偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら   作:身勝手の極意

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お待たせしました。

はてさて、ロビンはどのような選択をするのかな?



デマロ・ブラックが与える影響

 

 

 "ルスカイナ島"。

 

 海軍と世界政府は知らない。凪の帯(カームベルト)に存在するこの島にて、()()()()()()が育てられていることを…。着実に育っていることを…。

 

 

「ぶッ、ぐへッ!!」

 

「おらおらどうしたァ!?

 そんなんじゃ、ロビンを任せらんねェぞ──ルフィ!!」

 

 

 腹を殴られ、そのまま間髪入れずに背中に踵落としを叩き込まれて地面に叩きつけられるのは、懸賞金4億ベリーの海賊"麦わらのルフィ"である。

 

 そして、ルフィを一方的に叩きのめしているのは、ルフィとまったく同じ顔をした大海賊"赫猿"デマロ・ブラックだ。

 

 

「こ、こんにゃろおォォォ!!」

 

「おッ、そうだルフィ!いいぞ!!」

 

 

 だが、ルフィはただ一方的にやられるばかりの弱い海賊ではない。着実に強くなっている。

 

 ブラックという格上に何度も殴られ、蹴られることで、その身に技術を直接叩き込まれることで、その技術をどんどん吸収していく。

 

 ルフィの攻撃を防いだものの、大きく弾き飛ばされたブラックはそれを身を持って味わいながら嬉しそうに口角を上げている。

 

 

「覇気の扱いに長けた者は、身体の中を取り巻く不必要な覇気を流すことで、直接触れずに弾き飛ばすことができる」

 

「で、できた。

 レイリーが最初に見せてくれたやつだ」

 

 

 この1年と数ヶ月という、本来なら短い期間で覇気の基礎を冥王レイリーに叩き込まれたルフィは、会得した覇気をより洗練させる為、そして次の段階へと昇る為に、ルスカイナ島を訪れたブラックから荒療治的な厳しい扱き(特訓)を強いられているが、血反吐を吐きながらもブラックの期待に見事に応えているようだ。

 

 この1年と数ヶ月でルフィは見違えるほどに強くなった。冥王レイリーですらも、ルフィの才能の高さには驚くばかり。しかし、ルフィはまだまだ強くならなくてはならない。"海賊王"の存在は遥か高みにいる。

 

 そして、ブラックは何としてもルフィに強くなってもらわなくてはならない。その理由は、ルフィに期待を寄せているからだけではなく、ロビンが関係している。

 

 ブラックにとって大切なロビン。彼女は麦わらの一味に残り冒険することを決意した。ロビンにとって、ブラックが愛しい男であることは疑いようのない事実だが、麦わらの一味も彼女にとって愛しい仲間で、大切な家族なのだ。

 

 ヤマトにとってブラックが己の世界を変えてくれた存在であるように、ロビンにとっては麦わらの一味が己の世界を変えてくれた存在なのである。

 

 ブラックと婚約したからといって、そう簡単に抜けられるはずなどない。ロビンがそんな薄情な女なはずがない。もちろん、ブラックもそれを理解しており、自由を追い求める彼がロビンを縛るような真似などするはずもない。

 

 

「ロビンを狙ってやがる奴は多い。

 これからどんどん増してくるだろう。オレに対する人質としてだったり、ロビン自身の古代文字を読めるという稀少な力を求める者もいる。他に、ロビンの美貌を求める男も…考えただけで腹立ってきた」

 

 

 ただ、弱い男に愛しい女を任せられるはずもない。

 

 だからこうして、ブラック(兄弟子)ルフィ(弟弟子)を本気で鍛え上げているのである。またしても冒険が先送りになってしまったが、愛しい女と冒険のどちらが大切かと聞かれたら、さすがのブラックも愛しい女を選ぶ。

 

 決して迷ったりはしない───恐らく。

 

 

「ぐうぅッ!!」

 

 

 ブラックも本心では、自分自身の手で守り抜きたいと思っているだろう。もちろん、ロビンに何かあれば地球の反対側だろうと、果てだろうと、どんな場所だろうとも向かうつもりでいる。火の中水の中だ。それでも、ロビンが狙われている身でありながらも麦わらの一味に残ることを許可しているのは、彼女の意思を尊重してのこと。

 

 とはいえ、心配なものは心配だ。

 

 

「がふッ!

 そ、空島の衝撃貝(インパクトダイアル)よりもッ、はあ、はあ、ぐふッ、ハトの奴の(六王銃)よりもッ──それ以上の威力だ!!」

 

「武装色の覇気には、弾く覇気の更に上が存在する。それが、この"内部破壊"だ」

 

 

 ここまで覇気を極めた者は、猛者達が集う新世界にも少ない。さすがは五皇というべきか…。手加減してるとはいえ、ルフィへのダメージはあまりにも大きく、血を吐き出し、立ち上がることができずにいる。それでも気絶せずにいられるのは、ブラックの絶妙な力加減のおかげか…。

 

 

「おのれェ、ブラックゥゥゥ!

 ルフィが強くなる為にと先程から黙って見ていれば、ルフィを痛めつけおって!絶対に許さぬ!妾がおぬしを痛めつけて犬の餌にしてくれる!!」

 

 

 しかし、特訓とはいえルフィの痛めつけられように我慢できなくなったハンコックがブラックへと襲いかかろうとする。

 

 ルフィに強くなってもらう為とはいえ、ロビンを守る為という私情がその理由の大半を占めてのブラックの行動は、他者から見たら自分勝手にしか映っていないだろう。

 

 

「ダメだよ、ハンコック」

 

「ッ、どけッ──カイドウの娘!!」

 

「その呼び方はやめてくれないかな?

 まァそれはともかくとして、黒吉っちゃんはロビンを守ってもらう為にルフィに強くなってもらおうとしているけど、黒吉っちゃんはルフィだから任せられるんだよ」

 

 

 ルフィをここまで痛めつけて鍛えるのも、ロビンの意思を尊重すると決めたとはいえ、生半可な男になど任せたくないから…。それと、ブラックのルフィに対する期待の現れでもある。

 

 

「エースもサボも落ち着きなよ。

 黒吉っちゃんは決して無駄なことはしない。これは、ルフィと…麦わらの一味にとってとても大切なことだよ。

 君達は絶対に邪魔をしちゃいけないんだ」

 

 

 それを理解しているヤマトはハンコックを止め、キャベツ、ペローナ、バルトロメオの3人に止められているエースとサボを、鋭い視線で制止させる。

 

 

「副船長!サボ大先輩!

 ルフィ先輩はこんなこと望んでないべ!!」

 

 

 エースもサボも、やりすぎなブラックに飛びかかりそうだったが、キャベツ達に止められ、ヤマトの鋭い視線と言葉、更にはバルトロメオにまでそう言われて、さすがに動きを止めた。

 

 バルトロメオは、憧れのルフィの為にと大奮起している。相手がルフィの兄であろうと、神の如く崇める憧れのルフィと、同じく神の如く崇める己の船長ブラックの為ならば、エースとサボとも敵対する。

 

 

「黒吉っちゃんは誰よりもルフィに期待しているんだ。

 そして、ルフィはその黒吉っちゃんの期待に全力で応えようとしている。だから絶対に邪魔しちゃいけない」

 

 

 ヤマトがハンコック達から視線を外し、愛しいブラックの方に視線を向けると、そのブラックの目の前で地に伏していたルフィがどうにか立ち上がっている。

 

 ブラックの一撃が相当効いているのか、立ち上がることがやっとの満身創痍だ。しかし、その瞳はまったく死んでおらず、寧ろ一段と輝きが増し、ルフィは笑っている。

 

 

「はあ、はあ…や、やっぱ…凄ェな…ブラ男は」

 

「だろ?

 けど、お前はそのオレを超えないといけねェ。海賊王になるんだからな」

 

「ああ。

 でも…はあ、はあ…オレが強くなるのは…海賊王になる為だけじゃ…ねェ」

 

 

 強く覚悟の籠った瞳で、ルフィはブラックに己の覚悟と想いを、今ここで告げる。

 

 

「ロビンは大切な仲間だ。だから守る…絶対に。

 それと、ロビンはブラ男にとってメチャクチャ大切な存在だから、オレが守るんだ。()()はオレが、ブラ男の大切なロビンを守るんだ!」

 

 

 それはきっと、マリンフォード頂上戦争でブラックがエースを助け出し、守り抜いてくれたことに対する恩返しのようなものでもあるのだろう。

 

 ルフィは、受けた恩は必ず全力を持って返す男だ。

 

 

「このハナッタレが一丁前に」

 

「ししし!」

 

「言ったからには必ず絶対に守れよッ──ルフィ!これは男と男の約束だぞ!!」

 

 

 その覚悟と想いを受け取ったブラックが、愛しいロビンをルフィへと託す。

 

 その光景に、美しい一筋の涙が───ぽとりと地面にゆっくりと落ちる。

 

 

「ありがとう…ブラック、ルフィ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は偉大なる航路(グランドライン)、モモイロ島"カマバッカ王国"。

 

 ルスカイナ島にて、"麦わらのルフィ"ことモンキー・D・ルフィが"赫猿"デマロ・ブラックに地獄の扱きを受け、短期間で急激な成長を遂げているなか、同じく麦わらの一味に所属するとある男も、急成長を遂げていた。

 

 正確には、()()()()()したというべきだろうか…。

 

 ただ、他の麦わらの一味の仲間達の中で、これを予測していた者はきっと何人かいるはずだ。

 

 

「ぐぬぬぬぬッ、こんちくしょうがァァァ!!」

 

()()()()()、どうし──ッ、燃えてるッ!?」

 

 

 麦わらの一味のコック"黒足のサンジ"。懸賞金7700万ベリー。麦わらの一味の主戦力であり、一味全員の胃袋を掴んでいるコックが怒りで熱く燃えている。

 

 

「ロビンちゃんとの婚約だけなら蹴り千発で我慢してやったが、ロビンちゃんの他にも美しい婚約者がいるだとォォォ!?絶対に許さん!オレは怒ったぞッ──ブラックゥゥゥ!!」

 

「は!?

 こ、今度は()()!?黒足ボーイ!ど、どういうことなのォォォ!?」

 

 

 すると今度は、全身から炎だけではなく電撃まで放出し始めたサンジ。しかし、サンジの変化───いや、進化(覚醒)はそれだけでは止まらない。

 

 

「デマロ・ブラック!奴はオレの敵だ!

 頂上戦争でルフィを守り抜いたことを感謝したオレがバカだった!奴は討つべき敵だ!

 許さん…許さんぞォォォ!!」

 

「なッ!?と、透明化!?

 い、いったいどういうことッチャブル!?」

 

 

 麦わらの一味のコックで、無類の女好きのサンジにとって、ニコ・ロビンとヤマトという美女2人と婚約したデマロ・ブラックは万死に値する存在だ。

 

 1年と数ヶ月前にカマバッカ王国に飛ばされてしまったことで、女に餓えまくっているサンジにとって、麦わらの一味というかサンジにとってのアイドル的存在であるニコ・ロビンとあんなことやこんなことやそんなことまでできる間柄になれることがどれだけ羨ましいことか…。

 

 

「ブラックゥゥゥ!

 オレは絶対にテメエを超えてやるぞ!そして、ロビンちゃんを取り返す!首洗って待ってやがれェェェ!!」

 

 

 ニコ・ロビンを取り返すと宣言するサンジは、ブラックよりも自分が強く逞しい最高の男であることを証明し、彼女に惚れ直されて抱き締められ、その果てにあんなことやこんなことやそんなことまでしているというか、この1年と数ヶ月でますます色っぽくなっているであろう彼女の淫らな姿を妄想してなのか、鼻血を垂れ流している。

 

 そもそも、サンジが何かしたところで、ブラックとロビンの仲は決して引き裂けないだろうが…。返り討ちに合うのが目に見えている。

 

 

「ハッ!

 ま、まさかブラックの野郎ッ、ロビンちゃんだけじゃなく、ナミさんにまで手を出すつもりじゃないだろうな!?

 とんでもねェ女好きだ!絶対に滅してやるゥゥゥ!ナミさんもロビンちゃんもお前の為にセクシーに成長してるわけじゃねェ!絶対にオレの為なんだァ!!」

 

「コイツ…どうすりゃいいの?」

 

 

 燃えたり、スパークしたり、消えたり(透明化)、鼻血垂れ流したりと実に忙しないサンジに、カマバッカ王国女王───エンポリオ・イワンコフは驚きすぎた後に対応に困っている様子である。

 

 ただ、何をきっかけに覚醒したのか理解できていないが、サンジが急激に強くなったことだけは感じ取っているようだ。

 

 

「ナミさんとロビンちゃんはオレが守る!!」

 

 

 モテない男の嫉妬は醜いが、時にとんでもない力を与えてしまうことがある。サンジの覚醒はまさしくそれだ。

 

 もっとも、麦わらの一味にとってサンジの覚醒は有難いものだろう。ブラック海賊団よりは数人多いが、同じく少数精鋭の麦わらの一味の個々の戦力強化は新世界に乗り込む上で必要不可欠。シャボンディ諸島にて散り散りになってしまったことをきっかけにではあるが、麦わらの一味が再結集するのを"2年後"に変更したのもその為なのである。

 

 こうして、麦わらの一味はデマロ・ブラックの影響で想定以上の戦力強化に成功することになった。

 

 もしかしたら、ブラックとロビンの婚約発表がきっかけとなり、これまでほんの僅かにロロノア・ゾロに劣っていたサンジが、ついにゾロを超えた可能性もある。醜いモテない男の嫉妬がまさかこれほどの力をサンジに与えようとは…。

 

 ただ、サンジの覚醒をゾロは野生の勘で感じ取っているかもしれない。そして、対抗心を燃やして修業に更に励んでいるかもしれない。麦わらの一味のトップ3は、ゾロとサンジは直接的ではなく間接的にではあるが、3人共がブラックの影響にて大きく成長している。

 

 ルフィが、いつの間にか自分のペースに巻き込みその場にいる者達を味方につける王の資質の持ち主なら、ブラックは己の強大な力で魅了し、強くなるきっかけを与える王の資質の持ち主なのかもしれない。

 

 サンジの場合は、女好きのサンジには特殊(悲惨)すぎるカマバッカ王国での日々で蓄積された女への餓えが天元突破し続けていた状態でブラックとロビンの婚約発表を知ってしまったという、二つの要素が見事なまでに絡みあっての覚醒ではあるが…。きっと、カマバッカ王国以外に飛ばされていたら、ここまでの覚醒はなかったかもしれない。それでも、ブラックとロビンの仲睦まじい近況を知り、血涙を流すことは間違いない。

 

 

「あ、そういえば黒足ボーイ。

 海賊女帝が麦わらの一味に加入するみたいよ。良かったッチャブルね」

 

「んなッ、ホントか!?」

 

「まァ、海賊女帝は麦わらボーイに()()()()みたいだけど…麦わらボーイも婚約するのかしら?

 赫猿といい、麦わらボーイといい、イイ女にモテモテッチャブルね」

 

 

 その瞬間、サンジが灰と化し───そこから不死鳥の如く甦り、熱く燃え上がる。

 

 

「ブラックゥゥゥ!ルフィィィィ!

 蹴り殺してやるからなァァァ!!」

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 ブラック海賊団がルスカイナ島を訪れて1週間が経過し…。

 

 

「ヤマト、良かったのか?」

 

 

 ペローナがヤマトに何かを尋ねると、それに対してヤマトは苦笑いを浮かべている。

 

 ヤマト自身は仕方ないと受け入れているが、ペローナはヤマトを心配しているようだ。

 

 

「ロビンも自分で決めたことだし、黒吉っちゃんもロビンの意思を尊重するって決めた。2人でちゃんと話し合って決めたことだ。けど、毎日一緒にいれるボクと違って、黒吉っちゃんとロビンはなかなか会えない。彦星と織姫みたいなものだからね。だから、今日はロビンに譲るよ。

 思いっきり黒吉っちゃんに甘えたらいいと思う」

 

 

 ブラックとロビンは、今2人きりの時を過ごしている。

 

 ヤマトとペローナがいる反対側で、これからなかなか会えなくなる時間の分だけ、きっと愛し合ってることだろう。

 

 

「寂しくないのか?」

 

「うーん、全然寂しくないってわけではないけど、寧ろ嬉しいかな」

 

「嬉しい?」

 

 

 愛し合っているであろうブラックとロビン。それを羨ましく思わないのか、自分だけ放っておかれるこの状況を寂しく思わないのかと聞いてきたペローナに対して、ヤマトは意外な言葉を返した。

 

 自分だけ仲間外れにされているこの状況のどこが嬉しいのかと、ペローナは当然、ヤマトに疑問を抱く。

 

 

「ボクね、最初はロビンを警戒してた。正直、嫌いだった。でも、話していくうちにロビンのことを好きになって、凄く素敵な女性だと思った。ボクの中では、ハンコックよりもロビンの方が綺麗に見える。そんなロビンが愛してる人がボクと同じで、その人がロビンとボクを一生をかけて幸せにしてくれるって言ったんだよ!?嬉しくないわけないよね!!

 ボクは黒吉っちゃんを誰よりも愛してる。それと同じくらい、ロビンのことも大切に思いつつあるんだ」

 

 

 きっと、ヤマトのこの気持ちはペローナには決して、一生かかっても理解できないものだろう。ペローナは自分だけを見てほしいタイプだから、もし恋人ができたとしたら、絶対に他に恋人がいることなど許せるはずがない。

 

 ヤマト達のこの関係は───ブラック、ヤマト、ロビンの3人だからこそ、上手く成り立つ関係なのだろう。

 

 

「私には、ヤマトの気持ちがちっとも理解できない」

 

「まァ、ボクとロビンの黒吉っちゃんに対する愛がとても大きいってことだよ!」

 

 

 ヤマトは簡潔にそう述べる。

 

 そう述べたヤマトの笑顔は、とても綺麗なものでペローナも見惚れていた。

 

 

「あれ?」

 

 

 ただ、美しい笑みを浮かべていたヤマトの表情が一変する。

 

 

「ヤマト?どうした?」

 

「黒吉っちゃんが…()()()()!!」

 

 

 どんな時でもブラックのことになると敏感なのはさすが───しかし、ブラックとロビンが愛し合っているこの一時を邪魔する輩とはいったいどんな不届きものなのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイドウの娘とニコ・ロビン…2人の女と婚約したらしいな、ブラック…おめでとう。

 ご祝儀代わりだ──オレと戦え、ブラック」

 

 

 世界最強の剣士が、ブラックの"ビブルカード"を頼りにルスカイナ島に襲来した。

 

 ルスカイナ島には現在、冥王レイリーの他に、麦わらのルフィ、"王の女"ニコ・ロビン、元七武海の"海賊女帝(自称・王妃)"ボア・ハンコック、革命軍"参謀総長"サボ、そしてブラック率いるブラック海賊団がいる。

 

 そこに、世界最強の剣士と、その()()まで揃うとは───ここはどれだけ危険地帯なのだ。

 

 

「鷹の目…まずはオレにやらせろ。

 五皇ブラック相手にどこまでやれるか確かめてェ」

 

「我が弟子よ…まだお前には早い」

 

「そうやって自分だけ楽しもうとしてんのバレバレなんだよ!!」

 

 

 どうやら、鷹の目はブラックと戦いにやって来たらしい。それも弟子のロロノア・ゾロを連れて…。2年後に再会を約束しているはずの麦わらの一味の仲間が3人もここに集うとは…。とはいえ、ブラックと戦う為だけに凪の帯(カームベルト)を越えてまでやって来るとは…。ビブルカードに導かれたのだから仕方なくはあるが、さすがの一言に尽きる。ブラックという好敵手に対して恐るべき執念、執着だ。

 

 ブラックは後悔していた。鷹の目に自分のビブルカードなど渡すべきではなかったと…。ペローナを紹介してもらったからと、考えなしに渡してしまった己の浅はかさを痛感している。

 

 よくよく考えてみたら、鷹の目にビブルカードを渡すということは、頻繁に決闘を挑まれるということだ。たとえ、ロビンと愛し合ってる最中だろうとお構い無し。ヤマトと愛し合ってる時だろうとそうなる可能性は高い。

 

 鷹の目からしたら、女に現を抜かすとは体たらくな奴だといったところだろう。

 

 

「金獅子を倒したことで、五皇としての貫禄──覇王色の覇気が増している。今のお前と戦いたい」

 

「まずはオレと戦え、ブラック。

 五皇の強さを体験するまたとない機会だ」

 

 

 揃って戦闘馬鹿な師弟コンビは、ブラックの背後で辛うじて裸の上にシーツを巻いているロビンになど興味ないようだ。しかし、ブラックからしたらこれは大事件だ。なんせ、愛しい女との一時を邪魔されたのだ。

 

 これは万死に値し、天罰が降ることだろう。

 

 

「ブラック、ゾロには少しきつくお灸を据えてもらえるかしら?」

 

 

 そして、怒っているのは彼女も同じ。

 

 

「ああ、ちょっと待っててくれ」

 

 

 あのルフィですら、空気を読めているのかブラックとロビンを2人きりにしている。

 

 久しぶりの好敵手を得たことでイキイキとしている鷹の目と、大剣豪になる為に、最高の相手と訓練できるこの機会を無駄にしたくないロロノア・ゾロ。

 どうやら、ブラックの影響でこの2人は戦闘狂になりつつあるかもしれない。

 

 

「まとめて相手してやるから、かかってこいクソッタレ共が!!」

 

 

 ブラックを中心に、いつも世界は騒がしい。

 

 

 






シャンクスがルフィに麦わら帽子を託したように、ブラックはロビンをルフィに託す。モノじゃないんだけどね。彼女の意思を尊重し、そして期待するルフィだからこそ…。
そしてルフィはそのブラックの期待に全力で応えようとしているという…。


エニエス・ロビー編とかでは、バスターコールの追撃から逃れる為の頭脳プレイなどでカッコ良かったサンジ。けど、新世界編に入ってからほとんどイイトコなしのサンジ。しかも、最近ではジンベエまで入ったことで…。
そんなサンジがブラックに対する嫉妬と怒りでジェルマ大覚醒を起こしてしまった。イチジの火花など火遊びな炎、ニジの電撃などスタンガンレベルな電撃、ヨンジの怪力など蚊でも止まったかのようにしか感じないほどに脚力が増し、そしてついに手に入れた透明化!!

唯一、人間として成長したサンジが、ここにきてジェルマの血統因子の総結集、最高傑作として覚醒。

嫉妬の大覚醒によってレイドスーツなくても能力操れる。これに関しては、原作でニジがレイドスーツなしに電撃操ったり、透明化してたからできる。

良かったね、サンジ!ジャッジパパが掌返しして、ジェルマの最高傑作です!ってビッグマムに差し出すよ!!


ルスカイナ島はやっぱり騒がしいね!
ブラックが金獅子戦って勝ったことを知った鷹の目。いてもたってもいられなくなった鷹の目は、己という最高のご祝儀を渡しに参上。

え?七武海が問題児の1人を連れ歩いてるけど大丈夫?ノープロブレム。鷹の目はいつ七武海辞めてもいい。だって新たな好敵手見つけたしね!!

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