偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら   作:身勝手の極意

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バルトロメオの異名を変更しました。
あっちは落としたら割れる陶器みたいな硬さだろうけど、鉄壁をパールさんから奪うのもなぁ~と思い。

絶対防御(ガーディアン)でございます。バルトロメオには似合わないって言わないでね。



ブラック海賊団の始まり

 

 

 島が、海が、()()()()と大きく揺れている。

 

 

「ついに出てきやがったか()()()()ッ!!」

 

 

 場所は新世界───"海賊島"ハチノス。

 

 ドクロの形をした巨大な岩が特徴で、海賊達の楽園とも称されており、"デービーバックファイト"発祥の地として広く知られている。現在は、五皇"黒ひげ海賊団提督"マーシャル・D・ティーチが拠点としている島だ。

 

 

「五皇時代が本格的に盛り上がってきやがったぜ!!」

 

 

 数ヶ月前、不死鳥のマルコ率いる白ひげ海賊団の残党、傘下海賊と黒ひげ海賊団の間で勃発した"落とし前戦争"に黒ひげが勝利し、その結果黒ひげが海の皇帝の仲間入りを果たしたことで到来した五皇時代。

 

 その落とし前戦争から数ヶ月が経過した今、落とし前戦争以上の話題が世界を騒がせている。たった数ヶ月でこれだけ大きな事件が立て続けに起きるとは、恐るべき大海賊時代だ。

 

 

「まさかエースが副船長になってるとはなァ!しかも、怪物カイドウの娘に金獅子の再来、さらにはオーロ・ジャクソン号!

 面白くなってきやがったぜッ、ゼハハハハ!!」

 

 

 かくいう黒ひげも、その話題に興奮している1人だ。いや、もしかしたら誰よりも興奮しているかもしれない。

 

 五皇"赫猿"デマロ・ブラックが海賊団を立ち上げ、海軍大将・赤犬率いる艦隊と激突し、勝ち逃げ。たった6人の超少数精鋭でありながらも、個々の実力が高く戦力はあまりにも強大でロジャー海賊団を彷彿とさせる。元々賞金首だった4人が懸賞金を上乗せされ、残り2人も新たに賞金首の仲間入りを果たし、船員全員が3億を超える高額賞金首という恐ろしい海賊団だ。しかも、船長ブラックと副船長エースに、ヤマトとキャベンディッシュを含む四強の総合賞金額(トータルバウンティ)が、五皇の紅一点"ビッグ・マム"シャーロット・リンリン率いるビッグ・マム海賊団の船長ビッグ・マムと大幹部"四将星"の5人の総合賞金額と比べてもほとんど大差がなく、その事実がブラック海賊団の恐ろしさにより拍車をかけている。

 

 

「"王"の座をかけた──選ばれし強者共の潰し合いの幕開けだ!

 さっさとオレのもとに来いッ、ブラック!

 オレはテメエをブッ殺したくてウズウズしてるんだからよォ!ゼハハハハハ!!」

 

 

 何かとブラックと因縁のある黒ひげは、新世界でブラックを待ち構えている。

 

 三度目の正直で、次こそはブラックを完膚なきまでに叩き潰し、消し去るつもりだ。

 

 ただ、ブラックの首を狙う者は黒ひげだけではない。ブラックを執拗に追う海軍大将・赤犬他、ブラック海賊団を何としても排除したい政府と海軍。次代の海賊王とまで噂される新参者の皇帝の誕生に怒り狂うビッグ・マム。娘を奪われたカイドウ。

 

 ブラックを中心に、五皇時代が大きく荒れ狂う。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 赤い土の大陸(レッドライン)にある聖地・マリージョアの真下付近、海底1万mの位置に存在する海底の楽園"魚人島"。

 

 頂上戦争で戦死した"白ひげ"エドワード・ニューゲートがナワバリとしていた島で、白ひげ亡き現在は左目に3本の傷が描かれた海賊旗が掲げられ、五皇で一番の穏健派と称される"赤髪のシャンクス"がナワバリとして守護している。

 

 白ひげを失った白ひげ海賊団達の残党達が、自分達では守護できないからと、敵ではあるが信頼できる赤髪に譲り渡したのだそうだ。

 

 魚人島"リュウグウ王国"のネプチューン国王もそれを了承し、頂上戦争後も魚人島の平和はどうにか守られているのだそうだ。

 

 

「すまんのォ、赤髪」

 

「気にするな、()()()()

 前にも言ったが、ネプチューンとはロジャー海賊団にいた頃からの顔馴染みだからな」

 

 

 その魚人島の南東の深海にある、サンゴが美しく広がる"海の森"で、五皇"赤髪のシャンクス"と"海侠のジンベエ"が酒を酌み交わしており…。

 

 

「お前さんのおかげで魚人島の平和は守られておる」

 

「オレも魚人島が好きだ。荒らされてもらっちゃあ困る。まァ、オレはもう()()()()ってところか?」

 

「ワハハハハ。

 随分と派手な帰還じゃ、エースさん、ブラック」

 

 

 ブラック海賊団が活動を始めた。その記事と、新しい手配書を酒の肴に赤髪とジンベエは頬を緩ませている。

 

 

「白ひげもきっと喜んでるだろうぜ」

 

 

 赤髪が口にした"御役御免"とは、赤髪は魚人島を別の者に引き継がせるつもりなのだろう。あくまで自分は、今この瞬間までの代理だったと言わんばかりだ。

 

 魚人島が赤髪のナワバリではなくなる。だが、赤髪はそれを喜んでおり、嬉しそうに酒を呑んでいる。

 

 もっとも、白ひげ海賊団の残党達から譲り渡されたとはいえ、実際のところは期間限定的な譲渡で、正式に譲り渡されることになる者達は他に存在していたようだ。

 

 

「エースさんは、きっともう大丈夫じゃな」

 

 

 白ひげの死後、一時は荒れていたエースを近くで見ていたジンベエは、更新されたエースの手配書を片手に瞳が潤み、感慨深い様子ではあるが、大きく喜んでいる。

 

 

「魚人島はブラック海賊団のナワバリになる」

 

 

 白ひげの意思を受け継ぐ者達───ブラックとエースこそが、不死鳥のマルコ他残党達に魚人島を託されていたのだ。

 

 赤髪はそれを了承し、期間限定でその役目を果たしてくれていた。

 

 

「で、ジンベエ…お前はこれからどうするんだ?

 ブラック海賊団に合流するのか?」

 

 

 デマロ・ブラックがブラック海賊団を結成し、再び世に姿を現したことで赤髪の役目は終わったのである。

 

 そして、ジンベエもこれを機に、転換期を迎えようとしているらしい。赤髪もそれが気になるのだろう。

 

 

「いや、儂は()()()()に加えてもらえんかと思っておる。タイヨウの海賊団初代船長──タイの兄貴と、白ひげのオヤジさん並に儂が惚れ込んだ男がおってな」

 

「へェ、そいつはどんな男なんだ?」

 

 

 興味津々で、ジンベエが惚れ込んだ男が誰なのかを聞く赤髪。いや、赤髪はそれが誰なのかを知っている顔をしている。それでも、ジンベエの口から直接聞きたいのだ。

 

 己の左腕を犠牲にしてまで懸けた()()()()()()()を…。

 

 

「お前さんもよーく知っておる──()()()()()()()()()()()じゃ」

 

「ハッハッハ!

 今日は本当にめでたい日だ!酒が格別にうめェ!!」

 

 

 五皇時代の到来。しかし、そのすぐ後ろには新たな皇帝候補(六番目の皇帝)が控えている。

 

 世間はまだそれを知らず、その者は来るべき時の為に力を蓄えているのだ。

 

 ブラックを中心に、世界は大きく動いている。そこに、()()()()()()が加わる日も近い。

 

 

「ブラックとエース、それからルフィに乾杯だ!!」

 

「ワッハッハ、乾杯!」

 

 

 未来に乾杯を…。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 偉大なる航路(グランドライン)"バルティゴ"。"白土の島"とも呼ばれるこの島は、島全体が白土の砂漠であり、舞い上がる砂埃により近海からの目視は困難とされており、身を隠すに持ってこいの拠点で、打倒世界政府を目的に暗躍する反政府組織"革命軍"が拠点にしている。

 

 そして、この島には現在、政府が20年以上もの間、血眼になって探し続けている()が滞在していた。

 

 デマロ・ブラックの素性───ブラックが"古代文字"を読めることが発覚するまで、この世界で唯一古代文字が読める存在だった"悪魔の子"ニコ・ロビン。

 

 そのニコ・ロビンは現在、とある理由から"革命軍"に身を置いている。"麦わらの一味"に所属している彼女が、どうして革命軍に身を置くことになったのか、麦わらの一味の他の仲間達と同じく、1年と数ヶ月前に散り散りに()()()()()しまったからだ。

 

 そして、飛ばされた先の東の海(イーストブルー)"テキーラウルフ"で、偶然なのか必然なのか、10年以上前からロビンを保護しようとしていた革命軍と出会い、今に至るというわけである。

 

 ただ、ロビンが革命軍に身を置くのは期間限定のもの。後に、"シャボンデイ諸島"へと戻り、再び麦わらの一味として、仲間達と航海を再開するようだ。

 

 革命軍に身を置いて早いことで1年と数ヶ月。美しい容姿と明晰な頭脳からも革命軍内でロビンの人気は高いらしく、革命軍の者達も彼女を大切に預かっており、彼女自身もそれに感謝し、良き関係を築いているようだ。

 

 

「ロ、ロビンさん?」

 

 

 しかし、今日のロビンは何かが違う。恐ろしすぎる悪魔の如き威圧感を醸し出している。

 

 

「何かしら──コアラ」

 

「ど、どうしたの?

 な、何か、とてつもなく怖いよ…」

 

 

 美しい笑みを浮かべているのに、目が一切笑っていない。美人が怒ると怖いというが、それが本当なのだと体現しており、革命軍の女性幹部コアラですらも、恐怖を感じている。

 

 

「あら…ごめんなさい」

 

「ほ、本当にどうしたの?

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が関係しッ──ひッ!?」

 

 

 コアラからの指摘に素直に謝罪するロビンではあるが、彼女から放たれる重苦しい威圧感は一向に収まっていない。寧ろ、コアラの言葉で更に濃密なものへと変化してしまう。

 

 ブラック海賊団が結成され、ブラックが海賊として活動を始めたことを知ったロビンが、ブラックの手配書を眺めながらうっすらと頬を染めていたのがほんの数分前。

 そんな彼女の恋する乙女のような可愛らしい笑みに、革命軍の男達だけではなく女達も胸をときめかせていた。

 

 しかし、ブラック海賊団に所属する全員の手配書を見ていた彼女の手が、その中の1枚の手配書で止まってしまい、そしてこのような事態になってしまったようだ。

 

 男達は恐ろしすぎて聞けずに、ロビンが可愛がっているコアラに皆が理由を聞けと視線で語っていたのだ。

 

 ロビンが手を止めた手配書───その手配書に写った()()()()

 "百獣の娘"ヤマト、懸賞金10億8100万ベリー。

 

 ロビンは、ヤマトという存在を知っていたのだろうか…。いや、まったく知らない存在だ。ロビンはヤマトと会ったこともなければ、五皇"百獣のカイドウ"に娘がいたことも記事で知ったばかりで、それ以外のことなどまったく知らないのである。しかも、記事には"この世における最強生物"カイドウの娘で、その娘に相応しい、10億を超える懸賞金に相応しい実力を持った女海賊だということしか書かれていないのだ。

 

 ならば、いったい何がロビンをそうさせてしまうのか…。

 

 

「私にもハッキリと理由が分からないの。

 ただ、このヤマトという女が、私はどうしてなのか気に入らない。相容れない存在に思えてしまうの…。

 あとは──()()()なのかしら?

 ふふ、ブラックったら、この1年と数ヶ月の間、世間から姿を隠していったいナニをしていたのかしらね?

 今度会った時は、お母さんの話よりもそれについて詳しくじっくりと聞くべきかしら?ああ、早く会いたいわ──ブラック」

 

 

 今この瞬間、ブラックはきっとくしゃみ3回に、悪寒に襲われているのではないだろうか…。

 

 

「え、えーっと…つまりロビンさんが嫉妬してる?」

 

「私が?

 ……そうかもしれないわね。ふふ、本当に罪な男ね。私のお母さんに憧れてる男に、私は強く心を動かされてる」

 

 

 ロビンとブラックの間に接点があったことにも驚きだろうが、大人の女の色香が常に漂っているロビンが嫉妬するとは、それ以上に驚きだろう。

 

 だが、これからしばらくの間、絶対に世間を賑わせ、常に新聞の一面を飾り続けるであろうブラックとブラック海賊団の面々───そのブラックの新聞を読む度に、ヤマトの記事まで読んだロビンが、恐ろしい威圧感(嫉妬)を醸し出すと思うと、コアラは恐ろしすぎて夜も眠れない。

 

 この後、ブラックと遭遇したらロビンのことを伝えるべきではないかと、コアラが総司令官に相談したとか…。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 場所は新世界。赤い土の大陸(レッドライン)付近に存在する海軍本部"ニューマリンフォード"。

 

 元々は、Gー1支部だったこの基地を、頂上戦争後に現元帥クザンの意向によって、旧海軍本部マリンフォードと入れ替える形で新世界に移転した。

 

 

「ぶわっはっはっは!

 さすがは()()()()()()()()()()じゃ!エースにカイドウの娘に金獅子の再来。トドメにオーロ・ジャクソン号とくるとはッ!!」

 

「まったく笑えん…ぞ…ガープ…く、くくく。

 大変だな元帥は。儂が元帥の時じゃなくて良かった」

 

「ここ元帥室なんですけど?

 アンタらが楽しくワイワイと寛ぎながら煎餅とおかき食ってお茶飲む場所じゃないんだけど?

 つーか、センゴクさん。笑えないとか言いつつしっかり笑ってるじゃねェか」

 

 

 そのニューマリンフォードの、元帥クザンの執務室では、元帥クザンの他に"英雄"ガープと、"仏のセンゴク"がブラック海賊団について話をしているようだ。

 

 もっとも、ブラック海賊団の登場に頭を悩ませているのは元帥クザンのみで、第一線を退き、後身の指導に当たっているガープと、元帥の職を辞任し、大目付としてガープと共に若い海兵の育成をしているセンゴクは全盛期時代を思い返しながら笑みを浮かべている。

 

 

「はあ、やれやれ。

 まあ、ブラックに関しては基本、サカズキに任せて放置するつもりなんですけどねェ。

 サカズキの部隊も死者は1人もなし。ブラックが危険なのは確かだが、赤髪と同じで穏健派の五皇だ。自分から暴れることはまずないはず。寧ろサカズキを鎮める役を担ってもらおうかと…」

 

「ぶわっはっはっは!!」

 

「ぶふッ、サカズキが海賊と大差ない扱いッ!!」

 

 

 そして、ブラック海賊団は基本放置でサカズキにのみ任せ、サカズキによる被害を鎮めてもらう為というどっちが海賊団でどっちが海兵なのか分かったものではない判断にガープとセンゴクは大爆笑してしまう。

 

 元帥の座を蹴ってまでブラックを追う大将・赤犬ことサカズキによる被害が以前にも増して大きいことに、クザンは頭を抱えているようだ。

 

 部下の面倒を海賊に丸投げするとは…。

 

 センゴクは引退して良かったと心から思っていることだろう。クザンからは恨みがましい目で見られているが何のその。

 

 

「しっかし、サカズキと交戦後、勝ち逃げしてからまた行方が掴めず…。

 すぐに新世界入りすると思ってたんだがいったいどこに?」

 

「ぷッ、勝ち逃げ。

 ブラックは元々冒険家兼トレジャーハンターだった。

 そのまま新世界に入るのではなく、海賊団を立ち上げたことを機に、"リヴァース・マウンテン"から冒険を始めてるんじゃないか?」

 

 

 クザン達海軍は赤犬を相手に勝ち逃げしたブラック海賊団の行方を完全に見失い、新世界で警戒しているが一向に行方が掴めないのだそうだ。

 

 そんな状況の中、ふとセンゴクがクザンが思いもしなかった考えを口にする。

 

 

「ぶわっはっは!

 オーロ・ジャクソン号に乗った五皇"赫猿"が新世界に向かわず偉大なる航路(グランドライン)を逆走してリヴァース・マウンテンに向かって、最初から航海を始めるのか!?

 ぶわっはっはっはッ、ウケる!!」

 

「まさか…そんなわけ…いや、もしかして──マジで?」

 

「クザン。元元帥からのアドバイスだ。

 ロジャーの息子と、カイドウの娘に金獅子の再来が仲間で、ロジャー海賊団のオーロ・ジャクソン号に乗ってるような奴らだ。くく、我々の常識など通用しない。予想の斜め上を必ず行く」

 

 

 センゴクはさぞ、自分が元帥の時代ではなくて良かったと思っていることだろう。そして、元帥の任から解放された余裕か、"智将"の頭脳が元帥だった時よりも的確に、犯罪者の思考回路を読んでいる。

 

 

「ったく、勘弁してくれよ。

 ガープさん、センゴクさん、まだ確定したわけでもねェし、これマジでサカズキに言わないでくださいよ。前半の海で五皇と大将の交戦なんて絶対にあっちゃならないんで」

 

 

 果たして、切実なまでのクザンの思いと願いは届いてくれるのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃───新世界では…。

 

 

「ちィ、どこじゃブラック。

 アイツのことじゃけェ、魚人島からの指針が示す次の島の中で最も危険度が高いライジン島に行くじゃろう思っとったが──どこに行ったんじゃクソッタレがァ」

 

 

 ブラックを執拗に追う赤犬は、重傷ではなかったとはいえ怪我もまだ完治していない状態で、新しい軍艦に乗ってブラックを追っていたが、赤犬の予測は外れてしまい、ブラックはライジン島にはおらず、上陸した形跡もまったく見られず。

 

 ただ、赤犬の読みは強ち間違ってはおらず、ブラックのことをよく理解している。

 

 もしブラックが、ブラック海賊団の面々と前半の海での航海を終えて新世界に行っていたならば、恐らくライジン島を選んでいたはずだ。ブラックとの冒険をとにかく楽しみにしているヤマトも、最も危険な島を選んだはず。

 

 しかし、ブラックはまだ、ブラック海賊団の船長としてオーロ・ジャクソン号に乗って前半の海を航海していない。

 

 これまでは、たった1人で行きたい島に行きたい時に、赤い土の大陸(レッドライン)を飛行能力で飛び越えて行ったりしていたようだが、今回は世界遺産級の船(オーロ・ジャクソン号)に乗っての航海、冒険ということもあり、偉大なる航路(グランドライン)の入り口"リヴァース・マウンテン"から仲間達とちゃんと冒険を始めたいという気持ちが強いのだろう。

 

 赤犬はブラックのことを良く理解してはいるが、完璧には理解できていなかった。

 

 

「どこにいるんじゃッ──ブラック!!」

 

 

 まさか前半の海を逆走し、五皇の1人が入り口からスタートしようとしているとは思うまい。

 

 そして、海軍がブラックを見つけたとしても、赤犬にだけは絶対に知らせるなという箝口令が敷かれているとは赤犬も思うまい。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 偉大なる航路(グランドライン)の入り口、リヴァース・マウンテンの名物といえば何だろうか…。

 

 それは、額に()()()()()()()()()()()()のペイントを施された超巨大な生物だろう。

 

 

「す、凄いッ、ダンゴよりも大きい()()()だ!!」

 

「こ、これはまた凄いな」

 

「で…でかッ!?」

 

 

 リヴァース・マウンテンの出口"双子岬"に棲む"アイランドクジラ"という種のクジラの大きさに、初めて見たヤマト、キャベンディッシュ、ペローナの3人はただただ圧倒されいる。

 

 

「ああ、いつ見ても神々しいべさッ!

()()()()()()()()()()!!」

 

「これ描いたのやっぱりルフィか…」

 

 

 バルトロメオは、偉大なる航路(グランドライン)に入る際に一度見ているようだが、再び見た麦わらのルフィ直筆のペイントを、神様でも崇めているかのように涙を流しながら本当に崇めている。

 

 そしてエースは、下手くそだが想いの詰まったペイントに頬を緩め、これを描いたのが誰なのかすぐに見破っていた。

 

 そんなブラック海賊団の面々とは違い、別のモノに驚きつつも感動し、涙を浮かべている()()がいる。

 

 

「まさかブラック海賊団が偉大なる航路(グランドライン)の入り口にやって来るとは…ああ、それに──オーロ・ジャクソン号…懐かしい。あの頃のまま…この船を見ると、当時の冒険の思い出が鮮明に甦ってくる」

 

「オレの師匠──シルバーズ・レイリーからお話は聞いてます。ロジャー海賊団の元船医、クロッカスさん」

 

 

 双子岬の灯台守を務めるクロッカスという老人に、敬意を表した態度で話しかけるブラック。

 

 この老人も、オーロ・ジャクソン号に乗っていた伝説の船員の1人。ロジャー海賊団の元船医なのだ。

 

 

「オレ達はブラック海賊団として、ここから航海を始める為にここにやって来ました」

 

「ふッ、かつてのロジャーのようだな」

 

 

 ロジャー海賊団の元船医の目に、ブラックはいったいどのように映っているのだろうか…。

 

 ただ一つだけ言えること───それは、ブラック海賊団が伝説を彷彿とさせる存在だということだけだ。

 

 

「もし良ければだが、老人のつまらん思い出話に付き合ってはくれんかね?

 オーロ・ジャクソン号を眺めながら酒が飲みたい」

 

「なら、眺めながらとは言わずに、オーロ・ジャクソン号に乗って宴でもどうです?

 冒険の話はともかく、エースにあなたの船長がどういう人だったかを教えてやってください」

 

「お、おいッ、ブラック!!」

 

 

 伝説を彷彿とさせるそんなブラック海賊団に囲まれ、オーロ・ジャクソン号でエースの父───海賊王ゴールド・ロジャーの豪快な武勇伝がクロッカスの口から語られることとなる。

 

 もちろん、エースがそれを止められるはずもなく…。

 

 新たな伝説が始まる前の、前書きのように…。

 

 かつての伝説と、新たな伝説が酒を酌み交わしていることなど、他に知る者はいない。

 

 

 






そういえば、執筆始めて1ヶ月経過して20話越えてた。皆様いつも感想ありがとうございます!!
これからも応援よろしくお願いします!!


ブラック海賊団と、大幹部と船長の総合賞金額が唯一明らかになってるビッグ・マム海賊団を比べてみた。

ビッグ・マム+四将星。(まだ四将星時)
計5人の総合賞金額、78億3700万ベリー。

対してブラック海賊団。
ブラック、エース、ヤマト、キャベツ、計4人(四強)
総合賞金額、77億6800万ベリー。

こんな感じである。


ジンベエとシャンクスが酒を酌み交わすという、原作では絶対にないだろうなぁという展開。
ジンベエ達タイヨウの海賊団はビッグ・マム海賊団の傘下にはなっておりません。期間限定的に赤髪海賊団の傘下に。
マルコ達も、ブラックとエースに託したいけど、表立って活動を再開するまではとシャンクスに頭を下げ、シャンクスも了承で、魚人島を期間限定でナワバリに。

ジンベエって原作でもそうだけど、ルフィ大好きだよね。かなり惚れ込んでるよね。


ロビンさんは女の勘が働いちゃったかな?
美人は怒ると怖いし、女の勘は野生の勘以上に恐ろしい時あるからね。まるで心を見透かされているかのような…。


そういえば、エースってロジャーが不治の病に侵されてたことも知ってたのかな?
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