偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら   作:身勝手の極意

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金獅子好きな人ってやっぱり多いんですね。ふと思ったけど、FILM GOLDこそ金獅子出しとけば面白かったのではないだろうかと思ったりしている。GOLDだけに。

時系列はドフラミンゴ倒した後だし。



激戦の後……修羅場

 

 

 世界最弱の海"東の海(イーストブルー)"で繰り広げられる五皇"赫猿"と、ロジャー世代の四皇"金獅子のシキ"の世紀の大決戦。

 

 ブラックと金獅子の衝突の余波は、東の海全域にまで届きそうな───それほどまでに凄まじい。

 

 空を縦横無尽に飛び回り、目にも止まらぬ速さで繰り出される斬撃の応酬。刃が衝突すれば雲を割り、海を大きく揺らす。

 

 海の皇帝の戦いはまさしく天災だ。

 

 そんな天災級の激闘が幕を開けて数時間が経過するが、佳境を迎えている。

 

 襲いかかる獅子(海水)を、"赫猿"が斬る。とにかく斬る。覇気を纏った最上大業物"むら雲切"に斬れぬものなどないと言わんばかりだ。

 

 

「おらァァァ!!」

 

 

 全ての獅子(海水)を斬り裂いたブラックは、薙刀を構え素早く一閃。

 

 

 

 

 

死破(しば)

 

 

 

 

 

 薙刀から放たれた飛ぶ斬撃が金獅子へと襲いかかる。

 

 

「ぬッ!?」

 

 

 すると、金獅子はブラックの放った飛ぶ斬撃を足の刀で受けるでもなく、飛ぶ斬撃を放って相殺するでもなく、ただ避けていた。

 

 ブラックの放った飛ぶ斬撃がそのまま海へ落ちると、激しい水飛沫を上げて───海を大きく割っていた。

 

 

「ッ──はあ、はあ…ジハハハ、受けてたらヤバかったぜ」

 

 

 金獅子の頬を汗が伝う。

 

 海すらも容易く真っ二つに斬り裂く金獅子の"斬波"の威力を遥かに上回る飛ぶ斬撃を目の当たりにしたからだろう。

 

 さすがは、世界最強の大剣豪"鷹の目"と3日3晩戦い続けられるブラックというべきか…。

 

 

「だいぶ息が上がってるみてェだが?」

 

「はあ、はあ、まだまだこれしき…オレぁ、元気一杯だぜブラックゥゥゥ!!」

 

「そうかい。なら、続きやろうぜ」

 

 

 そして、ここに来てブラックと金獅子の間に、体力の差が見え始めている。

 

 35歳のブラックと、その2倍の年齢はあるであろう金獅子では、やはり体力が違う。金獅子がいくら鍛え直したところで、やはり寄る年波には勝てないのだ。

 

 それでもこれだけ動き戦い続けられるのは大海賊だからこそ───大海賊としてのプライドか…。精神が肉体を大きく上回り、金獅子は荒い息を上げながらもブラックと渡り合う。

 

 

「ぜェ、ぜェ…血湧き…肉躍る…まさかこの歳になって…ここまで燃える殺し合いができるとは思ってもいなかったぜェ!はァ、はァ、感謝するぜッ、ブラック!!」

 

「どういたしまして…って言うとでも思ったかジジイ!こっちは迷惑してんだよ!さっさとポックリ逝っちまえ!!」

 

 

 体力はとうに限界だというのに、金獅子は本当に楽しそうだ。その表情は活き活きしており、若返ったと錯覚してしまうほどに、全盛期を彷彿とさせている。

 

 

「ジハハハハ、そう言うなブラック!

 ロジャーとニューゲート──アイツらへの()()()はとびきり豪快じゃねェといけねェからなァ!!」

 

 

 最早、金獅子はこの世界を支配することに興味を失ったかのような、とにかくこの戦いに全てを出しきるつもりのようだ。

 

 金獅子のシキは、若い頃からこの世界を支配することを目論んでいたわけではない。

 

 富と名声(悪名)を得た後に、更なる欲に己の心を支配されてしまい、世界の支配を目論むようになったのだ。多くのものを得た人間によくある話で、金獅子のシキはそういった人間達の末路の一つなのだろう。

 

 だが、金獅子はブラックとの戦いで、富と名声を得る以前の、若かりし頃の己を思い出した。

 

 ただひたすらに、どちらが強いかと海賊王ロジャーや白ひげ達と競い合ってきた頃を…。

 

 

「オレを超えてみろッ──デマロ・ブラック!!」

 

 

 

 

 

黒金(くろがね)・獅子奮迅

 

 

 

 

 

 武装色の覇気を足の刀に纏い、黒い稲妻のようなものを発しながら金獅子はブラックへと迫る。

 

 これが恐らく、金獅子にとって()()の攻撃だ。

 

 刃に熱く燃え滾る想いを乗せて、ドロップキックの要領で両足の刀で突き技を放つ。

 

 それに対して、ブラックは薙刀の柄を能力で短くして抜刀術を繰り出すかのような構えを取り、全力を持って応戦する。金獅子と同じく黒い稲妻のようなものが刃から溢れ出ており、全身から迸る肉体活性の雷も最大出力だ。

 

 

「散れ──金獅子」

 

 

 

 

 

金剛杵(こんごうしょ)一閃

 

 

 

 

 

 刃が衝突───触れることなく、ブラックと金獅子の覇気が衝突し雲を大きく割り、その余波が遥か真下のミラーボール島にまで及んでしまう。

 

 

「ぐッ、うおォォォ──ブラックゥゥゥ!!」

 

「金獅子ィィィーーー!!」

 

 

 そして、決着の刻…。

 

 また一つの時代が終わりを迎える。

 

 ブラックの一閃は、覇気を纏った金獅子の両足の刀すらも粉々に砕き、ブラックの覇気が金獅子の覇気を上回って超えたということだ。

 

 それは、世代交代の瞬間を強く物語っている。

 

 

「ジハ…ハハハ…がふッ」

 

 

 金獅子の体から激しく血が噴き出し、この戦いが幕を閉じようとしている。

 

 

「痺れ…たぜ…ブラック。

 ジハハ…文句の…付け所…の…ねェ…最ッ高の…一撃…だった」

 

「そうか」

 

「ブラック…テメエに…最後に…頼みが…ある」

 

 

 大海賊"金獅子のシキ"の最期の言葉。

 

 しかしまさか、たった今まで戦っていた敵であるはずのブラックに頼み事を金獅子がするとは…。

 

 

「オレの代わりに世界を支配しろとか言っても、オレは支配なんかしねェからな」

 

「ジハハ…だろうな。ロジャーと…同じで…テメエが…支配に興味…ねェ…ことくらい…分かってる」

 

 

 言葉も途切れ途切れで、もう限界なのだろう。ただ、最期にこれだけは──ブラックだからこそ頼むのだろう。

 

 

「オレが…死ねば…再び…"フワフワの実"…が…この世界に…現れる。その時は…テメエ…が…手に入れて…管理…しろ。つまんねェ奴…に…渡って…ほしくねェ」

 

 

 ロジャーがブラックにオーロ・ジャクソン号を…。白ひげがブラックに"むら雲切"を…。

 

 金獅子が認めたロジャーと白ひげが後世に遺し、受け継がれているように、自分も何かを後世に遺し、受け継いでほしいと、金獅子は思っているのかもしれない。

 

 

「テメエが…認めた奴…そいつに…渡す…ってなら…それ…は…構わねェ」

 

「ったく、仕方ねェな。

 アンタの頼み事、聞き入れてやるよ。オレもフワフワの実の厄介さは身に染みたからな」

 

 

 もし、ブラックが能力者でなければ、金獅子はブラックにフワフワの実の能力者になってほしかっただろう。

 もし本当にそうなっていたら、ブラックはロジャー海賊団のオーロ・ジャクソン号に乗り、白ひげの"むら雲切"と金獅子のフワフワの実を受け継いでいたということだ。何と恐ろしいことか…。

 

 残念ながら、金獅子のその願いだけは叶うことはない。悪魔の実の能力を2つ得ることは不可能なのだ。

 

 ヤミヤミの実とグラグラの実の2つの能力を得た存在がたった1人───"黒ひげ(黒ブタ)"マーシャル・D・ティーチという異例が存在してはいるが、黒ひげだけがそれを可能にした秘密があるのだろう。

 

 

「"黒ひげ"…アイツに…だけは…絶対に…渡んねェ…ようにしろ。アイツじゃ…ねェ。

 ロジャーが…"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)"を…見つけ出して…ほしい…のは…絶対にアイツじゃねェ」

 

 

 そして、金獅子はその黒ひげにだけはフワフワの実が渡らないようにしろとブラックに頼む。

 海賊王ロジャーが遺し、白ひげが死に際に実在することを明言した"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)"を見つけ出すのも、フワフワの実の力を受け継ぐのも黒ひげではないと金獅子は断言し、強く拒絶している。

 

 ロジャーをよく知る金獅子から見ても、黒ひげは違うのだろう。

 

 強力な力を持った能力者を狩り(殺し)、どういう原理でそれを成し得ているのかは不明だが、黒ひげ海賊団は殺した能力者から、その場でその能力を奪い取っている。

 

 生憎、金獅子を相手にそれは成し得なかったが、再びフワフワの実が世に出現したら、間違いなく黒ひげは欲しがるはずだ。

 

 

「安心して任せろ。黒ブタ(黒ひげ)には絶対に渡さねェ。もし黒ひげに渡っちまったら呪い殺してくれていい」

 

 

 だから、黒ひげと何かと因縁のあるブラックは己の命をかけて金獅子に誓う。

 

 その言葉に、金獅子は満足そうに口角を上げる。

 

 

「ジハハ…頼んだぜ」

 

「金獅子!

 アンタは──メチャクチャ強かったぜ」

 

「!

 ジハハハハ!当然だ…オレァ…獅子に例えられる程の男…金獅子だからなァ!!」

 

 

 最期は豪快にそう言い放ちながら、金獅子のシキは海へと散って逝く。

 

 ブラックにとっては傍迷惑なジジイだったが、その最期は大海賊らしく、潔く、ブラックが敬意を払うには十分な姿だったのだろう。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 かつて、海賊王ロジャーや白ひげとしのぎを削った伝説の大海賊───"金獅子のシキ"が逝った(死んだ)

 

 20年以上ぶりに世間に姿を現し、ニューマリンフォードを襲撃した後に東の海(イーストブルー)を全世界支配の足がかりとして襲撃した金獅子。

 

 たまたま偶然にも遭遇した革命軍の"参謀総長"サボ率いる東軍を撃破した金獅子は、革命軍を傘下にしようと急遽画策するも、突如現れたブラック海賊団船長"赫猿"デマロ・ブラックとの激闘に敗れ死亡した。

 

 金獅子のシキの敗北(死亡)。これは、紛れもなく世代交代を物語っている。

 

 

「ふゥ、やれやれだ…ん?

 …何だありゃ──って、()()!?」

 

 

 金獅子という脅威は去った。しかし、東の海から完全に脅威が去ったわけではない。そもそも、海賊が存在する限り脅威は去ることはないのだが、現在この場所には天災級の脅威が()()も存在している。1人は、言わずもがなブラックだ。

 

 そして、もう1人は海軍本部大将・藤虎である。

 

 

「は?ヤマトとキャベツが戦ってる?

 アイツら何やってんだ?」

 

 

 その藤虎が悪魔の実の能力で隕石を呼び寄せて戦っているのは、ブラック海賊団のヤマトとキャベツのようで、ブラックはそれを見聞色の覇気で察知していた。

 

 

「大方、オレに出番奪われた(打倒金獅子)からって理由で、大将見つけたから戦いを挑みに行って、ヤマトが心配だからってついてったってところか?」

 

 

 それから、何故あのような事態になっているのかをブラックは的確に推理した。よく船員を理解している船長である。

 

 

「とりあえず大丈夫そうだけど…どうすっかな?」

 

 

 大海賊同士の激突の後に、大海賊と海軍大将の激闘が勃発するのか───はてさて、いったいどうなるのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その範囲は地球を飛び越えて宇宙にまで及ぶ。

 

 宇宙から巨大な隕石を引き寄せた海軍大将・藤虎は、その隕石を任意の場所───海賊目掛けて落とす。

 

 "仁義ある正義"を掲げる盲目の剣士。藤虎ことイッショウ。

 

 自身を新参者と口にしており、マリンフォード頂上戦争後に世界徴兵制度によって大将の座に就いた新しい大将である。ただ、その実力は海軍最高戦力と讃えられるに相応しいもので、本物だ。

 

 懸賞金10億を超える大海賊を相手にまだまだ余裕を見せており、本人曰くこれも腕試しとのことだが、四大将の一角に選ばれただけあってその戦闘力は正しく化け物である。

 

 悪魔の実 超人(パラミシア)系"ズシズシの実"の能力者。藤虎は重力を操ることができる。

 今も大きな岩に反重力をかけて浮かし、それに乗って戦っているのだ。

 

 新世界で活躍する海賊達、それらを相手にする海兵達、新世界で生き残るには陸海空どんな領域でも戦えなければならない。

 

 

「ハアァァア!!」

 

 

 もっとも、懸賞金10億超えも同じく化け物だ。

 

 

 

 

 

雷鳴八卦

 

 

 

 

 

 藤虎が能力で呼び寄せた隕石に"翔清雲"に乗って自ら突進し、金棒を全力フルスイングして隕石を粉々に砕くのは、予期せぬ形で藤虎と戦うことになってしまったというか、巻き込まれてしまったヤマトである。

 

 ヤマトは武装色の覇気の高等技術"内部破壊"の力を用い、巨大な隕石を木っ端微塵にしてしまった。

 

 

「あれを粉砕するたァ…さすがは──"百獣の娘"。恐ろしいったらありゃしねェ」

 

 

 ヤマトも1年数ヶ月の修業で確実に強くなっている。

 

 全てはクソッタレな元父親(カイドウ)を倒す為に…。いや、もうそれだけが理由ではない。ヤマトが強くなる一番の理由は、ブラックといつまでも共にいる為だろう。カイドウを倒すのは、カイドウが弊害だからだ。

 

 

「悪いけど、ボクはもうカイドウの娘じゃないよ。縁はきっぱり切ってるからね。

 ボクはブラック海賊団のヤマトで、二代目・光月おでん!それと、黒吉っちゃんの()()()()()だ!だから"影虎"ッ、ボクのことを二度と"百獣の娘"なんて言わないでくれ!」

 

「影虎じゃなく──"藤虎"でござんす」

 

 

 ただ、ヤマトはカイドウと親子の縁を切ったと言っているが、それは一方的にであって、藤虎や他者からしたらどうでもいいことだ。ヤマトがカイドウの娘であることは事実で、ただそれだけなのだ。

 

 

「アンタがカイドウと縁を切ろうと、あっしには一切関係のないこと…。

 アンタが懸賞金10億を超える海賊である以上、罪なき一般人に危害を加える以上、あっしは大将として対処するだけでござんす」

 

「むゥ…あ、けど黒吉っちゃんはカタギに手を出すことを固く禁じてるからそこは安心していいよ。

 それを破ったら、黒吉っちゃんに嫌われちゃうしね。そうなったらボク…うう、想像しただけで泣けてきちゃったじゃないかッ!!」

 

 

 藤虎の言葉で、ヤマトは己がカイドウの娘であることを改めて認識する。こればかりは、何をどうしようと絶対に覆ることがないのだ。

 

 しかし、今のヤマトにとって、実際のところそれはもうどうでもいいことなのかもしれない。

 

 ヤマトは己にとっての一番に出会ったのだ。それこそ、"おでん"になること以上に大切な人(ブラック)を…。

 

 

「アンタ…もしやブラックと恋仲ですかい?」

 

「恋仲?黒吉っちゃんとボクが?

 恋仲…は?え?えぇぇぇぇ!?

 こ、こここ、恋仲ってあれだよね!?相思相愛で、後に"おでんとトキ"みたいに夫婦(めおと)になる人達のことだよね!?ボクと黒吉っちゃんが恋仲!?恋仲でいいの!?黒吉っちゃんと夫婦になれるの!?そうなの!?」

 

 

 そして、ヤマトはブラックに出会ってからというもの、とんでもなくブラックのことを好きになっているようだ。それはもう好きや大好きを通り越して、"愛している"だろう。

 

 

「いや…あっしに聞かれやしても…」

 

 

 これも、20年近くもの長期間、カイドウに軟禁されてしまっていた影響なのか…。恋などしたこともない百獣の娘───ヤマトは"生娘"なのである。

 

 

「な、なら、やっぱり"おでん"は黒吉っちゃんで、ボクは"トキ"になるべきなのか?どうすればいいんだろう」

 

 

 さすがの藤虎も困惑しており、ヤマトをどうすればいいのか悩んでいるようだ。海賊である以上、斬るべき敵なのだが、藤虎の鋭い勘が斬るべきではないとも告げている。

 

 藤虎の勘は正しく、ヤマトを斬ったら間違いなくブラックが怒るだろう。

 

 

「うおォォォォォ!

 藤虎ァァァ!よくもッ、ボクを海に叩き落としてくれたな!?」

 

 

 そんな状況の中、海から水飛沫が舞い上がり、キャベツが海の中から這い上がってきた。どうやら、藤虎によって海に叩き落とされてしまっていたらしい。

 

 

「ああ、丁度いいとこに来てくださって助かりやした。

 おたく(ブラック海賊団)のお嬢さんが脳内お花畑状態になりやして、どうしたもんかと困っていたところでござんす」

 

「は?」

 

 

 藤虎がそう口にし、キャベツがヤマトの方を向くと、"翔清雲"に乗ったヤマトは頬を染めて、その頬に両手を当てて、くねくねしながら顔をニヤつかせており、自分1人の世界に入り込んでいる。これからは、"私"と言わないといけないなどと、何やら予行練習のようなものまでしており、隙だらけだ。

 

 藤虎がお手上げ状態なのも、キャベツは何となく頷けた。

 

 

「ここからはボクが相手だ、藤虎。

 さァ──第2ラウンドといこうじゃないか!!」

 

「やれやれ…そのまま溺れ死んでくれていたら良かったものを…。まァ、能力者じゃねェのに8億を超える賞金をかけられてんだから、これくらいでくたばらねェのは当然ですかぃ。アンタ、厄介だねェ」

 

 

 ヤマトがこのような状態な為に、次はキャベツが藤虎と戦う番で第2ラウンドだ。

 

 第1ラウンドは藤虎の能力で海に叩き落とされてしまったが、次はそうはいかないだろう。

 

 

「しかし、よく海の中から這い上がってこれやしたね。

 かなり深く落としたつもりでしたが」

 

「ボクは空の上だろうと、海の中だろうと駆けることができるからな!」

 

 

 そう、キャベツはキャベツ流月歩"煌めく流星"の応用技"煌めく波濤"で、海の中だろうと海の上だろうと駆けることが可能なのだ。つまり、陸海空全てがキャベツの活動領域。

 

 

「アンタらブラック海賊団は本当に厄介だ」

 

「その中でも一番厄介なのはボクだ!

 "特攻隊長"キャベンディッシュ!覚えておけ!!」

 

「むッ!?」

 

 

 煌めく流星で一気に距離を詰め、藤虎に斬りかかったキャベツ。藤虎はそれをどうにか防ぐも、完全に防げていなかったようで肩から血が噴出する。

 

 

「今度はボクの番だ」

 

 

 

 

 

超美剣・煌めく鳥狩(ファルコンリー)

 

 

 

 

 

 超神速の一閃。

 

 盲目ながらも、大将の座に就く藤虎は、高度の見聞色の使い手だ。だからこそ、盲目だろうとヤマトとキャベツを相手に渡り合えている。だが、キャベツの速度が藤虎の見聞色を上回り、斬り裂いた。

 

 

「ぐッ──(さっきよりも速いッ!!)」

 

「まだだ!!」

 

 

 そして次なる猛攻。藤虎から距離を取ったキャベツは身を深くして剣を構え、離れた位置から名刀"デュランダル"を一閃。

 

 

 

 

 

超美剣・煌めく渡り鳥(マイグラトリーバード)

 

 

 

 

 

 一振りで複数の飛ぶ斬撃が放たれ、藤虎に襲いかかる。

 

 大将相手に引けを取らない金髪の剣士───キャベンディッシュ。金獅子の再来が、金獅子が討ち取られた今、新たな金獅子として名を轟かせようとしている。

 

 いや、獅子ではない。キャベツは、高いハンティングスキルを持つ鷹のようだ。

 

 金獅子の再来から"金鷹(こんじきだか)"へ…。キャベツは有言実行し、再来から唯一無二の存在へと進化する。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 金獅子のシキと革命軍が衝突し、甚大な被害を受けたミラーボール島。そのミラーボール島に、また新たに一隻の船が到着した。

 

 船首から船尾まで龍の装飾が飾られたその船は、"革命軍"の本船だ。

 

 

「ようやくお出ましか…モンキー・D・ドラゴン」

 

「ブラック海賊団が金獅子と戦っているという情報は入っていたが…何故、お前達ブラック海賊団が…」

 

 

 そして、革命軍の"総司令官"ドラゴン自ら、この島に上陸した。革命軍の仲間、部下達を助けるべく…。もっとも、すでに金獅子はブラックによって討伐されたのだが…。

 

 金獅子を討伐したブラックはヤマト達の方には向かわず、革命軍の本船が近くにいたことを察知した為に、ミラーボール島で革命軍を待ち構えていた。

 

 ヤマトとキャベツならば、大将が相手でも問題ないだろうという判断のようだ。

 

 それと、革命軍を待ち構えていたといっても、革命軍と戦うつもりなどまったくないのだが…。どちらかというと、エースの為だろう。

 

 

「ブラック!?」

 

「え──()()()?」

 

 

 ただ、革命軍の本船からどういうわけかニコ・ロビンが現れる。まさかの再会に、目を丸くするブラック。

 

 そのブラックにゆっくりと駆け寄るニコ・ロビン。

 

 1年と数ヶ月ぶりの───シャボンディ諸島以来の再会。

 

 

「黒吉っちゃーーーーーん!!」

 

 

 そして、その状況で()()が揃ってしまう。

 

 

「お、ヤマト」

 

()()()()()黒吉っちゃん!!」

 

 

 上空からブラックの目の前に舞い降りてきたヤマトが、ブラックを抱き締める。

 

 

「は?」

 

 

 ブラックとロビンの再会は、激戦後に修羅場と化す。

 

 

 






薙刀から放たれる飛ぶ斬撃。死破(しば)
由来はインド神話の破壊神シヴァからですね。はい。威力はシキの斬波を上回り、鷹の目といい勝負。

抜刀術の構えからの超神速の一閃。金剛杵(こんごうしょ)一閃。
金剛杵は、インドラの下す雷電のことです。


金獅子さんのお技。ドロップキックならぬ突き技。
黒金・獅子奮迅。


さすがに、ロジャーと白ひげのように雲を全て払うまでには至らず。けど、刃が触れることなく刃から迸る覇気の衝突によって、周囲に大きな余波は起きてます。


さてはて、金獅子が死んだことで、フワフワの実が再び世に出てくることになるけど、いったい誰が金獅子の後継者になる?

黒ひげは金獅子に拒否られました。つまり黒ひげ海賊団の奴らも拒否られてる。


キャベツさん、金獅子の再来から新たに独自の異名が!?
金鷹と書いて、金鷹(こんじきだか)と読む。

ブラック VS 金獅子、ヤマト&キャベツ VS 藤虎、その後に修羅場?

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