偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら 作:身勝手の極意
そういえば、偉大なる航路から四つの海にはどうやって戻るんだ??
ロジャーの処刑を見る為に、すでに偉大なる航路で活動してた奴らがローグタウンに行ってたみたいだけど…。
海賊王ロジャー世代。今から20年以上前の時代で、ロジャー、白ひげ、ガープ、センゴク他、伝説の海賊、海兵共に、現代以上の壮絶な戦いを繰り広げていた恐るべき殺伐とした時代だ。
例えるなら、ロジャーを中心とした暴走する荒振る
その一方で、ロジャーの死後に幕開けした大海賊時代は、当時を知る海賊や海兵達にとって、数ばかりが増えた生温い時代とも言われている。
だが、数ばかりが増え生温いとまで言われているこの大海賊時代に───大海賊時代が幕開けし23年が経過した今、大きな変化が訪れた。
頂上戦争で"白ひげ"エドワード・ニューゲートがこの世を去り、一つの時代が終わりを告げたと同時に、新たな時代が始まったのである。それが、選ばれし強者が海賊王の座をかけて潰し合う五皇時代だ。
そんな五皇時代の到来を歓迎してか、それともその逆か、かつての伝説が20年以上ぶりに突如として姿を現した。
「くっ、このタイミングで再び現れるか…
「この20年…今までいったいどこに隠れておったんじゃ!!」
海軍本部"ニューマリンフォード"。海軍本部元元帥にして"大目付"となったセンゴクと、"英雄"ガープの視線の先には、空に浮かされた複数の軍艦、そして空飛ぶ海賊船が一隻。
かつて、ガープとセンゴクが旧マリンフォードで死闘を繰り広げた存在"金獅子のシキ"が、海賊王ロジャー、白ひげ亡き大海賊時代に舞い戻ったのである。
「ジハハハハ!久しいな、センゴク、ガープ!こいつは再会の挨拶と警告だ…受け取りやがれ」
腕を振り下ろすと同時に、浮かべていた複数の軍艦を次々とニューマリンフォードに落下させる金獅子は、高らかな笑い声を上げてその場をあとにした。
「ちィ、大人しく過去の伝説として存在し続けていればよかったものをッ!今さら老兵がでしゃばって何をするつもりじゃ!」
再び現れた金獅子に対し悪態を吐くガープ。その表情は、実に忌々し気な様子だ。
ただでさえ、五皇時代に突入して世界は混沌と化しているというのに、そこに"金獅子"まで現れるなど、世界はこれからいったいどうなるのか…。
☆
世間がブラック海賊団の誕生に驚いているなか、休む間もなくまたしても大ニュースが世界に飛び交う。
大海賊"金獅子のシキ"の復活。
再び姿を現した金獅子が海軍本部ニューマリンフォードを襲撃。軍艦を何隻も落とし、海軍本部に大きなダメージを与え、金獅子はそのまま空飛ぶ海賊船に乗って姿を消したようだ。
そしてそれから数日───事態は息つく暇もなく大きく動いている。
東西南北に存在する海の中でも
金獅子は海軍本部を襲撃後、全世界支配の足がかりとして東の海を壊滅させて支配下に置くべく、さっそく行動を始めたようで、それを阻止すべく動いたのが、金獅子が最初に襲撃した島付近にいた革命軍東軍と、その時共に行動していた革命軍No.2の"参謀総長"の青年だったようだ。
ただ、革命軍のNo.2と軍団長他、猛者達を相手に、金獅子の艦隊も大打撃を受けたものの、懸賞金6億を超える参謀総長と軍団長も、20年のブランクなどまったく感じさせない金獅子の前に敗北を喫し、金獅子は革命軍の戦力を得るべく交渉材料として捕らえているとのことだ。
世界最弱の海でロジャー世代の皇帝の1人と、革命軍主戦力の激突など前代未聞。世界最弱の海は、言い換えれば平和の象徴でもある。その平和の象徴で、これだけ大規模な戦いが繰り広げられてしまうなど…。
一方で、海軍と政府は今回のこの一件に、まだ動きを見せておらず静観を貫いている。金獅子と革命軍、どちらも海軍と政府にとって消えてほしい存在だからだ。潰し合い、両者弱ったところを叩く腹積もりなのだろう。
他の島に被害が拡大しないように、念の為に大将を1人派遣するようだが…。
ただ、海軍も政府も革命軍も、況してや金獅子も、予想外の出来事が起きてしまうことを知らない。
混沌は、平和の象徴すらも呑み込もうとしている。
金獅子のシキの復活で世間が大騒ぎしているなか、同じく世間を騒がせているブラック海賊団はというと…。
「すまねェ、ブラック、ヤマト」
深刻な表情を浮かべながら、エースがブラックとヤマトに謝罪しており、その表情からもかなりの緊急事態であることが伺える。
「気にすんな!エースとルフィの
すぐに冒険に行けなくなったのは残念だが、仕方ねェ!冒険に今すぐ行きたいけど仕方ねェ。
冒険に今すぐ行きたいけど仕方ないよな…なァ、ヤマト!」
「そうだね、黒吉っちゃん!
冒険に今すぐ行きたいけどエースの兄弟を助けないとね!だからエースも気にしないで!冒険に今すぐ行きたいけど気にしないでいいから!」
対して、ブラックとヤマトは空元気というか何というか…。またしても冒険が先送りになってしまい、冒険に今すぐ行きたいという気持ちがこれでもかと目一杯に駄々漏れている。
「とにかくお前は兄弟かもしれない
金獅子のことはオレとヤマトに任せろ。オレとヤマトから冒険奪った恨みを拳に乗せて叩き込んでやるから!!」
「金獅子は黒吉っちゃんとボクでブッ飛ばすから安心してくれ!冒険に今すぐ行きたいのに、年取った老人ってろくなことしないねまったく!!」
どうやら、ブラック海賊団がまた世間を騒がせそうだ。
リヴァース・マウンテンの出口"双子岬"にて、ロジャー海賊団の元船医クロッカスと楽しい一時を過ごした後に、ついに
エースの育った故郷"
それは、金獅子に敗北して囚われの身となっている革命軍のNo.2───"参謀総長"のサボという青年についてだ。懸賞金6億200万ベリーのサボの手配書を目にしたエースは、時が止まったかのように固まり、唖然としていた。
10年程前に死んだはずの義兄弟と同じ名前で、その義兄弟の面影がある青年が、エースが震える手で握りしめる手配書に写っていたのである。驚かずにはいられなかっただろう。
ブラックがエースの異変に気付き話を聞くと、金獅子に捕らえられている参謀総長が、もしかしたら義兄弟かもしれないことを告げられ、その結果、ブラックは東の海に行くことを決定した。
ようやく始まったと思ったら、また逆走で、しかも今度は東の海。あっち行ったりこっち行ったり、本当に忙しない海賊団だ。もっとも、ダンゴ達のおかげもあって方向転換も、
「ブラック!ヤマト!
金獅子はボクが倒す!金獅子の再来ではなく、ボクこそが金獅子だと証明する!!」
ブラックとヤマトが冒険に行きたいと強く思う一方で、キャベツは何時までも金獅子の再来と言われるのが嫌らしく、己が金獅子なのだと証明するべく行く気満々のようだ。
「たとえ地獄だろうと、オレはどこにでもついていくべッ──ブラック船長!!」
バルトロメオに至っては言うまでもないだろう。
ただ1名、ふて腐れているというか、賞金首になってしまったのが余程ショックなのか…。
「もう好きにしろよ…。
お前達についてくればモリア様がすぐに見つかると思ったのに何でこうなるんだよォ…。あ、けど、私が目立てばモリア様が探しに来てくれる?
よしッ、ブラック!絶対に私のことを守り抜けよ!大切なお姫様扱いしないと許さないからなッ!!」
ただ、すぐに吹っ切れたというか開き直ったのか、現状をとりあえず受け入れたペローナ。金獅子との戦いで、彼女がどれだけ暴れてくれるか期待が高まる。
しかしながら、赤犬率いる艦隊との激突から数日───海軍大将の次にロジャー世代の元四皇に戦いを挑みに行くなど、相変わらずやることなすこと派手だ。
もっとも、キャベツはともかくてし、ブラックは目立つ為にこのような行動に出るのではない。
「けどよ、そのサボってのは本当に兄弟なのか?」
「ペローナ、エースはサボが死んだ瞬間を直接見たわけじゃない。人伝に聞いただけだ。
あくまでオレの憶測だからあまり希望は持たないでほしいが、革命軍のサボ──コイツの顔の左側の火傷の痕なんだが、見るからにかなり大きな怪我を負ってできたもんだ。それこそ、下手したら死んでたかもしれない」
つまり、死んだと思っていた兄弟が実は生きていたかもしれないということ…。
それが本当なのかは、ブラックにも分からない。だからこそ行く。エースの兄弟かもしれない人物を助ける為…。そして、エースが真実を知り、胸のつかえを取り払う為に…。
「ありがとう、ブラック…皆」
「気にすんな!
よーし、打倒"金獅子"だァァァ!!」
とにもかくにも、ブラック海賊団は金獅子のシキのもとへと向かう。
エースは真実を知る為。キャベツは金獅子を超える為。ペローナは目立つことでゲッコー・モリアに迎えに来てもらう計画に変更し、バルトロメオは地獄の果てまで守護神ブラックについていく。
そしてブラックとヤマトは、エースの為。ついでに、冒険の邪魔をされた恨みを晴らす為に…。どちらがついでなのかは、言うまでもないだろう。
金獅子も、ブラックから狙われているとは思うまい。戦力を整えたら、金獅子は間違いなくブラックを狙っていただろうが、まさかブラックの方から戦力が整う前に狙われることになろうとは…。
世界最弱の海、平和の象徴である
海軍も政府も、ブラックの行動に困り果てることだろう。
☆
東の海の流行発信地とされる"ミラーボール
現在このミラーボール島は、金獅子のシキに占拠されてしまっている。
金獅子のシキ率いる艦隊と、革命軍"参謀総長"サボ率いる革命軍東軍の衝突によって、流行発信地として賑わっていた島の面影はまったくなく、至る所から煙が舞い上がっていた。
「ジハハハハ!
さすがは革命軍参謀総長と軍隊長だ。なかなかの強さだった──だが、まだまだだ。オレとロジャー、白ひげが戦ってた時代にゃあ、テメエら程度の奴はごまんといた。数ばかりが昔よりも増えた質の低い今の時代とは違った」
「ぐッ、はあ、はあ…オレ達を人質にして革命軍の戦力を得ようと交渉したところで無駄だぞッ──金獅子!」
東の海に突如として現れた大海賊金獅子。その金獅子と、偶然にもミラーボール島付近にいた革命軍が衝突し、島に甚大な被害がもたらされてしまった。
しかも、革命軍は金獅子に敗北。
20年以上もの間、金獅子は世間から姿を隠し、一線から退いていたが、ロジャー世代の四皇の1人に数えられた大海賊の力は健在で、老いとブランクをまったく感じさせないほどのものだったようだ。
敗北した革命軍参謀総長サボと東軍軍隊長ベロ・ベティは、磔にされており、金獅子はその2人を人質にし、革命軍と交渉を行うつもりらしい。世界を支配する為の力を得る為に…。とはいえ、金獅子は初めからこのような計画を企てていたわけではない。たまたま偶然にも革命軍と遭遇したのである。
「まだ闘志は折れてねェようだな。ふッ、その精神力だけは認めてやる。オレに敗れても、それでも折れねェその心はな!だが、テメエじゃオレ様には絶対に勝てねェ!これから先もな!ジハハハハハ!!」
金獅子の強大な力の前に敗北したサボが吠えているが、彼にはもう為す術がない。
「お前達革命軍のボスが来るのを待ってろ」
ただ、仲間達の助けを待つことしかサボにはできない。己の無力さを痛感するのみ。
「く…そ…。
(エース、ルフィ……!
オレは今、何を──)」
そんな状況のなか、サボの脳裏を過った2人の少年の顔。無意識に頭の中で呟いた2人の名前。
このような状況の中で、何かが起きようとしている。サボの中で何かが目覚めようとしている。
「船長!」
「お、
そして、サボの中で大切な何かが少しずつ目覚めつつあることなど知るはずもない金獅子は、部下が報告にやって来たことで革命軍の援軍がようやくやって来たかと意地の悪い笑みを浮かべており…。
だが、金獅子の予想は大きく覆されてしまう。
「い、いえッ、違います!
で、ですが大変です!ドラゴンではなく──
「ほォ、ようやく来たかブラッ…は?
ブラック海賊団だと!?」
さすがの金獅子も、まだ世界を支配する為の戦力が足りていないこの状況で、五皇の1人を相手にするのは危険だと思っているのか険しい表情を浮かべており、能力で空高く飛んで事実確認を行い始めた。
いったい何故、ブラック海賊団が現れたのか…。
「ま、間違いねェ…あの船はロジャーのオーロ・ジャクソン号!オレが見違えるはずがねェ!
な、何故ッ、ブラック海賊団が最弱の海にいやがる!?」
金獅子の瞳に写る海賊船を、海賊王ロジャーと何度も死闘を繰り広げた金獅子が見間違うはずがない。
「ジハハハ…ジハハハハハハ!
そんなことはどうでもいい!ロジャーの船に、ロジャーの
金獅子の険しい表情は一転し、歓喜に満ちた表情を浮かべ、高らかな笑い声を上げ、大興奮している。五皇と戦うのはもう少し後だと考えていたのも、今となってはもうどうでもいい───金獅子は満面の笑みを浮かべている。
オーロ・ジャクソン号を目にしただけで、激しくも楽しかったかつての死闘の日々が鮮明に甦ってきたのだろう。
「ロジャー…テメエからのプレゼント受け取ってやるぜ──ジハハハハ!!」
すると、宙に浮いた金獅子のもとに猛スピードで何かが迫ってくる。それも気配は
空飛ぶ海賊と恐れられる金獅子を前に、新時代の空飛ぶ海賊の誕生だ。
「テメエがロジャーの息子──ゴール・D・エースか!それと"白ひげの後継者"デマロ・ブラック!
まさかテメエらと最弱の海で出会えるとは思ってもなかったが、嬉しい誤算だ!!」
ブラック海賊団の船長と副船長が揃って、金獅子の前に現れた。
「テメエが金獅子のシキか」
この状況が楽しくて仕方ないのだろう。金獅子の笑みは深まるばかりだ。対して、ブラック海賊団船長"赫猿"デマロ・ブラックは不機嫌極まりないといった様子だ。
金獅子は海賊王ロジャーの息子エースと、白ひげの薙刀を持った後継者ブラックが揃って現れたのだから喜ぶのは当然。ブラックはエースの為ではあるがまたしても冒険を一時中断することになった為に不機嫌になるのも当然。
「ジハハハハハ!
退屈な時代になったと思ってたが、今日は楽しくて仕方ねェ!お前らもそうだろォ!?赫猿ゥ!炎鬼ィ!」
「こっちは冒険の邪魔されてちっとも楽しくなんかねェよニワトリジジイ!コケーって鳴いとけ!つか、鳴かせてやるからな!
ブラックが最上大業物"むら雲切"を振るい、金獅子が義足代わりにしている名刀を振るい衝突すると、その衝撃でミラーボール島上空を覆っていた雲が割れる。
怒るブラックと歓喜する金獅子の覇王色の覇気の衝突。
ついに、ブラックと金獅子の戦いが始まってしまった。
金獅子と革命軍の衝突の後に、この2人が
「ブラック、オレはテメエの存在を知ってからの1年と数ヶ月、鈍った体を再び鍛え直した。
テメエには感謝してるぜェ。退屈なこの時代を昔のように盛り上げてくれたんだからなァ!ジハハハハ!!」
20年以上もの間、一線から退いていたブランクをまったく感じさせない金獅子は、この日を楽しみに待っていた。金獅子の想定では、ブラック海賊団との衝突は戦力がもっと整ってからだったようだが、今となってはどうでもいいのだろう。
何故なら、海賊王ロジャーや白ひげを彷彿させるブラックが目の前にいるのだから…。
もっとも、ブラックからしたら金獅子の近況など知ったことじゃないだろう。
「エース!
ニワトリジジイはオレが躾とくからお前は自分の
「!」
「船長命令だ!さっさと行ってこい!!」
薙刀を片手に、全身から雷を迸らせ肉体活性を行うブラックはやる気満々。寧ろ恨みを晴らすつもりのようだ。
「鳴けッ──
「鳴かせてみやがれ!!」
新旧"空飛ぶ大海賊"の戦い───またしても、ブラックが世界を揺るがす大事件を起こす。
一方で、金獅子の襲撃を受け修復作業中の"ニューマリンフォード"では…。
「場所は
元帥執務室にて、
金獅子と革命軍が東の海で衝突しただけでも大将案件だというのに、そこに来てブラック海賊団が何故か金獅子討伐の為に東の海に現れるという事態に、その情報がもたらされたことで完全にヤル気を失くしてだらけきっている。
しかし、それも仕方ない。気力とヤル気全てを奪われるのも仕方がない。
「それにしても、ガープさんの話が本当なら、これもまた厄介な話だ。革命軍の"参謀総長"サボが、"炎鬼"ゴールド・エースと"麦わら"モンキー・D・ルフィと
次から次へと舞い込んでくる問題。
「はあ…誰か元帥代わってくれないかな」
クザンの想いはきっと誰にも届かない。
バタバタして更新遅くなりすんませんです!!
そして、出すべきか迷っていた金獅子がついに登場で、ここでようやくサボが絡む展開です。
金獅子は、ブラックとロジャーの息子エースという存在を知ったことで、この1年数ヶ月の間は鈍った体を鍛え上げて全盛期に近い力を取り戻しております。足を失ってる分、どうしても全盛期には劣りますが、海水すらも操れるフワフワの実の能力は強大だし、何よりブラックとエースのおかげで精神的に活き活きしております。
サボは七武海以上の強さでしょうが、その金獅子には敗北。さてはて、まだ記憶が戻ってないサボのようだけど、エースと再会してどうなるか?