自然発生?悪の組織から解放された改造人間?ゴルゴムやクライシス帝国は?
謎が多いです。
「コブラにコンドル、ヒトデにナメクジか…」
「やはりショッカーは動物の能力を利用しているみたいですね」
S・O・N・Gの指令室。
並行世界から戻ったクリスとマリアの持ち帰った情報を確認する弦十郎たち。指令室にはクリスとマリアを始めとした仲間たちが集まり共にモニターを見ている。
モニターには炎吐き右手の蛇から人間すら溶かすガスを出すコブラ男。脇の下に被膜があり、それで空を自在に飛び、クリスとマリアの血を求めたゲバコンドル。赤い体に頭だけでなく手足が伸びやたら頑丈だったヒトデンジャー。体を液体化させクリスたちを奇襲し口から溶解液と火炎を吐くナメクジラの姿が写る。
「正直、ノイズより厄介だったわね」
「まあイグナイトなら余裕だったけどな」
映像には通常のシンフォギアで苦戦する二人とイグナイトを使って逆転する二人の姿が流れている。
どれもが強力と言え一対一ではイグナイトでも苦戦する程だった。
「し…信じられません! どの怪人も強さだけなら嘗てのキャロルの人形に匹敵しています」
「オートスコアラーだと!?」
「性根の腐った人形レベル…」
「…イグナイトを使うレベルだな」
友里あおいの報告に弦十郎は嘗て響達が戦った錬金術師の人形を思い出し、マリアも自身が撃破した人形を思い出す。
その人形たちの強さを思い出すと同時にある種の納得もする。
「…駄目です。 ピラザウルスと呼ばれる怪人だけどの生物とも一致しません!」
「こっちも同じです。 僕の知識内でもアレに関する正体は不明です」
クリスとマリアを襲った怪人の内最後の一体に関するデータを解析していた藤尭朔也と金髪の少女らしき人物が正体が不明と報告する。
直後に、モニターにピラザウルスの姿が大きく写し出される。
モニターには頭部の赤いトサカに蜘蛛の巣のような目の部分、人間で言う耳元付近まで裂けた口内から五本の牙が飛び出した姿がハッキリ写っている。
「見た目からして爬虫類のようにも見えるが…」
「案外恐竜の生き残りかもな」
大体の怪人の元になった生物は分かった。しかし、ピラザウルスだけは不明で見た目から爬虫類という事しか分からない。
そして、それぞれにモニターに目をやるとクリスとマリアがピラザウルスと戦ってる映像になる。
映像はクリスの一斉射撃を直撃しようと一切怯まずクリスに反撃している姿だ。
「体の丈夫さもそうだが、動きが俊敏だな」
「あの動き…プロレスに似てる気が…」
映像のピラザウルスがクリスに一気に肉薄すると逃げようとするクリスの体を掴み腰の部分をガッチリ掴む。
暴れるクリスだがピラザウルスの手からは逃れられずにジタバタする。
「え!?」
「ちょ!? もしかしてエッチな事をしようとしてるデスか!?」
「チゲーよ、馬鹿!!」
ピラザウルスの動きに勘違いしたのか調と切歌が顔を赤くして顔を手で覆う。尤も、指の間からガッツリと見ていたが。
そして切歌の言葉にクリスは顔を赤くして否定する。
「これはサバ折りか!?」
「完全にプロレスラーの戦いですね」
「その分、対人戦闘では無類の強さだ。 防人として放置は出来んな」
ピラザウルスの動きを見て冷や汗を流す翼。自信が戦う姿を想像しては何度も舌打ちをする。
映像は、サバ折りされるクリスが悲鳴を上げてるとイグナイトを纏ったマリアがピラザウルスに攻撃しクリスの救助を行っている。
解放されたクリスもマリアのようにイグナイトを纏いピラザウルスと戦闘に入り勝利する。
「あの時は肝が冷えた、腰や背骨がメキメキいってたからな…」
「シンフォギアごと粉砕するなんて…この怪人は凄まじい力ですね」
クリスの言葉に金髪の少女らしき人物は若干顔を青ざめている。弦十郎やS・O・N・G職員たちも自然の自分の腰の部分を振れる。
ピラザウルスを倒した映像が終わりモニターは再びそれぞれの怪人の顔が写る。
すると、大人しく映像を見ていた未来がクリスに視線を向ける
「それでクリス、向こうの響に会えたの?」
「…いや」
「探そうとする度に怪人の奇襲を受けて…戦闘後も探せる状態じゃなかったわ」
未来の質問にクリスは短く答えるとマリアが説明する。
クリスとマリアはヒビキを探す旅にショッカーの奇襲を受けていたのだ。
「それではショッカーは二人が響くんに会うのを妨害しているようだな」
「…たぶんその通りだと思います」
「…響?」
弦十郎の言葉に響が頷いた。皆が響に視線を向ける中、響はジッとモニターに写る怪人を見ている。
その目は未来すら見た事がないような鋭い目つきだ。
「…想像だけどショッカーは向こうの私がクリスちゃんとマリアさんと会うのを嫌がってる。 …と思う」
「立花と雪音を各個撃破するのが目的か? 戦術の基本ではあるが…」
ショッカーが何の目的で並行世界の響とクリスたちの合流を邪魔してるかは分からない。
それでも、クリスとマリアが響と合流するのを阻止しようとするならクリスたちも退く気はない。
「ショッカーにとって、私達が合流するのが目障りなら…」
「余計に向こうの馬鹿に会わないとな!」
マリアが喋りクリスが手を叩いて言い終える。その顔は二人共決意に満ちていた。
この位の妨害は二人にとっても打倒ショッカーに燃えている。
「なら私も!」
「響!?」
クリスの言葉に反応した響が自分も行くと言う。それに驚く未来だが、他の仲間も心配そうに響の方を見る。
「お前…悪夢は大丈夫なのか?」
「へいき…へっちゃら! 最近殆ど見なくなったし!」
「待つんだ、響くん。 せめて今度の健康診断を受けた後に結論を出した方がいい」
クリスの言葉に響が元気そうに返事をする。直後に弦十郎が健診後まで待つよう言った。
響の顔色は依存よりだいぶ良くなり響の言う通り元気になりつつある。それでも、また突然倒れるのではと皆が心配しているのだ。
響もその事には気付いており弦十郎の言葉に頷くしかなかった。
そして、報告を終えたクリスとマリアは一晩S・O・N・Gの本部が用意した部屋で仮眠とかした後に並行世界へと戻る。
場所は戻り並行世界の深夜
明かりも無く虫の音色が聞こえて来る廃ビル。
その一室に朽ちかけたベッドで横になる少女。…ヒビキだ。
暗闇の中寝てるのだが、其処に誰かがヒビキに近寄りベッドの傍にまで来る。
「…うん、ちゃんと眠ってるね」
ヒビキの顔を覗き見る影。正体はもう一人の響だった。
戦闘員との戦闘やこの廃墟に移動して疲れたのかヒビキはぐっすり眠っている。そして、ヒビキが寝てる事を確認した響がベッドから離れる。
暗くて見えないがベッドの下には空き缶や割れたガラスが幾つもあり普通に歩けば物音が響くのだが、響は器用に全てを避けて離れてる椅子に座る。
改造人間である響にはこの明かりの無い部屋も昼間の様に見えるのだ。
「…こういう時…退屈だな…」
寝る事が出来ない響は寝静まった夜が最も退屈な時間でもある。何時もなら適当な本を読んだりして暇を潰すが生憎、此処は廃ビル。
本どころか紙切れぐらいしかない。探せばエロ本の一つでも落ちてるかも知れないが響は一応年頃の少女だ。出来れば見たくもない。
カラン…
暇潰しに悩んでいる響の耳に遠くで誰かが空き缶を蹴る音が僅かながらする。何てことない音でしかない。
しかし、響は少しだけ目をつむり何かに集中するとヒビキを起こさないよう部屋を出る。
「急げ!爆薬を仕込め!」
「イーッ!」
ビルの一階。
最早、壁も天井もボロボロになり調度品の殆ども風や雨の吹込みで腐っているのが殆どだ。
ホームレスすら殆ど近寄らない朽ちかけたビルの内部に黒ずくめの男たちが蠢いている。
ショッカー戦闘員だ。彼らは片手に懐中電灯を持ち、壁や柱の傍に時限爆弾をセットしている。
上階で休む二人の響を抹殺する為に動いている。
「イーッ!?」
もう少しで全ての準備が完了するかに思われた時、一人の戦闘員が叫ぶと共に床を転がる。
戦闘員が持っていた懐中電灯も転がり辺りを回転する。そして、回転が止まった懐中電灯の先には
「上にはあの子が眠ってる。 悪いけど速攻で終わらせるよ!」
シンフォギアを纏った響が居り、気付いた戦闘員も爆弾をセットするのを中断し響を取り囲む。
響にとって戦闘員だけなら敵ではない。上で眠ってるヒビキの為にも静かに、それでいて速やかに戦闘員を排除していく。
しかし、響は戦闘員と戦う上で周りを見渡したりヒビキが寝てる部屋に意識を向けたりし戦闘に今一集中していない。
━━━ここ最近、差し向けて来るのは戦闘員ばかり…怪人がまったく出てこない…
響が最後に怪人を見たのは数日前のハリネズラス以来だ。戦闘員が襲ってくるがショッカーは不気味な沈黙を保っている。
何とか戦闘員に情報を聞き出そうともしたが、響の性格が災いし取り逃がしたりもしている。
━━━別動隊が上に行った気配もない。 ショッカーは狙いは何?
地獄大使が何を狙ってるのかは分からない以上、響は警戒しつつ戦闘員を全滅させセットされた爆弾を特異災害対策機動部二課に引き渡す為、保管しヒビキの寝てる部屋に戻る。
結局、その日も響は戦闘員の相手だけをした。
「本当に此処んとこ行ったり来たりだな」
「文句を言わない」
一夜明け、誰も居なかった公園の外れに二人の人影が現れる。クリスとマリアだ。
仮眠室で休んだ後、完全聖遺物ギャラルホルンを使って並行世界に戻って来たのだ。
ここ最近、並行世界の移動にクリスの口から愚痴が漏れマリアが反応するが、マリアの口からも溜息が漏れる。
マリアとて、だいぶ疲労を感じてはいる。ただでさえ、世界を越えて並行世界に仕事に来ているのだ。疲れない訳が無い。それでも、マリアやクリスたちは多くの事件を解決してきた。
本当はもう少し人手は欲しいが元の世界でのノイズの掃討もしなければならず向こうも正直忙しいといえる。
「ふう、早く解決しないと…!」
二度目の溜息をついたマリアだが、林の方を見ると視線を固める。
「おい、どうし…「シッ!」!」
マリアの様子に気付いたクリスが声を掛けるがマリアがクリスの口を塞ぎ静かにするようジェスチャーをする。
何事かと考えたクリスだが、マリアの指差す方を見て納得した。
林の中を戦闘員が移動してる事に気付いた。
━━━まさか、ギャラルホルンで移動したのを見られたか!?
━━━それにしては様子がおかしいわ
クリスは自分達がギャラルホルンを使ってるのを見られたかと思ったが、マリアが違うと反応している。
その反応にクリスの視線はマリアに向く。
━━━私達が並行世界を渡って来たのを目撃すればいの一番で司令官である地獄大使に伝える筈。 それなのに悠長に歩いての移動に見たところ、通信機の類も持っていない。 なら…
━━━なら?
━━━戦闘員は私達の存在に気付いていない。 後を追いましょう
林の中を移動するクリスとマリア。
偶に木の根や石ころに足をとられながらも戦闘員の尾行を続けている。
湿気の蒸し暑さの所為か単純に疲労かクリスの額に汗が流れ落ちた時、戦闘員は林を出て草原みたいな場所を歩く。
急ぎ、二人は気の影に隠れ様子を窺った。見たところ広場の大きさは十数メートルくらいで林の中にポツンと存在してるような場所である。その場所に何人もの戦闘員が動き何か作業をしている。
そして、戦闘員が持っている物に気付く二人。
「…風船?」
「それにしちゃ大きい、…もしかしてアドバルーン?」
それは嘗てデパートでも飾られ広告としていた気球、アドバルーンだ。
二人共見た事は無かったがクリスは以前、テレビで見た番組を思い出した。
問題はショッカーがアドバルーンを使って何を企んでるかだが、二人には分からない。念の為にとこの世界の特異災害対策機動部二課にも報告しもう直ぐ翼も合流する事になっている。
「「!?」」
直後に不気味な鳴き声が辺りに響き、クリスとマリアに緊張が走る。
そして、奥の林から誰かが出て来た。
「…ゲッ!」
「…ウワァァ…」
クリスもマリアも思わず声が出てしまう。その表情はゲンナリしており今までにない程、相手にしたいとは到底思えなかった。
何しろそいつは…
「急ぎアドバルーンを膨らませろ!」
「イーッ!」
黒光りした体にまるで油に触れたかのようにヌメリ
「此処からなら街に風が吹いており俺のばい菌をばら撒くのにうってつけだ!」
頭に二本の触覚が動き、胸部からは元の虫の足が四本生えている
「ショッカーの造り上げたこの細菌は触れた者を老人に変える。 これで東京を老人だらけにし日本を混乱させるのだ!!」
大抵の家には生息する衛生害虫、その名は
「…ゴキブリの改造人間か」
「ショッカーの作り出しそうな怪人らしいわね」
巨大な人の大きさ並みの二本足で立つゴキブリだった。
今まで多くの敵と戦って来たクリスとマリアも巨大なゴキブリと戦うのは抵抗がある。しかし、ゴキブリ男の言葉は無視できない内容でもあった。
「人間を老人に変える細菌だと!?」
「そんなの使われたら東京は大パニックよ! 行くわよ、クリス」
マリアの言葉にクリスは静かに頷いた。
「…ん? 何だあれは!!」
大きなアドバルーンを準備していた戦闘員。その中の一人が空から何かが降ってくる事に気付き声を出す。
その声には他の戦闘員にゴキブリ型の怪人も気付き空を見上げると幾つもの何かが此方に迫る。
「…あれはミサイルだ!!
飛んでくるのがミサイルだと気付いた戦闘員は急ぎその場を離れる。作業を中断させた戦闘員に怒鳴ろうとしたゴキブリ型怪人だがミサイルの接近に舌打ちをすると自分も急ぎ離れる。
直後、戦闘員が準備していたアドバルーンに幾つものミサイルが命中し爆発炎上する。更には逃げ遅れた戦闘員も巻き込んだ。
「アドバルーンが!? これでは計画は…「オジャンって事だろ!」!?」
自身の計画が潰えた事に驚くゴキブリ型怪人の言葉に女性の声が響き振り向く。
その先にはシンフォギアの腰のパーツが開き小型ミサイルを出したクリスとマリアがいる。
「お前達は雪音クリスにマリア・カデンツァヴナ・イヴ!! 何故、貴様らが!?」
「へっ! 自分達の運の悪さを恨むんだな!!」
ゴキブリ型怪人にそう言い返すクリス。そのままクリスとマリアが戦闘員及びゴキブリ型怪人との戦闘に入る。
「舐めるなッ!! このゴキブリ男の能力でお前達を老人にしてやる!!」
「…そのまんまのネーミングかよ」
その後の戦闘はクリス有利に進む。突然の奇襲攻撃で戦闘員が浮足立ち指示を送るゴキブリ男も突然の攻撃に慌ててる内にクリスのミサイルやガトリング砲で戦闘員を薙ぎ払われ幾つものミサイルがゴキブリ男を襲う。
対するゴキブリ男もジャンプを多用しクリスを翻弄するが細菌を吐ける程の接近が出来ずにいる。
「おのれぇぇ~!! 小癪な小娘風情がッ!!」
「へっ、今まで奇襲されたお返しはしっかりするぜ!!」
完全な遭遇戦。今までの御返しと奇襲され続けた鬱憤を晴らすクリス。 最早イグナイトすら使わずにゴキブリ男を圧倒している。
クリスの様子にマリアも戦闘員の相手をしつつ頭の中で何かが引っ掛かっていた。
━━━私達が有利の戦いだけど…何か引っかかるわね
━━━ギャラルホルンでこの世界に戻れば
偶々、自分達が転移して偶然敵に遭遇して戦闘。今までも少なからずはあったような気もするが、今回はどうにも引っ掛かっているマリア。
言い知れぬ不安を抱えながらもマリアは戦闘員を倒していく。
「コイツで止めだぁ!!」
一切、ゴキブリ男を近づけさせずクリスの射撃が奇麗に決まり膝が地面に付くゴキブリ男。
その隙を見逃さずクリスは腰のパーツから小型ミサイルを撃ち出しゴキブリ男に迫る。
最早、逃げる事も出来なくなったゴキブリ男の目にミサイルが一斉に殺到し爆発した。
「よっしゃー!」
「よし、後は戦闘員だけ…!」
ゴキブリ男がクリスのミサイルで敗れた事でマリアも残った戦闘員を掃討しようとした時、マリアは思わず息を飲んだ。
「「「ア゛ァァァーーーー!!」」」
戦闘員達が突然倒れ断末魔を上げ虫のような動きで苦しみ出す。
あまりの事にマリアは愚かクリスすら言葉も出せない。
やがて、断末魔を上げていた戦闘員達は動かなくなり、その体は溶けて消えてしまった。
戦いは終わった。静寂な空気が流れ現場には焦げた地面と幾つかショッカーの荷物が残される。
「済まない、遅くなった!」
クリスとマリアの間に流れた静寂な空気に翼の声が響く。見ればシンフォギアを纏った翼と一台のヘリが上空を飛んでいる。
「それで怪人は!」
「…アタシが倒した」
クリスの言葉を一瞬信じられなかった翼だがマリアが首を縦に振る姿に翼は真実だと感づく。
翼がクリスに労いの言葉をかけ特異災害対策機動部二課に連絡をして現場に残されたショッカーの荷物を受け取りに黒服たちも来る。
黒服たちが軽い現場検証を行ってる傍らに翼がクリスの怪人の事を聞く。
彼らに暫くぶりの和やかなムードが漂う中、マリアは一人考える。
━━━ショッカーが私達を無視して人類抹殺に走った? 分からない…これって本当に偶発的な戦闘なの?
どうにも腑に落ちないマリアは頭の中で自働問答し続けるが答えは結局出てこなかった。
その後、シンフォギアを解いた姿に戻った三人は一旦、特異災害対策機動部二課に戻る事になった。
しかし、彼女らは気付かない。クリスとマリアが出て来た公園の隅に地面を掘り返したような跡があるのを。
「フフフ…読み通りだったと言う訳か!」
新造されたショッカーアジト。機械の不気味な光源にモニターの映像の光で地獄大使の顔が怪しく照らす。
その目にはモニターに映し出されるクリスとマリアが現れる瞬間の映像だ。
「歪みが開き其処から雪音クリスにマリア・カデンツァヴナ・イヴが現れた。 読み通りあの二匹もこの世界の出身では無かったようだな」
おおよその見当を付けていた地獄大使。クリスとマリアがこの世界ではない並行世界の住人だと当たりはつけていたが確証がなかった。
そこで、地獄大使は見張りをあの場に置き決定的瞬間を捉える事にした。
しかし、地獄大使には一つ懸念があった。あの空間の歪み、即ち並行世界の出入り口を別の場所に移動できるのではないか?もし、此方の監視に気付けば別の場所に出入り口を設置できるのでは?
下手に移動されては面倒だと判断した地獄大使はある策を思いついた。
移動した先で偶発的にショッカーが作戦の準備を行い自分達がそれを発見。そのまま戦闘になり怪人を倒す。上手くいけばただの偶然として片付けるだろう。と考えゴキブリ男に作戦を実行するよう言ったのだ。
「それで調査は?」
「イーッ! 相変わらず我々のセンサーでは何の反応もありません!」
並行世界の出入口になっていると分かれば徹底的に調査させた地獄大使だが、科学陣の報告に肩を落とす。
自分達の持っている機器がまるで役に立たず調査すら出来ていない現状だった。
━━━あらゆるセンサーが反応が無かっただと!? となると、あの歪みはシンフォギア或いは聖遺物でないと反応しないというのか!
ショッカーはある程度科学力もオカルトの類といった魔法科学も精通している。
しかし、未だに聖遺物に関しての技術は遅れている
。
ソロモンの杖を模範し「ショッカーの杖」を作ったり聖遺物を元に怪人を作った死神博士もフロンティアで死んだ。
フィーネ、またはフロンティアを確保出来ていればと地獄大使が悔やむ。
「…待てよ、我々が知らねどもあの小娘どもなら…その為には…」
まだ手がある。
そう考えた地獄大使は近い内に打って出る為の策をねる。
アドバルーンってあんまり見ないよね。
地獄大使の暗躍回です。
ゴキブリ男は捨て駒ですね。クリスやマリアの意識を向かわせる為の囮です。
何しろゴキブリ男の能力は細菌を吐くのとジャンプを多用する位であんまり強くないんですよね。
もし、クリス達が戦闘員を見つけなかったり後を追わなかったら?
勿論、ゴキブリ男が作戦を実行し街を恐怖と混乱に陥らせました。
地獄大使はかなり慎重に動いてます。ですが、クリスとマリアが並行世界を移動してる事に気付き次は大胆に動くかと。
そして何気にピラザウルスに殺されかけたクリス。