偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら 作:身勝手の極意
前話のまえがきで、覇王色使えるキャラの中にハンコックを書くの忘れてた!何たる失態。罪深い!!
ハンコック→とにかく何でもイイよね。美しいんだもの!!
そのハンコックがまったく出てきてないんだけどねェ。タイミングがねェ。今後出てくるよ!!
とりあえず第10話!誉めるられると伸びる子なので応援よろしくどうぞ!!
"赫猿"デマロ・ブラックの排除。
海賊王ゴールド・ロジャーの息子である"火拳"ポートガス・D・エースの処刑よりも優先させるべき案件だと判断した海軍ではあったが、ブラックの排除は困難を極めていた。
想定を遥かに上回るブラックの強さ。これを排除するには骨が折れるどころのものではない。只でさえ、"智将"元帥センゴクの想定を上回る被害が出てしまっているのだ。白ひげ大艦隊を相手にしながら、ブラックと火拳両方の首を取るのは無理がある。一石二鳥を狙った結果、全てを失うことにもなりかねない。
「オヤジ、大丈夫かよい?」
「こんなもん…
白ひげもまだ余裕があるようだ。マグマの拳で胸を抉られ、刀で斬られ、刺され、銃で撃たれ、バズーカを至近距離から喰らい、これでまだ生きているのだから世界最強の海賊は伊達ではない。
白ひげが倒れかけ動揺が走り、隊長達の何人かが隙を突かれて戦闘不能に追い込まれてしまったが、不死鳥のマルコはあわや"海楼石の錠"をかけられる寸前でブラックに助けられ、白ひげ大艦隊は崩れることなく持ち直している。
見るからに瀕死。だが、白ひげはまだまだ戦える。士気は下がっていない。
この状況で、ブラックと火拳───いったいどちらを優先して排除すべきか…。
その答えは一目瞭然だ。海軍側が手中に収めている火拳の処刑を優先して執行するべきだ。ブラックは後回し。そして、ブラック、白ひげを少しでも足止めすればいい。
だが、海軍は気付いてはいない。もう、流れは完全に自分達のもとにないことを…。
「やめろォォォォォーーーーー!!」
前代未聞のルーキー海賊はブラックだけではない。ブラックはルーキー海賊でありながらも、恐るべき力を持っているが故に、周囲が担ぎ上げるが、麦わらのルフィは違う。何故か不思議と協力したくなる。持って生まれたド天然なその性格にいつの間にか巻き取られてしまい、次々とその場にいる者達を味方にしてゆく。
麦わらのルフィはデマロ・ブラックと違った魅力と強さを持っている。
彼もまた、王の資質をその身に宿しているのだ。
大監獄インペルダウンからの無茶の連続。もう立っているのすら不思議な満身創痍。精神が肉体を大きく上回っている状態だろう。
だからこそ、眠っていたその力がここにきて目覚めた。
火拳に迫る凶刃は決して届かない。
ルーキー海賊2人が揃って、覇王色の覇気を覚醒させてしまうとは…。海軍にとってこれは悲劇でしかない。
「来たか──麦わら」
「ブラ男!オレに力貸してくれ!!」
「おいッ何だそのブラ男ってのは!!まさかオレのことか!?」
白ひげ大艦隊がマリンフォードに出現する直前、センゴクは白ひげとの全面戦争を覚悟してまで、大々的に告知してまで火拳の公開処刑を行うその意味を熱弁した。
しかし、今となってはそれは正しい選択だったのだろうか…。
もし、直前告知による処刑執行だったならば、ここまで混迷を極める事態にもならなかったのではないだろうか…。
ただ恐らく、どのような行動に出ようとも、火拳が囚われたことをきっかけに白ひげとの全面戦争は避けられなかったかもしれない。
それでも、一つだけ確かなことがある。それは、"赫猿"デマロ・ブラックと麦わらのルフィの存在だ。
海賊次世代の頂点に立つ資質を持つ火拳───海賊王の血を途絶えさせる為に、白ひげとの全面戦争を覚悟で日時を指定し、公にしてまで執行することになった公開処刑が完全に仇となってしまい、ブラックとルフィが王の資質を目覚めさせたのである。
ルフィが兄の公開処刑が数日後に行われることを知ることがなければ、インペルダウンに侵入し、前代未聞の集団脱獄事件が起きることもなかっただろう。
ブラックも同様で、知らなければマリンフォードに乗り込んでくることはなかったはずだ。
ルーキー海賊2人の行動によって荒れに荒れる今日はまさしく、海賊王ロジャーの死に際の一言によって大海賊時代が幕開けしてしまったあの日の再臨。
「ええい、今はもうどうでもいい!
飛ぶから肩に乗れ麦わらァ!!」
「ありがとう!!」
獣人型の赫猿に変形し、人型の倍程に巨大化したブラックがルフィを肩に乗せて処刑台の頂上を目指し飛び立つ姿は、まさしく未来の幕開けだ。
「行ってこいッガキ共ッ!!
(見せてみろオレに──お前達の進むその
世界最強の海賊"白ひげ"エドワード・ニューゲートもまた、ブラックとルフィの未来に大きな期待を寄せている。
その眼差しはどこまでも優しく、2人に大きな希望を見出だしていた。
「お前らァ、赫猿と麦わらの道を絶対に守り抜けッ!!」
「了解」
白ひげ大艦隊が全力でブラックとルフィを守る。何と頼もしい援護だろうか…。
「このまま行かせると思うておるのかッ、"赫猿"デマロ・ブラック──麦わらのルフィィィィ!!」
だが、
さすがは海軍の英雄。極限まで肉体を鍛え上げた者のみが体得を可能とする"六式"を当然のように体得しており、見聞色の覇気でブラックの雷速に反応し、空中で待ち構えていたのだ。
「じいちゃん!?
そ、そこどいてくれよッ!!」
「どくわけにいくかルフィィ!儂を誰だと思っておる!わしゃァ"海軍本部中将"モンキー・D・ガープじゃ!!」
しかし、何と悲運な運命なことか…。エースを助けようとするルフィと道を阻むガープは孫と祖父の関係にあり、エースもガープの義理の孫なのである。かつて海賊王を何度も追い詰めた海軍の英雄の孫達が海賊とは…。
「お前達2人が生まれる遥か昔から…半世紀も昔から儂は海賊達と戦ってきたんじゃ!
ここを通りたくば儂を殺してでも通れ!"麦わらのルフィ"!!それがお前達が自ら選んだ
海賊ではなく、己のような海兵になってほしかった祖父ガープ。対して、ルフィとエースは父親に似てしまったからなのか、自由を求め、支配を拒み、海賊に憧れ、そして海賊になった。
身内のガープが立ち塞がるこの悲運な運命は、ルフィとエースにとっては必然で避けては通れない。
「できるわけねェよじいちゃん!頼むからどいてくれよ!!」
「できねばエースは死ぬだけだ!」
「いやだァ!!」
「いやな事など、逃げ出したくなる事など山ほどある!わしゃァ容赦せんぞ!海賊"麦わらのルフィ"!お前を敵とみなし──全力で排除する!!」
半世紀もの間、正義を背負い続けてきた海兵が海賊を排除せんと───祖父が孫へと牙を剥く。ルフィにとって残酷な運命。しかし、それはガープも同じだろう。
「火拳を救い出し、海賊王になるんだろ?
だったら麦わら、覚悟決めて行ってこい。テメエは皆の想い背負ってんだぞ!!」
エースを奪還する為だけではなく、エースを奪還する為には麦わらのルフィが必要だと、ルフィを守る為に多くの血が流されてしまった。
「!」
ブラックの言葉で、大監獄インペルダウンに死を覚悟してまで残り、己を何度も助け、ここまで送り出してくれた
ルフィはその
「行けッ───海賊王!!」
「ッ──おう!!」
ブラックの肩から、ルフィはガープに向かって勢いよく飛ぶ。
カープへと迫るルフィ。ルフィは覚悟を決めたのだ。相手が祖父であろうとも、エースを必ず助け出すと…。
そのルフィに向かって拳を振り抜くガープ。だが、ガープの脳裏に過ってしまう。今よりも幼く、今とまったく変わらないクソ生意気な可愛い孫達との大切な思い出の数々が…。
「ッ──。
(ルフィ、エース)」
どれだけ海賊達に恐れられようとも、海軍の悪魔と畏怖されようとも、海賊王ロジャーを何度も追いつめた海軍の生ける伝説であろうとも、ガープもまた人の親であり、孫に愛されたい孫馬鹿で、ルフィとエースの祖父なのだ。
その孫達との思い出と、孫達への愛が、海軍の英雄の覚悟を大きく鈍らせる。
「ガープ!!」
長く苦楽を共にし、海軍を共に支え続けてきた同期のセンゴクも、これまで決して聞いたこともないガープの悲痛な心の叫びが聞こえ、表情を大きく歪ませた。
センゴクには、背を向けているガープの表情は一切見えない。しかし、ガープが瞳を閉じたことを──一筋の涙が溢れ落ちたことにセンゴクは気付いた。
これまで数多の海賊を沈めてきた
「うわあアァァァァ!!」
その拳はどこまでも重く、強く、エースを助けたいという想いが強く籠った拳であり、それと同時に───ガープへの想いも籠った拳でもあった。
「わッ!?」
「よくやった、
さて、あとは"智将"センゴク──火拳は返してもらうぜェ!!」
覚悟を決め、試練を乗り越えた男の名をブラックは呼ぶ。兄を助け出す為に祖父と戦わなければならなかったルフィの辛さは、ブラックには決して分からない。ただ、それを乗り越えることができたルフィを、ブラックは認めたのだ。
そしてついに辿り着いた。
「ルフィ!ブラック!」
多くの困難と試練を乗り越えたブラックとルフィがついに、エースがいる処刑台へ…。
「これ以上、貴様等海のクズ共に好き勝手させると思うなァァァ!!」
その処刑台には最後の砦であるセンゴクが、覇王色の覇気を剥き出しにして待ち構えていた。
「アンタも幻獣種か…。
なら、相手はオレがするしかねェな!
ルフィ、火拳は任せたからさっさと救い出せ!!」
「わかった!!」
"君臨する正義"を掲げ、現在の海軍で唯一覇王色の覇気を持つ元帥センゴクが、その正義を具現化したかのような神々しい姿へと変貌する。
眩く金色に輝くその存在。
能力を解放し、ブラックとルフィを待ち構えていたセンゴクが毅然たる態度で立っている。
「貴様等の奇跡もここで終わり──私の手で貴様等を葬り去るッ!!」
ガープ同様に、センゴクも数多の海賊を討ち取り、海軍を支え続けてきた伝説の海兵だ。その拳が、ブラック達を殺さんと襲いかかってきた。
「奇跡じゃねェ──必然だ!!」
覇気で黒く染まったセンゴクの拳に、ブラックも覇気を拳に纏い真っ向勝負を挑む。
新進気鋭の孤高のルーキー海賊と、生ける伝説の海兵の一騎討ちだ。
すると、拳が衝突したと同時に稲妻のようなものが発生し、けたたましい轟音が鳴り響き衝撃波がマリンフォードの広場へと拡散する。
海軍元帥の覇王色とルーキー海賊の覇王色の衝突によって生み出された衝撃は処刑台の脚を破壊し、マリンフォードの上空を覆っている
ほんの僅かながらも、
対して、センゴクは苦虫を噛み潰したかのように実に忌々しそうだ。
「ぬゥ、デマロ・ブラックゥゥゥ!!」
「へッ、そっくりそのままお返しだ、センゴクさんよォ!海軍と世界政府にこれ以上好き勝手させると思うなッ!オレの大切なモンをこれ以上テメエ等に奪われてたまるかってんだ!!」
そしてその隙に、ルフィが
「やったぞ、ブラ男!!」
「っしゃあァァァ!よくやったルフィィィ!!」
「ししし!ブラ男や皆のおかげだ!」
その光景に愕然とするセンゴク。最後の砦までもが為て遣られてしまったのだ。
囚われの火拳が、ルーキー海賊2人によって解放された。これは決して奇跡ではない。
ブラックとルフィが数々の困難を乗り越え、自らの力で成し遂げた。まさしく努力の賜物。血と汗の結晶だ。
ブラックとルフィは、白ひげ達の期待に見事応えてみせたのである。
「さーて、あとは逃げるだけだ!」
そのブラック達は、崩れる処刑台から飛び降りる。
真下では海軍が待ち構えているが、白ひげや不死鳥のマルコ達がブラック達の退路を確保する為に戦い、大将達の注意を引きつけている。
あとは無事にマリンフォードから脱出するだけ…。
暴れるだけ暴れ、そして逃げる。これぞまさしく海賊ではないだろうか…。
「派手にブッ放すぜ!!」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべたブラックは両手を腰にひき、鳥の嘴のような構えを取った。
雷を手に集め、凝縮させたブラックはそのまま両手を上下に開いた形で前方に突き出し、掌から雷の光線を放出する。
それに釣られたように、ようやく助け出されたことを実感したエースが家族のもとへ帰るべく、己の代名詞である火拳を放ち、若さの勢いに当てられたのか、白ひげも派手に暴れ回っていた。
マリンフォードが激しく揺れ動き、燃え盛り───雷鳴が鳴り響いている。
ルフィのブラックの呼び方。ブラ男。ローに対するみたいな呼び方。ブラックに対して自分にそっくりだから、オレっても読んでたから、オレ男でもいいけどね!!
雲を少しだけ割った覇王色。白ひげとシャンクス、カイドウとビッグ・マムのように空を割ることはできないけど、少しだけでも割れたのは可能性。
地震オヤジ白ひげ!雷猿ブラック!火事男エース!3人揃って地震雷火事親父!!
雷公炮
決まった構えから放たれる雷の光線。