偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら 作:身勝手の極意
赤犬はこの1年、海賊殲滅を行いながら鍛え直していたんだろうなァ。山をサンドバッグにして…。
マリンフォード頂上戦争後、海軍は
それまで3人だった大将の枠も一つ増やされ、現在は四大将となっている。
黄猿、藤虎、緑牛、そして赤犬。
五皇時代の到来と共に、海軍も大きな変革の時を迎えたのだ。
大将・赤犬は、頂上戦争後に新たな部隊を設立し、それまで以上に徹底的に海賊殲滅を行っていた。そんな赤犬の最大の標的は、頂上戦争をきっかけに"五皇"の1人にまで上り詰めた"赫猿"デマロ・ブラック。
頂上戦争で赤犬が為て遣られた憎き大海賊。
そのブラックが1年と数ヶ月ぶりにようやく姿を現し、しかも頂上戦争にて処刑に失敗し、取り逃がした"火拳"を連れて運良く己の目の前にいる。
「この時をどれだけ待っとったか──地獄見せちゃるけんのォ赫猿ゥゥゥ!!」
「おーおー、大興奮しちゃって…暑苦しいったらありゃしねェ」
宙を飛ぶブラックと、宙を駆ける赤犬。
その2人の拳が黒く染まり激突する。
シャボンディ諸島近くの海域にて、五皇の1人"赫猿"デマロ・ブラックと海軍大将・赤犬の激闘が幕を開けた。
「この1年と数ヶ月何しとったんじゃあ!?」
「修業と仲間集めだな。あ、それとまだ言ってなかった。
オレ、海賊団立ち上げたんだよ。
あ、船長はオレで、エースが副船長だから」
「ほォ、なら遠慮なく潰させてもらうけェのォ!!」
赤犬の今の様子を、前元帥センゴクやセンゴクと共に海賊王ロジャーや白ひげ達と激闘を繰り広げた海兵達が見たら、きっと口を揃えてこう言うだろう。
海賊王ロジャーを追っていた"英雄"ガープのようだと…。
赤犬が掲げる"徹底的な正義"、思想はガープよりも遥かに危険ではあるが、ガープもガープで一度戦い始めたら味方への被害───軍艦を何隻も破壊してしまうなど被害が甚大だったそうだ。
この1年と数ヶ月、赤犬が徹底的に海賊を殲滅し、ブラックを追う姿はかつてのガープと重なって見えていただろう。軍艦も何隻破壊してしまったことか…。
間違いなく、今日も軍艦が破壊されてしまう。いや、今日は絶対に、必ず。
赤犬は今、いつになく、かつてないほどに意気揚々としている。
「ロジャー海賊団の"オーロ・ジャクソン号"に似た船にまで乗りおって!!」
「似た船じゃなくて本物だから。オレが、オレ達が──オーロ・ジャクソン号を受け継がせてもらったんだ」
「な、何じゃと!?」
だが、ブラックの口から衝撃的な真実が語られたことで、赤犬の表情が豹変した。オーロ・ジャクソン号に似ているのではなく、ロジャー海賊団の母船オーロ・ジャクソン号にブラックと、海賊王の息子ゴールド・エースが乗っているのだ。驚くのも無理がなく、その衝撃的な真実に赤犬の表情が醜く歪み、額に青筋を立て、怒りを爆発させる。
「とりあえず、オレ達ブラック海賊団──以後よろしく?」
「以後などあるかァ!
貴様ら全員、船もろとも海の藻屑にしちゃる!!」
何としても、ブラック海賊団をこの場所で殲滅しなくてはならないと、赤犬の闘志に更なる熱い火が点いてしまった。寧ろ、赤犬だけではない。海軍の誰もが間違いなくそう思うはずだ。赤犬の部隊に属している海兵達なら尚のこと。
ブラックを鋭い視線で睨みつけながら、赤犬は空中で腕を一振りする。
「ん?怒ってるわりには──ッ!?
お前らッ、
"見聞色の覇気"を全開にするんだ!!」
ただ、さすがは大将というべきか…。心は激しく熱く燃えていても、頭はしっかりと冷えている。
そして、赤犬の行動の真意を理解したブラックは、すぐにエース、ヤマト、キャベンディッシュの3人に指示を出す。
「ちィ…。
(海兵達は全員
赤犬の技にしては派手さはまったくない。しかし、この戦いの場に於ては厄介極まりないだろう。
「よぉ気付いたのォ。儂が何をしたか、何を
灰色の何か───"火山灰"が舞っている。
火山灰は吸ったとしても死ぬことはない。喘息や気管支炎など慢性の肺疾患がある者や、重篤な心疾患がある者は、症状が悪化する場合があるが…。
だが、火山灰を吸うと一時的に多くの咳が出たり、鼻、喉に不快感を感じるだけではなく、目に入ると痛み、痒み、充血まで起こす場合もあり、一瞬の油断が命取りになる戦いの場に於ては、死に直結してしまう。
「儂相手に目を瞑ったまま戦うつもりか…」
「ん!!(当然!!)」
「舐められたもんじゃのォ」
口を押さていることで片腕が封じられ、目を閉じていることで視界まで封じられ、見るからにブラック達は圧倒的な不利な状況に陥ってしまっている。
しかし、ブラック達は視界を封じられようとも、その程度で負けるなど決してありえない。1年間の修業でみっちり鍛え上げられた覇気───"見聞色の覇気"は、視界を封じられたハンデなどものともしない。それはブラックだけではなく、エース、ヤマト、キャベツの3人も同じくだ。
「あの3人とも、覇気の扱いに長けとるようじゃのォ。忌々しいにも程がある」
ブラック海賊団は量より質の海賊団。超少数精鋭だが、個々の実力はとんでもなく高く、特に四強───ブラックは言うまでもないが、エース、ヤマト、キャベツの3人の実力もとんでもない。
この程度で、ブラック達が殺られるはずがない。
「ふんッ──そうじゃろうのォ」
赤犬がこのような物言いをするとは実に珍しい。裏を返せば、この程度の力しかない
憎き敵ではあるが、赤犬は誰よりもブラックの力を認めているのではないだろうか…。そして、ブラックを排除するのは己だと、己の手で必ず排除すると己自身に常に言い聞かせ、己を奮い立たせているのだろう。
「貴様が目を瞑っておっても、儂は手加減せんけェのォ!」
「おいおい、マグマは効かッ──うおッ、何だこりゃあ!?」
そして、ブラックに対しての怒りを、赤犬がついに爆発させ、発散させる。
「油断しおって!
地獄見せちゃる言うたじゃろうがァァァ!!」
「ぐッ、こ、このッ」
赤犬が放ったマグマ───マグマかと思いきや、ブラックを包み込んだ瞬間に、火成岩へと変貌してブラックの首から下をがっちりと固めて身動きを封じ、赤犬はその隙を突いて覇気を纏った拳で怒濤のラッシュをブラックの顔面に叩き込む。
「何発殴っても足りんのォ!!」
「ぐあッ!!」
下は海。能力者の力を封じる海楼石ではなく、赤犬が作り出した火成岩で動きを封じられているだけで、ブラックはどうにかその状態でも宙に浮くことができているが、赤犬の怒濤のラッシュが続き危機的状況にある。
赤犬が以前から火成岩を作り出すことができたかは不明だが、ブラックは完全に隙を突かれてしまった。ブラックを執拗に殴る覇気を纏った拳はとてつもなく重く、強く、赤犬の体術のレベルが頂上戦争時に比べて格段に上がっており、ブラックはそれを嫌というほど現在進行形で味わってしまっている。
「黒吉っちゃん!?」
ブラックが追い込まれているのを初めて目にしたヤマトは、動揺してブラックを助け出そうと宙を駆けて救助へと向かおうとしており、他の海兵に背を向けてしまう。
船長が危機的状況に陥り、崩れかけるブラック海賊団。
「ヤマトォォォ!!」
「ッ!?」
だが、ブラック海賊団は───ブラックがこの程度で殺られるはずがない。この程度、ブラックにとって危機的状況などではない。
ブラックがヤマトの名を叫ぶと、ヤマトは驚いて動きを止める。いや、驚いているのは確かなのだが、名前を叫ばれただけなのにブラックの気迫を恐れてるというべきか…。ブラックがヤマトに向ける気迫はまるで、海兵に背を向け船長の心配をするなど烏滸がましいと言っているかのようだ。
「ヤマト、お前はクソッタレの
だったら、この程度で慌ててんじゃねェよ。
それに、オレを誰だと思ってる?お前の船長だぞ、オレは。殺られやしねェよ、絶対にな」
「!
カイドウの──娘?」
すると今度は、ブラックは口角を上げて火山灰を吸ってしまうのもお構い無しに優しい声音でヤマトを落ち着かせると、攻守交代と言わんばかりに行動に出る。
ヤマトがカイドウの娘だという、非常に聞き捨てならない言葉を聞いた赤犬に一瞬の隙ができてしまう。その隙を、ブラックは決して逃さない。
「ふんッ!
ヤマト、エース、キャベンディッシュ──しっかり踏ん張ってろよォォォ!!」
「!?
巨大化かッ!!」
巨大化して火成岩の拘束から逃れたブラックは左右の腕を交互に振り抜いた。そしたらどうだ。激しい風が発生し、それだけで火山灰を払い除けてしまう。それどころか辺り一面、オーロ・ジャクソン号と軍艦、海面をも大きく揺らしている。
「ぐおォォォ!?」
あまりにも激しい風に赤犬も吹き飛ばされ、体勢を立て直すこともできずに軍艦の甲板に激突する。災害級───いや、もはや災害そのもの。
「そのまま海に落っこちてれば良かったのにな」
「くッ、やってくれたのォ、ブラック!風まで操りおってからにッ──どんだけ忌々しいんじゃおんどりゃあ!!」
「イイ感じに苛立ってんな赤犬。
!…あー、そして
「ごふッ!?」
見聞色の"未来視"で未来を視たブラックが首を少しずらすと、追い討ちをかけるように、怒り狂った赤犬の顎に気弾のようなものが直撃した。
「ぐッ、こ、この──
「黒吉っちゃーーーん!」
そして、赤犬に強力な一撃を叩き込んだヤマトで、そのヤマトは怒り狂う赤犬などお構い無しに、ブラックに後ろから抱きついていた。
「黒吉っちゃん、ごめんよォォォ!
ボク、黒吉っちゃんが一方的に殴られてるのなんて初めて見てッ、それで動揺しちゃって!!」
「1年ぶりの本格的な戦いだったから、ちと油断しちまってたかもしれねェ。すまねェな、心配かけて。けど、もう大丈夫だ。さて、さっさと片付けて冒険に行くか!」
「うん!!」
ブラックに注意されたのを気にしていたのか、ヤマトは不安げな表情でブラックを見ていたが、いつものブラックだと安心し、可愛らしい花笑みを浮かべながら強く頷く。
「ッ、逃がすと思うとるんか!?」
「ああ。被害はそれなりに与えた。だから、あとは逃げる!それに、早く冒険行きたいから
「ボク達の邪魔をしないでくれ」
ブラック海賊団は───主にブラックとヤマトだが、常に冒険が最優先事項なのだ。1年と数ヶ月も冒険を我慢していたのだから早く冒険に行きたくて仕方がなく、赤犬の相手をこれ以上するつもりなどまったくないらしい。
「ふははははッ!どうだボクの美しい剣技は!?
ボクにかかれば軍艦を一刀両断するのも容易いぞ!!」
名刀"デュランダル"を振り下ろしただけではあるが、キャベツは目にも止まらぬ剣技で軍艦を真っ二つに両断し、逃げる準備は万端だ。いや、キャベツは派手に目立つのが目的だろう。
どうやら、キャベツはブラックのことをまったく心配していなかったらしく、それでも指示には従い、久々の海軍との戦闘に浮かれて暴れていたようだ。
「ブラック、
「おー、ありがとなエース」
エースは下半身を炎にし、炎を噴射して上空を旋回することで何やら下準備を行っていたらしく、その準備がたった今、終わったところのようだ。
「火拳、おどれ──まさかッ!?」
「へッ、借りは返させてもらう」
不敵な笑みを浮かべるエース。すると、その海域の上空が突如分厚い雲に覆われる。
エースが上空を旋回していたのはこれが理由だ。大気を急激に暖め、上昇気流を発生させて
雷鳴が、ブラック海賊団の出航を祝うかのように豪快に鳴り響く。
「ブラックの雷には劣るかもしれねェが…」
エースはポツリとそう呟くが、これはエースが意図的に作り出した積乱雲とはいえ、天から降る雷。
その威力がブラックの雷に劣っていることなど───正直なところ、ブラックならそれがありえてしまうからエースはそう口にしたのだろう。まさしく天災。それが"五皇"なのだ。
とはいえ、エースも着実にその領域に迫りつつあるのだから恐ろしいものである。
「食らいやがれ」
エースが意図的に作り出した積乱雲から、まるで導かれたかのように、赤犬に向けて雷が落ちる。
「ぐおォォォォォ!!」
ヤマトの強烈な一撃を受けた後に、慈悲なきエースの雷が落ち、さすがの赤犬もかなりの大ダメージを受けたはずだ。ただ、これでも死なないのが大将で、四大将の中でも異常なタフさの持ち主である赤犬は決して倒れない。
「相変わらずタフだなァ。
けど、オレ達もう行くから──またな、赤犬。
いつでもオレを追いかけてこい。楽しい冒険には困難が付き物。マグマも楽しい冒険をより楽しくする為のスパイスってな!」
「ぐ…く、クソッ…タレ…がァ。
逃がさんぞッ、ブラックゥゥゥ!!」
拳を巨大なマグマに変化させ、ブラック達目掛けて噴出する。頂上戦争で超巨大な氷塊を一瞬で蒸発させ、跡形も無く消し去ってしまう大技だ。
しかし、ブラックにマグマは効かない。
況してや、そう簡単に
「懲りねェなァ。ヤマト、エース、オレの後ろ…ん?」
「オレがやる。船長は大人しくしとけ」
「くく、じゃあ任せた──エース」
ブラックの手を煩わせまいと、エースが前に出る。頂上戦争では、まったく歯が立たなかった大将だが、今はもう違う。頂上戦争で失ったはずの左腕が炎で形成され、その炎は白く燃えている。エースの成長を強く物語っている。
エースの代名詞でもあるこの技が、更なる進化を遂げて日の目を見るこの瞬間を、きっと"白ひげ"も喜んでいるはずだ。
頂上戦争から1年と数ヶ月の時を経て、大復活だ。
「うおォォォォォ!!」
シャボンディ諸島付近の海域で勃発したブラック海賊団と海軍大将・赤犬率いる艦隊の大激突。
軍艦3隻が破壊され、怪我人は多く。ただその反面、奇跡的に死者は0人。
大将・赤犬も負傷し、たった6人の超少数精鋭の海賊団が勝ち逃げした。
受けた損害は大きく、そしてブラック海賊団の存在に海軍と政府は更なる被害を受けることだろう。
世界に大激震が走る。
ブラック海賊団と赤犬率いる艦隊の激突から2日後。
ブラック海賊団の存在に世界は大騒ぎだ。
「どういうことだァァァ!!
ヤマトが何故ッ──デマロ・ブラックと一緒にいやがる!?」
五皇の1人"百獣のカイドウ"がナワバリとする新世界"ワノ国"では、カイドウが本拠地"鬼ヶ島"で荒れていた。
1年と数ヶ月前に忽然とワノ国から姿を消し、一向に行方が掴めなかった娘が、まさか"白ひげの後継者"ブラックと共にいたなど、カイドウも予想外だっただろう。
だが、ブラック海賊団の存在に驚いている五皇はカイドウだけではない。
カイドウの娘が仲間であることも十分に驚くべきところだが、ブラック海賊団はそれだけではないのだ。
「ブラック海賊団の母船が"オーロ・ジャクソン号"?
副船長がロジャーの息子で、カイドウの娘に、"金獅子の再来"まで乗ってる?
次代の海賊王は間違いなくブラックゥ!?
ふざけんなァァァ!海賊王になるのはオレだよッ!!」
同じく新世界"ホールケーキアイランド"。
ホールケーキアイランドの女王でもあり、五皇の紅一点"ビッグ・マム"シャーロット・リンリンは、ブラックが次代の海賊王だとデカデカと記載された記事に大激怒し、癇癪を起こしている。
「ブラック…新参者の皇帝。
ふんッ、本当の海の皇帝が如何に恐ろしいか、オレの力をその身にたっぷりと味あわせてやろうじゃないかィ」
カイドウとビッグ・マム。ブラックがこの2人の標的になってしまった。
もっとも、これも必然。遅いか早いか…。ただそれだけのことでしかない。
☆
冒険を最初から始める為に
「う、ウソだろォォォォォ!!」
海軍大将・赤犬率いる艦隊との激闘から2日───ペローナが絶叫する。
ただ、絶叫しているペローナを余所に、キャベツとバルトロメオは大興奮しており、その一方でヤマトは複雑な表情を浮かべ、ブラックとエースは最初からこうなるのを読んでいたのか、大して驚いてはいない。
「わ、私ッ、
「まァ、ペローナの能力考えたら妥当かもな」
ペローナは先の激闘で、オーロ・ジャクソン号内から援護をしていた。最初は、相手が大将・赤犬だということもあり怯えていたようだが、バルトロメオのバリアのお陰で外からの攻撃を一切気にする必要のない状況に安堵したのか、ブラック達の強さを目の当たりにして余裕ができたのか、それからは楽しそうに援護していた。精神攻撃に衝撃波と、防ぎようのない攻撃に多くの猛者達が心を折られただろう。
ブラック海賊団に加わったのだからこうなるのは当然で、何もおかしくはない。寧ろ、楽しんで援護していたのだからペローナの自業自得である。
「やったべぇぇぇ!
ブラック海賊団の一員になって、懸賞金が3億超えたべさッ!!」
オーロ・ジャクソン号を守ることにのみ徹していたバルトロメオは、その鉄壁のバリアで見事にオーロ・ジャクソン号を守り抜いてみせた。長時間バリアを維持するのは難しく、しかもオーロ・ジャクソン号を覆うほどのバリアだったこともあり、戦闘後は疲れ果ててブッ倒れていたが…。
その防御力の高さから、2億増しの3億5000万ベリー。異名も人食いから、"
「ハッハッハ!
ボクの時代が再びやって来たぞ!8億を超えたぞ!"金獅子の再来"キャベンディッシュの時代到来だ!!」
軍艦を真っ二つに一刀両断して暴れ回っていたキャベツは、長い金髪と強力な剣術───その様が全盛期の金獅子のシキを彷彿とさせたらしく、3倍増しで世の女達を再び虜にしていることだろう。
ただ、ペローナが絶叫し、キャベツとバルトロメオが盛り上がっているなか、ヤマトは浮かない顔をしている。
ペローナと同じく、賞金首の仲間入りを果たしたヤマト。懸賞金10億8100万ベリー。
初頭で10億超えという前代未聞の額だが、その理由の1つがヤマトの父親で、それがヤマトの表情を曇らせる理由でもある。"百獣の娘"。ヤマトがカイドウの娘であることが発覚したのだ。
もっとも、その原因はブラックなのだが…。
「遅かれ早かれ、こうなるのは分かっていたし、覚悟してたんだけどな」
海賊王ロジャーの息子であることが発覚し、頂上戦争後に懸賞金が倍増しされた時のエースと同じだ。
ただ少し違うのは、ヤマトが初頭で10億超えという点だ。その点に関しては、ヤマトと戦った海兵達と、ヤマトに一撃を食らわされた赤犬が、それだけの力があると報告したからだろう。懸賞金額の高さは、単に金額が強さに正比例するわけではないが、ヤマトの場合はエースと同様に、ブラック海賊団に所属しており、高い実力を持ったカイドウの娘という3つの条件が合わさっての額だ。
「でも、ボクはもう気にしない!
次に懸賞金が更新された時、カイドウの娘ヤマトではなく、ブラック海賊団のヤマトとして──二代目おでんとして世界に名を轟かせるんだ!!」
次はいったい、どれ程の懸賞金額になるのか…。
そして、一番気になるのはこの2人だ。
ブラック海賊団副船長、"炎鬼"ゴールド・エース。懸賞金22億1100万ベリー。
「ルフィ、さっさと高みへ来いよ。
じゃねェと、置いてっちまうからな」
火拳から炎の鬼へ…。
「それにしても、五皇らしくなってきたな──船長」
「お前もな──副船長」
ブラック海賊団船長、"赫猿"デマロ・ブラック。懸賞金36億3600万ベリー。
ブラック海賊団の"
戦闘回。久しぶりに描いた気がする。
派手派手な技がほとんどの赤犬だけど、地味だけど凶悪な技もある。
灰塵吹雪
火山灰を撒き散らしす。吸ってしまった者は一時的に咳が止まらなくなり、目に入ると痒み、痛みに襲われ戦闘に支障をきたす。赤犬部隊はゴーグルとマスク常備。
火成岩獄
マグマを固めて火成岩を生成。珍しく捕縛技。大将なら、大将だからこそそんな芸当もできるって思っておいて。
ブラックの首から下を岩石で固めて動きを封じて、覇気纏った拳でラッシュ。
マグマグの実、鍛えればきっとこんなこともできるはずだ。
風を発生させたブラック。
ハヌマーンって風神ヴァーユの息子だからね。カイドウも鎌鼬とか、竜巻放ってるし。やっぱ幻獣種って恐ろしいね。カイドウと違うのは、カイドウは天候すらも操ってるっぽいけど、ブラックは自分で発生させている。クロコダイルみたいに龍巻もできるけど、あくまで自分で発生させる。けど、その威力が災害。
エースくん、下半身のみを炎にして炎を噴射して飛行可能。それで上空を旋回し、大気を急激に暖めて上昇気流を発生させて積乱雲を作り出すしてのエース流の雷!
覚醒したら、わざわざ上空旋回しなくても積乱雲なんて簡単に発生させることできそうだなぁ。
でも、新世界にはライジン島ってのがあるから、大将にとっては雷なんてスタンガンみたいなもの?
強くなったキャベツは軍艦も一刀両断!
超美剣・
ただ振り下ろしただけ。けど、めっちゃ早くて斬れ味半端ない。
晴れて全員賞金首になったよ!
バルトロメオの異名変えてみました。
"