体調にはお気をつけて(何連敗中
シンフォギアXDのあしたのヒカリの最終章、敵が思った以上に外道だった。
屋敷に居るクリスとマリアの様子はアジトに居る地獄大使にも映像が送られており、地獄大使はクリスとマリアに出された紅茶を「飲め! 飲むんだ!!」と映像越しに飲むよう念じていたが、それよりもマリアが女性の正体を暴いた。
「イーッ! 地獄大使、ギリーラの正体がバレました!」
「見ればわかる! …仕方ない、両方無傷で捕えたかったがな…。 ギリーラには最悪殺しても構わんと伝えろ!」
「よ…よろしいのですか? 大事な情報源のはずですが…」
「構わん。 死体があれば何度でも蘇る」
直後、地獄大使はギリーラに例の作戦でいくことが伝えられた。それはクリスとマリアの命を奪うことにもなり指示を聞いた戦闘員が心配しだす。
最も、ショッカーは死者を蘇らせる技術は既に持っている。最悪、死体さえあれば問題なかった。
一方、特異災害対策起動部二課本部では職員が忙しなく連絡を取り合い、司令官である源十郎は冷や汗を流しながらその様子を見守っていた。
少し前、立花響に会いに行ったマリアから連絡があり、とある屋敷までの道中女性の事を調べていたが、屋敷に入った直後に音信が取れなくなり屋敷の調査もさせていたのだ。
「指令、分かりました!」
「僕の方もです!」
コンソールで調べていた友里あおいに藤尭朔也がそれぞれ源十郎の方に視線を向ける。
視線を向けられた源十郎は静かに首を縦に振ると二人が報告する
「あの屋敷は元々とある財閥の別荘だったそうですが、二十年前ノイズの襲撃により一家が全滅。 多数の執事と女中も巻き込み被害も甚大だったそうです。 ノイズの襲撃事件後、屋敷は売りに出されたそうですが一家全滅が噂になり買い手はつかず解体しようにも資金不足が理由で頓挫していたらしく今まで放置されていたようです」
「それが最近ある女性が屋敷を買ったと不動産側のデータにアクセスして分かりました。 これがその女性のデータです」
「こいつは…!」
藤尭朔也が報告と共にモニターにある人物の顔写真が写り源十郎も思わず沈黙する。
その女性はまんま、クリス達に話しかけてきた女性だ。それと共に女性が書いたと思われる書類なども映し出される。
「名前は九条みわ、とある会社の常務だそうですが、…そんな会社存在しません。 恐らく書類に書かれている情報全てデタラメの可能性があります」
「不動産の記録では現金一括払いで売られ真偽の確かめすらしてなかったそうです」
「なら、最初から屋敷は二人を引き寄せる為のものか! 翼、急ぐんだ!」
屋敷事態、仕組まれている事に焦りを感じた源十郎は翼の持つ通信機に急ぐよう要請する。
ショッカーが何を企んでるかは知らないが妙な胸騒ぎを感じる源十郎。
屋敷
放置され二十年。住む者も居らずメンテナンスする者も居ない朽ちかけた屋敷。
そんな屋敷の一室の窓ガラスが破れ二人の人影が飛び出して着地する。
クリスとマリアだ。
二人とも既にシンフォギアを纏い臨戦態勢のまま屋敷を睨みつける。直後、二人の飛び出した屋敷は爆発を起こし火に包まれる。
「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ!! 中々の判断力だね、だがこの周辺は私の領域だよ」
燃え盛る屋敷から既に空中に飛んでいるギリーラが得意気に言い放ちソッと手を上げる。
瞬間、クリスとマリアの降り立った周辺に戦闘員が現れる。
「ちっ! またかよ!」
「もうお約束ね!」
またもや多数の戦闘員に取り囲までる二人だが、そこは既に慣れた物。二人とも直ぐにアームドギアを持ち襲い来る戦闘員の迎撃に入る。
そして、戦場に音楽が流れる。
アームドギアをガトリング砲にしたクリスの射撃に何人もの戦闘員が倒れていき、短剣を蛇腹モードにしたマリアも鞭状の短剣を振り回し襲い来る戦闘員を叩き伏せる。
何人もの戦闘員が倒れていく中、次々と新手である戦闘員がクリスとマリアに襲い掛かる。
時にはクリスは腰のパーツからミサイルポッドを出して小型ミサイルを一斉発射して多数の戦闘員を消し飛ばし、マリアも蛇腹の剣から逃れた戦闘員を脚でキックしたり、戦闘員の頭を太ももで挟み投げ飛ばしてもいる。
「相変わらずコイツ等、ノイズ並みに多いな!」
「愚痴を言っても減らないわよ!」
正直、数ばかりの戦闘員との戦いに辟易してるクリスが愚痴を言うがマリアも内心同意見でもある。
それでも互いの死角を注意しながらも戦闘員を次々と倒している。
愚痴を言いながらも二人は歌い確実に戦闘員を減らしている。
その様子を空から窺うギリーラ。
「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ! いいぞ、もっと歌え! その歌がお前たち自身の
ギリーラは歌い続けるクリスとマリアを見てほくそ笑む。全ては予定通りと言えた。
不吉な事を呟くギリーラは二人の頭上を飛び回り口から吹き矢を吐き出す。狙いは地上で歌いながら戦うクリスだ。
「イーッ!?」
アタシのミサイルが戦闘員に直撃した。これでだいぶ数を減らした筈だ。
マリアの方は!
よし、マリアの方も短剣で戦闘員を纏めて薙ぎ払ってる。それにしてもノイズ並みに多いな、戦闘員。人間みたいに見えるからか戦りづらいったらあらしねえ!
…殺気!
「イッ!?」
マリアの無事を確かめたクリスだったが、自分への殺気に咄嗟に身を低くする。直後に自分の頭上を何かが通り過ぎ取り囲んでいた戦闘員の首筋に当たる。
当たった戦闘員は短く悲鳴を上げると直後に倒れてしまう。
「あれは…吹き矢?「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!」!?」
自分を襲った物の正体に気付いたクリスだったが、上から不気味な笑い声に反応する。クリスだけでなく戦闘員の相手をしつつマリアも視線を上に向けた。
上には案の定不気味な声を上げるギリーラがいる。
「毒蝶女!」
「ギリーラ! 何をしている!」
「頭上がガラ空きだよ、小娘ども!」
それだけ言うとギリーラは更に口から吹き矢を吐き出しクリスとマリアを狙う。
クリスもマリアも何とか吹き矢を避けて戦闘員の相手をするが如何せん頭上にも注意を払わねばならない事に二人の集中力は乱れつつある。素早く動く為にクリスはアームドギアをガトリング砲からボーガンタイプに戻す。
しかし、クリスもマリアもギリーラに苦戦を強いられている。何より今までで戦い慣れている飛行型ノイズは槍の用に細くなり突撃しカウンターも狙えた。
「調子に乗んじゃねえ!」
遂に我慢し切れなくなったクリスがアームドギアをガトリング砲に変えて空にいるギリーラに弾丸のシャワーを撃ちこむ。これが飛行型のノイズならクリスの弾丸で穴だらけにされるが、
「そんな豆鉄砲が当たるかい!」
クリスの放つ弾丸を余裕で避けるギリーラ。飛行型のノイズとは違い、ただ人間を殺すだけの兵器ではない。人類抹殺を目的に造られた改造人間なのだ。
ならばとマリアも短剣を蛇腹状にしてクリスの援護に入る。
しかし、二人の攻撃はギリーラには当たらず吹き矢を避けるだけで精一杯でもあった。クリスの弾丸もミサイルもすべて避け、マリアの蛇腹も寸前のところで回避される。
ほぼ一進一退の状況に二人は焦りだす。
「私たちの攻撃も当たらない!?」
「空を飛ぶ奴はこれだから嫌なんだよ!! マリア、抜剣だ!」
「え…ええ。 (何かしら? 何時もより息苦しいような…)」
このままでは埒が明かないと判断したクリスがマリアにイグナイトを使うよう提案し、違和感を感じつつもマリアも頷く。
二人は一旦、ギリーラへの攻撃を止め海蛇男たちの時のようにペンダントをかざす。
「「イグナイトモジュール! 抜け…!?」」
今まさにイグナイトを使おうとしたクリスとマリアだったが、体に異変が起こる。
今まで感じたことがない程の息苦しさ、肺が悲鳴を上げ喉が焼け付くほどの痛みに襲われる。
「な…なにが…」
「…ガハッ!」
二人とも突然の事に混乱し、更には視覚すらおぼつか無くなり地面に倒れこんだ。
━━━一体何が!? またフォニックゲインを強制的に減らされた? …違う! フォニックゲインの減退で肉体にここまでのダメージがくることなんてない!
シンフォギアは装者となる使い手の少女が歌うことによりフォニックゲインと呼ばれるエネルギーを増幅させ鎧にして戦闘力も上げてきた。
だからこそ、シンフォギアの知識がある者はエネルギー元であるフォニックゲインを弱らせる手を幾つも使われながらも彼女たちは勝利し続けていた。
だからこそ、マリアも最初はフォニックゲインの減退を疑ったが今までの奴とは明らかに違和感がありマリアはそれに引っかかっていた。
━━━フォニックゲインじゃないとすると他に何が…何かしらコレ
その時、マリアは目がかすみながらも左手の篭手に何かが付いている事に気づき右手の指でそれにふれる。
一見、それは粉上の物も見える。
━━━これは…埃? …違う、昔セレナと一緒に捕まえた蝶の鱗粉に似ている。 …蝶?
その時、マリアはギリーラが言っていた言葉を思い出す。
『ショッカーはアマゾンの毒蝶に私の命を注ぎ、改造人間ギリーラを作ったのだ』
「ギリーラ!? ウッ…ゴホッ!!」
「マリ…ア! ウグッ!?」
あの言葉を思い出したマリアが声を荒げるようにギリーラの名を叫ぶが直後に喉から熱いものが押し寄せ手で押さえるが我慢できず咳が出ると共に血を吐き出す。
その様子にマリアの名を呼ぶクリスだが直後にマリアのように吐血してしまう。
ある程度状況を察したマリアと今一状況が掴めないクリスはもう戦いどころではない。歌が完全に途切れた為か纏っていたシンフォギアも解け私服姿に戻ってしまう。
「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ! やっと効いたようだね」
その様子を見て地上に降りるギリーラ。その声は喜びに打ち震えてるようである。
「グッ…ギリーラ」
「て…テメェ…何をしやがった…!」
突然の体の異変にマリアは兎も角、ギリーラが何かした事に気付いたクリスもギリーラを睨みつける。
その間にも、二人は何度も咳をし口元から血を吐き出す。
しかし、聞かれたギリーラは答えようともせず二人の苦しむ眺めている。
クリスが大声で怒鳴ろとする。が、
「ギリー…ラは…毒を…使ったのよ」
「ど…毒だって…ゴホッ」
クリスの質問に答えたのはマリアだった。
それを聞いたギリーラは笑い声を上げる。
「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ! 気付いたようだね、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。 私は毒蝶の改造人間だよ」
「毒蝶…なら…あの吹き矢か…」
「…違うわ。 …あの吹き矢は…あなたも私…も完ぺ…きに避け切ってかす…り傷すら無かった。 …鱗粉を撒い…ていたのね」
ギリーラの吐く吹き矢はクリスもマリアも完璧に躱し掠り傷一つも無い。だと言うのに二人はギリーラの毒に侵されている。そして、自身のシンフォギアの左手の篭手に付いていた鱗粉。
それが答えだとマリアは見抜いた。
「お察しの通り、お前たちの頭上で吹き矢で攻撃したのは私の毒鱗粉を振りまくのを気付かせない為! お前たちは歌いながら私の鱗粉を吸っていたのさ!」
「冗談だろ…シンフォギア…にはバリア…フィールドが…あるんだぞ…」
シンフォギアはノイズと戦う為に、炭素化を防ぎために僅かながらのバリアーコーティング機能が備わっている。
このバリアのお陰でノイズの炭素化は愚か宇宙でも短時間ながら活動でき極寒の地でも戦えるのだ。
だからこそ、ギリーラの毒がシンフォギアのバリアフィールドを突破した事が信じられなかったのだ。
「馬鹿めッ! 我々が何度シンフォギア装者と戦ってきたと思う!? 貴様らのバリアなど突破する事など容易いわ!!」
並行世界出身のクリスとマリアは知らないが、ショッカーは元の世界での立花響を始めシンフォギア装者との死闘を何度もしてきた。
その過程には「頭脳破壊電波」を始め様々な怪人の能力がシンフォギア装者を苦しめてきた。
そして、ショッカーはシンフォギア装者の歌に注目していた。
最も、クリスとマリアに言わせれば「そんなこと知ったこっちゃない!!」と返すだろうが。
そして、ギリーラは倒れてるクリスの頭の髪を引っ張り自分と目線を合わせるようにする。
肺は勿論、頭皮の激痛にクリスは顔を歪める。
「グッ…!!」
「それにしても装者も頑丈だね。 私の毒鱗粉を吸って即死しないなんてね。 …まぁいい、お前たちを片付けた後は毒水計画が開始される。 とっとと死んでもらうよ!」
マリアが聞いても分かる位、ギリーラの声は喜びに満ちている。
だが、それよりもマリアたちの耳に聞き逃せない言葉があった。
「毒水…計画…?」
「また…くだら…ない作…戦でも…考えてるの…か…」
二人は口から血を吐く咳をしながらもギリーラに計画を聞く。内心ではショッカーの次なる作戦を知るチャンスだとも考えている。
何より時間が経てば自分たちを犯す毒が弱まる可能性もあった。
「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ! 知りたいのかい? 何時もならお前たちが知る必要はないと言ってやるところだが、冥土の土産に教えてやるよ。日本中にある貯水池に私の鱗粉を混ぜカプセルを入れて大勢の人間どもの毒殺するのさ! そして、我々はその混乱に乗じて日本を制圧する。 それが地獄大使の経てた毒水計画だ! ついでに言えば、同時期にある市販されてる飲料水にも私の鱗粉が混ぜられた物にすり替える」
「「!?」」
ギリーラの言葉を聞いて絶句する二人。
ショッカーは飲料水に毒を混ぜて多くの人間を殺そうと計画していたのだ。
何とか止めようとするが、ギリーラの毒で動くことも出来ない。
話し終えたギリーラはクリスの髪を放し右手を上げて合図を送ると周囲を取り囲んでいた戦闘員が寄ってくる。
戦闘員たちの手には刺突剣が握られて、
「!」
「…それで…何を…する気だ…?」
「無論、戦闘員の剣でお前たちを串刺しにする為に決まってるだろ! これで我々に盾突く特異災害対策起動部二課の戦力も減るってもんさ」
ギリーラの宣言にマリアが周囲の戦闘員に目を配る。
戦闘員たちの表情は覆面で見えないが目には殺気が籠っている。本気で串刺しにする気だ。
「痛っ…!」
「ゴホッ!!」
このままでは本当に串刺しになると判断したクリスとマリアは何とか動こうとする。しかし、ギリーラの毒に侵された体では満足に動くことも出来ない。
毒も弱まるどころか体の一部が痙攣し始める。
「放置しても私の毒で死ぬだろうが…殺せっ!!」
「「「「イーッ!!」」」」
ギリーラの言葉で戦闘員が刺突剣でクリスとマリアを滅多刺しにしようと突き立てる。
このままクリスとマリアは殺されてしまうのか?
思い出も誇り…
クリスの顔の横を刺突剣が突き刺さる。
地面が抉れ、刺突剣が本物だと思わせる。無論、戦闘員はワザとクリスの横を刺したが慈悲などではない。
寧ろ、逆だった。じわじわと恐怖を与えて殺す気なのだ。
クリスもこの行為に目から涙が出てくる。
去りなさい!
「!?」
体の自由がきかないのはマリアも同じ。別の戦闘員がマリアの目の前で刺突剣の輝きを見せる。
それもまたマリアの恐怖心を引き出す為だ。全てはショッカーに逆らった事を後悔させるため。
しかし、マリアはクリスと違い顔に笑みを浮かべている。
「クリス…来たみた…いよ…」
「? 何を言って…!?」
苦しそうなマリアの発言にギリーラの頭には?が浮かぶが直後に背中に衝撃と激痛が走る。
それだけではない、上から無数の細長いものが次々と降り注ぎ戦闘員を貫いていく。
しかし、地面に倒れるクリスとマリアには一本たりとも当たることはなかった。
「この歌は!?」
ギリーラも今更になって聞こえてきた歌に驚きクリスとマリアを交互に見る。
無論、二人ともまだ歌える程回復など出来ていない。
ハッとしたギリーラは攻撃の来た空部分を見る。其処には青い光が流れ星の如く、此方に迫る。
「お前は…風鳴翼!!」
「私が居るのを忘れたか!?」
その光の正体はこの世界の風鳴翼だった。
先のギリーラの感じた痛みも戦闘員を壊滅させたのも翼の「千ノ落涙」の効果だ。
「はっ、今更貴様が来たところで!!」
ギリーラの声に即座に戦闘員が翼の進行を阻もうと剣を持って立ちふさがる。
しかし、翼は脚部のブレードを開きブースターで更に加速する。
翼と戦闘員が交差した瞬間、翼は体を回転させ脚のブレードで次々と戦闘員を倒し、クリスとマリアの傍に寄ると二人を抱えギリーラから距離をとる。
「かざ…なりつば…さ…」
「…すまない、遅れた!」
「…遅…ぜ…せん…」
二人の様子に翼が一瞥するとギリーラを睨みつける。
更にはアームドギアを剣にして構える。
「気を…つけな…さい。 相手は…毒を使…う…私達も…それに…やられた…ゴホっ!」
「毒だと!? マリアは休んで少しでも体力を回復するんだ!」
マリアが翼にギリーラが毒を使うと忠告するが、直後にマリアの口から夥しい量の血を吹き出す。
それはクリスも一緒で翼は一刻も早くギリーラを倒そうと決める。
「はっ! お前も私の毒の餌食になりに来たか! 知っているよ、お前の実力はそっちの二匹に比べればカスレベルだとね!」
ショッカーはこの世界の風鳴翼の戦闘データから雪音クリスやマリア・カデンツァヴナ・イヴに比べ弱いと判断していた。
事実、様々な並行世界で戦ってきたクリスとマリアに比べればこの世界の翼はノイズとしか戦っておらずショッカーから脅威とはみなされなかった。
だからこそ、ショッカーは翼を無視してクリスとマリア、或いは本部を直接狙ったのだ。
「確かに私は二人と比べれば未熟だ。 これまでにも多くの命を取り零してきた。 それでも防人として並行世界の同じ志を持つ友として、お前たちを倒す!」
「そうかいっ!! お前も私の毒の虜になるんだね!」
直後にギリーラは口から吹き矢を出して翼に向かわせる。
しかし、翼も伊達や酔狂でシンフォギア装者でも防人でやってる訳ではない。自身に迫る吹き矢を直ぐに叩き落す。
だが、その吹き矢は一本だけでなく何本も翼目掛け飛んでくる。
「そらそらそらっ! これだけの吹き矢、全てを落とせるか!?」
「クッ!」
何時のも翼ならギリーラの吹き矢程度なら難なく全てアームドギアの剣で叩き落していただろう。
翼の背後に毒で動けないクリスとマリアが居なければ。
偶に二人を狙ったように吹き矢が飛んでくる事で翼の精神は消耗していく。
そして、遂に翼の肩や太ももに吹き矢が突き刺さる。
「つば…さ…!」
「オイ…」
「イイヒヒヒヒヒヒヒヒッ! 決まったね、後は私の毒鱗粉でトドメをさしてやる!」
吹き矢の付けられた毒に翼も侵されてしまう。更に毒を追加しようとギリーラは自身の毒鱗粉も翼に振りかける。
即座に体に痺れを感じ息苦しさと軽い痙攣が翼を襲う。しかし、翼の脳裏にギリーラのある言葉が響く。
━━━奴は今、毒鱗粉と言ったな。 …ならあの技なら…
何を思ったか、翼は剣の構えを崩さずそっと目を閉じる。
「この…歌は…」
翼から音楽が聞こえ聞いたことあるフレーズにマリアが反応し、クリスも声を出さないが反応している。
「はっ! そんなに歌いたいのならあの世でコンサートでも開くんだね!!」
ギリーラも翼が歌おうとしてる事に気付くが既に翼の体は毒に侵されている。
ただの悪足掻きと判断する。
歌い始めると共に翼は太腿部分のシンフォギアのパーツから何かが飛び出し剣を持っていない方の手で握る。
それは即座に剣の形となり翼が二本の剣を持つ。そして目をカッと見開く。
翼は二本の剣の柄の部分を連結させ一本の剣にしてしまう。
そして、その剣を回転させ刃に炎が灯る。
「火っ!? 火だと!?」
それに狼狽したのはギリーラだ。その反応に翼は勿論クリスとマリアも気付く。
「アイツ…火が…」
「怖い…ようね…翼ぁぁ!」
「分かっている!」
脚部のブースターが火が付き翼の動きが加速する。
その間にも翼の回転する剣の火が大きくなる。翼に撒かれた毒鱗粉も燃え盛大に火力が上がっていく。
「ちっ! 戦闘員も出し尽くしてもういないが構わん! 空から貴様たちが死ぬのを見てやるっ!! …!?」
ギリーラが何時ものようにジャンプしようと力を籠めるがどういう訳か一向に宙に浮けずにいる。
自身の体に何が起こったのか分からないギリーラが左肩についている羽に目を向ける。
「!?」
そして驚愕する。自慢の美しい羽根に幾つもの穴が開いているのだ。
━━━いつの間にッ!? まさか雪音クリスの弾が当たったのか!? いや、雪音クリスの弾丸は全て避け切った、でもそれならこの穴は何時…!
そこでギリーラの脳裏に先ほどの翼の攻撃が蘇る。
翼の出した千ノ落涙はギリーラの羽も貫通していたのだ。
「風鳴翼ッ!! 貴様ッ!!」
最早、空を飛ぶ事すら出来なくなったギリーラはありったけの憎しみを翼にぶつける。
そして、翼の燃える剣がギリーラを切り捨て炎が覆う。
ギリーラは断末魔すら上げることなくバラバラになり燃え尽き、その場には翼の荒い息遣いだけが聞こえる。
額から汗を流し肩で息をする翼。先ほどよりは体が軽く感じている。
「お疲れ…翼…」
背後から声が聞こえ翼が振り向くと私服姿のマリアとクリスがヨロヨロと歩きながらも翼を労いに来る。
「二人とも…あまり動かない方が…」
「アナタがギリーラを…倒した事で毒の威力が…弱くなってるみたい…」
「さっきよりは体も…楽になったしな…疲労感が半端じゃないけど…」
翼の言葉に答えた二人だが顔色は悪く無理してるのは翼でも理解出来る。
まだ敵地だという事もあり、翼が警戒してる中遠くの方でサイレンとヘリの羽の音が聞こえ翼はホッと胸を撫でおろす。
その後、到着した消防士が燃える屋敷の消火作業を始め、現場に来たエージェントたちと救急隊員が負傷した三人を救急車に乗せ病院へ連れていく。
翼の活躍でギリーラの撃破に成功した。
マリアとクリスはこのまま地獄大使の野望を阻止出来るのか!?
何気にクリスたちを亡き者にしかけたギリーラ。強豪怪人ですね。見下していた翼がトドメ、驕るのはダメですね。
ギリーラの毒は本郷曰く口に入れると痙攣して即死するらしいです。
無印やXVだと響たちは宇宙でも歌ってましたけど…
設定によるとギリーラの飛行速度はジェット機と同じらしいです。ジャンプした仮面ライダーに追いつかれた上にキックで撃破されましたけど。
尚、毒水計画は劇中だと本郷や滝に聞かれた時は喋る気なかったけど捕まってたおやっさんが先に聞いていたらしく、本郷たちに速攻でバレました。
ついでに言えばギリーラの鱗粉を混ぜた水は泥水のような色をしてます。
そういえばシンフォギアに毒使いとか居ましたっけ?
シンフォギアのメタとしてフォニックゲイン減退はあったけど。シンフォギアのバリアってどの位の性能だろうか。
Anti LiNKERは途中で出なくなったし。XDは知らん。