鉄面皮な少女提督と依存傾向の高い艦娘たち   作:未奈兎

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鎮守府正面海域攻略編です。

感想を頂いてやる気に満ち溢れてます。

コメントしてくれた方、ありがとうございました。


2話 重巡の姉と提督達

偵察から一夜明けて、妖精から艦娘が建造された事を伝えられる。

 

その報告を受けて、麟は着替えた後考える。

 

(んー妖精に頼んだ艦娘って何ができるんだろ?)

 

(渡した資材は多めだけど、これでまた駆逐艦が建造されたら・・・。)

 

(まあその時には、あの深海棲艦と出くわさないルートを行けばいいか。)

 

『・・・今日も頑張っていこうか。』

 

帽子を被って寝室から出た後工廠へと向かう。

 

 

 

 

工廠の扉を明けたら待っていたのは・・・電や雷とは全然違う艦娘だった。

 

「お早うございます、提督、私は重巡洋艦、古鷹です、よろしくお願いします。」

 

電や雷よりも更に重甲な装備、腕に寄った重量感溢れる装備を難なく持ち上げる

昨日発見した深海棲艦にも無かった力強さ。

 

(ひゃー凄い装備、電達みたいな小回りは期待できなさそうだけど。)

 

(そんなことは些細に感じそうなほど、火力に期待できそう。)

 

(妖精たち、随分と凄いの建造してくれたなぁ・・・。)

 

『よろしく古鷹、私は麟、配属されていきなりだけど今日出撃の予定があるんだ。』

 

「任せて下さい、重巡洋艦の名に恥じない働きをしてみせます!」

 

(しかも、性格は謙虚で頼りがいのあるお姉さんだ。)

 

(電と雷が先輩だけど、古鷹には色々お願いすることがありそうだな。)

 

頼もしい新戦力が加わって、無表情だが麟は内心心躍る気分だった。

 

 

 

 

それから出撃のための準備と顔合わせのために司令室に足を運ぶ麟達。

 

古鷹と電達の自己紹介を済ませて軽く交流をさせる。

 

・・・作戦行動中に連携が取れないとかなり際どい事になるし、

艦娘たちの仲を深めていくのは大切だ。

 

「はわー大きいのです。」

 

「重巡洋艦って凄く強そうね、私達よりも耐久力はありそうだし。」

 

「ありがとうございます、でも速度ならあなた達のほうが早いですよ。」

 

古鷹も身長差を少し埋めるためにしゃがみこんで話をしている。

 

(気配りのできる、いい子なんだね・・・。)

 

(この3人なら、良い連携が取れそうだな。)

 

内心、この先の戦いに不安を感じていたところに古鷹が加わり

作戦はいくらか楽になることに安心感を覚えていた。

 

(でも気を抜いては駄目だね、引き締めないと。)

 

『電、雷、古鷹、私達はこれから正面海域の制圧に向かうよ、

当然だけど、昨日見た軽巡洋艦とも戦闘をする可能性もある。

3人とも油断しないように、準備を整えといて。』

 

「はいなのです!電、がんばるのです!」

 

「はーい、任せておいて司令官!」

 

「了解、重巡古鷹、全力で行きます!」

 

数で劣るかもしれないけど、今なら、負ける気がしない、

麟は、3人の姿を見てそう思った。

 

 

 

 

前回は撤退した正面海域、再び駆逐艦が姿を表した。

 

『・・・昨日と同じ型?』

 

『皆、なるべく消耗は避けて、一隻だけでも被弾したら

この先が辛い。』

 

「了解です!」

 

今回は電の魚雷が急所に当たり、少ない消耗で突破できた。

 

しかし、順調に進む中、古鷹が前方を注視する。

 

「皆さん、敵の艦隊を発見しました、敵は4隻。

軽巡1隻の駆逐3隻です!」

 

『よし、電、雷、先制攻撃だ、敵に魚雷をお見舞いしてやって。』

 

「いいわよ、さあ、覚悟しなさい!」

 

「電の本気を見るのです!」

 

二人が発射した魚雷は敵艦隊に直撃して、幸運にも

直撃した1隻を撃沈させた。

 

『む、少し怒らせたみたい、距離を詰めながら迎え撃って。』

 

「了解、接敵前に主砲で狙い打ちます!」

 

古鷹の主砲が轟音を上げて敵艦隊に襲いかかる。

 

しかし敵の軽巡洋艦が駆逐艦の影に隠れて主砲を回避。

 

「うげ、味方を盾にするなんて。」

 

『っ!雷、軽巡が狙ってる!』

 

「え・・・!?」

 

珍しく、麟が声を荒らげた時、敵の軽巡が雷目掛けて主砲を放つ。

 

「・・・させない!」

 

間に入った古鷹が雷を庇い若干の負傷を負うも

小破程度の傷を追っただけで古鷹には大きな傷はなかった。

 

「くっ・・・この程度では沈みませんよっ!」

 

「ふ、古鷹さん・・・。」

 

「あ、雷ちゃん、軽巡が逃げちゃう!?」

 

今の不意打ちで勝てないと判断したのか、

敵軽巡が逃亡を開始した。

 

『逃がさないで、ここで倒すよ。』

 

日も暮れて、敵艦隊が逃げてしまえば追撃が困難になる。

 

「はい、魚雷発射なのです!」

 

幸い、電の雷撃が逃走する軽巡に直撃して撃沈させた。

 

「ふう、何とかなったわね。」

 

「皆さんに大きな被害がなくて何よりです。」

 

「あ、あの、でも古鷹さんが・・・。」

 

「そうよ、ごめんなさい、私のせいで・・・。」

 

「大丈夫ですよ、重巡洋艦は頑丈です、

軽巡の攻撃で沈むほど脆くはありませんよ。」

 

古鷹は多少の傷はあるものの行動に支障は出ていない。

 

『・・・お疲れ様、みんな戻ってきて、今日はこれぐらいでいいでしょ。』

 

鎮守府正面海域制圧、小さな一歩だが、

艦隊たちは確実に前へと進んでいった。

 

 

 

 

司令室、入渠も済ませて、補給も終わり、

麟たちは少しの安息を過ごしていた。

 

『・・・古鷹、傷は大丈夫?』

 

「問題ありませんよ、今出撃しても問題なく行動できます。」

 

『・・・ごめんね、私の指揮が間に合わなかったから。』

 

「ちょ、ちょっと、それを言うなら避けれなかった私が・・・。」

 

「は、はわわ、2人とも悪くないですよ。」

 

「そうですよ、提督、雷さん。」

 

古鷹が麟と雷に近づくと2人を抱き寄せる。

 

『ふ、古鷹?』

 

「え、古鷹さん?」

 

「庇ったのは私の意思です、それに、あの攻撃は

雷さんが被弾すれば、大破まで行っていたでしょうしね。」

 

「だからこそ、そんな攻撃から守れたのは、

私の、重巡洋艦としての誇りです。」

 

「・・・ありがとう、古鷹さん。」

 

『私からも、ありがとう、古鷹。』

 

「どういたしまして。」

 

『改めて、皆お疲れ様、しっかりと疲れを癒して、明日に備えて。』

 

「え?明日に何かあるのですか?」

 

「そういえばそうね、明日どこかに行くって行っていたけど・・・。」

 

「提督、どこにいくんですか。」

 

『・・・父上のところ、演習みたいなものだよ。』

 

「司令官さんのお父様ですか?」

 

『ん、ちょっと、こっちのことが気になったんだって。』

 

『後、父上のところは激戦区だし、色々学ぶ事があるかもしれない。』

 

「激戦区・・・。」

 

『うん、西方海域、ジャム島付近に基地があるんだ。』

 

「ちょっと遠いわね、深海棲艦に出くわすんじゃない?」

 

『父上が迎えの艦娘をよこすってさ・・・。』

 

「提督、何やら乗り気ではないように見えるのですが?」

 

『ううん、行きたくない訳じゃないんだ、ただ・・・ね。』

 

言葉を詰まらせる麟に3人は首を傾げる。

 

『別の意味でね、激戦区で、甘ったるいんだよ・・・。』

 

顔を手で覆って呆れるかのような仕草を取る。

 

「甘ったるい・・・ですか?」

 

『まあ、明日になったらわかるよ。』

 

どこか諦めすらも感じる麟の言葉に

艦娘たちは疑問のまま、夜を過ごしたのだった。




多分もうすぐ誰かのネジがすっぽ抜けると思います。

その前に父上提督の艦娘が・・・ね。
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