚いたハリネズラスだが、直ぐに手に持つ左手の鋭く長い爪で迎え撃つ。

その対応は響の想定通りだった。

 

━━━ハリネズラスの左腕は爪が長すぎて針を掴んで投げるのに向いていない。 なら右腕を潰せばもう針を投げる事は出来ない! ハリネズラスもそこまで強い怪人じゃない!

 

少し戦ってみて響はハリネズラスの戦闘方を知る。ハリネズラスは基本的に体に生えてる針を抜いて投げている。片手が長い爪である以上、針を投げる右手を封じる事が出来ればハリネズラスは大きく弱体化すると読んだ。

 

それからは、響の猛攻がハリネズラスを襲う。

響の両手の拳とハリネズラスの針と左腕の爪に火花が散る。傍目には完全に五分の戦いであるが徐々にハリネズラスが押されていく。

 

「この力!?」

 

「ハアアア!!」

 

一瞬の隙をつき響の蹴りがハリネズラスの右手を蹴り握っていた針が弾かれる。

 

━━━今だ!

 

武器の針を手放し左手の爪で攻撃するには響が近すぎる。チャンスと考えた響は腕のギアを開き一気にハリネズラスの体に打ち込もうとする。

 

「……馬鹿め!」

 

「!…!?」

 

響は油断していた訳ではない。ハリネズラスの相手に集中し戦闘を見守っていた戦闘員にも注意を払っていた。それでも、ハリネズラスの言葉の直後に背中に何かが突き刺さる感覚の後に衝撃と熱波が響の背中を襲ったのだ。

響が地面に倒れる。背中には激痛と共に煙が出ている。

 

━━━この感覚…トカゲロンとの最初の戦いを…思い出すな…でも…一体何が…!?

 

まるで他人事の様に考える響はやっとハリネズラスや戦闘員意外に注意を向ける。

そして、響の目に映ったのは宙に浮く針だった。

 

「アイヤヤヤヤヤヤヤ! 忘れたか立花響、俺は自由に針を操る能力がある事を!」

 

この時になって、響の脳裏におばちゃんの店「ふらわー」で起こった事を思い出す。

天井や壁だけでなく床からも針が出て襲って来てた事を。

 

「ついでに教えてやる、俺の針には殺人ビールスはそうだが突き刺さった瞬間、爆発する爆弾針もあるのだ!」

 

「…爆弾針?」

 

ハリネズラスの言葉で全てを悟る響。背中の爆発も爆弾針が原因だ。響は自分のミスを悔しがる。

思えば針はふらわーの店内を縦横無尽に飛んでいた。即ち、操ってる事は目に見えていた。

ハリネズラスがただ針を投げつけているだけではない。ふらわーへの襲撃におばちゃんの避難、ハリネズラスの長髪でその事がすっぽりと頭から抜け落ちていた。

 

「そらぁ!」

 

「がっ!?」

 

背中に大ダメージを受けた響が立ち上がろうとするが頭を踏みつけられる。

ハリネズラスの足が響の頭をタバコの火を消すかのように捻られた。

 

「今までショッカーの計画を邪魔してくれた礼だ。 その頭を踏みつぶしてやる!!」

 

ハリネズラスの足に力が加わり響は自分の頭部に今までにない圧力を感じていた。

ただの人間なら耐えられない程の圧力が響を襲う。

何とか脱出しようとする響だが背中の負傷に回復する力を取られ、満足に力を発揮出来ない。

ハリネズラスのブーツの感触を感じる響。

このまま、ハリネズラスの足が響の頭を踏み砕くかに思えた。その時、

 

「イーッ!?」

「!」

 

一体の戦闘員がハリネズラスの方に飛んでき、驚いたハリネズラスは飛んできた戦闘員を叩き落すがその拍子に何歩か後ろに下がる。

 

「グッ…」

「立てる?」

 

頭への圧力が下がった響の耳に聞きなれた声が聞こえ振り向く。

そこには、おばちゃんの避難を終えた立花ヒビキが居た。ハリネズラスに戦闘員を投げたのはヒビキだった。

 

「わたし? ありが…!」

 

助けて貰ったお礼を言おうとした響だが、直ぐに自分の背中を確認する。爆弾針の影響で背中のギアや人工皮膚が剥げたのを見られた可能性があったからだ。

直後に響はホッとする。背中は見た目だけなら煤がついてるだけに見えた。まだ痛みはあるが表面上は治っている事に響は安堵する。

 

「?」

「ごめん、何でもない」

 

そんな響の行動に疑問を感じるヒビキだったが、響の言葉で視線を戻す。何より其処には、

 

「チッ! もう戻って来たか!」

 

自分達を狙う(怪人)が居るのだから。

二人の響とハリネズラスの睨み合いが発生する。

 

そして、二人の響の視線が合い頷く。途端、軽快な音楽が聞こえて来る。

 

「アイヤヤヤヤヤヤヤ!! 歌で俺の相手をするつもりか!」

 

「お前を倒さない限り犠牲者は増え続ける。だから…」

「速攻で倒す!」

 

今こうしてる間にもハリネズラスの針が人を襲い殺している。それを止める為にも目の前のハリネズラスを何としてでも倒さねばならない。

 

「簡単にはやらせん!」

「イーッ!」「イーッ!」

 

しかし、ハリネズラスもショッカーの改造人間。二人を返り討ちにしようと部下の戦闘員を全員出す。

周囲に何人もの戦闘員が現れたが、二人の響達の表情は変わらない。

 

胸に残るあの日の衝撃

辛く刺さった数々の痛み

(Tears roll down)

 

二人が同時に歌う。戦闘員も飛び掛かりナイフや槍で攻撃しようとするが、響の拳が、ヒビキの蹴りが戦闘員を蹴散らしていく。

 

「アイヤヤヤヤヤヤヤ! 喰らえ!」

 

ハリネズラスも黙ってる訳がなく、体に生えた針を響達に投げつける。

 

「二度と繰り返さない」

誓った拳はまた固くなる

 

しかし、その針を響は拳でアッサリと叩き落す。

ハリネズラスが舌打ちをし、またもや針を投げるがそれも叩き落す。

同時に剣を握った戦闘員を投げ飛ばし何人もの戦闘員を巻き込んだ。

 

「チカラには意味がある」

ガッと蹴って踏み溜め込む

 

「イーッ!」

 

最後の戦闘員がヒビキの拳を食らい地面に転がる。これでハリネズラスが連れて来た戦闘員は全滅した。

 

「馬鹿な、弱った立花響とただの人間如きに!」

 

戦闘員が全滅したからか、狼狽するハリネズラス。そして、その隙を見逃さなかった響はヒビキと視線を会わせ頷く。

 

笑顔の為に

Ready(Ready)

 

二人の響の腰のブースターが火を吹き、一気にハリネズラスに接近し拳をハリネズラスの体にぶち当てる。

 

「舐めるな!」

 

ハリネズラスも反撃に左腕の爪を振るう。爪の先がヒビキの頬を掠るがヒビキは怯みもせず拳を振るう。

響も負けずとハリネズラスの体に何発もの拳を当てていく。

 

Fight now(Fight now)

愛で握れ

 

二人の響の猛攻にハリネズラスは段々押されていき、遂には

 

「なっ!? 俺の爪が!!」

 

二人の響の拳を爪でガードしたハリネズラスだが、それにより左手の爪が砕け散る。慌てて体の針を抜こうとするが、

 

(Knock out!)「諦めない」って言葉

(Knock out!)君にも伝えたいんだ

守りきる手が 明日(あす)を創る

 

だが、それよりも早く慌てていた為防御が疎かになったハリネズラスの腹に二人の響の拳が命中し同時に開いていたギアも閉じ、凄まじい衝撃を与えられて吹き飛ぶハリネズラス。

 

「アイヤヤヤヤヤヤヤ!!!!?」

 

吹き飛んだハリネズラスは何度も地面を転がり、立ち上がろうとするが既に体はフラついている。

最早、ハリネズラスの敗北は目に見えていた。

 

「やったの?」

「うん、終わったよ」

 

ヒビキの問いに答える響。尤もその表情は嬉しい訳でもなく疲労を感じている。

怪人を倒したが街は大混乱に陥り何人の人間が殺されたか分からない。

 

「「終わった」だと、ほざけ!」

 

「「!」」

 

響の声が聞こえたのかハリネズラスの怒号に驚く二人。二つのガングニールの力の前に既にハリネズラス死に体だが、その目には未だ狂気を感じている。

 

「ショッカーには、まだまだ強力な怪人軍団が控えている!貴様らの居る所に必ず現れ周りの人間も巻き込んでやる!それをゆめゆめ忘れるな、立花響!…アイヤヤヤヤヤヤヤ…」

 

ハリネズラスが最後に鳴き声を上げると地面に倒れて爆発する。

響達は知らないが、この直後に人々を襲っていた針は地面に落ちると次々と爆散して消滅していった。

 

「…?」

 

その場を去ろうとしたヒビキだが、もう一人の響は突っ立って何かを見ている。視線を追った先には燃え続けるふらわーがある。

声をかけるべきか悩んだヒビキだが、遠くの方で消防車や救急車、パトカーのサイレンが聞こえてきたのに気付く。

 

「行くよ」

「…うん」

 

警察が来たら自分達が残っていれば間違いなく事情聴取されるだろうと考えたヒビキは響に声をかける。

響もそれに反応して頷きその場を後にした。直後に何台もの消防車が到着し燃え盛るふらわーやビルや家屋に目掛け消火活動に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海蛇男、ハリネズラス、共に倒されました」

「殺人ビールスもハリネズラスとともに消滅しました!」

「…そんな物見れば分かる!!」

 

一方、アジトで響達やマリアたちを監視していた室内に地獄大使の怒号が響く。

東京ドクロ作戦が失敗し、悪魔祭りの生贄を集める計画もシンフォギア装者に阻まれおじゃんとなった。

地獄大使が立てた作戦が悉く失敗し頭に血が昇る。だが、それと同時に地獄大使の脳内は一つの疑問が出来ていた。

 

━━━立花響は兎も角、雪音クリスにマリア・カデンツァヴナ・イヴのあの力は何だ? 特異災害対策機動部二課の新兵器か?

 

海蛇男との戦いで見せた黒いシンフォギア。それがどうにも地獄大使は引っ掛かっていた。

 

━━━あれだけの力だ。 小娘たちが使うのも分かる…ならば何故、風鳴翼は使わなかった? 可能性としては、雪音クリス及びマリア・カデンツァヴナ・イヴは特異災害対策機動部二課の人間ではなく何処か別の組織から出向してる場合だ。 それならばあの二匹は何処の組織だ? FISか結社辺りか?

或いは、あの力を使うには別の能力が必要で風鳴翼にはそれが無かった? だが、映像で見た風鳴翼の表情は初めて見たような感じだった。

それとも……

 

暫く一人で考えて居た地獄大使だったが、カッと目を見開き戦闘員に向かって言い放つ。

 

「雪音クリス及びマリア・カデンツァヴナ・イヴを徹底的にマークしろ! どんな情報でも良い、あの二匹の正体を探れ!!」

 

「「「「イーッ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いから翌日。

殆どの火は消化され街に平穏が戻りつつあった。野ざらしになっていた白骨も殆どが片付けられている。

 

「此処なの?」

「ああ…」

 

そして、燃え盛ったふらわーの前に二人の女性が立つ。

クリスとマリアだった。

海蛇男を倒した後に特異災害対策機動部二課に戻った三人に聞かされたのはショッカーの商店街への襲撃だった。幸い、特異災害対策機動部二課に所属していないシンフォギア装者が怪人を倒して解決させたが多数の被害が出たのは事実だった。

消火作業や救助の邪魔になると判断したクリスとマリアは、それらが終わってから街へと繰り出し商店街へと来たのだ。

商店街に入った二人は絶句しながらも足を進めてふらわーの前へと来た。

火事の影響でふらわーは完全に燃え尽き残骸しかない。

 

「…ショッカーめ!」

「私は並行世界だけど何度か食べたわね」

 

その光景にクリスは悔しそうに手を叩き、マリアも目伏せて喋る。

クリスとしてはフィーネに追われた後に未来がふらわーのおばちゃんの家に運ばれた後に何度か食べたりしてるし、マリアも並行世界で活動する時世話になった事もある。

そんな、ふらわーが…。

 

「あら、誰だい? 其処にいるのは」

 

「「!」」

 

横からの突然の声に二人が振り向く。そこには避難を終えたおばちゃんが居たのだ。

自宅兼店でもあったのでお店の時と姿のままだった。

 

「もしかして、お客さんかい? なら悪いね、見た通り店がこんなありさまで」

 

おばちゃんが申し訳なさそうに言う姿にクリスは何も言えないでいる。それを見かねたマリアが代わりに口を開く。

 

「店もそうですけど、周りも酷いですね」

 

ふらわーだけが燃えた訳ではない。ハリネズラスの爆弾針で燃えた家屋もまた多い。

おばちゃんは燃え尽きた店で何か残ってないかと来ていたのだ。

 

「そうなんだよ。 一応保険や政府が復興資金を出すって言ってるから店の再建はできそうだけど。 暫くは実家に戻る事になりそうだよ。 …ここだけの話、ノイズじゃない化け物が人間を殺してね。黄色い娘たちが倒してくれたみたい」

「ノイズじゃない化け物…」

「…黄色いって事はアイツか」

 

おばちゃん言葉にマリアはショッカーが動いた事を察し、クリスはこの世界の響が動いた事を悟った。

そのクリスの反応におばちゃんが気付く。

 

「あら、もしかして知り合いかい? ならあの娘たちに言付けを頼まれてくれないかい?」

「言付け?」

「店が再建出来たらまた来なさい。 頼むわね」

「あ…ああ…」

 

おばちゃんに頼まれた言付けにクリスが思わず返事をする。

クリスもマリアも未だにこの世界の立花響とは最初以外ろくに接触出来ていなかった。

 

 

 

 

 

 

 




KNOCK_OUTッ!の楽曲コードやっと分かった。「ッ!」いらねえのかよ!!

ハリネズラスとの戦闘がアッサリめですが、海蛇男と違ってハリネズラスは体に付いた針を投げるだけ。地味です。
もう少しギミックがあれば良かったのですが…再生怪人を乱入させるとワンパターンになるしな…

イグナイトを使った事で地獄大使がクリスとマリアを怪しんでます。

TV本編では途中で出なくなったふらわーのおばちゃんですが、ショッカーの所為で暫く東京を後にします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。